プロジェクトマネージャー試験について

プロジェクトマネージャー試験について

会社や組織に入ると仕事の一環としてプロジェクトを任されることもありますね。
今回ご紹介する「プロジェクトマネージャー試験」というのは高度IT人材に向けた資格試験です。
システム開発プロジェクトの目標の達成に向けて、責任をもってプロジェクト全体計画(プロジェクト計画及びプロジェクトマネジメント計画)を作成し、品質・コスト・納期に責任をもってプロジェクトを確実に成功に導く人を対象としています。

適用する仕事

タイトルにもなっているプロジェクトマネージャーのおもな業務は、品質・費用・納期に焦点を当て、プロジェクトの実施計画を策定し、必要な人員や資源を確保、さらにはプロジェクト進行を管理することです。

まずは、クライアントと共にプロジェクトの企画や予算を取り決め、納期の設定などをまとめます。
実践的な場面であれば、プロジェクト憲章の作成やステークホルダ(プロジェクトの成果に何らかの関心を持つ人たち)の特定なども行います。

その後はクライアントやステークホルダから要求事項を聞き出し、目的・目標設定から人員、コストなどを考慮しながら計画のイメージを立て、全体的な作業計画を作っていきます。

そして、プロジェクトがスタートしたら計画通りに進むようにプロジェクトのコントロールをしていきます。(進捗報告書を作成したり、スケジュールの遅延を修正するための是正処置など)

ITエンジニア

プロジェクトが終わった後でも、プロジェクトに関わったメンバーを所属部署に戻したり、使用した機材や資材、コストの最終支払いなどの後片付けに追われます。
プロジェクト終結報告書を作成する必要もあります。

それがプロジェクトマネージャーの役割です。

ちなみに、似たような名前でプロジェクトリーダーといわれる人は下流工程の責任者として社内での管理や実施を行う人のことを指します。

おおよその年収とキャリアパス

2021年のプロジェクトマネージャーの仕事の平均年収は約618万円でした。
日本の平均年収と比較すると高い収入にあります。

ですが、データとして給与幅は374~1152万円と広めに出ています。
勤務先の企業や経験、スキルによって待遇に大きな差が出てくるのがこの職の特徴と言えるでしょう。

プロジェクトマネージャーになるには

プロジェクトマネージャーへのキャリアステップとして、ソフトウェア開発会社に入社した後、システムエンジニアやプログラマーなどを通じて、情報システムの構築や運用を10年ほど経験した方が就くのが多いです。

あるいは企業によっては、職種がシステムエンジニアで課長などの役職に昇進した人物をプロジェクトマネージャーと称しているところもあります。

プロジェクトマネージャーになってからのキャリアパス

キャリアアップ

PMO

PMOとは「プロジェクトマネジメントオフィス」の略で、プロジェクトマネージャー経験のある人にとっては歓迎されやすいキャリアの1つです。

PMOはプロジェクトの管理業務や進捗・品質管理など細かい事務作業を行なったり、プロジェクトマネジメント全体を俯瞰的(ふかんてき)な視点で観察してプロジェクトマネージャーへのフィードバックやプロジェクト全体の分析など多彩な働きを行います。

ITコンサルタント

プロジェクトマネージャーからITコンサルタントに進むキャリアの例です。
プロジェクトマネージャーは決められたプロジェクトを与えられた権限内で最大限の結果を出す職種にあたりますが、ITコンサルタントというのは企業の経営課題をIT技術を活用して解決する専門家のことです。
ITコンサルタントが担当する課題というのは、プロジェクトマネージャーよりも上流工程のことなのです。

独立してフリーランスのプロジェクトマネージャーになる

最後は独立するパターンです。
プロジェクトマネージャーとして経験を積んだ後に独立をします。
主に案件紹介サービスやエージェントに登録して収入を得ます。

認可団体

プロジェクトマネージャー試験を開催している団体は「IPA 独立行政法人情報処理推進機構」というところです。

〒113-6591
東京都文京区本駒込2丁目28番8号
文京グリーンコートセンターオフィス(総合受付13階)

TEL:03-5978-7620
FAX:03-5978-7510

受験条件

年齢や学歴などに制限はなくどなたでも受験できます。

受験条件

合格率

実施年 受験者数 合格者数 合格率
2020年 6,276人 948人 15.1%
2019年  10,909人 1,541人 14.1%
2018年 11,338人 1,496人 13.2%

1年当たりの試験実施回数

年1回です。
10月頃実施されます。

試験科目

試験は午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱの4部構成になっています。

午前Ⅰ(共通知識)

  1. テクノロジ系
  2. マネジメント系
  3. ストラテジ系

ただし、次のいずれかに該当する場合は、その後2年間は「午前Ⅰ試験」が免除になります。
免除条件はこちらです。

1.応用情報技術者試験に合格
2.いずれからの高度試験か支援士試験に合格

3.いずれかの高度試験か支援士試験の午前I試験で基準点以上の成績を得ていること

午前Ⅱ

1.テクノロジ系
1.技術要素 – セキュリティ
2.開発技術 – システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術

2.マネジメント系
1.プロジェクトマネジメント – プロジェクトマネジメント
2.サービスマネジメント – サービスマネジメント

3.ストラテジ系
1.システム戦略 – システム企画
2.企業と法務 – 法務

試験

午後Ⅰ

記述式問題
3問出題され、そのうち2問を解答します。

コスト管理品質管理リスク管理といった幅広い分野から出題されます。

午後Ⅱ

論術式問題(概ね2000~3000字程度で論述する)
2問出題され、1問解答します。

採点方式と合格基準

午前Ⅰと午前Ⅱの試験は四肢択一の多岐選択式です。
午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰの試験はそれぞれ100点満点中60点以上で合格になります。
午後Ⅱの試験はA~Dの4ランクのうちAランクのみ合格です。

取得に必要な勉強などの費用

勉強するには良い参考書が販売されています。

情報処理教科書プロジェクトマネージャ 2021年版

情報処理教科書プロジェクトマネージャ 2021年版
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出版社名:翔泳社
商品名:情報処理教科書プロジェクトマネージャ 2021年版
価格:¥3,168(税込)

19年分の過去問題を徹底解説しています。
必須の基本知識の解説はもちろん、解答テクニックや学習プランの作成、さらにはモチベーションアップのためのコラムなどパワフルなコンテンツを満載しています。

プロジェクトマネージャ 合格論文の書き方・事例集 第6版

プロジェクトマネージャ 合格論文の書き方・事例集 第6版
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出版社名:アイテック
商品名:プロジェクトマネージャ 合格論文の書き方・事例集 第6版
価格:¥3,300(税込)

午前Ⅱの試験は論術式ですが、論文対策に取り組んでいる方が直面する問題や悩みをQ&Aとして取り上げています。
本の後半では専門家による論文が30本も掲載されています。

あとはYouTubeやスマホアプリ(応用情報技術者過去問スマホアプリやプロジェクトマネージャ午前過去問スマホアプリ)で過去問が配信されていますので、そちらを活用してみて下さい。

受験料

7,500円(税込)

受験申込方法

プロジェクトマネージャ試験の公式サイトを検索していただき(情報処理推進機構が認可団体)、画面右側の「受験申し込み」をクリックして申し込んでください。
しかし、申込時以外は受験受付の情報は出ないと思われます。

申込

まとめ

この資格を持っていると、例えば社内の大規模プロジェクトでプロジェクトマネージャーに任命されるきっかけになり、年収が増加するかもしれません。
それに合格率が低いので合格すると、数学や情報処理関連のテクノロジー分野やプロジェクトマネージメント分野、システム戦略や経営戦略などのストラテジ分野など知識や熱意、適正があることへの証明にもなります。

つまり、本当にプロジェクトマネージャを希望して資格を取得すれば、企業側はすぐそのポジションに就かせてくれるでしょう。
そうしたポジションまでのキャリアプランをお持ちの方は資格取得を頑張ってみてくださいね。

 

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