「ふるさと小松検定」をご存じですか?知らないという方のほうが多いかもしれません。
この検定は石川県小松市のご当地検定で、小松の地理・歴史・文化・自然などについて知識を問われるものです。
石川県立小松商業高等学校3年生のみなさんが自ら調査・取材して問題を作成しています。
さらに公式テキストや対策もセミナー、採点、合格証の交付までを行います。
今回はそんな地元愛が込められたふるさと小松検定を見ていきましょう。
Contents
適用する仕事
故郷への理解を深めてより多くの方々に地域の魅力を知ってもらうというのがそもそものご当地検定の目的です。今回はその小松市版といったところでしょう。
仕事にダイレクトに結びつくというより、趣味や観光の際に小松市の歴史や文化の知識が役立つといった意味合いが強いでしょう。
しかし、小松市や石川県で旅行や観光系の仕事に就く人はまた違います。
以下のような職業の方は観光客と接する機会も多く、小松を案内したりおすすめの場所を紹介したりする際にはこの検定で身につけた知識が役立つでしょう。
- ツアーコンダクター
- ツアープランナー
- 観光バスガイド
- 旅行会社カウンタースタッフ
- アウトドアインストラクター(ダイビングやサーフィン、山岳ガイドや登山ガイドを含む)
- テーマパークスタッフ
- ホテルスタッフ
- 小松市の市役所観光交流課職員 など
他にも例えばタクシー運転手やレストランスタッフの方でも、現地で働いている場合はこの検定が強みになるかもしれません。
おおよその年収とキャリアパス
前項でもお伝えしたとおり、国家資格などではないためこの検定を直接仕事に活かすとなると難しいかもしれません。
しかし、小松市で旅行系や観光系の職業に就いた場合、重宝される可能性はあります。
市役所の観光交流課
観光交流課では魅力的な観光地づくりのための整備や支援、観光誘客に関するプロモーション、外国人受入環境整備など、観光および国際交流に関する事業を行っています。
小松市の一般職員の平均年収は560万円前後です。とはいえ、新卒からそこまでの給与がもらえるわけではありません。
市役所内で経験を重ね、昇進を目指すことで上がっていくでしょう。
ツアーコンダクター
ツアーコンダクターとは、団体旅行に同行して予定通りの旅行ができるように、また、参加者が快適な旅を楽しめるようにする仕事です。添乗員とも呼ばれます。
平均年収は2020年で382万円でした。働き方としては、正社員のほか派遣社員が挙げられます。
長期ツアーなどの大変なツアーをバリバリこなす人もいれば、被扶養者の収入範囲内で働いたり、あるいは繁忙期だけ働いたりする人もいます。
アウトドアインストラクター
アウトドアインストラクターとは、キャンプなどの余暇目的の野外活動の他、自然保護や環境教育を目的とした野外活動など通じて自然との関わり方について参加者に指導・助言を行う職業です。
2020年賃金構造基本統計調査によると、平均年収は376.8万円でした。
アウトドアインストラクターは、非正規で働いている方も多い職種です。また、季節や天候によって需要にバラつきがあり不安定な職でもあります。決まった期間のみ雇用される働き方も目立ちます。
もしキャンプのインストラクターを募集しているなら「キャンプインストラクター」の資格を取得しておくと、他の人と差がつき強みとなるでしょう。
アウトドアインストラクターとして一人前に仕事ができるようになるためには、多くの現場経験をこなさなければなりません。
単純な数だけでなく質も問われますので、アウトドアスクールやスポーツ用品メーカーといった企業に就職し、講習会や体験ツアーのリーダーとして指導にあたることが多いようです。
将来需要がある職業で独立開業の道もないこともないですが、安定した収入を維持するには相当な専門性と努力が必要になるでしょう。
認可団体
ふるさと小松検定を主催している団体は「特定非営利活動法人 ふるさと小松検定」です。
所轄庁:石川県
主たる事務所の所在地:石川県小松市園町21
設立認証年月日:2008年7月22日
この活動を通して郷土への愛着を深め、地域のつながりを広げることを目的とする。
受験条件
どなたでも受験可能です。
合格率
2020年の試験結果
実受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
初級 | 102 | 96 | 94.1% |
中級 | 39 | 35 | 89.7% |
上級 | 80 | 0 | 0% |
メモリアル | 355 | 151 | 42.5% |
合計 | 504 | 282 | 56.0% |
1年当たりの試験実施回数
年1回です。例年11月に実施されます。
試験科目
出題はドリルとテキストを中心に、以下の各分野から合計50問出されます。
- 地理
- 歴史
- 産業
- 観光
- 文化
- 環境
- 福祉
- スポーツ
ドリルからの出題割合は、初級が100%、中級が約90%、上級が約30%です。
- 初級編…
改訂版ドリルP1~P21(40問)、P39~P67(10問) - 中級編…
改訂版ドリルP1P~67(45問)、改訂版テキストその他(5問) - 上級編…
改訂版ドリルP1P~67(15問)、改訂版テキストその他(35問) - メモリアルコース…
専用テキスト&ドリル(25問)
小松市の記念事業に合わせたテーマで開催される特別版の検定です。メモリアルコースは性質上その年限りの実施となりますので、再挑戦することはできません。
令和3年度は久谷焼の原料となる「花坂陶石」の発見210周年を記念して、九谷焼をテーマとしました。花坂陶石は現在の小松市花坂町で発見され、久谷焼再興の礎となったものです。
採点方式と合格基準
出題形式は5者択一式、解答はマークシート方式です。
合格基準は100満点中80点(40問正解、メモリアルコースは20問正解)で合格となります。
取得に必要な勉強などの費用
勉強方法はテキスト、ドリル、過去問題での独学が主です。
これらはふるさと小松検定の公式サイトから無料でダウンロード可能ですので、お金はそう掛からないだろうと思われます。
ご当地検定ではあるものの、合格基準は80点以上とハードルが高めです。
テキストを熟読して、ドリルや過去問を繰り返し解いて合格を目指しましょう。5者択一式なので苦手分野を作らずに、全体的にカバーできる勉強が必要になりますね。
受験料
一般1,000円/1コース
高校生以下無料(申し込みの際に学生証が必要になります)
受験申込方法
認可団体の「NPO法人 ふるさと小松検定」公式サイトに実施要項・申込用紙が載っています。
必要事項を記入し、「小松商工会議所」に送付しましょう。
住所:石川県園町21番地
TEL:0761-21-3121
まとめ
以上、ご当地検定の1つである「ふるさと小松検定」についてお伝えしました。
小松市には小松空港があり、羽田、札幌、仙台、福岡、那覇へ定期便が飛んでいます。海外なら韓国のソウル、中国の上海、台湾の台北にもアクセスできます。
観光では歌舞伎の勧進帳の舞台でもある安宅の関のほか、変わったところでは日本自動車の博物館などがあります。
また、小松市の代表的な食品としては、大根ずしや押しずし、小松うどんなどが有名です。
こういった素敵な文化を持つ町のことを知るのもよいかと思います。小松市に行ったことある人もない人も、ご興味のある方はこちらのご当地検定を受けてみてはいかがでしょうか。
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