今日は「オラクル認定Javaプログラマ」についてお伝えします。
オラクル認定Javaプログラマは民間資格で、Javaを提供するオラクル社のベンダー資格でもあります。
ベンダー資格とは、自社製品・システムを扱ううえで、一定水準以上の技能・知識を有していることを示すものです。
Contents
適用する仕事
適用する仕事はさまざまあります。
Javaは、世界中のあらゆるシステムに使われているプログラミング言語です。多くの現場に用いられ、OSに依存しません。
QAエンジニア
先行製品品質計画に従い品質管理、動作確認、仕様確認、また、品質計画そのものの立案などを行うのがQAエンジニアです。
Javaに関する知識も活かせるでしょう。
社内SE
自分が所属する企業のシステムの構築・運用・保守を担うのが社内SEです。
自社システムに特化し、ヘルプデスクとしても活躍できます。
アナリスト
証券分析、市場予測といったデータを数学的に扱う専門家をアナリストといいます。
オラクル認定Javaプログラマの場合、データアナリスト、システムアナリストがこれに該当すると推測されます。
ITコンサルタント
ITテクノロジーに関する悩みを解決へと導くのがITコンサルタントのミッションです。
いわゆるメタボシステムの整理、システム開発の進捗確認、仕様書の精査など、求められる業務は多いです。多くの場合、SEからITコンサルタントを目指します。Javaの知識も大いに役立つことでしょう。
おおよその年収とキャリアパス
企業や働き方によってさまざまですが、2021年9月現在の各職業の収入をみてみましょう。
- 民間気象情報会社のQAエンジニア 月50万円
- 住宅設備メーカーの社内SE 月22.5万円
- ソーシャルゲームアナリスト 月35万円
- テクニカルコンサルタント 年収400万円
- 東証一部上場の健康茶販売メーカーのシステム開発・運用 月25万円
- 某大手通信事業グループ会社のアプリケーションエンジニア 月20.4万円
キャリアパスについてですが、オラクル認定Javaプログラマ資格単体が決め手となって、直接内定につながるとは一概には言えません。
本人の個性、経歴、ビジョンといった要素も総合的な判断材料として加味されることでしょう。
ここでは、先ほど挙げた社内SEをオラクル認定Javaプログラマ資格のキャリアパスの例として紹介します。
オラクル認定Javaプログラマ資格を持っていると、社内SEとして別の会社に転職できます。
最高情報責任者であるCIO(Chief Information Officer)や最高技術責任者であるCTO(Chief Technology Officer)、あるいはITコンサルタント、プロジェクトマネージャーなどにキャリアアップできる可能性があります。
社内SEの行く先には多くの枝分かれした道があるといえるでしょう。
認可団体
Javaの開発元のOracle社が認可団体です。大手企業公認のベンダー資格であるため、IT業界においては一定の権威と信頼性があります。
受験条件
以下の3つのレベルに分かれています。
- 最も簡単なブロンズ(Oracle Certified Java Programmer, Bronze SE)
- シルバー(Oracle Certified Java Programmer, Silver SE 11)
- 最も難しいゴールド(Oracle Certified Java Programmer, Gold SE 11)
ブロンズ、シルバーに受験条件はありません。シルバーに合格していることがゴールドの受験条件です。
合格率
公表されていません。
1年当たりの試験実施回数
監督付き試験、監督なし試験、一社試験などさまざまな形式で開催されています。
- 監督付き試験:ピアソンVUE社テストセンターでの試験、または監督付きオンライン試験となります。
- 監督なし試験:監督なしのオンライン試験のみとなります。
- 一社試験 :企業で受けられる形態です。
会場によっては試験を随時受け付けているところもあります。
試験科目
ブロンズ
Oracle Certified Java Programmer, Bronze SE
試験時間:65分間
形式:CBT形式の選択問題
ブロンズランクは初歩的な内容で構成されています。実務経験が既にあるなら取得は容易でしょう。
最も難易度の低いランクではありますが、一定の知識・技術を有することの証明であることは事実です。資格手当が付与されるケースもあります。
- Java言語のプログラムの流れ
- データの宣言と使用
- 演算子と分岐文
- ループ文
- オブジェクト指向コンセプト
- クラス定義とオブジェクトの生成、使用
- 継承とポリモーフィズム
シルバー
Oracle Certified Java Programmer, Silver SE 11
試験時間:180分間
形式:CBT形式の選択問題
シルバーランクの出題範囲は、ブロンズランクの内容にさらに以下の内容が加わります。開発初心者向けといった印象です。
- 配列
- ループ構造
- カプセル化例外処理 など
ゴールド
Oracle Certified Java Programmer, Gold SE 11
試験時間:180分間
形式:CBT形式の選択問題
ゴールドランクの出題範囲は、シルバーランクの内容にさらに以下の内容が加わります。中上級者に向けた本格的な内容といった印象です。
- 並列処理
- Java Stream API
- ローカライズ など
ゴールドランクには、新規、移行の2つの種類があります。
2020年2月末に終了した『SE8』バージョンのゴールドランク試験に既に合格した方は移行試験を、そうでない方は新規試験を受ける形になります。
なおブロンズは日本独自のランクです。これに対して、シルバー、ゴールドは世界共通のランクです。
採点方式と合格基準
ブロンズランク:全60問 正答率60%以上
シルバーランク:全80問 正答率63%以上
ゴールドランク:新規・移行ともに全80問 新規は正答率63%以上、移行は正答率61%以上
取得に必要な勉強などの費用
資格取得のための勉強費用として、オラクル認定Javaプログラマ資格対策のテキストを紹介します。
オラクル認定資格教科書 Javaプログラマ Bronze SE スピードマスター問題集(試験番号1Z0-818)
出版社:翔泳社
商品名:オラクル認定資格教科書 Javaプログラマ Bronze SE スピードマスター問題集(試験番号1Z0-818)
価格:2,750円(税込)
ブロンズランクに必要な初歩的な知識を広範囲に渡ってわかりやすく解説しています。ブロンズランクの試験勉強に大いに役立つでしょう。
オラクル認定資格教科書 Javaプログラマ Silver SE11(試験番号1Z0-815)
出版社:翔泳社
商品名:オラクル認定資格教科書 Javaプログラマ Silver SE11(試験番号1Z0-815)
価格:4,180円(税込)
シルバーランクの対策テキストです。明日から使えるJava言語の知識が満載の1冊です。
オラクル認定資格教科書 Javaプログラマ Gold SE11(試験番号1Z0-816)
出版社:翔泳社
商品名:オラクル認定資格教科書 Javaプログラマ Gold SE11(試験番号1Z0-816)
価格:4,730円(税込)
より難易度の高いゴールドランク受験向けのテキストです。受験者の方のほか、Java言語を扱う業務に就いている方にもおすすめの1冊です。
受験料
ブロンズ:16,500 円(税込)
シルバー・ゴールド:各32,340 円(税込)
受験申込方法
「オラクル認定資格制度」の申し込みにはオラクル認定システム(CertView)へのアクセスが必須です。ピアソンVUE社にて申し込みができます。
また、一社試験で受験したい場合はOracle University コールセンターへ連絡し、チケットを購入する必要があります。チケットの有効期限は購入後半年間です。
詳しくはオラクル認定資格制度の公式サイトを参照してください。
まとめ
プログラマは現場経験が重要な仕事です。経験を積めば積むほど自分の中の引き出しが増え、仕事にもそれを活かすことができるでしょう。
オラクル認定Javaプログラマ資格は、そういった経験・知識・技術を具体的に証明するものです。
特にシルバー、ゴールドは世界でも通用する資格です。IT業界で長く働きたい、日本を飛び出して活躍したいと考える人にとっては非常に魅力的な資格といえるのではないでしょうか。
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