コンクリート造の工作物の解体等作業主任者について

コンクリート造の工作物の解体等作業主任者について

皆様今日はコンクリートに関連する資格をお伝えしていきます。
それは「コンクリート造の工作物の解体等作業主任者」です。
興味ある方は、ぜひ読んでいってください。

コンクリート造の工作物の解体等作業主任者は国家資格
です。
コンクリートにまつわる話も本編でご紹介していきます。
興味のある方や資格をまだ取得していない方は是非取得して、より有利にしていって欲しいと思います。

適用する仕事

コンクリート造の工作物の解体等作業主任者 クレーン作業今現在でコンクリートを使用したビルがたくさんありますが、老朽化も大きな問題になっています。

そもそも高度経済成長期の頃は建物建設が盛んで、コンクリートを使用した建築がたくさん行われていました。
コンクリートを用いた工法で、RC造とSRC造があります。

RC造は鉄筋コンクリート造(Reinforced Concrete Construction)の略です。
鉄筋によって補強されたコンクリートという意味です。
SRC造は鉄筋補強されたコンクリートの中心に、一本の丈夫な鉄鋼が入っている感じです。
両方とも耐久年数が50年足らずというところです。

ちょうど今頃には老朽化が目立ち始め、解体や再整備としてコンクリートの解体需要は増加傾向にあります。

そうした高さ5m以上のものを解体破壊する場合、「コンクリート造の工作物の解体等作業主任者」の国家資格を持つ人を配置することが法律で義務づけられています。

老朽化した建物にともなって解体などの工事を行いますが、大きな建造物であるため事故も絶えません。
そこで、この資格を持つ方が現場の責任者となり、人員の配置や方法を決定し器材の管理や点検を行い、さらには実際の作業の監督をして安全かつ円滑に作業を終えるのが主な仕事になります。

おおよその年収とキャリアパス

解体業自体が年収高めです。
危険が伴い需要も多いため、新入社員でも年収が高いこともあります。
さらに「コンクリート造の工作物の解体等作業主任者」の資格があれば、資格手当も期待できます。

例として、解体業の年収は560万円となっています。
日本の平均年収に比べるとやや高いですね。

解体工だけなら398万円ですが、現場に出る方はまだキャリアが浅かったり、役職的にも高い位置にいないことを鑑みればやはり高い方です。
キャリアを積んでいけば、やがては会社の役職に就いたり独立したりという道が開けてきます。

ただし、「コンクリート造の工作物の解体等作業主任者」の資格だけで、解体工としてやっていけるわけではありません。

重機の資格や、またはビル自体鉄筋などを利用してRC造やSRC造で作られているため他の資格なども、責任者の立場になるほど必要になっていきます。

最初は新入社員として働き、数年経った段階で各種資格と「コンクリート造の工作物の解体等作業主任者」をキャリアアップの一つとして取得をしていくのが良いでしょう。

認可団体

コンクリート造の工作物の解体等作業主任者 ロゴ厚生労働省です。

こちらの資格は講座を受けて取得する仕組みになります。
受講する場所は全国各地に団体があります。

受験条件

  • コンクリート造の工作物の解体または破壊の作業に3年以上従事した者
  • 大学、高専、高校で土木または建築に関する学科を卒業後、解体作業に2年以上従事した者
  • その他、厚生労働大臣が定める者

合格率

コンクリート造の工作物の解体等作業主任者 放水試験自体がありません
あえていうなら、合格率は100%です。

講習の受講と修了考査を受けることで資格を取得できます。
現場での経験を積む事で、講習を受けてそのままほぼ資格取得まで行きます。

不合格がないという事はそれだけ意識も低く見てしまいますが、一つ間違えれば大変な事故に繋がりますから、しっかりとした態度で講習をよく聞き資格を取得しましょう。

一年当たりの試験実施回数

全国で頻繁に開催されています。
詳しくは、建設業労働災害防止協会のホームページで確認してください。

試験科目

試験科目ではなく、講習科目があります。

  • コンクリート造の工作物の解体又は破壊に関する知識
  • 工事用設備、機械、器具、作業環境に関する知識
  • 作業者に対する教育等に関する知識
  • 関係法令
  • 修了試験

講習は2日間かけて行われます。

採点方式と合格基準

上記で説明しているとおり、講習を受ける仕組みなので採点方式も合格基準も存在しません。
講習では重要ポイントを教えてくれますから、内容をよく覚えて、教える側の方が安心して「コンクリート造の工作物の解体等作業主任者」を任せられるような講習受講者になりましょう。

取得に必要な勉強などの費用

受講料及びテキスト代を合計しても1万~2万円台です。
東京都の例でいうと、合計で14,540円でした。(内訳は受講料12,100円、テキスト代2,440円)
もちろん、受講場所は全国各地にありますから、その団体場所によって大きく変動します。

ちなみに、その団体の会員になると、1,000円程度割引されるサービスもあるようです。

受験料

講習自体が受験です。
受講料は上記で説明したとおりです。

受験申込方法

方法としては、講習団体に申し込むやり方になります。

どこで講習が行われているかは建設業労働災害防止協会のホームページか、「コンクリート造の工作物の解体等作業主任者」と検索すれば分かります。

申し込み方法も団体によりますが、FAXや現金書留、受講する支部窓口にて申し込めます。
申し込む際には、受講申込書が必要です。
受講申込書も受講する団体のホームページに掲載されてあります。

コンクリート造の工作物の解体等作業主任者 解体現場

まとめ

高度経済成長期から多く建てられたビルは、そろそろ耐用年数が来る時期です。
一概には耐用年数は決まりませんが、それでも普段のメンテナンスや状態から判断されて取り壊されます。

この「コンクリート造の工作物の解体等作業主任者」という資格は、需要も大きくこれからも必要な資格になるでしょう。

解体業に興味のある方や、そうした分野に勤め始めの方は、是非一定のキャリアを積んだ後に取得を目指してみてくださいね。

 

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