騎手(日本中央競馬会)について

騎手(日本中央競馬会)について

今回は特に、小さいころから馬や競馬が好きという方に向けた記事となります。
競馬というと金銭が絡むイメージがつきまといますが、騎手(ジョッキー)と馬が気持ちを通わせ、馬の世話をする厩舎[きゅうしゃ]スタッフや馬主など多くの人が1頭に関わってレースに臨む、れっきとしたチームスポーツです。
その中でも花形となる騎手は、手綱を握って馬を優勝に導く責任ある立場で、憧れる人も多い職業です。
今回はJRA(日本中央競馬会)騎手の免許について見ていきます。

適用する仕事

JRAの騎手免許は、JRAの騎手として仕事をするためのスタートラインとなる国家資格です。

JRAの騎手の仕事

JRA所属の騎手は、全国10ヶ所にある競馬場で行われるレースに騎乗します。
北から、札幌・函館・福島・中山・東京・新潟・中京・京都・阪神・小倉です。

基本的に土日にレースが行われ、平日は騎乗のための活動をしていきます。
実質、休みはほとんどないといってもいいでしょう。

レースでの騎乗までの流れ

JRAの騎手免許が取得できたら厩舎に配属され、騎乗する馬を探しながら営業をしていくことになります。

馬主や調教師は持ち馬の出走が決まると、騎乗する騎手を探します。
ここで、馬主や調教師などの人々との日頃のコミュニケーションや営業が活きてきます。
騎手としての実力や馬との相性も、騎手として選んでもらうために重要な目安になります。

晴れてレースでの騎乗が決まると、出走馬とのトレーニングを行い、馬の調子やクセなどを把握していきます。
最高のコンディションでレース当日を迎えるために、調教師・厩務員とのコミュニケーションも欠かさず行なっていきます。

そしてレース当日、馬と共に勝利を目指してコースを駆けていきます。
騎手はこの繰り返しで、できるだけ多くの騎乗機会を得て、結果を残していく事になります。

地方競馬の騎乗免許は別もの
JRAの騎手免許は中央競馬でのレースにのみ騎乗できます。
地方競馬で騎乗したい場合は地方競馬教養センターでの騎手課程から受験することになります。
なお、中央競馬と地方競馬の騎乗免許を同時に持つことは原則できません。

二頭の競走馬

おおよその年収とキャリアパス

次は騎手の年収やキャリアパスについて見ていきます。

騎手の年収

騎手の収入は、レース騎乗による騎乗手当、レースでの優勝・入賞で得られる賞金の一部、厩舎から毎月支払われる給料の3種類です。
平均年収は約1,000万円ともいわれ、実力がある騎手は2,000万円以上にものぼるそうです。

騎手のキャリアパス

騎手は基本的に厩舎に所属していますが、実力をつけてからは厩舎を離れて独立し、フリー騎手として活動することもできます。
この場合、厩舎からの給料がなくなるため、よりレースに勝ち続けなければならなくなります。

非常にハードな仕事なので、引退も平均30代後半と早くなっています。
騎手を引退してからは、調教師や厩務員、競走馬の生産・育成関係、パドックやレース解説、予想家などの仕事に関わることが多いです。

騎手は競馬に関わっている親族がいることも多いともいわれ、競馬業界から離れることは少ないようです。

認可団体

日本中央競馬会

認可団体は日本中央競馬会(JRA)です。
騎手免許試験の受験に必要な課程を学ぶ「競馬学校」もあわせて管理・運営しています。

Japan Racing Associationの頭文字をとって、JRAの略称で呼ばれます。
1954年9月16日に設立され、競馬の健全な発展や馬の改良増殖などに貢献するために活動してきました。

受験条件

JRAの騎手免許試験を受験するためには、千葉県にある競馬学校の騎手課程を経る必要があります。
受験までの過程を見ていきましょう。

競馬学校に入学

競馬学校の騎手課程に応募するには以下の条件を満たす必要があります。

  • 学歴 競馬学校入学時に中学校卒業以上、または同等以上の学力を有すると認められる者
  • 年齢 入学年時点で15歳~20歳
  • 体重 年齢区分ごとに45~48kg
  • 視力 両眼0.8以上、かつ左右ともに0.5以上(コンタクトレンズ使用可)

さらに、騎手として業務を行うのに支障がない程度の色別力・聴力・健康状態などが求められます。

騎手課程を終える

騎手課程は4月に入学し、約3年間の厳しい寮生活を送りながら以下の過程を経ることになります。

  • 基礎課程:約1年半、乗馬や走路騎乗などの実技、トレーニング、関係法規や馬学などを学ぶ
  • 実践課程(前期):1年間、美浦[みほ]か栗東[りっとう]のトレーニングセンターで、馬の調教や実践的な騎乗技術を体得する
  • 実践課程(後期):約半年間、競馬学校での模擬レースなどから実戦での騎乗テクニックを体得する

騎手免許試験を受験する

3年間の騎手課程を卒業する見込みが立つ頃、騎手免許試験の受験資格が得られます。
この試験に合格することで、ようやく本格的な騎手人生が始まるのです。

例外として、地方競馬の騎乗免許を持っている場合にJRAから受験を認められることもあります。

合格率

騎手免許試験の合格率はほぼ100%といわれています。
これは、騎手免許試験の合格と競馬学校卒業がほぼ同義だということです。

肝心の競馬学校への入学の倍率は非常に高いものとなっています。
毎年応募が100~150名ほどありますが、合格者は平均7名程度です。
確率にして5%ほどと、狭き門だということが分かります。

さらに、騎手課程の途中でリタイアする生徒もいるため、それを含めて考えるとごく少ない確率と言えるでしょう。

夕日と馬のフィギュア

1年あたりの試験実施回数

騎手免許試験は競馬学校卒業前の2月初めに、年1回行われます。

試験科目

試験科目は以下のとおりです。

  • 学力筆記試験(競馬関係法規)
  • 学力口頭面接(競馬関係法規、知識、一般常識)
  • 騎乗技術試験(発走・走路騎乗)
    障害競走の免許取得を目指す場合は、走路障害跳び越しの試験もあります。
  • 身体検査
  • 人物考査(面接)

採点方式と合格基準

学力筆記、学力口頭面接、発走、走路騎乗、(走路障害跳び越し)はいずれも100点満点です。
採点方式は明かされていません。
合格基準はそれぞれが60点以上であることとされているようです。

身体検査は体重が49kg(障害競走の免許のみの場合は53kg)以下であるか、視力が両眼0.8以上かつ左右とも0.5以上であるかが必須条件とされています。

取得に必要な勉強などの費用

騎手になるにはどのような勉強が必要でしょうか。

競馬学校 騎手課程の学費

以前は競馬学校の騎手課程に3年間通うと380万円ほどかかりました。
しかし、平成28年4月からは3年間の食費120万円のみとなりました。
食費も高額に見えますが、毎月約3万3000円ほどです。

専門課程にしては非常に安いといえるでしょう。

学科試験の過去問題について

JRA公式サイトから、過去の試験問題を購入することができます。
騎手課程の過去問題は年度ごとに40円の販売で、加えて送料が180円からとなっています。

受験料

受験料もかからず、手数料として3,000円がかかるのみとなっています。
なお、競馬学校騎手課程の受験料はかかりません。

受験申込方法

騎手免許試験の受験生のほとんどは競馬学校への入学が必要です。
ここでは競馬学校への応募方法もあわせて紹介します。

騎手免許試験の申込方法

騎手免許試験の申込をするには以下の書類を、窓口か郵送で提出します。

  1. 必要事項を記入したJRA所定の書類一式
    申請書(写真貼付)、履歴書、身体検査書、外国の競馬統括機関の免許を受けている騎手は宣誓書が必要となります。
  2. 住民票記載事項証明書
  3. 写真2枚(縦3cm×横2.4cm)
  4. 地方競馬全国協会または外国の競馬統括機関の免許を受けている騎手は免許証の写し

競馬学校 騎手課程の応募方法

競馬学校への応募は、騎手課程入学願書・履歴書などを競馬学校窓口または郵送にて提出します。
郵送の場合は必ず「簡易書留」で送りましょう。
詳しい情報は公式サイトや説明会でご確認ください。

競馬場

まとめ

今回はJRAの騎手について、免許取得の流れと騎手の仕事を見ていきました。
免許取得までにも厳しい条件と訓練があり、騎手として認められてからも多忙な日々を送ることになります。
ハードな世界だということが伺い知れると同時に、憧れの的になるのも頷けますね。

騎手を目指せるのは15~20歳までと、時期に限りがあります。
もしも騎手を目指すか迷っているのなら、迷わず競馬学校の入学試験にトライしてみるといいでしょう。

夢を賭けてレース場を駆ける騎手たちの1人になってみませんか?
馬やレースが好きでたまらない人にとって、夢のような仕事であるのは間違いありませんよ。

 

関連するスポーツ系資格の記事はこちら
競艇選手について

スキー指導員について

JAFカート・ドライバーについて