暗算検定は暗算能力の素早さと正確さを判定する試験です。
暗算による計算能力は日常生活や職場で求められる技能ですよ。
認可団体の考えではそろばん技能の延長として暗算能力をためす人が多いようです。
近年そろばんを使う光景は減ってきていますが、暗算能力は気になります。
どのような試験なのか見ていきましょう。
Contents
適用する仕事
暗算の能力が身に付いているということは、記憶力や集中力が鍛えられているということで職場での業務でも役立ちます。
残念ながら就職に直接結びつくわけではありませんが、計算を必要とするあらゆる場面では活かせます。
筆算より早いスピードで計算できるためです。
主に銀行や証券会社などの金融機関や企業の経理部、会計士や税理士など専門職に就いている方はこの暗算検定や珠算の資格を有している人が多いようです。
他には機械を使用しない小売業や販売職でも、消費税やお釣りの計算が暗算でできると便利です。
また、意外かもしれませんが建築業界でも設計書や見積書を多く取り扱うので数字に強い方が有利です。
今はITの時代ですが、パソコンや電卓で計算したり帳簿を付ける作業の場面でも暗算が身に付いていれば数字感覚に強いです。
入力業務でも元は人間が行うので人員的なミスもあります。
検算するときに暗算能力は活きます。
Excelでも「計算式を入れていたから合っていると思っていたのに」というアクシデントも少なく済みます。
大きな業務としては、経営数値の分析や監査などでも数学的な思考力が活用できます。
おおよその年収とキャリアパス
前項目で暗算能力が活かせる職業を何個か挙げましたので、それに沿ってお伝えしていきます。
企業の経理部
経理の仕事というのは、会社におけるお金の流れを数値化して正確に管理することをいいます。
具体的な内容としては、日々の売上管理、仕入れ管理、給与・保険の管理や計算、税金の計算、決算書作成などがそれにあたります。
そして、それらの数値化された資料をもとに会社経営の一端が考え出されます。
2021年のデータでは経理の仕事の平均年収は約405万円でした。
日本の平均年収(436万円)と比較すると低い傾向にあります。
アルバイト・パート雇用なら1,000円、派遣社員なら1,400円の平均時給です。
経理の仕事のキャリアパスはたくさんあります。
経営に携わる上位職を目指す
経理から経営関係のポジションを目指すキャリアパスです。
経理は経営判断に直結する数字に関わる業務です。
数字から自社や取引先の経営状態を読み解いて、戦略立案などを行なったりサポートしたりします。
会社に最高財務責任者(CFO)のポジションがあればその役職を目指すことだって可能でしょう。
大企業の経理へ転職
もし今いる職場が中小のレベルの企業なら大企業の経理へ転職するのもキャリアパスの1つです。
実は経理というのは、会社の規模やステージによって携わる業務がある程度決まってしまうものなのです。
大企業レベルだと使用する勘定科目や主な取引も変わってくるでしょう。
一概に中小より大企業が良いとは言えませんが、業務の幅を広げたいならこういったキャリアパスもアリかと思われます。
外資系企業の経理職へ転職
今度は外資系企業や海外企業へ転職するキャリアパスです。
よりグローバルに活躍したいならこういった企業への転職も1つの道です。
ただし、この場合は国際的な会計知識が必要になるため、その証明として「米国公認会計士(USCPA)」など国際的に通用する資格を取得してから転職した方が良いでしょう。
独立開業する
これは経理業務の実務経験を積んだのち、上位資格を取得して独立開業するパターンです。
独立開業するためには、税理士や公認会計士などの資格を持っておいた方が良いです。
多くの企業の財務諸表を見ることになるため、1つの企業で経理職を務めていた時よりまた違った経験ができるでしょう。
金融業界
暗算能力に優れていれば金融業界でも重宝するでしょう。
金融業界に属する職として銀行、証券会社、保険会社などがあてはまります。
金融業界での職種では営業やバックオフィスがあります。
バックオフィスとはデータの管理や電話対応、書類の管理といった営業部門やマーケティング部門のサポートを行うところです。
また、専門性の高い職種ではファイナンシャルプランナーや証券アナリストなどが含まれます。
2021年の金融業界の平均年収は以下のとおりにランキングできます。
キャリアパスでは、例えば銀行員だったら法人営業担当として直接お客様と向き合って収益を上げていく道があります。
一般的には日系企業では同一企業内でキャリアを積みます。
その他、経験や知識を活かして経営コンサルティングファームや投資銀行などに転職するケースもありますし、資格を取って上記で挙げた専門性の高い職種へ転職する人もいます。
認可団体
暗算検定試験を主催している団体は2つあります。
「公益社団法人 全国珠算教育連盟」と「日本珠算連盟」です。
両団体とも奇しくも昭和28年に設立されました。
全国珠算教育連盟・本部事務局
〒601-8438
京都市南区西九条東比永城町28
電話:075-681-1234
FAX:075-681-8897
こちらは主に珠算の教育者を育てることに重きを置いています。
日本珠算連盟
〒101-0047
東京都千代田区内神田1-17-9 TCUビル6階
TEL:03-3518-0188(代表)
FAX:03-3518-0189
受験条件
学歴、年齢、性別、国籍など制限はありません
合格率
全国珠算教育連盟は不明
日本珠算連盟は段位40%、1級60%、3級80%ほど
1年当たりの試験実施回数
全国珠算教育連盟は段位は年6回、1級~10級は毎月年12回
日本珠算連盟は年6回
試験科目
両団体ともかけ暗算、わり暗算、見取暗算があります。
全国珠算教育連盟は10級~1級、準初段~十段があります。
日本珠算連盟は10級~1級(間に準3級、準2級、準1級)があります。
採点方式と合格基準
団体ごとにご説明します。
全国珠算教育連盟
制限時間は1種目3分
合格基準は
段位 1種目200点満点。3種目とも70点以上で準初段、以後、点数により段位が上がる。最高段位の十段位は190点以上。
級位 | 基準内容 |
1級~6級 | 1種目100点満点。3種目とも70点以上。 |
7級~10級 | 1種目100点満点。2種目とも70点以上。 |
日本珠算連盟
全級の制限時間は12分
7~10級500点満点中 | |
400点以上 | 7級 |
350点以上 | 8級 |
300点以上 | 9級 |
250点以上 | 10級 |
それ以上の級は500点満点中400点以上で合格
取得に必要な勉強などの費用
全国珠算教育連盟からは公式の問題集が発売されています。
- 暗算技能検定試験問題集7、8級編
- 暗算技能検定試験問題集4、5、6級編
- 暗算技能検定試験問題集1、2、3級編
各495円
しかし、品切れになっているところも多いのでご注意ください。
こちらの認可団体はそろばんと一緒になっています。
そろばん教室の月謝は地域や教室によってさまざまですが、一般的には5千円~1万円の月謝が相場のようです。
受験料
団体によって異なります。
全国珠算教育連盟
7級~10級:各600円
4級~6級:各900円
1級~3級:各1,000円
段位: 1,600円
日本珠算連盟
全級で各910円
受験申込方法
団体によって異なります。
全国珠算教育連盟
こちらはたくさんの支部があります。
各地域の事情に応じて定めている場合がありますので、詳細は最寄りの支部にお問い合わせください。
支部の一覧は「全国珠算教育連盟」の暗算技能検定の欄に載っています。
日本珠算連盟
こちらも受験希望地にある商工会議所または珠算連盟にご確認ください。
こちらも詳細は「日本珠算連盟」の検定試験・申込方法の中に記載されています。
まとめ
以上「暗算技能検定」についてでした。
こちらの検定は就職に直接響くわけではありませんが、計算の速さや頭の回転の速さ、数字に強いことをアピールできるため、金融業界や建設業界で役に立ちやすいです。
暗算技能検定の協会は1つではないことが分かりました。
どちらの協会で試験をするのかよく考えて受験してくださいね。
暗算を極めて仕事や実生活で活用できれば自信になりますね!
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