観光英語検定試験について

観光英語検定試験について

多くの英語関連資格のなかから、今回は「観光英語検定」を紹介します。

こちらは観光分野に特化した英語力を測るものです。近年、日本の観光分野では英語を話せる人材の需要が高まっています。

将来観光業に就きたいと考えている人におすすめの資格です。

適用する仕事

英語力を測るテストは他にもたくさんありますが、観光英語検定の特徴は名前のとおり観光分野に特化しているという点にあります。

英語による接客ができるレベルのコミュニケーション能力が求められます。

活躍の場
  • 旅行や観光会社
  • ホテル
  • 空港ターミナル
  • 交通機関
  • レストラン
  • デパートや商業施設

ツアーガイドやホテルのコンシェルジュ、販売員など、さまざまな職業で役立つ資格です。

2級以上を取得できる英語力があれば、英語圏の観光客の困りごとや質問などを解決することができるかもしれません。

さらに、1級レベルともなれば軽い雑談や詳細な観光案内などもできるようになります。海外での活躍の機会を得ることも可能です。

大手旅行会社などは観光英語検定の資格保持者を優遇しているため、観光英語検定の合格者は就職試験の際有利です。

この資格を持っていることで観光業界への志望度が高いこともアピールできます。

資格手当を出したり、受験料を負担して資格取得を奨励したりしている企業もあります。

英語応対能力検定との違い
同じような目的の英語の検定で「英語応対能力検定」というものがありますが、これは訪日外国人からの質問を簡単なフレーズで表現する英語力が身についているか、相手の状況や意図を理解し、適切な英語を使って必要な案内やサービスができるかなどが問われます。

外国人に道案内をしている女性

おおよその年収とキャリアパス

前項目で挙げた中から選んで紹介します。

観光会社

2021年の観光業における平均年収は540万円でした。これは2020年からの新型コロナウイルスの感染拡大も影響していると思われます。

旅行業の主な職種はカウンター営業、商品開発・企画、法人・団体営業、添乗員です。
こうした職業の方は旅行会社や旅行代理店に勤務します。

添乗やカウンターセールスなどで経験を積んだ後にツアープランナーになるケースが多いです。
ツアープランナーを務めたあとは、社内でマネジメント側へキャリアアップ、または同業の他社への転職も可能です。

カウンターセールスやツアーコンダクターなどは女性の割合が高く、ある企業では管理職に占める女性の割合が38%というデータも出ています。

法整備や社会の理解が追いついていないために、子どもを望む女性のキャリアは妊娠・出産によって途切れてしまいがちです。

しかし、企業によっては独自の制度を創設し、妊娠・出産を経ても仕事を続けられる環境を整備しています。
こうした制度は男性の働きやすさにもつながるものです。

観光関連の企業への就職を目指す人はこのような視点から調べてみるのもおすすめです。

コンシェルジュ

2020年のデータにおける平均年収(正社員)は500万円でした。

一般的なホテルマンよりも高い収入に見えますが、これはあくまで平均値で給与の幅は広く、約290万円~約830万円と差があります。

これはホテルのランクや地域、勤続年数などによって左右されるためです。

コンシェルジュとして自己研鑽を継続することで、スタッフの育成・管理などを担当するチーフコンシェルジュとしてステップアップすることができます。

また、コンシェルジュ業務で身につけた接客スキルは他業界でも活かすことができます。

認可団体

全国語学ビジネス観光教育協会観光英語検定を主催している団体は「全国語学ビジネス観光教育協会」です。

〒101-0061
東京都千代田区神田三崎町2-8-10 ケープビル2階
TEL:03-5275-7741

主な事業内容
  • 観光英語検定試験の実施・運営・管理
  • 観光英語検定試験関連の教科書・参考書などの編集、発行、販売
  • 各種教職員など研修会の実施
  • 全国専門学校英語スピーチコンテストの実施

受験条件

3級および2級は誰でもチャレンジ可能です。
1級の受験条件は平成31年度(令和元年度)以降に2級を取得していることです。

合格率

令和3年10月に実施された試験の結果は以下のとおりです。

3級 51.0%
2級 53.9%
1級 8.3%

1年当たりの試験実施回数

これまでは年2回実施されていましたが、コロナウイルス感染拡大防止の観点から令和4年度は年1回の実施にとどまっています。

試験科目

試験、テスト3級・2級・1級の3つに分かれています。

3級

  • 曜日、時刻、数字(単位含む)
  • 英語の掲示・パンフレット
  • 地名
  • 世界と日本の観光名所
  • 日本の祭りや年中行事、民芸品
  • あいさつ  など

2級

  • 予約関連業務
  • ホテル関連業務
  • 出入国に関する手続き
  • 機内放送などのアナウンス
  • 食事、通貨、交通機関 など

1級

以下の範囲での観光・旅行業に必要な実務英語

項目 内容
場所 各種受付(旅行代理店、航空会社など)、空港、駅、ホテル、レストラン、税関、劇場など
状況 苦情と謝罪、誤解と説明、要求と情報提供、予約および変更・キャンセル、電話応対、ガイド、病気、けがなど
文書など 手紙、申込書、ファクシミリ、チケットなど
専門知識 航空会社・旅行代理店・ホテルなどで一般的に使用される略語や専門用語
その他 世界の国々の文化や習慣、国際儀礼(プロトコール)

採点方式と合格基準

3級・2級は筆記とリスニングで採点されます。
1級は筆記(記述式)とネイティブ英語話者との面接があります。

合格基準(2020年度)

受験級  科目 満点 合格基準
2級 筆記
リスニング
50
40
31以上
21以上
3級  筆記
リスニング
50
40
25以上
19以上

1級の合格基準は、2019年度の結果によると筆記45点満点中29点以上リスニング35点満点中20点以上でした。

取得に必要な勉強などの費用

観光英語検定向けのテキストがあります。

観光英語検定試験 問題と解説3級 4訂版

観光英語検定試験問題と解説3級 4訂版
created by Rinker
出版社名:研究社
商品名:観光英語検定試験問題と解説3級 4訂版
価格:¥2,750(税込)

こちらの書籍は観光英語検定試験問題を徹底的に分析して内容別に分類し、傾向と対策を解説しています。
ダウンロード音声付きです。

※2級版もあります。

観光のための初級英単語と用例 観光英検3級~2級対応

観光のための初級英単語と用例 観光英検3級~2級対応
created by Rinker
出版社名:三修社
商品名:観光のための初級英単語と用例 観光英検3級~2級対応
価格:¥1,980(税込)

「観光・旅行」に関連した初級レベルの英単語を学ぶための用語・用例集です。
観光業や旅行業を目指す方、海外からの旅行者を案内したい方や観光英検、通訳案内士試験の受験対策にもおすすめです。

※2級~1級対応版もあります。

協会販売テキスト

協会からは検定試験の解説書が販売されています。

  • 受検前にぜひチェックしておきたい頻出150項目(過去問徹底解析3級・2級) 2,930円
  • 第44回(令和3年実施)観光英語検定試験3級解説書(CD付)1,850円
  • 第44回(令和3年実施)観光英語検定試験2級解説書(CD付)2,050円

受験料

費用3級:3,800円
2級:4,800円
1級:10,000円

受験申込方法

全国語学ビジネス観光教育協会公式サイトから願書を請求しましょう。

願書に必要事項を記入し、検定料を添えて郵便局またはゆうちょ銀行のATM・窓口から申し込みます。

まとめ

今回は「観光英語検定」という英語の資格についてお伝えしました。

観光業界では今後よりいっそう英語で対応できる人材の需要が高まっていくことが予想されます。

既に観光業界で活躍している方、観光業界を目指している学生のみなさんはぜひこの「観光英語検定」の取得を考えてみてください。

 

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