計算実務能力検定について

計算実務能力検定について

計算実務能力検定は、経理実務での計算能力を問う検定です。
帳票計算と商業計算の2科目があります。
3級から1級まであり、級が上がると計算すべき桁数が増していきます。
知識や計算力が必要な試験です。

適用する仕事

経理課の風景

この試験では、帳票計算能力が問われます。
帳票計算と商業計算が出題範囲です。
帳票計算では現金出納帳、売上帳、精算表等の作成や入出金伝票の計算などが出題されるので、仕事としては経理になります。

計算実務能力検定は、経理事務での計算力を問われる検定です。
経理や財務を目指す人だけでなく、営業マンやトレーダーにも有効な資格です。
営業マンやトレーダーは、企業の財務状況を詳しく知る必要があります。

おおよその年収とキャリアパス

計算実務能力検定は、経理の仕事に活きる検定です。
ここでは、経理の仕事のおおよその年収とキャリアパスを示させていただきます。

管理運営の「経理・人事」スタッフ

東京都 年収:360万円から540万円
正社員
人事・労務管理業務、給与計算、社会保険、雇用保険手続き、経理業務、仕訳帳票作成など。

経理スタッフ大手鉄道グループ

愛知県 年収:343万円から437万円
契約社員
四半期・期末決済では決算整理仕訳の作成アリ。
四半期・期末決済では税計算・税効果の作成アリ。
帳簿締めや財務諸表作成にも関わる経験・資格が必須。

認可団体

全国経理教育協会

計算実務能力検定の取扱機関は「公益社団法人 全国経理教育協会」です。
文部科学省後援の資格試験です。

なお、計算実務能力検定の4級は平成21年1月24日に実施の検定をもって廃止されました。

受験条件

特に条件はありません。誰でも受験できます。
また、どの級からでも受験することができます。
学生でも受けやすい資格です。

合格率

近年のデータですが、各級の合格率を並べます。

令和4年1月22日施行:第117回

1級:42.70%
2級:71.58%
3級:65.56%

令和3年10月2日施行:第116回

1級:39.81%
2級:82.22%
3級:51.58%

令和3年1月23日施行:第115回

1級:54.64%
2級:81.35%
3級:68.23%

合格率

1年当たりの試験実施回数

計算実務能力検定の試験は、年に2回実施されています。
10月の第1土曜日と、1月の第4土曜日です。

第118回:2022年10月1日(土):全国一斉
第119回:2023年1月28日(土):全国一斉

試験科目

試験時間:各級50分
試験方法:筆記試験

1級

  1. 帳票計算(精算表、棚卸表、固定資産台帳、入出金伝票)
  2. 商業計算(比率、製造原価、利益処分、有価証券、株式、福利、年金、年割賦、積立金、減価償却)

2級

  1. 帳票計算(合計残高試算表、商品有高帳、入出金伝票)
  2. 商業計算(売買諸費用、手形割引、度量衡、貨幣の換算)

3級

  1. 帳票計算(仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、当座預金出納帳、売上帳、仕入帳、得意先元帳、仕入先元帳、入出金伝票および出金伝票)
  2. 商業計算(割合の計算、歩合算、損益の計算、利息の計算)

試験内容としては、級が上がると計算すべき桁数が増えていきます。
1級では別表が与えられ、そこから製造原価の計算や利益処分の計算を求めるなどの、より高度な知識と計算が必要となります。

簿記では仕分け作業なども必要ですが、計算実務能力検定は計算のみを取り扱った内容となっています。
ただし、簿記と共通する技術も多く、簿記検定を目指す人はこちらを受けてみてもいいかもしれません。

科目を学ぶ人

採点方式と合格基準

採点方式は、正誤判定と思われます。
合格基準は各級とも1科目100点満点で、全科目得点70点以上が合格です。
合格発表は、試験施行してから一週間以内に行われます。
1級の全問正解者には、満点表彰があります。

取得に必要な勉強などの費用

人それぞれとは思いますが、勉強に必要な時間はおよそ20時間程度といわれています。

公式書籍

テキストを何点か挙げさせて頂きます。

公式テキスト

  • 公式テキスト 計算実務1・2級:1,000円+税
  • 公式テキスト 計算実務 3級:1,000円+税

問題集

各級の問題集もございます。
価格は次の通りです。
計算実務1級 直前模試:1,320円
計算実務2級 直前模試:1,100円
計算実務3級 直前模試:1,100円

過去問題集

  • 令和4年度版 計算実務能力検定試験 過去問題集 3級:1,100円:過去問題16回分収録(第102回~第117回)
  • 令和4年度版 計算実務能力検定試験 過去問題集 2級:1,100円:過去問題16回分収録(第102回~第117回)
  • 令和4年度版 計算実務能力検定試験 過去問題集 1級:1,320円:過去問題16回分収録(第102回~第117回)

勉強のポイント

計算実務能力検定の資格取得に勉強しておきたいのは、試験科目である以下の内容です。

1級

  • 帳票計算(精算表、棚卸表、固定資産台帳、入出金伝票)
  • 商業計算(比率、製造原価、利益処分、有価証券、株式、福利、年金、年割賦、積立金、減価償却)

2級

  • 帳票計算(合計残高試算表、商品有高帳、入出金伝票)
  • 商業計算(売買諸費用、手形割引、度量衡、貨幣の換算)

3級

  • 帳票計算(仕訳帳、総勘定元帳、得意先元帳、仕入先元帳、入出金伝票)
  • 商業計算(割合の表し方、損益、利息)

ここで帳票計算とは、企業の活動内容の記録である帳簿や伝票の作成です。

受験料

受験にかかる費用

受験料(税込)は次の通りです。
1級:2,000円
2級:1,600円
3級:1,400円

受験申込方法

申し込みはインターネットで行います。
検定管理システムより検定申込・合否確認・合格証明書取得・履歴確認などを行います。
初めて、全経協会の認定試験を個人で申し込まれる方は次の手順で申し込みを行います。

個人登録 検定申込の手順について説明します。

1.個人登録

個人登録画面から、メールアドレスを登録します。
そのまま、個人情報の登録を行います。
個人登録の完了後、ログインIDが発行されます。

2.申込・支払

マイページから検定試験と受験会場を選択して、申し込みします。
申し込み後に受験料の請求書が発行されます。
各種コンビニ、Payeasy(ATMおよびネットバンキング)、電子マネー(Edy,Suica)でお支払い可能です。

3.試験当日

受験票のPDFファイルは、試験日2週間前から試験日当日までダウンロード可能です。
プリントアウトして試験当日に持参してください。

4.合格発表・合格証書の配布

ログインすれば合否の確認ができます。
合格証書は全経協会から受験会場に郵送されますので、受け取り方法については会場校の指示に従ってください。

  • インターネット受付では、過去の受験履歴が一元管理され、いつでも確認できます。
  • 合格証明書が必要な時に、マイページからPDF形式で出力することができます。
  • パソコンやスマートフォンから受験の申し込みを行なったり、登録情報を確認したりできます。
  • 受験会場を自由に選択することができます。
  • ご登録のメールアドレス宛に全経協会から有益な情報が届きます。

まとめ

計算実務能力検定

計算実務能力検定という資格についてでした。
この資格は、公益社団法人全国経理教育協会が主催していて、現在では1級から3級まであります。
4級は平成21年実施の検定をもって廃止されました。

どの級も、帳票計算と商業計算があります。
資格の名称からわかる通り、計算力が必要です。

最後になりますが、似た名称の資格に給与計算実務能力検定があります。
別の資格ですから注意しましょう。

 

関連する記事はこちら
建設業経理検定(建設業経理士/建設業経理事務士)について

ビジネスキーボード認定試験について