普段から革製品を愛用している方は多いと思いますが、その革製品についての知識を詳細に知っている方は少ないのではないでしょうか。
せっかく良い革製品を買ったのだから末永く使いたいですよね。
そこで、今回はレザーソムリエについて触れていきたいと思います。
Contents
適用する仕事
アパレル業界の方などに役に立つ場面はありますが、これがないと仕事ができないというわけではありません。
歴史をさかのぼると、とても昔から存在します。
レザーは人間の生活に関係する素材です。
時代が経つにつれて世界中でレザーに関係する文化が発展して、強度・美しさが求められたことやファッションやインテリア等の高級ブランドが質が良いレザーを必要としたことがきっかけになり、レザーは日用品ではなくたしなむものとして変わっていきました。
現代でも、レザーは質の良い手触りや経年変化を楽しむものとして世界で愛用されています。
バック・革靴・財布などのファッション関連のものや、ソファー・車のシートなどの多くのものに使われるようになって、生活に密接した存在であると言えます。
しかし、革製品をよく使う方が多くてもレザーの本質や特徴を理解している方は少ないと思われます。
皮革や革製品についての正しい知識を持つレザーソムリエを教育することにより、多くの方に愛着を持って革製品を使用してより一層楽しんでもらえること、仕事で革製品を扱っている方には販売の現場で役に立つ知識を学んでもらうことを目的としていて、2017年にこちらの資格試験の制度を立ちあげました。
ですので、レザーファンやレザーのスペシャリストを教育する取り組みとなっています。
レザー全般に関しての知識を学習できるだけではなく、自分に合う革製品の選び方や製品それぞれのお手入れの仕方、トラブルの対処など日々の生活で役に立つ事柄もあわせて学ぶことができるのがこちらの資格の意義です。
おおよその年収とキャリアパス
レザーソムリエの資格は、年収やキャリアへの影響は少ないです。
受験者全体の4割ほどの方が皮革業界の関係者以外の方で、インテリア・靴・バックなどを長期間大事にしたい革製品を持っている方、自分でレザークラフトをしている方が多数です。
新しく趣味でレザーに関して学びたい方もいます。
受験資格もないため、ビジネスとしてだけではなく学生・主婦・シニア世代など年齢・職業様々です。
レザーに関する仕事をしている方の中に、個人で出願するケースだけではなく、人事部の方が新人・中堅社員の教育目的での受験を推奨する場合もあって、大手の鞄メーカーの社員も団体で受験しています。
皮革団体の資格制度であるので、革製品を扱っている業界や業種への就職を希望する学生や、転職活動中の社会人の方が入社前に取得すると面接時のアピールにもなります。
小売業・アパレル業界・インテリア業界でレザーを扱う機会はかなり多く、入社した後にレザーソムリエで学んだ知識を活用できるので事前の受験もおすすめされています。
認可団体
認可団体は「一般社団法人 日本皮革産業連合会」と「日本革類卸売事業協同組合」です。
事務局は株式会社ザッツコーポレーションです。
株式会社ザッツコーポレーション内に、レザーソムリエ事務局を置いて運営上の諸事務を担っています。
受験条件
受験条件は日本国内に連絡可能である住所があることです。
合格率
合格率は80%~90%です。
1年当たりの試験実施回数
講座は年に14回開催(同じ日に2回開催を行っています)。
試験科目
試験科目は、レザーの入門としての基礎的な知識を習得したかが問われます。
範囲は皮革全般の部分が最も多く、その次にお手入れ・靴・鞄・手袋・衣料・ベルトの範囲が問われます。
例題
ここで例題をいくつか紹介します。
例題1:オーストリッチとは何の動物の革か?正しいものを選びなさい。
(1)カバ(2)ダチョウ(3)ラクダ(4)カメ
正解は(2)ダチョウです。
例題2:牛革の年齢別の流れとして、正しいものはどれか?次の中から選びなさい。
(1)キップ→ステア→ブル→カーフ
(2)ステア→ブル→カーフ→キップ
(3)カーフ→キップ→ステア→ブル
(4)ブル→カーフ→キップ→ステア
正解は(3)カーフ→キップ→ステア→ブルです。
例題3:革製品の適切な保管方法について、誤っている記述はどれか?次の中から選びなさい。
(1)長期にわたって保管の場合は、ビニール袋に入れて、ガムテープで止めて保管する
(2)長期にわたって保管の場合は、時々風に当て、簡単なケアをする
(3)必ず陰干しと乾燥をさせ、クリーナーとクリームで充分なケアをする
(4)バッグ等の中もきれいにホコリを取り、詰め物を入れて形を整える
正解は(1)長期にわたって保管の場合はビニール袋に入れて、ガムテープで止めて保管する です。
皮革講座
皮革講座を実施しています。
そもそも革とは何なのか、革と皮の違いは何か。なめしとはいったい何なのかなど、基礎の知識から、革製品において皮革の使い分け・革製品の手入れ方法などの実践できる知識までカバーしています。
講座は、毎年業界におけるプロが参加者にわかりやすく、丁寧に解説を行う座学と実習を行っています。
受講される方は皮革講座の当日までに、オンライン皮革講座Basicを視聴してから参加してください。
こちらの講座は、レザーソムリエの資格試験の対策にもなるので参加するとよいでしょう。
オンライン皮革講座Basicは試聴環境さえあれば、誰でも見ることができる講座です。
- Chapter1は18分ほどで、内容は革とは何なのか・革の成り立ち・革となる動物の種類・ワシントン条約・革の部位についてです。
- Chapter2は20分程度で、内容は皮から革へのなめしとは・皮革製造工程・天然皮革と合成皮革・人工皮革・革の表情から仕上げです。
- Chapter3は22分程度で、内容は靴の名称・靴選びフィッティング・鞄を革で包む・革小物・手袋ベルト衣料・デザイン選びです。
- Chapter4は21分程度で、内容はケア製品・革靴ケア・バックケア・レザーウェアケア・手袋ケア・トラブルケアです。
2017年より始まったレザーソムリエの事業では、革に関する知識を高めていきたい、手入れ方法を知りたいなど、天然皮革に興味がある全ての方に向けたBasic皮革講座を、毎年日本各地にて無料で開催していました。
こちらの講座では、知識を習得する座学に加えて実際に革に触れてもらう実習の機会を設けて、もっと天然皮革を親しんでもらえるように他の講座ではないプログラムを用意して、毎年たくさんの皮革愛好者や皮革業界関係者の人々が参加していました。
ですが、新型コロナウイルスの感染拡大によって、会場に集まり参加してもらうことが困難になりました。
そのため、知識を習得できる座学だけですが、オンライン皮革講座Basicとして動画を配信しています。
基礎知識だけでなく革製品の選び方や革製品の手入れ方法など、実践的な知識をカバーしているのでこの機会に視聴しておきましょう。
初めて試聴する際にはユーザーIDとパスワードが必要なので、認可団体の公式ホームページで新規登録の手続きをしてください。
採点方式と合格基準
採点方式はマークシートによる選択式になっています。
合格基準は約70%~80%問題に正解することです。
取得に必要な勉強などの費用
公式テキストが販売されています。
価格は税込・送料込みで2,180円です。
受験料
受験料は税込5,500円です。
受験申込方法
受験申込方法は、まず公式サイトでアカウントを作ってください。
次に受験予約をするのですが、この際に受験料が必要となります。
支払方法はクレジットカード決済、コンビニエンスストア決済、ペイジー決済です。
受験予約が完了するとメールが届きます。
まとめ
せっかく良いレザー商品を買っても、知識がなくて早く傷めてしまうのはもったいないですよね。
それにレザーの話題を知っておけば、買う際の参考にもなり知識が活かせるのではないでしょうか。
レザーソムリエの資格を取得して、レザー商品についてより詳しくなりましょう。
関連する記事はこちら
テキスタイルアドバイザー(衣料管理士)について