ファイリング・デザイナー検定という資格は、文書や電子情報などの情報を管理、効率的にファイリングして、運用管理する方法をわかっているかを確かめるものです。
この知識は、作業効率の向上や情報共有の潤滑化に活用できて、主に事務職の人のキャリアアップに繋がります。
デザイナーという単語が名前に入っていることで、何か創作することをイメージしてしまうかもしれませんが、一般的な事務の、整理する能力を判定する検定です。
Contents
適用する仕事
紙の書類や電子データは、様々な業種で業務の流れに沿って毎日発生しています。
この検定ではオフィスの情報の発生から活用管理、そして廃棄までを学べます。
具体的な仕事内容としては、文書や電子情報をファイリングし、運用・管理、あるいはトータル・ファイリングシステムの導入・指導などを行えます。
この資格の知識や技術は業種や業態に限定されず、多くの場所で適用が可能です。
そのため、適用できる仕事は多岐に及びます。
一般企業や病院、自治体、学校などで適用できます。
また、この資格以外にも、希望の職種の専門的な資格を保持していると、その仕事に就きやすくなるでしょう。
ファイリング・デザイナー1級の有資格者は、同じ日本経営協会の資格である、公文書管理検定科目の「公文書管理の実務」が免除されます。
そのことから、この資格が評価を得ていることがわかると思います。
おおよその年収とキャリアパス
年収は会社によってそれぞれですが、500万円くらいのところが多く見受けられます。
事務職の人がキャリアアップのために、取得するケースが多いようです。
認可団体
ファイリング・デザイナー検定の認可団体は「一般社団法人 日本経営協会」です。
それを含めた主催と協賛があります。
主催
一般社団法人 日本経営協会
東京都渋谷区千駄ケ谷3-11-8
登録:公益社団法人 日本能率連盟マネジメント関係認証資格称号
協賛
記録管理学会 ARMAインターナショナル東京支部
一般社団法人 ビジネス機械・情報システム産業協会
受験条件
どなたでも受験できます。
合格率
平均合格率は次のとおりです。
1級:26.1%
2級:49.4%
3級:68.5%
1年当たりの試験実施回数
1年に2回です。7月と12月に受験できます。
試験科目
この検定は3級・2級・1級とあります。
3級
情報活用の基本とファイリングシステムの基礎知識を問われます。
範囲
- 働くということ
- スバル君のある1日
- e-mailと情報
- 机はあなたの情報ステーション
- 仕事の効率をあげよう
- ファイリングシステムの基礎
基礎知識
1.仕事への心構え
情報の大切さ
記録の必要性
2.情報の本質とその役割
情報の本質
情報と仕事
情報活用における倫理的側面
3.職場と情報
机まわりのチェック
仕事場の改善
4.仕事の効率化
仕事とは何か
仕事の6タイプ
仕事の[優先順位]
仕事の[進め方]
5.ファイリングの基礎
ファイリングとは何か
仕事と情報のかかわり
ファイリングの基本技術
ファイリング・デザイナーのすすめ
2級
組織内での、トータル・ファイリングシステムの導入、維持管理ができる知識技能を問われます。
範囲
- 組織内情報化と文書管理の基礎知識
- トータル・ファイリングシステムの構築手法と維持管理手法の実務知識
- 保管システムの実務知識
- 保存・廃棄システムの実務知識
- 文書保存関連法規
- ペーパーレスファイリングに関する基礎知識
- 電子記録媒体とマイクロフィルムの基礎知識
- 文書保存年限に関する基礎知識
- 電子記録媒体に関する基礎知識
など
基礎知識
1.トータル・ファイリングシステムの基本
情報の発生、伝達、活用
文書の基本的なライフサイクル
2.ファイル利用方法と用具
バインダー/フォルダー/ボックスなど
実務知識・技能
1.システム構築の手法
文書情報フローの分析
文書分類
ファイル基準表の作り方
文書管理基準の作成
2.ファイリングシステムの導入
ファイリングシステム推進事務局の設置
ファイリングシステム推進体制
社内実態調査
ファイリングシステムの教育
ファイリングシステムのスタート
3.システムの維持管理のポイント
維持管理の方法
維持管理のための組織
社内教育
システムの連絡
応用知識
1.成功のポイント
成功のポイント
2.これからのトータル・ファイリングシステム
トータル・ファイリングシステムとは
マイクロフィルム
ペーパーレスファイリング
1級
範囲
- 経営情報管理
- トータル・ファイリングシステム導入・評価維持管理等推進全般に関わる実務・応用知識
- 電子記録媒体とマイクロフィルムに関する実務知識
- 社内教育・人材育成方法
- ペーパーレスに関する実務知識
- 文書実務や情報公開に関する関連法整備動向及び規制緩和動向
- 行政文書管理の実務知識
- 先進事例研究
など
応用・経営知識
1.経営の基礎知識
環境変化と企業経営
組織と情報
情報資源管理
2.トータル・ファイリングシステムの理解
情報発生→廃棄の一元管理
情報システムと文書管理
トータル・ファイリングシステム(TFS)構築方法
TFSの導入・維持管理・評価・改善
実務知識・技能
1.導入各論
実態調査
導入基本規格の策定
導入
2.維持管理各論
維持管理の方法と組織
社内教育
システムの運用
効果測定
3.情報機器の利用とファイリングシステム
光ファイル.マイクロフィルム.PC・ネットワーク
デジタル情報管理
実務能力
1.能力と役割
ファイリング・マネジャーの役割と必要能力
ファイリング・インストラクターの役割と必要能力
2.事例分析
分析・評価能力
プレゼンテーション能力
3.立法動向の理解
環境変化対応能力
保存年限/保存媒体等のシステム変更能力
採点方式と合格基準
選択式の出題となっているので、正誤判定での採点と思われます。
合格基準は、正答率70%以上が目安とされています。
取得に必要な勉強などの費用
試験のテキストを、一般社団法人日本経営協会のホームページから購入することができます。
ファイリング・デザイナー検定 3級 指定テキスト | 1,100 円(税込) |
ファイリング・デザイナー検定 2級 指定テキスト | 1,650 円 (税込) |
ファイリング・デザイナー検定 1級 指定テキスト | 1,650 円 (税込) |
受験料
3級:4,400円(税込)
2級:6,600円(税込)
1級:8,800円(税込)
受験申込方法
受験申込はインターネット受付のみとなっています。
申込日より3日目以降の予約が可能です。
これは、例を挙げると10/1に申込の場合、10/4以降の予約が可能という意味です。
受験票などの発送はありません。
予約完了時の確認メールで、試験日程・会場のご案内、および注意事項が明記されます。
申し込み後に確認が必要です。
まとめ
ファイルなどの情報の管理は仕事や生活のうえで自然と行うものですが、日常的に行うからこそ、作業効率の向上や情報の共有をするときの確実化をするのに必要です。
「ファイリング・デザイナー検定」の資格を持っていると、安心して情報を任せられると思ってもらえる材料になります。
事務職の方が、キャリアアップのために取得するケースが多いみたいです。
けっこういろいろな仕事の場面で適用されますので、受けてみてはいかがでしょうか。
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