マンション管理士(マン管)について

マンション管理士(マン管)について

マンション管理士とは、マンションの管理に関する専門的知識を持ち、管理組合の運営や大規模修繕工事などのマンションの維持・管理に関して助言・指導する専門家のことです。

適正なマンション管理のためにこうした専門家が必要になりました。

こちらは国家資格で、2021年は1万人を超える人が受験しました。

適用する仕事

マンション管理士は、マンション管理会社や建築会社での勤務が一般的です。

更に近年はマンションを取り扱う不動産会社が増加し、こうしたところでもマンション管理士の需要は高まっています。

主な仕事内容

マンション管理士は、管理組合に対して専門家の立場からさまざまなアドバイスをすることができます。

  • 運営コストの削減
  • 会計処理の方法
  • 建物の修繕や建て替えが必要になったときの工事会社の選定方法
  • 住民同士のトラブル対応  など

マンション管理士に向いている人

人に説明することが得意

マンション管理士は管理組合に対して指導・助言するほか、マンション建て替え・修繕工事における説明会のオブザーバーとして参加し、質問に対応する業務も担います。

多くの人の前で臆せずわかりやすい説明をするスキルが求められる仕事と言えるでしょう。

事務作業が得意

マンション管理士は一見するとスケールの大きい職業に見えますが、実際の業務はデスクワークが主です。

説明会の前に住民などに配布する書類に不備があっては信頼されません。丁寧な事務作業ができる人が向いています。

マルチタスクが得意

マンション管理士は複数のマンション管理を掛け持ちするのが一般的です。

同時並行で事務作業や監督作業をするシーンが多々あるため、マルチタスクが得意・苦にならない人に向いている仕事と言えます。

おおよその年収とキャリアパス

給料袋

年収の相場としては330万~550万円でしょう。平均年収は約450万円といったところです。

もし定年後に資格を取ってマンション管理士として就職した場合の年収は200万~500万円程度になるようです。

実績が重なり活動領域も広がれば、独立開業の道も見えてきます。より多くの仕事を獲得できれば年収1,000万円以上を得ることもできるでしょう。

企業に所属

マンション管理士の資格を持っていると、不動産管理会社や不動産系のコンサルティング事業をしている会社に就職する際、よりよい条件で採用してもらえる場合があります。

マンション管理士と併せて管理業務主任者、宅建、競売不動産取扱主任者などの資格を保有しておくとキャリアアップにつながります。

独立・開業

年収の項目でお伝えしたように、マンション管理士は独立・開業することも可能です。

しかし、この資格のみで独立することは困難です。

行政書士や土地家屋調査士、建築士など、ほかの士業を軸にするのがおすすめです。というのも、そうしたほうが管理組合からの信頼も厚くなり、結果的に業務範囲が広がるからです。

認可団体

マンション管理士を認可するのは「公益財団法人 マンション管理センター」です。

<本部>
〒101-0003
東京都千代田区一ツ橋2丁目5-5 岩波書店一ツ橋ビル7階
電話:03-3222-1516

<大阪支部>
〒541-0042
大阪市中央区今橋2-3-21 今橋藤波ビル3階
電話:06-4706-7560

昭和60年8月に財団法人として設立
平成25年4月に公益財団法人に移行

事業概要
  1. 情報および資料の提供
  2. 指導、助言および支援
  3. 講習(セミナーや講師派遣)
  4. 調査および研究
  5. 啓発および広報
  6. マンション管理士試験・マンション管理士登録

受験条件

年齢、性別、学歴、国籍など一切問いません。どなたでも受験可能です。

合格率

9.9%

2021年度では12,520人が受験し、合格者は1,238人でした。狭き門ですね。

1年当たりの試験実施回数

年1回です。

試験科目

  1. マンションの管理に関する法令および実務に関すること
  2. 管理組合の運営の円滑化に関すること
  3. マンションの建物および附属施設の構造および設備に関すること
  4. マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること

※管理業務主任者試験の合格者は「4.マンション管理適正化法」に関する5問が免除されます。

採点方式と合格基準

ボーダーライン

試験は4肢択一式で50問出題されます。

2021年では50問中38問以上正解で合格でした。

ただし、前項目の試験一部免除者は45問中33問以上正解が合格基準です。

取得に必要な勉強などの費用

勉強するには参考書・問題集などの独学での方法と通信講座の2通りがあります。

テキストや問題集

2022年度版 らくらくわかる!マンション管理士速習テキスト

2022年度版 らくらくわかる!マンション管理士速習テキスト
created by Rinker

出版社名:TAC出版
商品名:2022年度版 らくらくわかる!マンション管理士速習テキスト
価格:¥3,080(税込)

合格に十分な知識量と読みやすさを兼ね備えた最強のテキストです。

広範な試験範囲を絞り込んでしっかり整理、コンパクトにまとめてあります。

豊富な具体例や図表を使っているので、初学者の方でも安心して取り組めます。

2022年度版 みんなが欲しかった!マンション管理士・管理業務主任者 合格へのはじめの一歩

2022年度版 みんなが欲しかった!マンション管理士・管理業務主任者 合格へのはじめの一歩
created by Rinker

出版社名:TAC出版
商品名:2022年度版 みんなが欲しかった!マンション管理士・管理業務主任者 合格へのはじめの一歩
価格:¥1,980(税込)

初心者でもスムーズに理解できるように、イラストや板書を使って合格に役立つ知識をスッキリまとめています。

試験対策だけでなく、マンションの購入を検討している方、初めてマンション管理組合の理事になる方にも必携です。

2022年度版 マンション管理士 一問一答セレクト1000

2022年度版 マンション管理士 一問一答 セレクト 1000
created by Rinker

出版社名:TAC出版
商品名:2022年度版 マンション管理士 一問一答セレクト1000
価格:¥1,980(税込)

過去20年分の全問題を徹底分析した問題集です。ポイントをつかみやすい2色刷りになっています。

2022年版 出る順マンション管理士 分野別過去問題集

2022年版 出る順 マンション管理士 分野別 過去問題集
created by Rinker

出版社名:LEC
商品名:2022年版 出る順マンション管理士 分野別過去問題集
価格:¥2,530(税込)

過去問を10年分に増量し、分析に有用なデータをたくさん載せています。

左に問題文、右に解説を掲載した見開き型なので、問題をより効率的に分析できるようになっています。

ぜひ試験勉強にお役立てください。

通信講座を利用する

従来の勉強方法に苦手意識を持っている人におすすめなのが、スマホのみで学習が完結する通信講座です。

<スタディング マンション管理士講座>
マンション管理士合格コース 31,900円

マンション管理士と管理業務主任者がセットになっているコースや期間によっては割引している特典もあります。ぜひご活用ください。

受験料

9,400円

受験申込方法

申込書

申し込み方法は下記のとおりです。

受験案内・申込書を入手

認可団体である「公益財団法人 マンション管理センター(支部含む)」ならびに都道府県や政令指定都市においても配布します。

都道府県庁や一部の市役所、町役場などにあるマンション管理行政担当窓口に問い合わせてみましょう。

また、受験案内書は公式サイトからダウンロードすることも可能です。

受験料を払う

受験料を「公益財団法人 マンション管理センター」が指定する払込用紙を使って、ゆうちょ銀行・郵便局の振替払込または銀行の振込により納付します。

ちなみに、ダウンロードで申込書を入手した場合は銀行のみの振込となります。

受験料支払い後、受験申込書類を郵送で提出しましょう。

まとめ

「マンション管理士」というのはどちらかというと、第2のキャリアとして資格を目指す方が多いようです。

マンションは令和元年度末時点で213.5万戸ありますが、その20年後には570.2万戸に増加すると見込まれます。

今後、老朽化による修繕や建て替えの需要の高まりとともにマンション管理士もよりいっそう必要とされるようになるでしょう。

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