皆様こんにちは。
今回は「コンクリート技士・コンクリート主任技士」のご紹介をさせて頂きます。
コンクリートはとても古い時代から使われている建築材です。
ローマの時代から建築物や非燃焼性である事を活かした空調設備など高度なシステムに利用されたほどで、コンクリートの材料として石灰や消灰石、カルサイト等が混ぜられ有効的に使用されていました。
現在でも様々な建築材として使われていますね。
それに、一昔前の時代の高度経済成長期やバブル期にはコンクリート製のビルなどが多く建設されたため、今ではその老朽化したビルの整備、保守などで今回お伝えする「コンクリート技士」の資格は需要が増えつつあります。
また民間資格の中では目立ちやすいです。
この資格に興味がある方は参考にしてみてください。
Contents
適用する仕事
コンクリート技士はコンクリートの製造や施工、検査、管理をします。
現場でコンクリートの生産業務をしたり、知識や経験を活かしコンクリート試験員としてコンクリートの品質をチェックしたりします。
他にはコンクリートの受け入れ、運搬の業務などで活躍できます。
コンクリート主任技士は、より上位の資格です。
コンクリートの製造や工事に加えて、研究においての施工、管理、指導などを行うための能力を持つ技術者です。
配合設計や製造管理、運搬管理、現場の監督ができ、総合的により上の研究や管理、指導で貢献できます。
主な職場はコンクリート工場、建設現場、総合建設業者、そして経験豊富な方は建設コンサルティングなどでこの資格を活かしています。
おおよその年収とキャリアパス
コンクリート技士の資格を持たれている方は、この資格のみで仕事をしているということは少ない為正確な年収はありません。
ですが、この資格を活かす建設や土木系の会社ではこの資格を取得している方は、平均500万円前後の年収があります。
最初は年収500万円もないですが、キャリアを重ねる事で平均年収を超えて更に高い報酬を受け取ることが可能です。
それに重宝されやすい資格の為、特別手当がつく事も多いです。
また、就職先の状況にもよりますが、職種によってもある程度年収が変わっていきます。
次にキャリアパスですが、大体の方が工場や現場で検査工や製造工などから始めます。
そして、経験を積んでいくと「コンクリート技士」の資格を取得する事ができるようになります。
更にそのまま経験を積んでいくとその担当のリーダーになったり、そのまま班長として会社に務めていくことができ、やがてキャリアを積むことで「コンクリート主任技士」の資格を取得する事ができるようになります。
後程説明しますが、現在持っている資格や最終学歴で受験資格が変わってきます。
そうして主任になり部門責任者、更に上に行けば会社の上層部の役職に就けるでしょう。
年収も年齢と役職が上がると上昇していきます。
もちろん人材や人事の状況次第で仕事内容が変わったり、兼任する事もあると思います。
そして、キャリアの途中で営業に回る方、コンサルタントなどの職種に転職される方、基礎的な知識があることからコンクリート診断士や別の資格を取ったり、更なるキャリアアップを目指すことができます。
認可団体
公益社団法人 日本コンクリート工学会
〒102-0083 東京都千代田区麹町1-7 相互半蔵門ビル12F
Tel:03-3263-1571
Fax:03-3263-2115
受験条件
- コンクリート診断士、一級建築士、技術士(建築部門)、技術士(農業部門-農業土木)、(特別上級、上級、一級)土木技術者(土木学会)、RCCM(鉄構造及びコンクリート)(建設コンサルタンツ)、コンクリート構造診断士の資格を登録している方は、コンクリート技士の技術関係業務実務経験がなくても受験を受けることが出来ます。
ただし、証明コピーは必要です。 - 一級土木施工管理技士または一級建築施工管理技士の方は、「監理技術者資格証」を有していると技術関係業務実務経験がなくても受験を付ける事が出来ます。
証明コピーは必要です - 上記二つを有しておらず学歴・年齢が不問の方は、コンクリート技術関係業務実務経験が3年以上のキャリアを積む事でコンクリート技士の受験を受ける事が出来ます。
コンクリート技士主任の場合は7年です。
※「コンクリート技士」合格後ならば、2年以上更に経験を積む事で受験を受ける事が出来ます。 - 大学、短期大学では、専攻科のコンクリートに関する技術科目を2年履修した卒業者が受験が可能になります。
- 高校では、専攻科のコンクリートに関する技術科目を3年履修した卒業者が受験が可能になります。
合格率
合格率は「コンクリート技士」で大体30%前後と低め、「コンクリート主任技士」では13%とさらに大分低くなります。
一見難しい様に見えますが、実は内情として合格者の話ですと、殆ど勉強もしていない方が多いのだとか。
勉強をした人は9割と合格しやすく、勉強してないとバッサリ落ちるのだとか。
会社から指示されて仕方なく、あるいは他の資格があるため軽く見ていたのかもしれません。
勉強をすればするほど取りやすい傾向にあるため、しっかりと勉強しましょう。
1年当たりの試験実施回数
年に一度です。
合格率が低めで年に一度ということもあり、モチベーションの維持も大変です。
しかし、一度落ちても二年目は一年目の試験の一部が免除されるため、計画性を持って落ちても諦めずに挑んでください。
試験科目
コンクリート技士とコンクリート主任技士、分けてお伝えします。
コンクリート技士
- コンクリート用材料の品質、試験および管理
- コンクリートの配(調)合設計
- コンクリートの試験
- プラントの計画管理
- コンクリートの製造および品質管理
- コンクリートの施工
- 関係法令
コンクリート技士主任
- コンクリート用材料の品質、試験および管理
- コンクリートの配(調)合設計
- コンクリートの試験
- プラントの計画管理
- コンクリートの製造および品質管理
- コンクリートの施工
- 関係法令
- 小論文
主任技士の方では、文章を書く能力も試されるため要練習です。
それにペース配分にも気を付けて下さい。
採点方式と合格基準
コンクリート技士の採点方式は、四肢択一式で2時間の試験時間です。
コンクリート主任技士の採点方式は四肢択一式、記述式両方あります。3時間の試験時間です。
合格基準は70%の正解率だといわれています。主任技士の方では小論文の出来も絡んできます。
またその基準は公表されておらず、相対評価の試験であるためその時によって基準は変動します。
試験も広範囲なため何度も復習をしてポイントを押さえて、なるべく多くの問題をクリアできるといいですね。
取得に必要な勉強などの費用
勉強の費用は参考書や過去問だけで済みます。
コンクリート技士試験問題と解説
出版社名:技報堂出版
商品名:コンクリート技士試験問題と解説
価格:¥3,080(税込)
過去10年間の全問題と解答を網羅した参考書です。
そのうちの最近5年間の問題については、分野別に分類して掲載し、簡潔な解説と解答を付けております。
※同様に「コンクリート主任技士」版もご用意しております。
コンクリート技士試験完全攻略問題集
出版社名:コンクリート新聞社
商品名:コンクリート技士試験完全攻略問題集
価格:¥4,400(税込)
過去5年間に出題された全ての試験問題を解説しています。
4年分の過去問題と演習問題は出題テーマ別に分類しており、不得意分野や重点的に学習したい分野などを効率的に実力アップするように作られています。
各分野のプロ11名が徹底サポートし、できた問題集です。
※こちらも「コンクリート主任技士」の問題集も販売しています。
受験料
- コンクリート技士 8,800 円(消費税込)
- コンクリート主任技士 11,000 円(消費税込)
他に、登録料金として5,500円ほど料金がかかります。
ただし、技士研修会を受講し、その登録更新の時期に達していない者が主任技士試験に合格し、さらに主任技士登録をする場合は、払込済みの技士登録料を主任技士登録料に充当されます。
受験申込方法
受験の願書を取り寄せて送る事になります。
代金を最寄りの郵便局の窓口より当該口座へ送金した後、振替払い込み請求書兼受領証を貼ってください。
簡易書留郵便のみ購入が可能です。
願書は1,000円の代金がかかります。
口座名義:公益社団法人日本コンクリート工学会
※通信欄に技士・主任技士の別と部数を明記
そして、願書を送付する時も簡易書留郵便で行います。
相互半蔵門ビル 12F
公益社団法人日本コンクリート工学会
コンクリート技士試験係
まとめ
コンクリート技士・コンクリート主任技士は実用度のある資格です。
勉強をすれば必ず受かるという経験者の声もあるため、しっかりと勉強し取得してキャリアに役立てて下さい。
関連する記事はこちら
コンクリート構造診断士について
一例になりますが、その場合36,500円~37,500円の費用が掛かるでしょう。