私が学童期の頃だった教室では黒板が使われていました。
黒板だと黒板消しをクリーナーできれいにするとき、チョークの粉が飛んで汚れて大変だったのを覚えています。
それが大人になるにつれ、だんだんとホワイトボードが使われている環境になりました。
ホワイトボードはいつまでも「白いボード」のまま長持ちしてほしいですよね。
今回はこのホワイトボードをきれいにする方法を見ていきます。
Contents
ホワイトボードを汚れたままにしておくと?インクでボードに文字を書きっぱなしにするとどうなる?
授業や会議などでよく見かけるホワイトボードは、いつ見ても「白い」というイメージがありますよね。
しかし、使っているうちにだんだん消しにくくなってきたと感じることあると思います。
ホワイトボードを使っていて汚れてくるのは、こんな理由がありました。
ホワイトボードが汚れる原因
ホワイトボード側のほこりや表面の傷
ホワイトボードはまっさらな白い色をしていますが、床や壁と一緒でほこりが付きやすくなります。
ほこりも白いですからホワイトボード上では分かりづらいかもしれませんが、汚れが付きます。
また、長く使っていると、知らず知らずのうちにホワイトボードの表面にも傷が付きます。
こうしたほこりや傷はマーカーのインクをどんどんボード内部に染み込ませてしまいます。
そして、乾燥すると染み込んでしまっているので、イレーザーでこすっても消えなくなってきます。
それに、ホワイトボードには表面にコーティング剤が貼られています。
このコーティング剤のおかげで簡単に書いて・消してを繰り返すことができます。
しかし、このコーティング剤もしだいに劣化していくので、文字や汚れをきれいに消せなくなります。
ホワイトボードも電化製品と同じく、衰える道具なのです。
インクやペンに問題がある
ホワイトボードに文字を書くにはペンが必要です。
このホワイトボード用のペンというのは、2つ特徴があります。
1つはインキ成分の着色剤に顔料が含まれていることです。
顔料というのは水や油に溶けない性質を持っています。
このため顔料を含んだペンというのは、定着剤を加えて面に塗ることで色が付きます。
ちなみに、普通のマジック(油性ペン)は水や油に溶け、布や紙などの繊維の間に染み込ませて染める「染料」が含まれています。
そして、もう1つは剥離剤を使用していることです。
剥離剤とは、文字通り塗装を剥がすために使用する薬剤です。
つまり、ホワイトボード用ペンのインクはボードに書かれたとき、剥離剤がボードに接着されてその上に顔料が残る仕組みになっています。
剥離剤を剥がすと同時に顔料もはがされる作りになっているため、イレーザーで簡単に消すことができます。
しかし、購入から時間が経てばペン内部の成分が変化し、剥離剤の効果も衰えてきます。
衰えるということは、簡単には消えにくくなるということです。
イレーザーの劣化
今度はペンではなく、イレーザー(白板消し)にも注目してみましょう。
イレーザーで文字を消していくと、インクがどんどんイレーザー側に付いてきます。
このインクの汚れが多くなってくると、ホワイトボードの文字を消す能力も低くなっていきます。
もしイレーザーの使用期間が長いなら、それが原因になっている可能性はあるでしょう。
イレーザーもきれいにしなければなりませんね。
ボードに文字を書きっぱなしにするとどうなる?
ホワイトボードに文字を書きっぱなしにすると、文字がボードの上に乗ったままの状態になります。
そうなると、ペンのインクがホワイトボード側に移ってしまうので、消えにくくなります。
ですので、ホワイトボードを使った際は、書いた字をその日のうちに消すようにしましょう。
具体的に言うと24時間以内です。
また、インクが乾く前に書いた文字を消すのも、汚れを広げる原因になります。
ホワイトボード用ペンには剥離剤が含まれているため、しっかりインクが乾いてからでないと力を発揮してくれません。
剥がす能力を出さないうちに消してしまうことになるので、汚れが広がってしまうのです。
文字を間違えたからといってとっさに消すのではなく、ちゃんとインクが乾いたと思ったときに消しましょう。
ホーロータイプ、スチールタイプの違いって?
皆さん、一見したら分かりませんが、実はホワイトボードの材質には種類があるのです。
ホーロータイプ
ホーローと聞くとお鍋をイメージするかと思いますが、ホワイトボードでいうと金属の上にガラスを焼き付けてコーティングしたもののことです。
ホーロータイプだと表面が硬いので、強くこすっても傷つきにくいのが強みです。
耐久性に優れているのでいろいろな人が毎日使っても、きれいな表面を保つことができます。
ガラスを使っているので比較的少し重く、価格も少し高いですが、書き味は滑らかに出来ています。
スチールタイプ
スチールタイプのホワイトボードは書く表面側は鉄板ですが、材質は100℃以上の温度でボードの表面に塗った塗膜を硬くした特殊な鋼板でできています。
そうした材質の上からホワイトボードの「白色」を中塗りした後、表面に紫外線(UV)硬化型アクリル塗装を施しています。
この塗装をすることで、表面硬度が硬く・なめらかになり、使いやすくなります。
ホーロータイプのものより安価で購入でき、移動する際も少し軽めにできています。
軽量ですから壁や家具に引っかけることができ、壁掛け用ホワイトボードとしても使用することができます。
もちろん、スチールタイプは鉄ですから、マグネットも使えますよ。
ホワイトボードの掃除方法、残ったマーカー汚れの落とし方って?
ここからは汚れが付きやすくなったホワイトボードの掃除の仕方についてです。
中性洗剤を使わないこと
始めに言っておきますが、ホワイトボードの掃除には中性洗剤を使うことはおすすめできません。
その理由は中性洗剤には「界面活性剤」が存在するからです。
本来、中性洗剤は水と油のように混ざり合わない物同士をなじみやすくして混ざり合わせ、落ちにくい汚れを除去する働きを持っています。
しかし、ホワイトボードに塗る場合はこのようになります。
例えば、布に中性洗剤を吹きかけて拭くとします。
そのままだと洗剤だらけになりますから、後から水拭きをします。
ところが、2度3度水拭きしても、完全には付けた(界面活性剤が含まれている)中性洗剤を拭き取ることができません。
拭き取れないまま、そのまま次にホワイトボードを使うと、ペンのインキ成分であるアルコールや顔料、剥離剤などが界面活性剤となじんでしまいます。
そうなると、イレーザーで消した際にかえって汚れが残ってしまうことになるのです。
つまり、本来持っているインキの仕組みが、界面活性剤の存在で崩れてしまうということです。
これだとせっかくきれいにしたのに、すぐ掃除をすることになってしまうので中性洗剤は絶対使わないようにしてください。
では、どのようにホワイトボードを掃除すれば良いか、正しい方法を紹介していきましょう。
ホワイトボードをきれいにする方法
水拭きをする
ホワイトボード上に残ってしまった軽い汚れや書き跡は水拭きで落ちます。
なぜなら、ホワイトボードが消えにくくなる最大の原因は表面の汚れで、使い始めの頃であればほとんどが水溶性の汚れだからです。
水溶性でしたら、水だけの力で落とせる可能性があります。
まず、掃除をする前に、イレーザーでホワイトボード付いている汚れを可能な限りきれいにしましょう。
次にきれいな布や雑巾などで水で濡らして固く絞り、水拭きします。
拭いた時に水が垂れてこないようにするため、固く絞ります。
水拭きが終わったら、今度は乾いたきれいな布で乾拭きします。
ホワイトボードに水気が残っていては使いにくいですから、丁寧に乾拭きしましょう。
汚れた布でやると、ホワイトボードの表面が傷ついてしまいますので気を付けましょう。
無水エタノールを使う
水拭きしても汚れが落ちなかった場合は、無水エタノールを染み込ませて拭きましょう。
無水エタノールはサトウキビやトウモロコシなどを発酵させて製造されるアルコールの一種です。
無水エタノールが有効な理由は2つあります。
1つはエタノール濃度99.5vol%以上と濃度の高いアルコールであるため、油分を溶かす能力も優れていること、もう1つはすぐに乾くことです。
すぐ乾くので2度拭きしなくても済みます。
ただし、そのエタノールも濃度が高すぎると、ホワイトボードに施されているコーティングが衰えてしまう可能性があるため、濃いと思ったらエタノールを薄めて使うようにしましょう。
ホワイトボード掃除おすすめグッズや道具
ホワイトボードの掃除の仕方は分かりましたでしょうか。
では次は、ホワイトボードをきれいにするためにおすすめグッズを見ていきたいと思います。
ホワイトボードクリーナー
メーカー名:株式会社大洋
商品名:ホワイトボードクリーナー
価格:¥880(税込)
消えにくくなったホワイトボードの消去能力を復活させてくれるクリーナーです。
水とエタノールが主成分です。
消した後のマーカー跡(ゴースト)もきれいに消せます。
ボードに直接吹きかけて、布でやさしくなじませるだけでOKです。
無水エタノール
メーカー名:健栄製薬
商品名:無水エタノール
価格:¥921(参考価格)
エタノール99.5vol%以上を含有している無色透明の液体です。
水が苦手なOA機器の掃除やキッチン回りの汚れなどに重宝します。
まな板の除菌にも活用できます。
ホワイトボード用イレーザー<ヨクキエール>W161・D60・H40
メーカー名:コクヨ
商品名:ホワイトボード用イレーザー<ヨクキエール>W161・D60・H40
価格:¥640(メーカー希望小売価格)
微細繊維「ベリーマ」を使っているイレーザーで、消去性の悪いコピー黒板にも最適です。
イレーザー部分は中性洗剤で洗えます。
生地が傷んできたら別売りの替え生地が販売されていますので、取り換えれば繰り返し使えます。
まとめ
今回はホワイトボードの掃除についてお伝えしてきました。
ホワイトボードもだんだん消せなくなります。
掃除するには中性洗剤や除光液のようなきつめな洗浄剤は避けて、ホワイトボードを傷めないように行なっていきましょう。
水拭きや無水エタノールで掃除すれば、ホワイトボードを長持ちさせることができますのでやってみてくださいね。
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それに除光液はきつめの溶剤ですから、使うとホワイトボードを傷めてしまう可能性があります。
ホワイトボードの掃除には使わないようにしましょう。
シンナーやベンジンなども同様です。