競輪選手について

競輪選手について

競輪選手について取り上げさせて頂きます。
競輪とは簡単に表現すると自転車が競争路を走って、順位を競う競技です。

競輪で使われる自転車はピストと呼ばれます。
観客側が順位を予想してお金をかけることができる、賭博として認められている数少ない競技です。

適用する仕事

そのまま名にある通りですが、競輪選手として認められる資格です。
競輪選手というものは、公営競技の競輪で賞金を獲得するプロフェッショナルスポーツ選手です。
競輪は公営ギャンブルです。

公営ギャンブルは他に、競馬や競艇、オートレースなどがあります。
競輪選手は競輪専用の自転車に乗って、最大9名でレースを行います。
そのレースでの着順を競います。
競輪専用の自転車は「トラックレーサー」と呼ばれます。

競輪選手になるには、日本競輪選手養成所に入らないと厳しいです。
過去に競輪選手になった人に、日本競輪選手養成所に入らずに競輪選手になった人は居ません。
養成所に入所すると、原則として10ヶ月間の訓練を受けることとなります。
日本競輪選手養成所の一日のスケジュール例を示します。

6:30 6:45 6:50-7:10 7:10-7:30 7:30-8:05
起床 点呼 錬成 清掃 朝食

 

9:00 9:05-9:45 9:55-10:35 10:45-11:25 11:25-12:05
課業整列 第1時限(主に学科実施) 第2時限(主に学科実施) 第3時限(主に学科実施) 昼食

 

12:05-12:45 12:50 12:55-13:35 13:45-14:25 14:35-15:15
訓練準備時間 課業整列 第4時限(主に実科訓練実施) 第5時限(主に実科訓練実施) 第6時限(主に実科訓練実施)

 

15:25-16:05 16:15-16:55 17:00-19:00 17:45-18:45 19:15-19:45
第7時限(主に実科訓練実施) 第8時限(主に実科訓練実施) 入浴 夕食 自習

 

19:45-20:55 21:00 22:00
自由時間 点呼 消灯

オートレース場

 

おおよその年収とキャリアパス

競輪選手の平均年収は、おおよそ1200万円です。
競輪選手は、レースの成績でクラスが分かれます。
S級の「S班」「1班」「2班」
A級の「1班」「2班」「3班」

クラスごとの平均年収は以下の通りです。

S級S班:約1億円
S級1班:約2,000万円
S班2班:約1,200万円
A級1班:約850万円
A級2班:約700万円
A級3班:約600万円

レースに出ると、「出走手当」「正選手手当」が支給されます。
1レースの出走で合計約3万円です。
この手当は、失格や棄権の場合も支払われます。

さらに、出走する時間や時期による手当もあります。
朝のレースは「モーニング手当」で、夜のレースに「ミッドナイト手当」です。
正月のレースには「正月手当」が支給されます。

認可団体

経済産業省

「競輪選手」は経済産業省が管轄の国家資格です。

受験条件

競輪選手資格検定に合格するには、日本競輪選手養成所に入所して研修・訓練を受けなければなりません。
選手養成所の入所試験の合格倍率は、男性は5倍から6倍、女性は2倍から3倍くらいです。
入学日に17歳以上でなければなりません。

また、高校卒業と同等以上の学力を有していることも入学条件の1つです。
高校卒業者、又は翌春の卒業見込み者か、大学検定合格者であれば受験できます。

合格率

日本競輪選手養成所での競輪選手試験の合格率です。

男性 374人受験 合格率:9.6%
女性 47人受験 合格率:41.6%

1年当たりの試験実施回数

日本競輪選手養成所の技能試験、適性試験は1年に1回です。
特別選抜試験は、応募があると実施されます。

オートレース場2

試験科目

一次試験と二次試験があります。

一次試験

技能試験
  • 自転車による1000メートルの走行時間
  • 自転車による400メートル助走後における200メートルの走行時間
適性試験
  • 垂直跳の跳躍高
  • 背筋力計による背筋力

二次試験

適性試験
  • 台上走行試験装置による瞬間最高速度
  • 台上走行試験装置によるクランク軸の最大回転回数
  • 台上走行試験装置による一定時間の総仕事量
身体検査
業務規程別表第1の「身体検査合格点」で定める検査項目
人物考査
  • 口頭試問
  • 適性検査
  • 作文等による考査

採点方式と合格基準

採点というよりは、タイムや数値を見られます。
近年の数値を示します。

男子技能試験合格者成績

1000m走行時間 最高 最低 平均
第123回 1:06.99 1:11.23 1:09.77
第121回 1:06.00 1:11.28 1:09.53
第119回 1:06.81 1:11.35 1:09.83
第117回 1:06.93 1:12.33 1:09.94
過去4回平均 1:06.68 1:11.55 1:09.77
200m走行時間 最高 最低 平均
第123回 10.91 11.76 11.50
第121回 10.90 11.71 11.49
第119回 10.79 11.81 11.38
第117回 10.88 11.77 11.47
過去4回平均 10.88 11.76 11.47

女子技能試験合格者成績

500m走行時間 最高 最低 平均
第124回 36.97 40.72 39.28
第122回 37.37 40.51 38.97
第120回 37.00 40.26 38.99
過去3回平均 37.11 40.50 39.08
200m走行時間 最高 最低 平均
第124回 12.48 13.87 13.26
第122回 12.49 13.95 13.16
第120回 12.50 13.40 12.99
過去3回平均 12.491 13.74 13.14

取得に必要な勉強などの費用

日本競輪選手養成所での費用です。
学費は無料で、在学期間は通常1年かからないくらいです。
成績優秀者は半年で卒業する人も居られます。

寮での食費とウェア代などで、だいたい100万円くらいかかります。
その費用も、レース運営をするJKAから借りることができます。
返済は競輪選手になってからになり、獲得する賞金から引かれます。

受験料

競輪選手試験の一次試験、二次試験の受験料はそれぞれ次の通りです。
一次試験:5,000円
二次試験:7,000円
自転車のタイヤ

受験申込方法

競輪選手資格検定自体は、誰でも受験できます。
しかし、普通に受験して合格する人は居ません。
過去にも、日本競輪選手養成所に入らずに合格した人は存在しません。
競輪選手を目指すほとんどの人は、日本競輪選手養成所に入校して、試験の合格を目指します。

男子の例を挙げさせていただきますが、日本競輪選手養成所の入所募集要項は以下の通りです。
第123回(男子)選手候補生の募集人数は70名程度でした。
応募資格は以下の通りです。

  • 日本国内に居住する男子であること。
  • 年齢は満17才以上であること。
以下のいずれにも該当しないこと
  1. 競輪選手として登録された者(消除者を含む)。
  2. 禁錮以上の刑に処せられた者。
  3. 自転車競技法、小型自動車競走法、競馬法、日本中央競馬会法又はモーターボート競争法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられた者。
  4. 成年被後見人、被保佐人又は破産者で復権を得ない者。
  5. 反社会的勢力との関係が疑われる者。
  6. 2018年度以前に日本競輪選手養成所(旧日本競輪学校)に在籍したことがある者で日本競輪選手養成所規則第15条(旧日本競輪学校校則第18条)に定める在籍期間相当の期間を経過しない者。
    また、前述の期間を経過した者であっても、日本競輪選手養成所(旧日本競輪学校)に在籍中、懲戒により退所(退学)を命ぜられた者。
  7. 2019年度以降、日本競輪選手養成所に在籍したことがある者で、退所を命ぜられた者。
  8. 業務規程 別表第1「身体検査合格基準」又はその他の規定により明らかに試験に合格しないと思われる者。
  9. 初回受験の日から8年が経過した者。ただし、2018年度以前の試験は初回受験に数えない。
  10. .2019年度以降に5回受験した者。2019年度以降に試験を辞退、欠席した者についても受験回数に数えるものとする。
  11. タトゥー、入れ墨、アートメイクその他の身体に直接施術された物によって医療検査を受けられない可能性のある者。
  12. その他上記に準ずる事実がある者。

まとめ

競輪は賭博として認められている競技です。
数少ない公営ギャンブルですが、スポーツとしてみることもできます。
最大9名で行われるレースです。

競輪選手は基本的には、日本競輪選手養成所で訓練した選手です。
一般受験もできますが、今までに日本競輪選手養成所に入らずに合格した者は居ません。

競輪選手を目指すなら、日本競輪選手養成所に入校してから試験の合格を目指しましょう。

 

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