今回は資格「パソコン整備士」についてです。
パソコンが広く普及している現在、パソコンのトラブルでお困りの方は多いと思います。
そういった時にパソコン整備士の資格を保有している人が近くにいれば頼ることが出来ますし、身近に居なければお店へ相談に行くとこういった資格を持っている人が対応してくれることと思います。
その「パソコン整備士」の資格を取るときに必要な情報をお伝えしていきます。
Contents
適用する仕事
パソコン整備士は、パソコンのハードウェア・ソフトウェアに関する民間資格です。
こちらの資格はIT関連業務従事者に対応しています。
まずは、級ごとにどんな技術を有していることを示すかを記します。
各級ごとにできる技術
級が上がることに構築できるネットワーク規模が大きくなったり、セキュリティや運用管理などの面でより深い扱いができるようになります。
3級
個人で使用しているときのパソコンのトラブルの原因が把握できる知識と技術をもっていることを示します。
また、パソコンを使用するうえで、最低限必要とされる情報倫理を習得しています。
受験者はIT基礎を学びたい方が多く、家庭や職場である程度安心してパソコンを使うことが出来るようになったことを示すのが3級です。
3級の合格は、以下のことが出来ることを示します。
- ハードとソフトの関連用語の意味を理解できる
- 市販アプリケーションをインストールすることができる
- インターネットへの接続の設定ができる
- セキュリティ対策の重要性を理解し、予防処置の基本的なことができる
- トラブル時に、サポートセンターや周りの有識者に現象を伝えて、指示に従って対処できる
- 家庭や職場で、パソコンを安全に使える
2級
ハードウェア、ネットワーク、セキュリティに関するベーシックスキルを習得していて、パソコントラブルに対応できる人材であることを示します。
また、情報倫理関連法規に関する基本的な知識を有します。
2級を受験される方に多いのは、パソコンの修理、ユーザーサポートに携わる方、ネットワークを習得したい一般ユーザーの方です。
小規模ネットワークシステムの保守ができるようになることが、2級のゴールです。
2級の合格は、以下のことが出来ることを示します。
- OSのインストール、構成変更ができる
- ルータ、HUBを使った小規模ネットワークの構築ができる
- セキュリティ対策のための各種設定を理解し、最適な設定ができる
- 各種法令について理解できる
1級
小さな事務所で利用するような身近なLANから数千人の人員を管理するような本格的なネットワークまで、実践的にセッティング・運用するノウハウを持つことを示します。
VPNなど拠点間ネットワークに関しても実用的なノウハウを持っています。
管理者として求められる情報倫理規定を理解して、情報セキュリティ技術を習得している人材です。
受験者はIT基盤エンジニアを目指す方、会社のIT化を任されている方が多いです。
企業システムの運用、保守ができるようになることが目標です。
1級の合格は、以下のことが出来ることを示します。
- 中規模ネットワークシステムのシステム要件作成、およびベンダへの提案依頼ができる
- トラブルの発生原因を分析して、再発防止策を策定できる
- ベンダーから公開される修正パッチ情報の適用を利用部門に徹底する等、セキュリティ管理を推進できる
- 法令遵守のためのガイドラインを作成して、利用部門に展開できる
適用する仕事
パソコン整備士の資格が優遇される仕事の、仕事内容には以下のようなものがあります。
- 動かなくなってしまったWindows、Mac、ipone、アンドロイドの修理
- パソコンのトラブルの解決や店舗での修理の受付、修理作業
- 自社オリジナルPCの販売業務
- パソコンショップやショールーム要因、アドバイザー
- パソコンリサイクルのデータ消去技術者
- パソコン関連企業のメンテナンス要員やユーザサポート要員
- パソコンスクール講師
- 小学校、中学校、高校の情報教育担当
- 地方自治体でのパソコンアドバイザー
おおよその年収とキャリアパス
IT・情報処理系の企業の平均年収は350万円~800万円なのですが「パソコン整備士」の資格はIT系の資格の中では高い評価は得ていないので、他の資格を持っているIT・情報処理系の企業で働いている人の年収ほどはいかないでしょう。
PC修理スタッフのキャリアパス
こちらは所属する企業や店舗での昇進ルートが一例となります。
ある店舗では「研修生→スタッフ→リーダー→店長→店長責任者」と昇進していきます。
徐々にお店や企業を任されるようになります。
パソコンスクール講師や情報教育担当教諭のキャリアパス
パソコンスクール講師のキャリアパスとしては、パソコンの指導をするだけではなく教室運営やマネジメントまで業務範囲を広げることも可能です。
こういった業務は勤務先の役職や年収にも良い影響をもたらすでしょう。
一方、情報教育担当教諭は前項目で挙げているとおり、小学校や中学校、高校の教諭を指します。
教諭の場合定年まで一教諭でいることや教頭や校長といった役職へとステップアップする、あるいは教育委員会などで地域教育行政に関わることもあり得るでしょう。
教諭には異動がありますから、ベテラン教諭になるには高い授業のクオリティや教材・プリントなどの研究成果といった、これまで教諭として取り組んできた「経験の貯金」が問われることになります。
認可団体
こちらは「特定非営利活動法人 パソコン整備士協会」が主催する資格です。
東京都にある団体で、設立は2002年1月8日内閣府認証です。
受験条件
3級は誰でも受験できます。
2級を受験する際は3級の合格、1級を受験する際は2級の合格が受験する際の条件になります。
また、パソコン整備士協会活動会員であることが1級・2級を受験するときの条件です。
これは、3級合格後に入会の手続きをして、2級、1級を受ける際に必要です。
過去に年会費の未納期間がないことも条件になります。
受験するときに、2級は3級と同時に申し込むことも可能です。
その場合は、受験日については同月内に限られます。
そうした場合、2級の合格認定は3級に合格していることが前提となります。
合格率
公式のサイトでは、合格者数や合格率などは公表されていません。
少々古いデータになりますが、平成27年のあるサイトでの合格者データは次の通りでした。
2級:合格者数1197人、合格率42.5%
3級:合格者数1901人、合格率82.5%
合格基準は記事の後半で記させていただきます。
1年当たりの試験実施回数
全国に設置された会場で、都合の良い受験会場と日時を選んで受験できます。
試験は、年末年始を除いて随時行われています。
2021年には、試験会場は全国に120会場、全ての都道府県にありました。
試験科目
出題数と試験時間は以下の通りです。
2級 – 80問/90分
3級 – 80問/90分
出題形式は、どの級も選択80問です。
級ごとの試験内容は以下の通りです。
3級
- パソコンのハードウェア
- パソコンのソフトウェア
- インターネットへの接続
- インターネットセキュリティ
- トラブル対応
- 情報倫理
2級
- ハードウェアの上位知識と設定
- ソフトウェアの知識
- ネットワーク構築
- インターネットセキュリティ
- トラブルシューティング
- 法令の遵守
1級
- サーバ構成
- サーバ運用と保守
- ネットワーク
- 情報管理
- トラブルシューティング
採点方式と合格基準
採点方式ですが、出題が多肢選択式なので正誤判定と思われます。
合格基準は以下の通りです。
2級 全部で80問ある中で56問以上の正解で合格
1級 全部で80問ある中で64問以上の正解で合格
試験は3級から1級まで順次受験ができます。
取得に必要な勉強などの費用
試験問題の多くは、パソコン整備士協会が発売している公式テキストから出題されます。
- 3級テキスト:3,410円
- 2級テキスト:4,400円
- 1級テキスト:5,830円
パソコン整備士協会は、他にも以下のテキストを発売しています。
- 仮想化基礎テキスト:3,996円
- 3級問題集:1,980円
- 2級問題集:2,215円
受験料
受験料:6,600円(10%消費税込)
団体受験の場合は割引もあります。
学校向けの受験チケット事前購入ですと、10枚より発行で1枚5,500円(10%消費税込)です。
受験申込方法
パソコン整備士の資格認定には、活動会員としての入会が必要です。
3級を受ける際は、合格したときに入会すると資格の認定となります。
従って2級、1級を受験する際は活動会員としての入会はされた状態になっています。
受験から認定までの流れは以下の通りです。
- 概要の確認と受験登録
- テストセンターの確認
- 受験予約
- 受験
- 合否通知
- 会員登録 (新規会員のみ)
- ID・認定証 発行申請
- 認定証発送
まとめ
パソコン整備士という資格についてでした。
級ごとにどんな知識を有していることを示しているのかを、1つ目の項目で記させて頂きました。
他のIT系の資格ほど収入にはならない面もありますが、現在ではパソコンは広く普及しているので、パソコンのトラブルに対応できる人が身近にいると重宝されることと思います。
そんなパソコンのトラブルのお助けマンのような「パソコン整備士」という資格を、皆さん考えてみてはいかがでしょうか。
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