皆さんは「サービス介助士」という職業をご存知でしょうか。
サービス介助士とは高齢の方や障害のある方といった相手に安心してもらいながらサポートができる人のことです。
この資格ではおもてなしの心と介助技術を学びます。
介護の分野だと介護福祉士やホームヘルパーなどを思い浮かべがちですが、この分野の職業にはいろいろなものがあるのです。
その介護職の1つである「サービス介助士」という職業について、そしてこの仕事に就くための資格試験について見ていきましょう。
Contents
適用する仕事
サービス介助士とは、高齢者や障害者など多様な人が暮らす社会で、年齢や障害の有無に関わらず誰もが社会参加できるようにその人に必要なことをその場に合ったやり方でケアできる人のことです。
具体的に介助とは、介護と違って生活の質向上のために必要な支援のことを指しています。
もちろん介護の現場でも生活の質を向上させることは大切ですが、介護という言葉は主に入浴や食事、排泄など生きていくために必要な日常生活の支援を指す言葉です。
介助士といっても、なんでもお手伝いや支援をすればいいわけではありません。
相手がどこまでできて、どのような支援を必要としているのかを探り、意見を汲み取り、その場面に合わせた介助を考える必要があります。
また、この資格は介護分野に携わっていない方でも活かすことができます。
サービス介助士の職業理念はおもてなしの心です。それは介護の現場だけでなく、さまざまなビジネスシーンや日常生活の中でも役立ちます。
特に交通関連や小売業、顧客とじかに接する機会の多いサービス業でも活用できるでしょう。
おおよその年収とキャリアパス
サービス介助士の年収とキャリアパスは、どのようなものなのでしょうか。
サービス介助士の年収とは
「サービス介助士」単体での年収のデータはありません。
というのはメインの資格としての認知度はまだ低く、もともとの仕事の範囲を広げたり、キャリアアップのために取得する傾向のある資格だからです。
ただ介護施設に勤めた場合は、一例でいうとホームヘルパーの平均年収(200~300万円前後)に多少プラスされるか、ほぼ同等と考えていいでしょう。
民間資格であるため、資格手当などはつきづらく、大いに給料に反映されるわけではありません。
サービス介助士のキャリアパス
キャリアパスも一般的な介護業界をモデルにお伝えします。
初めは誰しもが未経験からのスタートです。一般的にはおよそ3~5年ほどの時間をかけて以下のようなプロセスでキャリアを積んでいきます。
その後はチームリーダーとして新人教育などのマネジメントを経験したり、より深く専門的なスキルや知識を身につけてさらなるキャリアアップを目指したりします。
しかし、この資格は介護業界だけでなくあらゆる場面で活きます。前述のとおり、おもてなしの心を学ぶ資格でもあるためです。
航空会社や鉄道などの交通事業者
高齢者や障害のある人の足となる交通の面でこの資格が活きます。
例えば、緊張しやすい航空機内や空港でおもてなしの心をもって接することができたり、バスやタクシー、鉄道などの街の足を安心・安全に利用できるよう配慮するなど活躍の場はさまざまです。
ショッピングモールなどの販売業
例えば、ストレスなく買い物を楽しめるようにショッピングのお手伝いをしたり、自分が働く店舗に障壁となるものがあることに気づいて改善できたりします。
もちろん高齢者や障害のある人も買い物したり、外出したくなりますから、サービスを提供する側の学びも必要になるでしょう。
ホテルや旅行業界
ホテルや旅行業界ではおもてなしの心が第一です。
実際、この「サービス介助士」の学びを取り入れる宿泊施設も増えています。
認可団体
「公益財団法人 日本ケアフィット共育機構」が主催しています。
<東京>
〒101-0061 東京都千代田区神田三崎町2-2-6 三崎町石川ビル2階
TEL:03-6261-2333
FAX:03-6261-2334
<大阪>
〒542-0083 大阪府大阪市中央区東心斎橋1-7-30
21心斎橋ビル5階・6階
TEL:06-6251-6101
FAX:06-6251-6102
一般財団法人設立 2012年12月25日
公益財団法人認定 2013年12月2日
※前身である特定非営利活動法人「日本ケアフィットサービス協会」は1999年11月1日設立
受験条件
講座の対象は社会人、大学生、専門学校生など と公式サイトに記載があります。心配な方は受講の際に改めて確認しましょう。
試験を受けるには、まず講座を受講する必要があります。試験までの流れは以下のとおりです。
- 公式サイトから申し込み、自宅学習した後に課題を提出
- 実技教習としてオンライン講座やスクーリングを受講
- 検定試験
実技教習とは、オンライン講座(6~7時間)の視聴と、所定の会場における1日間の対面式教習(または連続した2日間の対面式教習)で開催されます。
実技教習を終えたあとに各会場で検定筆記試験を実施します。
合格率
サービス介助士資格取得講座の合格率は8割以上です。
1年当たりの試験実施回数
随時
試験科目
提出課題・テキストおよび実技教習の内容が試験範囲です。提出課題を十分に学習しておくことが合格への近道です。
使用する教材の中身は以下のとおりです。
- 共生社会へ向けて
- サービス介助士の接遇
- 障害のとらえ方
- 高齢社会の理解
- 高齢者への理解と接遇
- 障害者への理解と接遇
- 障害者の自立支援
- 円滑なコミュニケーション
- 関連法規
採点方式と合格基準
合格基準:60点以上
試験方式:3択問題/マークシート方式※申し込みから課題提出まで6ヶ月以内を目標
合格基準:70点以上
試験時間:50分
試験方式:3択問題/マークシート方式検定試験が不合格だった場合は、試験料3,300円(税込)で再試験が受けられます。
取得に必要な勉強などの費用
ここでは受講料が費用に該当します。受講の際に配布されたテキストを読み込んで学習すれば問題なく合格できるでしょう。
受験料
講座受講料:41,800円(税込)
受験申込方法
「サービス介助士」の公式サイトを検索し、右上の「お申し込み」のボタンをクリックして申し込みましょう。
また、電話でも問い合わせを受け付けています。
電話番号:0120-0610-64
まとめ
「サービス介助士」という言葉がどのような資格・職業を指すのかおわかりいただけたでしょうか。
この職業は介護の現場だけに活用されるのではありません。交通業界や小売業界など、この資格を学んだ方を積極的に採用している企業・法人もあります。
サービス介助士の知識・技術を身につけると、以下のような思い込みを変えて行動できるようになると思います。
- 高齢者・障害者と聞くと特別な対応が必要なのかと身構えてしまう
- 障害と聞くと、自分とは関係のない「障害者個人・福祉や医療の問題」と捉えている
自分の心身に困りごとがないときはついこうした思い込みに囚われてしまいますが、超高齢化社会の現代日本にあって、とくに加齢による心身機能の変化は誰にでも起こり得ることです。
また、だれしも事故や病気でこれまでどおりの生活ができなくなる可能性もあります。それはこの社会が健常者のみを想定しているためです。
サービス介助士の資格取得によって、こうした角度から高齢者・障害者の直面する障壁をとらえられるようになります。ぜひチャレンジしてみてください。
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