シニアライフアドバイザーは高齢者からの相談に対して適切なアドバイスができることを示す資格です。
定年退職したり、子育てを終えたりした後の人生について高齢者からの相談に対して適切なアドバイスをする役割を担います。
仕事で活かすというよりは、身近な人の介護やボランティア活動に役立つ資格という面が強いです。
高齢者の割合が増えている今、介護の業界で勤務をする人を中心に養成講座を希望する人は増加傾向にあります。
受けようと思っている方はもちろん、周りにこの資格を希望している方がいらっしゃる場合も、是非お読みください。
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適用する仕事
この資格を持つ多くの人はボランティア活動にこの資格を活かしています。福祉や介護、健康と医学、家族関係、人間関係など中高年の生活全般について相談に乗り、アドバイスします。
併せて持つことの多い資格が、ファイナンシャルプランナーやケアマネージャーです。
もちろん、仕事としてシニアライフアドバイザーの資格を活かす道もあります。シニアライフアドバイザー(SLA)が活躍する主な仕事は以下のとおりです。
- シニアライフ全般に関する電話相談
- シニアに関する情報収集ならびに、提供などの職務遂行
- SLAが主宰する「シニア生き生き教室」の企画、運営および講師
- 財団が主宰する「シニア商品研究会」においてのシニア商品に関する調査、研究
- 行政、または企業が開催するイベントや講演会などの企画、運営および講師
- 雑誌、機関誌などからの依頼原稿執筆および広報誌の企画、編集、執筆
- インターネットや財団の活動を通じたシニアネットワークづくり
そのほか、この資格試験を主宰するシニアルネサンス財団による「シニア電話相談室」での相談役になったり、組織内での情報収集活動や広報活動、セミナーの企画・運営といった仕事を選ぶこともできます。
おおよその年収とキャリアパス
シニアライフアドバイザーの資格が活きる仕事の年収は幅があり、おおよそ240万円から870万円ほどです。
870万円といった高年収のケースは、ほかに主軸となる資格を有していて、副次的な資格としてシニアライフアドバイザーを所持されている方でしょう。
シニアライフアドバイザーの資格を持っている方で、公開されている年収を見ると400万円から500万円前後が多いように見受けられます。
前述したとおり、仕事だけのためというよりは興味・関心がある分野を掘り下げたい気持ちから取得する方の割合が高い資格です。
キャリア形成にあたってはほかの資格の取得もあわせて考えるべきでしょう。
認可団体
シニアライフアドバイザーは「財団法人 シニアルネサンス財団」が認定している資格です。
財団法人シニアルネサンス財団は、元内閣府所管の財団法人で、「元気で文化的な生活を追求し続ける」シニア・中高年を支援することを目的として1992年6月1日に設立されました。
所在:東京都千代田区九段南3-5-10 九段菊江ビル3階
受験条件
こちらは中高年齢者総合生活相談員養成事業(SLA養成講座)を修了し、かつ修了審査に合格した人に与えられる資格です。
受講前には第一次審査の論文と第二次審査の面接があります。
合格率
講座を受講して、修了審査に合格することで取得できる資格です。難易度はそう高くはないようで、合格率は90%以上です。
1年当たりの試験実施回数
講座の受講形式は2通りあります。通学して受講するものと通信講座を受講するものです。
通学講座
通学の場合は、8日間の講座を受講します。例年ですと土曜、日曜に開講されますが、開講場所と開講月は年度によって異なります。
<開講場所>
その年によって異なります。これまでに開講された県は以下の通りです。
札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・岡山・福山・広島・福岡
試験日程は不定期です。
通信講座
通信講座は「自宅学習」「スクーリング」「体験学習」の3つの要素で構成されています。通年で受講可能ですが、スクーリングの開講時期は場所(全国7都市)によって異なります。
なお、通信講座の試験日程は随時、受験地は自宅です。
通学講座は地域も受講曜日も限定されていることから、どちらかといえば通信講座の方がメインだという見方もあります。
試験科目
養成講座の内容が修了審査で出題されるでしょう。
テキストによる学習
- 総論-生き生きシニアライフに向けて
- ボランティア
- 心と身体の健康
- 生きがい
- 生涯学習
- 人間関係とトラブルの対処の仕方
- 訪問販売・商品取引・不動産取引の被害にあわない為に
- 相続と対策
- 年金制度の正しい理解と対応
- 退職生活と税金
- 生活設計と財産の運用
- 保険
- 仕事
- 衣と住
- 福祉と介護の諸問題
- ジェロントロジー
・ジェロントロジーとは
・生き方、考え方を変える人間学
・社会に息づくジェロントロジー
・企業に影響を与えるジェロントロジー
・アメリカから学ぶ生きたジェロントロジー
体験学習
体験学習は、通信講座受講開始から1年以内に受講します。
これはNPO活動、ボランティア活動、地域活動など社会性・公益性を持った活動の現状を身をもって体験し、シニアを取り巻く現状を正しく認識するためです。
NPOやボランティアなど、社会活動をしている団体に体験参加し、その団体の活動について体験レポートをまとめて提出します。
研修会
通信講座受講開始から2年以内に、シニアルネサンス財団が指定する研修会に参加します。研修会の目的はシニアライフアドバイザー間の交流や親睦です。資格取得後の参加も可能です。
採点方式と合格基準
講座を受講して、修了審査に合格することで取得できます。
取得に必要な勉強などの費用
シニアライフアドバイザーは、前述のとおり養成講座を受講して修了試験に合格すれば取得できます。
受講料は58,000円(税別)です。
受験料
養成講座を受講して修了審査に合格しましょう。上記のとおりです。
受験申込方法
受講を申し込む方法には郵送とオンラインの2通りがあります。
郵送
- 「シニアライフアドバイザー試験」の公式サイトにアクセス
- 「受講申し込み方法」のところをクリック
- 「受講申し込み手続き」の欄にて「①養成講座受講申込書」と「③論文」のそれぞれの書式をプリントアウト
必要事項を記入し、申込書、論文、返信用封筒を下記の申し込み先に郵送します。
<申込先>
〒102-0074 東京都千代田区九段南3-5-10 九段菊江ビル3F
財団法人シニアルネサンス財団「SLA養成講座係」
オンライン
シニアルネサンス財団公式サイトから「受講申し込み手続き」の欄にて「論文テーマ」の箇所をクリックして、論文テーマ申込用フォームにアクセスします。
論文テーマを取得後、受講申し込みができます。
まとめ
以上、シニアライフアドバイザー試験についてでした。
2021年には、総人口に占める65歳以上の人の割合は、29.1%になりました。65歳以上の人口が増加し続けている現在、こういった資格を有する人の需要は高まり、活躍がより一層求められるでしょう。
多くの人の身近に介護、終活の相談が必要な人が出てくることと思います。自身の親などに介護が必要になる前に、準備をしておく意味でこの資格を取得するのもおすすめです。
そうした身内のサポートはもちろんのこと、日頃顔を合わせている地域住民のよりよい暮らしのためにこの資格を取得してみるのもよいのではないでしょうか。
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