きき酒師試験について

きき酒師試験について

きき酒師(唎酒師)とは、日本酒のソムリエのことです。
ソムリエは、アルコール飲料を提供する飲食サービス業従事者です。
きき酒師は4万人以上が認定を受けています。
日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)により認定、NPO法人FBOに公認される提供販売者の資格です。

近年では、日本酒は海外からの人気も高まっています。
昨今、国内では酒類全体の生産量も消費量も減少していますが、若い女性を中心にここ数年では日本酒が人気になっています。

適用する仕事

注文を受ける店員

きき酒師の資格は、次のような業務をする方に取得されています。

適用する場所

おおよその年収とキャリアパス

酒屋
年収については、一概には云えません。
上記の「適用する仕事」で挙げた職業で考えていただければ幸いです。

キャリアパスとは、企業の人材育成制度の中で、どのような職務にどのような立場で就くか、またそこに到達するためにどのような経験を積んで、どのようなスキルを身につけるかといった道筋のことをいいます。
企業の中での異動や昇進の道のことです。

日本酒を提供することが多い職種の人には、きき酒師の資格はスキルアップに最適です。
日本酒に関する専門知識は、業務のレベルを深めることに繋がり、昇進や昇給に影響してくるでしょう。

現在では、日本酒をお店で提供するだけでなく、SNSなどのメディアなどでも日本酒やそれにまつわる情報を発信する場面が増えています。
きき酒師は日本酒提供のプロなので、仕事でも趣味でもプロフェッショナルとしての知識を生かせます。

認可団体

主催している団体きき酒師を主催している団体は日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会です。
略称.SSI(エスエスアイ)

受験条件

20歳以上であれば受験可能です。
年齢に関しては、お酒に関する資格なのと、試験にテイスティングがあるので当然と言えば当然かもしれません。
年齢以外の受験の条件はありません。

試験地は、東京、大阪、金沢、札幌、福岡です。

合格率

合格率は80%程度だと思われます。
とある年では1年間に1530人が合格しています。
2018年のデータですが、資格を有している人は全国で33,525人います。

1年当たりの試験実施回数

毎月実施されています。月に2~4回実施されていることが多いです。

試験科目

第1次試験、第2次試験、第3次試験、第4次試験があります。

第1次試験
試験時間:50分
形式:選択式(一部記述式)
内容:おもてなしの心や接客のあり方などに関する設問。食品、飲料全般の基礎知識に関する設問。
免除:FBO認定会員は第1次試験が免除されます。

FBO認定会員とは、NPO法人FBOが公認・認定する提供販売者向け資格(きき酒師やワインコーディネーター/ソムリエなど)を取得された方のみが入会していただける会員制度で年会費がかかります。
第2次試験
試験時間:50分
形式:選択式(一部記述式)
内容:日本酒の基礎知識についての問題。日本酒の基礎知識。
原料、製法、表示、歴史、香味特製別分類に関する設問。
第3次試験
試験時間:50分
形式:記述式(一部選択式)。記述はテイスティングを伴います。
内容:テイスティングをして、日本酒の品質の評価。
個性や留意点の抽出。香味特製別分類(4タイプ)の判定。
劣化状態の判定などについての問題もあります。
第4次試験
試験時間:50分
形式:記述式。
内容:日本酒のサービスに関する設問と、季節別、香味特製別分類(4タイプ)のセールスプロモーション企画書の作成。

採点方式と合格基準

採点方式は非公表です。

合格基準は、正答率80%以上と云われています。

取得に必要な勉強などの費用

まずは、『日本酒の教科書』という本で日本酒の歴史についての勉強をしておくのが1つの手です。
そこは暗記するしかありません。

日本酒の教科書
created by Rinker

出版社名:新星出版社
商  品  名:日本酒の教科書
価        格:¥1,650(税込)

試験にはテイスティングもありますので、日本酒を飲んで味を確かめていくことも必要かもしれません。
ここで人気のある日本酒は、取扱店でさえ予約制や抽選制になっていることが多く、オークションなどで定価の何倍も出さないと購入できないものもあります。
資金に余裕があるのであれば、そういった日本酒も飲んでおいてもいいかもしれません。

受験料

きき酒師になるには養成講座を受ける必要があります。
受験コースごとに料金が異なります。

認定登録料:25,000円
入会金:19,000円
年会費:15,900円

eラーニングコース

お支払い合計:128,700円
(申込時68,800円)
(合格時59,900円)

通信コース

お支払い合計:138,300円
(申込時78,400円)
(合格時59,900円)

2日間集中コース

お支払い合計:139,100円
(申込時一括払い)

1日通学コース

お支払い合計:118,700円
(申込時58,800円)
(合格時59,900円)

オンデマンド受講コース

お支払い合計:118,700円
(申込時58,800円)
(合格時59,900円)

オンデマンド受講コース(パーソナル方式)

お支払い合計:136,700円
(申込時76,800円)
(合格時59,900円)

オンデマンド受講コース(指定日時定員制)

お支払い合計:127,700円
(申込時67,800円)
(合格時59,900円)

受験申込方法

受験は随時受付していて、毎月実施可能です。
きき酒師を取得するには、日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会が運営している4つのプログラムのいずれかに参加する必要があります。

1.通信プログラム
通信プログラムの場合には3ヶ月の期間で行われます。
ただし、ほかの4つのコースと違うのは試験がないことです。
こちらのプログラムでは、3ヶ月の間に課題を3回提出することになります。
この3回の課題にクリアすれば合格です。
2.2日間集中プログラム
2日間集中プログラムの場合、まずは専用のワークノートで予習をします。
その後、会場で2日間かけて講習の受講と受験をします。
直前の学習を試験に活かすことができるよう、講習の後に試験を行い、その次に講習を行なってといったスケジュールになります。
3.受験プログラム(オンデマンド受講コース)
オンデマンド受講コースは、送られてくる教材(テキスト、映像、酒)を使って自宅で自主勉強をするコースです。
1年以内に受験して合格し、手続きを済ませればきき酒師の資格を得ることができます。
4.受験プログラム(1日通学コース)
1日通学コースは、1日だけ会場に集まって講習会を行います。
その後、1年以内に受験して合格し、手続きを済ませればきき酒師の資格を得ることができます。
通学する1日は、土日のみならず平日にも開催されています。

まとめ

以上、きき酒師試験についてでした。

飲食店や酒販店には、この資格を持っている人が居られると日本酒についてはお客様のニーズに合わせられることと思います。
この資格の試験には、選択式問題、記述式問題、テイスティングがあります。
選択問題、記述問題は勉強しておく必要がありますし、テイスティングには日本酒を買って練習しておいた方がいいでしょう。

日本酒が好きな人でないと、少し難しい資格かもしれません。
日本酒に抵抗がなければ、試験自体はそこまで難しいものではなく合格率は80%前後と言われています。

合格するには少々費用がかかりますが、いろいろな職業や場面でニーズが高まっていますので自分の好きなことを究める意味でもこの試験の検討いかがでしょうか。

 

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