英語系の資格はたくさんありますが、今回ご紹介する「英語応対能力検定」というのは訪日外国人が観光地などで困らないように英語で案内やサービスを提供できるか測る試験です。
この試験は接客の場面で何より大切な「聞く」「話す」を評価の中心においています。
つまり、従来の英語学習で使われる「読む・書く」は省かれます。
一体どのように資格を習得するのか見ていきたいと思います。
Contents
適用する仕事
今(2022年)は訪日外国人の数は減っているとはいえども、21世紀や令和の世界ではだいぶ外国人の数は増えてきています。
とりわけ英語応対能力が切実に求められているのは、接客業に従事している方ではないでしょうか。
ホテルや観光業に携わっている方にとっては、英会話は避けられません。
こうした職業に従事している方が英語力を培ってもらいたいと焦点を当てたのが、今回の検定です。
けれども、接客業に就いていなくてもちょっとした道案内などの英会話力は身に着けたいですよね。
そういった人にもこの検定はおすすめです。
外国人が多い店の接客業
東京や大阪、京都などは外国人が訪れる観光地でしょう。
そうした地域のレストランや土産物店、テーマパークなどは英語ができる人が重宝されます。
語学力はもちろん必要ですが、まず大事なのは笑顔で接客することです。
そういった点でもこの「英語応対能力検定」の知識は活かせるだろうと思います。
ただ英語が話せるだけでなく、日本文化について聞かれたときに答えられたり、料理の説明ができたりなどプラスαを持っておくとなお好印象でしょう。
この場合英語力だけでなく、日本のことについても勉強しておいた方が良いですね。
ホテルの接客
ホテルの接客というのは、主にホテルの受付に立ってお客さんのチェックインやお部屋の案内を行うといったところでしょう。
東京や大阪などの大都市や観光地のホテルでは外国人も多いです。
宿泊はもちろん、出張や会議などビジネスシーンでも多く使われますから英語は必須です。
日本であっても外資系ホテルチェーンの場合は、外国の方への案内をスムーズに行うためにホテルマンの募集要項にTOEICの具体的なスコアが提示されることも多いくらいです。
空港内の飲食店
こちらは観光地ではなく、空港内の話です。
こちらの仕事内容はレストランやカフェ、ファストフード店などでお客さんの案内や注文の受付、キッチンで調理をしたりレジでお会計を行なったりといった接客です。
空港は日本人のお客さん以外にも海外から来られたお客さんもたくさん利用する場所ですから、外国人のお客さんと英語で会話する機会もたくさんあるでしょう。
そうしたところに就いている場合は、やはり気持ちの良い英語応対をしたいものですね。
おおよその年収とキャリアパス
上記でいくつかの職業を挙げましたので、それらの中から年収やキャリアパスを見ていきます。
テーマパークスタッフの場合
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、令和2年度のテーマパークスタッフの平均年収は357万円となっています。
これは働いているスタッフの多くがアルバイトやパートなどの時給制になっているからです。
大手企業が運営するテーマパークを除くと、300万円未満の年収になるケースも多いでしょう。
正社員として勤務している場合はもう少し高めの収入になります。
収入を上げるには正社員として採用されるのが一番といえます。
最初はアルバイトとして勤務して社員登用制度を使って、正社員として採用されるパターンがあります。
アトラクションの場合は、少しずつ運転できるものを増やしてキャリアを積んでいきます。
アトラクションを運転する際は社内免許が必要になりますので、その取得への勉強は必須です。
また、そこから転職したいとなったらマネジメント業務の総合職からより、専門の分野に特化した技術職(衣装、栽培、建築・電工、内装、調理)の職歴を持っていた方が出口は広いです。
そちらの方がテーマパーク業界を離れても役立つでしょう。
ホテルスタッフの場合
2021年の統計データによると、ホテルスタッフの平均年収は300~400万円です。
これはホテル業界というのは競争が厳しく、景気にも左右されやすいので飛びぬけて高い収入を手にするのが難しいからです。
しかし、ひとことでホテルスタッフといっても、巨大な外資系ホテルから高級リゾートホテル、ビジネスホテルなどさまざまありますから、そこで働くスタッフのポジションもいろいろ考えられます。
あくまで参考程度で載せておきます。
転職をせずにずっと働いていくと、ホテルの支配人クラスや海外支店の立ち上げなどといったキャリアを積むことができます。
支配人やマネージャーというクラスに就くということは、立派なキャリアパスでしょう。
認可団体
英語応対能力検定を主催している団体は「株式会社学びUPコミュニケーションズ」と呼ばれる社名の運営法人です。
旺文社、カシオ計算機、毎日新聞社の3社が運営しています。
2016年12月26日に設立しました。
検定も2017年にスタートしたばかりです。
検定試験の実施ならびに受験者のレベル認定を事業内容としています。
東京都千代田区一ツ橋1-1-1 パレスサイドビル
受験条件
受験者の年齢・職業・学歴などは問わず、どなたでも受験できます。
合格率
こちらの検定は合格、不合格という概念がないので合格率は公表していません。
判定形式はA~Dの4段階です。
1年当たりの試験実施回数
年4回(2021年の調査では)
試験科目
- 業種別試験(販売・宿泊・飲食・鉄道・タクシー)
- 一般試験(街中で外国人に道を聞かれたときに対応する英語力)
採点方式と合格基準
問題は選択式でリーディング・リスニング、音声録音のスピーキングの順に実施されます。
それぞれの問題数・配点・解答時間は以下のとおりです。
リーディング 28問・35点・約13分
リスニング 31問・50点・約27分
スピーキング 8問・60点・約15分
*全体で67問・145点・約55分
選択式のリーディング・リスニングと、音声録音のスピーキング各得点を「知識」「理解」「応答」の3つの観点で評価し直します。
A:訪日外国人の応対が十分にできる
B:訪日外国人に対して概ね的確な応対が多くの場合でできる
C:訪日外国人に対してごく初歩的な応対が場合によってできる
D:訪日外国人への応対がほとんどできない
取得に必要な勉強などの費用
認可団体から公認学習教材が販売されています。
「とにかくひとこと英会話」シリーズ
全5冊 各1,650円(税込)
公認学習機 joy study(メイン機種2モデル)
各22,000円(税込)
公認学習機 joy study(入門機種2モデル)
各11,000円(税込)
受験料
7,150円(税込)
支払いはクレジットカードまたはコンビニ払い
受験申込方法
英語応対能力検定の公式サイトの「受験案内」の項目から入っていただき、下部の「新規申し込み」から申し込みます。
サイトではマイページを使いますから、登録してから始めましょう。
平日10時~17時
まとめ
今回は「英語応対能力検定」という資格についてお伝えしてきました。
初めて聞く検定だと思う人も多いことでしょう。
それもそのはず!この検定は2017年に始まったばかりなのです。
今は訪日外国人は少ないですが、いずれもっと接客や観光の面で外国人と接することが多くなるだろうと思います。
今、そうした業種で働いている方はそうしたお客様にも対応できるように、英語の勉強をしてみてはいかがでしょうか。
英検やTOEICとはまた違う英語力が身に付きますよ!
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英単語検定について
これからの世の中はチケット販売の仕事だけではなく、飲食店や販売員、清掃員でも多少の英語力が必要になってくるでしょう。
英語が話せると仕事の幅も広がりますよ。