今回お伝えするのは「シスコ技術者認定試験」です。
これはシスコシステム社が実施する、ネットワークエンジニアの技能を認定する世界共通基準の資格です。
これを持っていると、同社の主力商品であるCiscoルータ、Catalystスイッチに関する技術力の証明となるだけでなく、基礎的なネットワーク技術(TCP/IPなど)を持つことの証明にもなります。
ネットワークの世界では最も有名な資格のようです。
Contents
適用する仕事
適用する仕事はインフラ系エンジニアやITエンジニアなどが需要としてあります。
仕事内容としてネットワーク構築や保守、管理、セキュリティ管理、分析設計などがあるでしょう。
ITエンジニアとは、システムの開発や運用の仕事に関わる技術者を総称した職業名です。
総称ですから、その中で細分化ができます。
この中で「シスコ技術者認定」が適用されるのは、インフラエンジニアでしょう。
インフラエンジニアはITインフラを設計・構築し、それらが問題なく動くための運用・保守を行います。
設計とは
例えばクライアントからどんなシステムを作りたいか要求定義をされます。
それをインフラエンジニアが設計書に落とし込んでいきます。
設計書はドキュメントとして保存され、それを土台にして実作業が行われます。
プログラムをイメージしながら、実際の動作フローやエラーハンドリングまでを組み込んでおく必要があります。
構築とは
設計書が完成したら、今度はそれに基づいてハードウェア・ソフトウェアを揃えるのが構築です。
もちろん必要に応じてプログラミングを行うこともあります。
ハードウェアの運搬や組付け、設置も構築作業の内容です。
すべての設置と接続が終わったら、ソフトウェアのインストールと設定を行なって、動作確認と負荷テストも担います。
運用とは
すべての構築とテストが終わったら、運用が始まります。
一度運用を始めたら継続が要求されます。
継続するためにはシステムの動作を確認し、必要に応じて保守し、万が一トラブルが起きた際にはすぐ対処できるように準備しておかなければなりません。
おおよその年収とキャリアパス
インフラエンジニアの仕事の平均年収は約546万円です。
日本の平均年収と比較すると高い傾向にあります。
月給で換算すると45万円、初任給は21万円程度が相場のようです。
この職種は勤務先や経験・求められるスキルによっても大きな差があると見受けられます。
インフラのキャリアパスはいろいろあります。
インフラのスペシャリスト
その道を極める方向性です。
やること自体は設計や構築とそれほど変わらないかもしれませんが、スペシャリストに求められるのはその知識量です。
例えば最新技術を知っていると、今実現したい要求定義に最適なプランを提案できます。
IT業界は変化が激しいですから、「今、業界で求められている技術は何なのか?」と常にアンテナを張り巡らせて取り組むべき技術を見極めて、システムの改善や課題解決策なども提案できるようになれば、より活躍の場が広がるでしょう。
プロジェクトマネージャー
インフラエンジニアからプロジェクトマネージャーを目指すことも可能です。
インフラを司るプロジェクトは規模が大きいので、大抵チームが組まれます。
そのときの経験をプロジェクトマネージャーに活かすのです。
これはチームを取りまとめて進捗や成果物を管理しますから、リーダーシップを発揮することが得意な方には向いている仕事でしょう。
上に立つ仕事ですから責任感が求められます。
しかし、それと同じくらいやりがいもあるでしょう。
セキュリティエンジニア
これは異業種へキャリアチェンジするやり方になります。
インフラエンジニアというのは、元々不正アクセスの防止や攻撃に対する防衛などといったセキュリティに関する知見もある程度求められる内容ですので、それを発展させればセキュリティの分野も極められます。
特にネットワーク分野が得意なインフラエンジニアの方は、このキャリアを積む人が多いようです。
認可団体
「シスコ技術者認定試験」を主催している団体は「シスコシステムズ 東京本社」です。
1992年5月22日 シスコシステムズ合同会社として設立
事業内容はネットワークシステム、ソリューションの販売ならびにこれらに関するサービスの提供
受験条件
特になし
ただし、年齢制限はあります。
13歳未満 | 親の同意があっても受験および認定資格の取得を認めない |
13~17歳 | 保護者か法定後見人の同意がある場合に限り、すべての試験の受験と資格の取得ができる |
18歳以上 | 年齢による試験の受験と資格の取得の制限は無し |
合格率
非公表
1年当たりの試験実施回数
試験日や試験会場の指定はありません。
申し込み受付期間は随時で試験日は祝日を除く、月~土曜日です。
試験会場は全国のピアソンVUE公認試験会場です。
ご自分の都合の良い日・都合の良い場所で受験できます。
試験科目
シスコ技術者認定には4つのグレードがあります。
下位から順に、エントリー・アソシエイト・プロフェッショナル・エキスパートです。
詳しくはレベルによって異なります。
例として
- ネットワークの基礎
- ネットワークアクセス
- IPサービス
- IP接続
- セキュリティの基礎
- 自動化のプログラマビリティ
など
採点方式と合格基準
エントリーレベル 出題40~50問
アソシエイトレベル 出題50~60問
プロフェッショナルレベル 出題35~52問(種類による)
採点方式は段階評価システムを用いて行われます。
スコアは300点から1000点の段階評価です。
受検者には試験開始時にあらかじめ300点が与えられ、全問正解すると最高点である1000となります。
しかし、出題問題に与えられるポイントは各試験ごとに異なります。
試験の合格点は一般公表されていません。
取得に必要な勉強などの費用
テキストをご紹介します。
シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301
出版社名:翔泳社
商品名:シスコ技術者認定教科書 CCNA 完全合格テキスト&問題集[対応試験]200-301
価格:¥4,268(税込)
こちらの書籍はこのような方が対象です。
- 初めてCCNA試験に挑戦する人
- 効率的に得点力をつけたい人
- 1冊で合格までたどり着きたい人
IT技術専門スクールの講師陣による書き下ろしなので、独学でも無理なく学べるようになっています。
各章末には理解度をチェックする「確認問題」、さらに「模擬試験」を2回分収録しております。
この1冊で合格を目指せるよう質と量の問題をご用意しています。
Cisco試験対策Cisco CCNA問題集[200-301 CCNA]対応
出版社名:SBクリエイティブ
商品名:Cisco試験対策Cisco CCNA問題集[200-301 CCNA]対応
価格:¥3,960(税込)
CCNA試験で問われる幅広い内容についてを1冊で試験範囲をカバーし、本番試験の傾向を考慮した実践的な問題を取り揃えた内容となっています。
わかりやすく丁寧なポイント解説が大きな特長です。
受験料
受験料はコースによって異なります。
010-151 DCTECHデータセンターCCT試験 | ¥14,000 |
100-×××シスコ認定技術者試験 | ¥14,000 |
200-×××準レベル試験 | ¥33,600 |
300-×××プロフェッショナルレベル集中試験 | ¥33,600 |
350-×××プロフェッショナルレベルコア試験 | ¥44,800 |
352-001 CCDE エキスパートレベル筆記試験 | ¥50,400 |
500-×××スペシャリスト認定試験 | ¥33,600 |
820-×××ビジネススペシャリスト筆記レベル2試験 | ¥28,000 |
受験申込方法
まず、受験するのはピアソンVUE公認試験会場というところなので、受験が初めての方はピアソンVUEのIDナンバーの取得が必要になります。
ピアソンVUEのホームページまたはコールセンター(0120-355-583または0120-355-173)で新規登録をし、IDを取得してください。
そして、取得されたら以下のやり方で進みます。
ホームページで申し込みする場合
ホームページの場合はログインし、受験予約ページにて申し込み・予約終了後「確認書」を印刷します。
申し込み時にクレジットカード、プロモーションコードまたはバウチャーによる支払いが可能です。
そして、予約した会場で受験し、合否が判定されます。
コールセンターで申し込みする場合
まず、コールセンターへ電話しましょう。
次に受験申し込みや受験料の支払いをします。
支払いは銀行振込み、クレジットカード、プロモーションコードまたはバウチャーによる支払いが可能です。
銀行振り込みの場合は入金確認後に予約を確定します。
予約が確定したら「確認書」のメールを受領します。
そして、予約した会場で受験し、合否が判定されます。
テストセンターで申し込みする場合
まず、受験したいピアソンVUE各テストセンターに連絡します。
そして、そこで受験申し込みや受験料の支払いをします。
支払いはクレジットカード、プロモーションコードまたはバウチャーによる支払いが可能です。
こちらも予約が確定したら「確認書」のメールを受領します。
そして、予約した会場で受験し、合否が判定されます。
まとめ
「シスコ技術者認定試験」の公式サイトを見ると、英字ばかりで分かりにくいと感じる方もいるかもしれません。
こちらの記事でその概要をお伝えできたかと思います。
「シスコ技術者認定試験」は難易度別に資格試験が分かれていて、それぞれの受験者が持っている知識量や経験別に試験が用意してあります。
レベルは外国語や記号ばかりの表記になっていますが、自分のできる範囲のレベルから勉強してみて下さい。
この試験は世界に通用する認定資格ですので、スコアを取ると外資系企業を目指す場合にもアピール材料となるでしょう。
ネットワーク関連に就きたい方、すでに就いている方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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など