フラワー装飾技能士とは、唯一の花の国家資格です。
実務経験があると1級、2級を受けやすくなるので、お花の仕事をしている人向けの資格といえます。
生花を中心にブライダルブーケの製作やフラワーショップでの業務など、フラワー装飾技能を示す資格となっています。
試験では、フラワー装飾の歴史や活用方法、用語、デザイン、造形法、材料・植物一般、安全衛生などから幅広い知識が必要になります。
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適用する仕事
この資格は、次のような職業で特に活きます。
- フラワーショップでの生花の販売員
- 冠婚葬祭関連企業
- フラワーアレジメント企業
つまり、フラワー装飾技能士試験というのは、生花店で働く人やフラワーアレンジメントなどを仕事にしているプロ向けのものといえます。
裏を返せば、この資格は一般の人向けでないところがあります。
お花の仕事に必要な実務能力を評価することを目的として、生花アレンジなど花束やコサージュの制作、ブーケのデザインスキルが問われます。
技術や知識が必要になるのです。
おおよその年収とキャリアパス
フラワーデザイナーの平均年収は、240万円から280万円くらいとなるようです。
就職先が花屋の場合は年収が240万円から250万円くらい、結婚式場やホテルの場合は260万円くらいとなっているようです。
フラワー業界全体が景気の影響を受けやすいので、他の職種と比べると収入の水準は低めとなるようです。
花屋の場合、1人前になるには現場で経験を積み重ねるのが大事です。
その先のキャリアパスでは、働く店舗や会社ごとに異なるものの、店長やエリアマネージャー、若手スタッフの技術指導、管理職などのポストが考えられます。
有名なフラワーデザイナーでも、元々花屋のスタッフとして働きながらブーケやアレンジメントの技術を身に着けていく人が多いようです。
経験を積んでいけば将来的には、独立開業してさらに大きなイベントの装花を担当できたり、自分の店を持ったり、後輩を育成するための力を蓄えたりできます。
女性が多い仕事です。男性が1割くらいで、女性が9割くらいです。
認可団体
一般社団法人の東京都フラワー装飾技能士会が平成27年11月に法人化されて、平成28年度より「一般社団法人 東京都技能士会連合会」に承認され、正式に会員として活動することになりました。
受験条件
試験は3級・2級・1級があります。
1級から受検する場合は7年以上の実務経験が必要です。
3級合格後に受験する場合は4年以上、2級合格後に受験する場合は2年以上の実務経験が必要です。
受験地は以下の通りです。
北海道、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川、新潟、石川、山梨、長野、岐阜、愛知、京都、大阪、兵庫、奈良、鳥取、島根、広島、山口、愛媛、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄
合格率
近年の合格率は、全級合計では80%ほどです。
2019年は、東京都の1級受験者42名中で合格6名です。
3級は合格率が8割弱程、2級で7割、1級で5割程度の合格率だと思っていて良いでしょう。
1年当たりの試験実施回数
各級、年に1回の試験実施となっています。
どの級も近年は受付開始が4月上旬で、締切が4月中旬となっています。
2022年、2023年、2024年の受験初日は以下の通りです。
- 2022年:3級学科 受験初日:7月下旬
- 2022年:1,2級学科 受験初日:9月下旬2023年、3級学科 受験初日:7月下旬
- 2023年:1,2級学科 受験初日:9月下旬2024年、3級学科 受験初日:7月下旬
- 2024年:1,2級学科 受験初日:9月下旬
試験科目
こちらも級ごとにご紹介します。
3級
② バスケットアレンジメントの製作作業を行う(30分)
③ ブートニアの製作作業を行う(20分)
① フラワー装飾一般
② フラワー装飾作業法
③ 材料
④ 植物一般
⑤ 安全衛生
2級
② フラワーアレンジメントの製作作業を行う。(30分)
③ 下記のいずれかを1つを選択し受検。(25分)
- ブライダルブーケの製作作業を行う。(45分)
- 籠花(スタンド花)の製作作業を行う。(25分)
① フラワー装飾一般
② フラワー装飾作業法
③ 材料
④ 植物一般
⑤ 安全衛生
1級
② 卓上装飾花の製作作業を行う(35分)
③ ブーケの製作作業を行う(60分)
① フラワー装飾一般
② フラワー装飾作業法
③ 材料
④ 植物一般
⑤ 安全衛生
条件を満たしていると学科か実技が免除になります。
実技のみ合格や筆記のみ合格という場合があるので、その場合は次に受けるときに合格していたものは免除になります。
採点方式と合格基準
学科試験
100点の満点中、原則として65点以上で合格です。
実技試験
100点の満点中、原則として60点以上で合格です。
取得に必要な勉強などの費用
勉強方法で目立つのが以下の方法です。
・参考テキストで勉強
・youtubeを観る
・過去問で勉強する
・実践して経験を重ねる
講演会に通う
講演会の価格の一例を挙げさせていただきます。
【フラワー装飾技能士3級】
― | 入学金 | 受講料・花材費 | 教材費 | 合計 |
12回コース | 22,000円 | 105,600円 | 5,256円 | 132,856円 |
16回コース | 22,000円 | 140,800円 | 5,256円 | 168,056円 |
参考テキストで勉強
参考書には次のようなものがあります。
発行元:公益社団法人日本フラワーデザイナー協会
商品名:改訂版 NFD版よくわかる フラワー装飾技能検定試験
価格:¥2,420(税込)
フラワー装飾技能検定試験の実技検定の初の解説本の改訂版です。
検定試験の改定があったため、改訂された書籍です。
試験のレギュレーションをもとに、1級、2級、3級のすべての設問に対して作例されています。
詳細な製作プロセスを写真と図版で説明、さらに作品のポイントが掲載されています。
加えて、2016年度版の学科試験の過去問も掲載されています。
受験料
学科試験:3,100円
実技試験:18,200円
都道府県によって異なる場合があります。
受験申込方法
問い合わせ先は、都道府県職業能力開発協会です。
都道府県によって問い合わせの電話番号が異なりますので、それぞれの地域の職業能力開発協会のホームページを参照してください。
まとめ
花の国家資格である、フラワー装飾技能士試験を取り上げさせて頂きました。
花を職業にされていらっしゃる方や花の職業に就きたいと考えている方は、是非とも取りたい国家資格だと思います。
学科と実技があり、1級まで取るのは簡単にはいきません。
受験資格にも気をつけなければいけません。
技能士の資格は職人の色が強いので、一定の実務経験がないと受験資格を得られません。
特に1級になると、実務経験で受ける場合には7年以上が必要です。
専門学校などの在学中に2級まで取っている場合でも、2年の実務経験がないと受験資格がありません。
学歴によって短縮はされますが、専門学校卒業からで6年、短大、高専、高校専攻科卒業からで5年、大学卒業からで4年の実務経験がないと受験資格を得られません。
受験資格があれば、3級、2級を持っていなくても1級から受験可能です。
受験資格は当記事の項目にも書いてありますので、よく読んで受験してみてくださいね。
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フラワーデザイナー資格試験について
ここで実務経験とは、お花屋さんなどで働いたりすることです。
どこからどこまでをこの場合の実務経験に数えるのかは、明示されていません。