医療保険士試験について

医療保険士試験について

医療保険士とは、端的にいうと医療保険や医療事務に関する資格です。

医療事務に関する資格は他にもありますが、医療保険士の資格は講座を受講後テストに合格することで取得できる点が魅力です。

また、受講期間も4か月程度と短く、資格を取りたいと考えている多忙な方にもおすすめできます。

では医療保険士について詳しく見ていきましょう。

適用する仕事

医療保険士の資格が活かされる職業は医療事務です。

医療事務は、病院・医院の受付会計やレセプト(診療報酬明細書)の作成などをおもな業務としています。

医療機関の収入の要となる医療費の計算のほか、患者さんと最初に対面する病院の「顔」としての役割もあります。

勤務先は一般的な病院や診療所のほか、在宅医療を行う医療機関や治療院などが挙げられます。

受付業務

病院の窓口で患者さんの応対を担当します。

具体的な業務内容としては、診察券・保険証の確認、次回診療日の予約受付などがあります。

新規の患者さんには診察券を発行したり、受診科の案内をしたりすることもあります。

診療後の会計も業務のひとつです。昨今は現金のほか、クレジットカードや電子マネーでの支払いができる医療機関も増えたので、必要に応じてこれらでの支払い方法なども案内します。

薬がある方には処方箋を渡すのも医療事務の仕事です。

また、大きな病院の場合は入院前の説明・手続きなども業務範囲です。大規模な医療機関では「入院説明担当」「病棟担当」など、役割が分けられていることが多いようです。

医療機関は、何かしらの不調を抱えて来院する人がほとんどです。通常の接客スキルはもちろんのこと、つらさに寄り添うことができる人材が重宝されるでしょう。

レセプト業務

診療点数早見表医療事務の仕事の中で最も重要な仕事です。レセプトとは、診療報酬明細書のことを指します。

病院では医療保険制度に従って医療費を計算します。医療費は患者も負担しますが、およそ7割から9割は「保険者」と呼ばれる健康保険組合や国の担当機関が負担します。

この7割から9割の医療費を保険者に請求するのがレセプト業務です。

レセプトには、患者さんの氏名や受診した医療機関名のほか、診療の対象となった傷病名、その傷病に対して行われた処置、処方された薬などに応じた診療報酬点数などが1ヶ月分まとめて記載されています。

レセプト作成の際にはカルテを読む必要があります。医師が作成したカルテを正しく理解し把握することは、医療事務の仕事において要ともいうべき力でしょう。

おおよその年収とキャリアパス

2022年1月に更新された統計では、正社員の医療事務の年収は294万円でした。アルバイト・パートでは平均時給995円、派遣社員では平均時給1,220円だそうです。

在宅医療を手掛ける医療機関の給与はほかの医療機関と比較してやや高いようです。

医療事務を続けていけばいろいろな知識が培われます。医療事務に特化した働き方を続けたいなら以下のスキルを上げましょう。

  1. 施設基準
  2. 記載要領
  3. DPC請求
  4. 診療内容の理解
  5. 査定分析

そして、算定力を高めましょう。

算定力とは

診療報酬を請求するためのありとあらゆる能力を結集した総合力

  • 施設基準に詳しい
  • 算定ルール、カルテ記載に詳しい
  • 医師に根拠を示したうえで指導できる
  • 入院請求に精通している
  • 査定対策がしっかりできる

また、医療事務だけにとどまらず経営面に回るキャリアパスもあります。総務課や人事課などで人事・採用、予算策定・資金繰りなどを行う立場です。

こうして経営上層部へ進むのも1つの道といえるでしょう。

医療事務は正社員だけでなく、パートやアルバイトといった働き方もあり、ライフステージに合わせて長く働ける職種です。

認可団体

試験は医療保険学院が主催しています。

1973年(昭和48年)設立

〒113-0034
東京都文京区湯島3-37-4 HF湯島ビルディング9階
TEL:03-3832-6214
FAX:03-3832-6182

<事業内容>
医療事務・調剤報酬事務者の養成

受験条件

受験資格はありません。
学歴や年齢などを問わずに誰でも受験が可能です。

ただし、事前に医療保険学院の通信教育で医療事務講座を受講して、中間テストに合格しておく必要があります。
中間テストは基礎編No.1とNo.2、実習編のNo.3の合計3つがあります。

合格率

公開されていません。

1年当たりの試験実施回数

毎月実施されています。年間12回です。

試験科目

ここでは講座のカリキュラムを紹介します。基礎編と実習編に分かれています。

基礎編

  • 医療保険制度
  • 基本診療
  • 投薬
  • 注射
  • 処置
  • 各種療法
  • 手術
  • 検査
  • 画像診断
  • 入院
    (中間テストNo.1とNo.2含む)

実習編

カルテをもとにした診療報酬報告明細書(レセプト)の作成
(中間テストNo.3含む)

採点方式と合格基準

ボーダーライン医療保険学院の講座を受けたうえで中間テストに合格すると、修了試験を受けることができます。

修了試験では、80%程度の得点が求められます。ただし、在宅受験なので講座で使用していたテキストを参考にしてもよいでしょう。

修了試験で不合格となった場合も、受講開始から1年以内であれば何度でもチャレンジすることができます。

取得に必要な勉強などの費用

医療保険士の試験を取得するためには、医療保険学院の講座を受ける必要があります。
受講期間は4ヶ月です。

【医療保険学院の講座】
医療事務基礎講座 46,000円(消費税含む)

この受講料には入学金、テキスト代はもちろんのこと、練習用レセプト用紙セットから学習サポート資料編までといった学習に必要なすべての費用が含まれています(中間テストの返信用の切手や封筒代は除く)。

テキストは学院オリジナルのもので、医師や実務経験者が手掛けています。また、診療報酬点数改正の際には迅速に改訂されます。

受験料

受講料46,000円には受験料も含まれています。初回の修了試験の受験料は無料です。

もし初回で不合格になって、2回目以降も受験する場合は各回6,000円の受験料が掛かります。

受験申込方法

医療保険学院の公式サイト左欄の「資料請求、お申し込み」から入学ガイドを請求することができます。

入学ガイドには申込書が同封されていますので、必要事項を記入のうえ返送してください。

申込書が先方に着き次第、受講料払込票が送られてきます。

受講料の振り込みが確認され次第、教材と受講生証が送られてきます。

まとめ

ここまで「医療保険士試験」について見てきました。

通信制の講座を受け、試験に合格するだけで資格が取得できる点は、スクーリングや研修などに時間を割くことが難しい人にとって魅力的と言えるでしょう。

この講座には5つ特徴があります。

1.医師および実務経験者が作成したオリジナル・テキスト
2.診療報酬点数改正の対応の早さ
3.スピーディな添削指導
4.短い受講期間
5.万全のアフターケア

認定試験は在宅で受けることができるため、通学する時間が取れない、自分のペースで学習したいと考える人にはぴったりです。

また、メールや電話での質問も受け付けています。疑問点が出てきても安心ですね。

さらに、資格取得後も会員であれば診療報酬点数改正時の資料を受け取ることができるそうです。

医療事務は人気の資格ですが、実務経験も知識もなく不安だという方は多いでしょう。こうしたサポートが充実しているスクールを選んで学習を始めるのもよいかもしれません。

 

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