音楽検定(音検)について

音楽検定(音検)について

音楽検定(音検)とは名前の通り、音楽の能力を試す資格試験のことで、音楽能力・音楽知識などについて一定の基準に基づいて評価する検定です。

クラシック音楽やポピュラー音楽、日本の伝統音楽までジャンルを問わず幅広く音楽を愛好する人を対象としています。

ただ、この検定は2011年度より休止しております。

適用する仕事

音楽検定(音検) オーケストラ音楽検定は「公益財団法人 音楽文化創造」が実施している民間資格です。
今は休止をしていますが、音楽検定は進学や就職・仕事に役立つそうです。
音楽関連企業などにおける入社試験や社員能力評価で優遇します。

また、音楽関連企業などが主催する音楽教室における指導者の資格も優遇します。
音楽検定は5級から内申書や調査票、履歴書などに記載することができます。

「音検」取得者を入学試験で優遇・評価する学校

※2011年の情報で現在も存在している学校・学科で記載しています。

岐阜 大垣女子短期大学
音楽総合科音楽療法コース→3級以上取得者の場合に実技試験免除
北海道 立命館慶祥中学校
個性入試→5級取得者は試験科目一部免除

楽器・音楽教室関連

  • (財)ヤマハ音楽振興会
  • (株)河合楽器製作所
  • (株)山野楽器
    など

こうしたところでは楽器の演奏や歌唱などを指導する専門講師が要ります。
さまざまな音楽に対する知識と演奏(または歌唱)技術だけでなく、生徒に適切な教え方ができるかも求められます。

場合によっては、幅広いジャンル音楽の知識が必要になります。
運営の面でも生徒の方がレッスンに来る際の受付対応や顧客管理、楽器や関連商品の販売、生徒募集・イベントの案内などの仕事もあります。

音楽出版関連

  • (株)ヤマハミュージックメディア
  • (株)中央アート出版
  • (株)トーオン
  • (株)ホッタガクフ
  • (株)ウィンズスコア

楽譜の出版社というのは、書店や楽器店などで販売される教則本・バンドスコア・ピアノ用楽譜・弦楽器用楽譜などを出版販売する会社です。
この業務に加えて楽曲の著作権管理も兼ねる会社は音楽出版社と呼ばれます。

仕事内容は楽譜の出版企画を行い、著作権の許諾を取って営業・販売活動を行うことです。
出版は原曲そのままを使うものから、楽譜用や伴奏用に編曲家にアレンジしてもらうものまでさまざま手掛けます。

音楽の知識だけでなく、著作権や編集などの文系的知識やセンスも求められます。音楽検定(音検) 楽譜

音響・照明関連

  • 新潟照明技研(株)
  • (株)ハーツコーポレーション

音響スタッフはミュージシャンのコンサートや演劇の舞台、音楽やテレビ、映画の制作現場で使用するマイクの種類や設置場所を決めたり、収録時の音のバランスを調整したりしながら音響全般に関する技術的サポートをする職業の方です。

照明スタッフは音響スタッフのようなコンサートや演劇などの舞台で照明を用いた演出をし、場の雰囲気づくりに携わる職業の方です。

おおよその年収とキャリアパス

では、次は上記に挙げた職業で年収とキャリアパスについて見ていきます。

楽器・音楽教室関連

楽器・音楽教室関連と一くくりにしましたが、音楽教室のカスタマーサポートや責任者の職に就くなら年収300万台~450万円といったまずまずの収入が得られます。

一方、音楽講師で雇われている側だと収入は低いです。

ピアノ教室で雇われて働くピアノ講師の年収
新人 120万円~144万円
中堅 150万円~180万円
ベテラン 252万円~302.4万円

しかし、自宅でピアノを教えるピアノ講師は上記より年収が高いです。(平均年収365.4万円)

楽器・音楽教室関連のキャリアパスは、大手の音楽教室でしたら本格的に運営に携わり、人材育成を含めたマネージャーの道にキャリアアップしていくことが可能です。

一方、自宅でピアノを教えるピアノ講師だと役職は付かないかもしれません。
しかし、時代の波には乗らないといけなくなります。

かつてはピアノは習い事の代表の1つでしたが、今では数多くの習い事があります。
それに、近年は少子化ですから子供の生徒数を他と取り合う形にもなります。

生き残るには趣味で音楽を習う大人の生徒を受け入れたり、クラシックだけでなくジャズポピュラー音楽を身に着けたりと幅を利かせることが肝心です。

音楽出版関連

楽譜とそれに関する英記事一例になりますが、某楽譜出版社の営業(非管理職)の正社員の年収は413万円でした。
しかし、これは年齢によって変わってくるでしょう。

音楽出版や楽譜出版も出版社の1つですので、入社すると営業・管理・編集などの部署に適性に応じて配属されます。
その後は2,3年ほどで別の部署に配属されることもあります。

そうして経験を積んでいくとだんだんと評価を得られ、管理職へとキャリアアップしていくのが一般的な流れです。

音響・照明関連

音響スタッフ

音響スタッフの年収は所属している企業やキャリア、仕事の量などで違ってきます。
コンサートやイベントの音響を請け負っている企業や、番組制作会社で働く場合は年収300万円前後になるケースが多いです。

ちなみに、大手の放送局やレコード会社の技術職として正社員採用されている人は年収600万円以上にもなるようです。

音響スタッフは一緒に仕事をしたミュージシャンの専属音響スタッフになるケースがあります。
そのミュージシャンが有名なら活躍の幅は広がるでしょう。
その他音響機材を扱うメーカーに転職するキャリアパスも考えられます。

照明スタッフ

照明スタッフも勤務先や経験などによって年収が変わってきます。
平均は300万~600万円くらいです。

これは大手テレビ局の技術職の正社員や豊富な経験を積んだフリーランスだと年収は多いものの、中小規模の専門会社だとそこまで稼げません。

キャリアパスですが、例えば最初は「ステージサイド」の照明オペレータとして人物や舞台装置に光を当てる操作を担当します。

次はチーフオペレーターとして、調光室で他のオペレーターへの指示を出す業務も行います。
さらにいくと、照明仕込み図やキューシートの作成を担当するプランナーへとなっていくそうです。

認可団体

音楽検定(音検) ロゴ音楽検定を主催している団体は「公益財団法人 音楽文化創造」というところです。

設立日は1996年4月1日です。

公益財団法人 音楽文化創造
〒153-0064 東京都目黒区下目黒3-24-22
電話:03-5794-8662
FAX:03-5794-8663

受験条件

音楽検定(音検) フルート受験条件は特にありません。
どなたでも受験することができます。

合格率

平均合格率:72%

1年当たりの試験実施回数

年1回、10月に実施されていました。

試験科目

CD音源による問題と音源を使用しない文章問題で出題されます。

A.さまざまな音楽様式、時代、地域、楽器などについて

CD音源を聴いてその音楽の形式、時代区分、国や地域・地方、演奏形態演奏楽器などを答えます。
クラシック、ジャズ、ポピュラー、ラテン、諸外国の民族音楽、日本の音楽など幅広く出題されます。

B.音楽の構成要素(リズム・メロディ・ハーモニー、音色など)や構造などについて

次の3つの分野から出題されます。

  • 音の長さや高さの聴き取り、和音の判別、リズムや拍子を聴き取るなど
  • 音楽の表現の仕方や移調楽器などについて
  • 楽譜の約束事など楽典に関する問題

C.音楽の一般知識

こちらはCD音源ではなく、文章から出題されます。

  • 楽器、演奏形態、音楽用語などの音楽に関する一般知識について
  • 音楽史(有名な音楽家に関する事柄など)
  • 音楽の役割や社会的な決まりなどについて

採点方式と合格基準

音楽検定(音検) レッスン
レベルは5級~1級までの5段階です。
5級と4級は洋楽系・邦楽系関わらず共通問題で受験します。
3級以上は洋楽系か邦楽系かどちらかの受験となります。

問題数 時間
5級 50問 50分
4級 55問 55分
3級(洋楽・邦楽) 60問 60分
2級(洋楽・邦楽) 70問 70分
1級(洋楽系) 50問 90分
1級(邦楽系) 編曲課題 120分

各級とも全体の70%以上の正解で合格

取得に必要な勉強などの費用

検定が休止になる前は公式の問題集が発売されていました。
今もネット販売されている可能性はあります。

2008年度版 音検受験の手引き5級4級

※2009年度版・2010年度版は価格不明

¥665(参考価格)
2010年度版 音検受験の手引き3級(洋楽系・邦楽系) ¥280(参考価格)
2010年度版 音検受験の手引き2級(洋楽系) ¥3,016(参考価格)

受験料

1級 18,000円
2級 7,000円
3級 4,600円
4級 3,150円
5級 2,100円

受験申込方法

2011年度から検定実施を休止しています。

詳細は「音楽検定」または認可団体の公式サイトをお読みください。

まとめ

残念ながら音楽検定(音検)は2011年度で休止しています。
しかし、休止ということなのでそれ以外の内容をまとめさせていただきました。

音楽検定はジャンルを問わず、幅広く音楽を愛好する方々の音楽能力・音楽知識などについて一定の基準に基づいて評価する検定です。
もし検定が再開したときには、こちらの記事を思い出して音楽の知識を勉強してみて下さいね。

 

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