「検索技術者検定」は、情報検索の技術検定です。
「検索検定」と略されることもあります。
Contents
適用する仕事
サーチャーとしての仕事から、データベースの情報検索コンサルタントなどを行います。
ここでサーチャーとは、商用データベースを検索の専門職のことです。
「情報検索技術者」「データベースサーチャー」と呼ばれることもあります。
業務内容は、膨大なデータベースから必要な情報を探して、情報を必要としている人に伝達することです。
普通、サーチャーにはパソコンやネットワーク、データベースなどに関する専門的な知識が求められ、さらにはどのような情報がどのようなデータベースにファイリングされているかについての知識や、それを引き出してから分析したり加工したりする技術、依頼人に対してそれをわかりやすく提供する能力などが求められます。
おおよその年収とキャリアパス
この資格保有者の年収は、かなり幅がありますが240万円~1000万円くらいです。
会社のある地域や、学歴や経歴などによって年収は変わってきます。
高い年収のところで働くには、他にも数種の資格があった方がいいです。
認可団体
検索技術者検定は「一般社団法人 情報科学技術協会」が実施しています。
受験条件
3級、2級は受験資格は問われません。
1級は、2級に合格しているか、旧試験である情報検索能力検定に合格していることが受験資格になります。
合格率
近年の合格率、受験者数、合格者数は以下の通りです。
3級
年度 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 |
2021年 | 68.3% | 445人 | 304人 |
2020年 | 93.3% | 372人 | 347人 |
2019年 | 82.7% | 421人 | 348人 |
2級
年度 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 |
2021年 | 49.7% | 159人 | 79人 |
2020年 | 46.7% | 150人 | 70人 |
2019年 | 46.3% | 162人 | 75人 |
1級
年度 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 |
2021年 | 50.0% | 10人 | 5人 |
2020年 | 27.8% | 18人 | 5人 |
2019年 | 38.1% | 21人 | 8人 |
1年当たりの試験実施回数
1級、2級は年に1回です。例年11月末の日曜日に行われています。
3級は2020年から会場型CBT方式に変更されました。
実施期間は6ヶ月で、期間内に何度でも受験可能です。
CBTとはComputer Based Testingの略で、コンピュータ画面に表示された問題に回答する方式のことです。
会場は札幌、東京、名古屋、大阪、福岡などです。
試験科目
級ごと試験科目や出題形式は次の通りです。
3級
試験時間:60分
問題数:70問
方式:CBT方式:選択式問題(大問14問、小問70問)
- 情報検索技術に関する知識と実践
- 情報組織化と流通
- さまざまな情報資源
- 情報の利活用
- 情報の最新技術
情報資源の組織化や理論演算子などに技術的な内容から、ネットワーク社会の法制度といった法律に関することまで幅広く出題されます。
3級は入門的なレベルで、インターネットを正しく活用するという面も含めて、浅く広く勉強することがおすすめです。
一般の社会人や情報関係の授業を履修した大学生、専門学校生、図書館員などを対象としていて、難しい試験ではなく対策しやすいです。
2級
試験時間:前半90分(選択肢問題):後半60分(記述式問題)
方式:前半は選択肢問題:後半は記述式問題
1.情報検索技術に関する知識と実践
情報資源の選択能力、検索システムに関する知識、コマンド、検索式、キーワード、シソーラスなど検索技術に関する一般的知識、情報要求者とのコミュニケーション能力、インフォプロの役割、
検索の仕組みについての理解、シソーラスや分類についての理解、検索システムの機能についての理解が求められます。
検索システムの外観は最近では大きく変化していますが、中で動いている仕組みや索引は今までと変わらないです。
2.情報組織化と流通
情報検索の歴史、データベースの種類、データベースの流通、情報サービス機関
情報の流れについての理解が求められます。
近年、ディスカバリー・サービスのような複合的なデータベースが多く登場していますが、その中身を正しく理解していることが求められます。
3.専門分野の情報資源
- 代表的な専門分野の情報資源と特徴
- 専門分野の検索戦略作成
- 専門分野の検索主題の解析能力
- 専門分野の調査結果の評価、考察
- 専門分野のサーチエイドに関する知識
さまざまな分野の情報検索システムとデータベースについて、広い知識が求められます。
自分が日頃使用しているツールを中心として、周辺のシステムデータベースへの理解を広げるとともに、自分にあまり関係のない分野についても大まかな知識を持つことが大切です。
試験の後半では、自分の得意とする分野での検索能力を問う問題が出題され、システムやデータベースに関して、2級用参考書などにも書かれていない深い知識が要求されます。
4.情報の利活用
- 情報の管理
- 情報の分析
- 情報と問題解決
- 知的財産権、著作権に関する知識
インフォプロは、検索だけでなく情報の管理や分析、活用など情報に関連する周辺の知識が求められています。
特に著作権についての正しい知識が要求されます。
5.情報の最新技術
- コンピュータに関する知識
- インターネットに関する知識
- 情報セキュリティに関する知識
コンピュータ、インターネット、および情報のセキュリティに関する基礎的な知識と、情報検索に関連するITの最近の動向についての知識が求められます。
参考書に記されていない、最近のトピックも出題されることがあるので、日頃から情報の科学と技術や情報管理の記事に気を付けておきましょう。
6.情報の伝達と評価
- 思考過程を簡潔に表現する文章作成能力
試験の前半は選択式の問題ですが、後半は記述式の問題になります。
ここでは、正確で意味のわかりやすい簡潔な文章を書くことが求められます。
1級
1級は一次試験(筆記試験)と二次試験(面接試験)があります。
一次試験
筆記試験で前半と後半に分かれます。
前半は共通テーマで記述する論文試験です。
後半は論文執筆者のプロフィールに関するレポートを書きます。
業務内容やインフォロプロとしての今後の展望などを記述します。
- 所属組織の主要な業務、主な利用者、組織内でのあなたの位置づけと担当業務
- 業務遂行上の悩みや課題、解決方法
- インフォプロとして考えているあなたの今後のキャリア、将来像
二次試験(面接)
決められた課題に関するプレゼンテーション能力を問われるほか、情報検索関連業務についての考え方や企画力、情報検索技術と問題解決能力を組み合わせた情報サービスのスキルなどを問う出題が、口頭試問によって行われます。
また、情報関連の対外活動、各種団体や活動への参加、口頭発表、文献発表等も評価の対象となります。
1級では、日頃の業務経験などによって培われたものが問われます。
そのため、参考書などはあまりありません。
2級用の参考書の内容は理解しておいた方が良いです。
ここは2級と同じですが、「情報の科学と技術」や「情報管理」等の関連雑誌は日頃から目を通して、掲載されている論文については簡単に内容を説明できるようにしましょう。
採点方式と合格基準
3級試験は選択式問題なので、正誤判定と思われます。記述式問題はありません。
2級試験は選択式問題と記述式問題を組み合わせた形式の筆記試験となります。
選択問題は正誤判定と思われますが、記述試験の採点方式は公開されていないので不明です。
1級試験は筆記試験と面接があります。
筆記試験は前半が論文で後半がレポートです。
論文、レポート、面接の採点方式と合格基準は不明です。
取得に必要な勉強などの費用
検索技術者検定の過去問は、情報科学技術協会の公式ホームページで見ることができます。
テキストとしては1級は分かりませんので、日頃の業務経験が活きてきます。
3級・2級はテキストがありますのでご紹介します。
3級テキスト
出版社名:樹村房
商品名:検索スキルをみがく 第2版 検索技術者検定3級公式テキスト
価格:¥1,980(税込)
3級の試験の問題はこの公式テキストから出題されます。
試験を受ける前に、公式テキストには目を通しておきましょう。
2級公式テキスト
出版社名:樹村房
商品名:プロの検索テクニック 第2版 検索技術者検定2級 公式推奨参考書
価格:¥2,420(税込)
2級の試験問題は公式テキストから出題はされませんが、勉強に使うことができるテキストです。
各種情報資源の更新を中心に、最新の情報にアップデートしたテキストです。
これは1級の参考書にもなります。
受験料
級ごとの受験料は次の通りです。消費税込みの料金になります。
3級 | 6,600円 |
2級 | 6,600円 |
1級(筆記+面接) | 11,000円 |
1級(面接のみ) | 6,600円 |
受験申込方法
1級・2級の申し込み情報はまだ分かりませんが、3級の申し込み方法は以下の通りです。
- 申し込む前にJ-Testingの会員登録を行う
- 「検索検定3級」申込サイトにログインする
- 申込(詳細)サイトの「申込」ボタンを押して、「会場・日時選択」画面へ。(会場の詳細確認、申込みが3カ月先まで可能)
- 会場エリア・受験日を指定後に表示されたものから、会場・時間の「申し込む」ボタンを押すと申し込み情報入力画面が開く
- 申込情報を入力、受験料のお支払い方法を選択し、申込内容確定するので支払いを完了したら試験予約完了
まとめ
情報検索の技術検定である検索技術者検定でした。
検索技術者検定は「検索検定」と略されることもあります。
この資格を有している人は、膨大なデータベースの中から必要な情報を探し出して情報を必要としている人に伝達する、サーチャーとしての仕事をしたりします。
サーチャーとは、様々な情報の中から、必要な情報を探し出す人のことです。
この資格は3級・2級なら受験資格が問われないので、どなたでも取得することができます。
1級、2級は年に1回しか受けることができません。
3級は選択問題、2級は選択問題と記述式問題、1級は論文と記述式問題、面接試験があります。
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