管工事施工管理技士について

管工事施工管理技士について

今回ご紹介するのは、管工事に関しての資格である「管工事施工管理技士」という国家資格です。
その名の通り、管工事の施工管理における専門的な資格です。
建設業に関わる人には重要な資格ですよね。
どういう方法で取得するのかご紹介していきましょう。

適用する仕事

まず、資格名にもなっている管工事とはいわゆる配管工事のことを指します。
その中でも、戸建て住宅のような一般の施設における配管工事が管工事といわれます。
ちなみに、上下水道施設などの公の施設における配管工事は水道施設工事と呼ばれて区別されています。

管工事は3種類に分けられます。

管工事の種類
  1. ガスを安定供給されるためのガス配管工事
  2. 水道を使えるようにするための水道配管工事
  3. 建物の空気を循環するのに重要なダクト工事

上記でも分かる通り、管工事施工管理技士の仕事はこうした空調設備、冷暖房設備、ガス配管設備、上下水道配管設備、給気ダクト、浄化槽設備といった建築物の中のインフラ設備に使用される管工事の工程管理・品質管理・安全管理・コスト管理を行うことです。

管工事そのものの作業は無資格の方でもできますが、工事現場における施工や工程、安全を管理する業務には「管工事施工管理技士」の資格が必要なのです。

配管を工事するにあたってミスは大きな問題に発展しかねません。
建物の規模が大きくなると配管も複雑になり、種類も増えていきます。
そうなると詳細な施工計画や工事の工程管理も欠かせなくなるため、作業員の安全を確保のためにも資格を持った専門的立場の方が必要なのです。

また、品質管理も大事な仕事です。
配管の品質を向上させるためには材料や部品などにお金をかける必要が出てきますが、お金をかけるということはコストも上がってしまいます。
ですが、クライアントに満足されるような工事はしたいものです。
このように品質とコストのバランスを見ながら管理・調節することも大事な仕事なのです。

管工事の風景2

おおよその年収とキャリアパス

管工事施工管理技士という資格は2級と1級があります。

年収は?

2級管工事施工管理技士の年収には個人差がありますが、300~600万円以上です。
これは経験や技術力などで給与に差が出るためです。

1級管工事施工管理技士の収入も2級と同様に個人差があるものの、400~700万円台の年収換算になります。
1級管工事施工管理技士は2級よりも資格手当を増額してくれる企業もあるため、年収を伸ばすことができます。

キャリアパスは?

工事で欠かせない存在の施工管理技士には2級からスタートして1級が取得できたら、さらにその先のキャリアアップへと続きます。
技術を高めるにつれて、一作業員からマネジメント側に移っていく道です。
つまり、現場監督者になるということです。

現場の全体を指揮して他の作業員がしっかりと働いているかを監督したり、施工スケジュールの管理などを任せられるようになります。
あるいは、人によっては独立開業する人もいるでしょう。

認可団体

全国建設研修センター

主催団体名:一般財団法人 全国建設研修センター
昭和37年4月7日(平成24年4月1日、一般財団法人に移行)

<事務局連絡先>
〒187-8540
東京都小平市喜平町2-1-2 3号館1階

TEL:042-321-1634
FAX:042-326-3338

事業概要
  1. 建設技術等に関する研修、講習および試験
  2. 建設技術者養成のための教育
  3. 建設業法、土地区画整理法に基づく技術検定試験
  4. 建設業法等に基づく登録講習、研修
  5. 建設技術等に関する研究、調査および資料の収集ならびに定期刊行物などの刊行

など

受験条件

1級と2級で違います。
また、第一次検定(旧学科試験)と第二次検定(旧実地試験)があります。

2級

まず、第一次検定だけを受験する場合は「満17歳以上」だけの条件で良いです。
学歴や実務経験年数の指定がないので、年齢だけ確認すれば受験できます。

問題は第一次検定と第二次検定を同時に受験する場合に条件が出てきます。

学歴または資格 管工事施工に関する実務経験年数
指定学科の卒業者 指定学科以外の卒業者
大学卒業者
専門学校卒業者(高度専門士に限る)
卒業後1年以上 卒業後1年6ヶ月以上
短期大学卒業者
高等専門学校卒業者
専門学校卒業者(専門士に限る)
卒業後2年以上 卒業後3年以上
高等学校卒業者
中等教育学校卒業者
専門学校卒業者(高度専門士、専門士を除く)
卒業後3年以上 卒業後4年6ヶ月以上
その他の者 8年以上
技能検定合格者 4年以上

※指定学科とは、土木工学、都市工学、衛生工学、電気工学、電気通信工学、機械工学または建築学に関する学科をいいます。
※2 技能検定合格者とは、職業能力開発促進法による技能検定のうち、検定職種を1級の「配管」(選択科目を「建築配管作業」とする)や2級の「配管」に合格した者をいいます。

1級

第一次検定

学歴または資格により下記のいずれかに当てはまる者

(イ)学歴

学歴 実務経験年数
指定学科 指定学科以外
・大学
・専門学校を卒業し「高度専門士」と称する者
3年以上 4年6ヶ月以上
・短期大学・ 高等専門学校
・専門学校を卒業し「専門士」と称する者
5年以上 7年6ヶ月以上
・高等学校
・専門学校
10年以上 11年6ヶ月以上
その他 15年以上

(ロ)技能検定合格者 10年以上の実務経験年数
(ハ)高等学校卒業者、中等教育学校卒業者、専門学校卒業者(高度専門士「専門士」を除く)の方は卒業後8年以上の実務経験(ただし指定学科の方に該当)

(ニ)専任の主任技術者の実務経験が1年以上ある者

学歴 実務経験年数
指定学科 指定学科以外の卒業
・高等学校卒業者・中等教育学校卒業者
・専門学校卒業者(「高度専門士」「専門士」を除く)
卒業後8年以上 卒業後9年6ヶ月以上
その他の者 13年以上

(ホ)2級管工事施工管理技術検定・第二次検定の合格者

※指定学科とは、土木工学、都市工学、衛生工学、電気工学、電気通信工学、機械工学または建築学に関する学科をいいます。
※2 技能検定合格者とは、職業能力開発促進法による技能検定のうち、1級の「配管」(選択科目を「建築配管作業」とする)を検定職種として合格した者をいいます。

第二次検定

次のいずれかに当てはまる者

(イ)1級管工事施工管理技術検定・第一次検定の合格者(2級管工事施工管理技術検定・第二次検定の合格は除く)
(ロ)1級管工事施工管理技術検定・第一次検定において、2級の第二次検定の合格者として、前項目のイ、ロ、ハ、ニまたは下記の区分ⅰ・ⅱに当てはまる者

【区分ⅰ】

条件 管工事施工に関する実務経験年数
2級合格後3年以上の者 合格後1年以上の指導監督や専任の監理技術者による指導を受けた実務経験2年以上を含む3年以上
2級合格後5年以上の者 合格後5年以上
2級合格後5年未満の者 高等学校卒業者、中等教育学校卒業者(高度専門士や専門士を除く)は指定学科卒業なら卒業後9年以上、それ以外の卒業なら卒業後10年6ヶ月以上
2級合格後5年未満の者(高等学校卒業者、中等教育学校卒業者[高度専門士や専門士を除く]以外) 12年以上

【区分ⅱ】
専任の主任技術者の実務経験が1年以上ある者(2級合格者)

学歴または資格 管工事施工に関する実務経験年数
指定学科 それ以外の学科
合格後3年以上の者 合格後1年以上の専任の主任技術者実務経験を含む3年以上
短期大学卒業者
高等専門学校卒業者
専門学校卒業者(専門士に限る)
卒業後5年以上 卒業後7年以上
合格後3年未満の者
高等学校卒業者
中等教育学校卒業者
卒業後7年以上 卒業後8年6ヶ月以上
その他の者 12年以上

※詳細は公式サイトをご覧ください。

管工事の配管

合格率

【2級】
令和3年 第一次検定48.6%
令和3年 第二次検定46.2%

【1級】
令和3年学科試験 24.0%
令和2年実地試験 61.1%
令和2年学科試験 35.0%

1年当たりの試験実施回数

2級は第1次検定が2回あります。
第2次検定は1回です。

1級は第一次検定も第二次検定も1回ずつです。

試験科目

第一次検定、第二次検定と分けられます。

2級

<第一次検定>
機械工学等
施工管理法
法規

<第二次検定>
施工管理法

1級

<第一次検定>
原論
電気工学
建築学
空調・衛生
設備
設計図書
施工管理法
法規

<第二次検定>
設備全般
工程管理
法規
施工経験記述

採点方式と合格基準

2級では第一次検定が択一式、第二次検定が記述式です。
合格基準は第一次・第二次ともに得点60%以上です。

1級も第一次検定が択一式、第二次検定が記述式です。

合格基準
  • 第一次検定は全体の得点が60%、かつ施工管理法(応用能力)の得点が50%
  • 第二次検定は得点が60%

取得に必要な勉強などの費用

管工事施工管理技士の勉強方法はとにかく過去問にあたることで、それが勉強などの費用になります。

2級管工事施工管理第一次・第二次検定問題解説集 2022版年版

2級管工事施工管理第一次・第二次検定問題解説集 2022年版
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発行元:地域開発研究所
商品名:2級管工事施工管理第一次・第二次検定問題解説集 2022年版
価格:¥4,400(税込)

1級も同じシリーズで販売されています。

図解でよくわかる1級管工事施工管理技術検定第1次検定・第2次検定 2022-2023年版

図解でよくわかる 1級管工事施工管理技術検定第1次検定・第2次検定2022-2023年版
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出版社名:誠文堂新光社
商品名:図解でよくわかる1級管工事施工管理技術検定第1次検定・第2次検定 2022-2023年版
価格:¥3,960(税込)

「1級管工事施工管理技術検定」を受験される方に、厳選された過去問題とテキストを兼ねた解説書です。
わかりやすいイラストや図表を豊富に取り入れて要点を解説しています。

講座を受ける方法もある
講座にもよりますが、一例でいうとWebコースで43,780円だったり、38,500円だったりします。
なかには通学コースも用意してある講座もあり、受講料は44,500円あれば受けられます。

受験料

1級 第一次検定10,500円/第二次検定10,500円

2級 第一次検定・第二次検定 10,500円
第一次検定 5,250円/第二次検定 5,250円

笑顔の作業員

受験申込方法

「管工事施工管理技術検定」の公式サイトを検索していただき、「インターネット申込はこちら」のボタンから申し込みましょう。
申し込みは簡易書留郵便による個人別申込のみです。

インターネットで申し込む場合は申込用紙の販売もその中に含んでいます。
書面申込ですと、別途申込用紙が必要になりますから同ページの「申込販売はこちら」のボタンをクリックして購入してみてください。

まとめ

以上「管工事施工管理技士」についての資格記事でした。
この資格は取得すれば、工事現場における重要な役割に就くことができます。
収入アップにも期待できそうです。

ですが、この資格は受験条件がとても細かく設定されています。
ご自分の位置がどこなのかよく確認しましょう。
こちらの記事で分からなければ公式サイトをご覧になるようお願いします。

配管工事に携わっている人は、ぜひこちらの資格の取得を検討してみてくださいね。

 

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