皆さんは仕事や外出先から帰ってきたとき、あるいは旅行や出張などで長期間家を離れていて、いざ自宅に入ろうとしたときに「鍵が無い」と慌てたことはありませんか。
そんな鍵を無くしたときや鍵のトラブルを解決するのが、この鍵師です。
鍵師は主に町の鍵屋などで、鍵のトラブルを対処します。
そんな専門的なお仕事を身に付けるのには、どんな勉強が必要なのでしょうか。
今回は鍵師について、調べてみました。
Contents
適用する仕事
家の鍵を無くしてしまった、車の鍵を車内に置いたまま閉じ込めてしまった、そんな経験がある方は鍵師を利用したことがあるのではないでしょうか。
鍵師は鍵を無くしたり盗まれたり、あるいは鍵穴に何らかの異物を詰まらせてしまった場合に、特殊な道具を使って新しい鍵を作成して、開錠するのが仕事です。
また、車の鍵を車内に閉じ込めてしまった場合は、家鍵の開錠とは別の道具を使って専門技術によって鍵を開けます。
これら以外でのお仕事では、鍵を取り替えたい、紛失してしまった鍵を複製したい、壊れた鍵を修理したいなどという場面でも活躍します。
そして、家族や親しい関係にある人が「合鍵を作りたい」というときにも、鍵師が対応します。
つまり、鍵にまつわる全般のことを鍵師は行います。
社会全般を見渡してみると、あらゆるところで鍵や施錠は使われていますね。
近年では防犯意識が高まっていますから、自宅のドアを二重ロックしたいとか、高齢者の自宅に鍵を後付けしたいなどの要望がきます。
空き巣にはピッキングが使われることが多いですから、安全性の高いシリンダーへの交換や補助錠の設置もします。
そうした問題に鍵師が解決します。
このように、鍵を扱う鍵師は人々の防犯や安全のために上記のような仕事を行なっています。
おおよその年収とキャリアパス
鍵師の平均年収は384万円です。
もっと広く範囲を広げると、370万~392万円でしょう。
鍵師が就業する場所は鍵屋です。
勤務先の規模や地域などによって異なりますが、正社員では月収20万円程度、アルバイトやパート雇用だと時給900円~950円程度からスタートする人が多いようです。
大手鍵屋チェーンではシフト勤務をとっているところが多いです。
たいていの鍵師は「1回の出張あたりはいくら」という料金設定をしています。
その金額は1件あたり1万~2万円程度が相場となっています。
これは出張料や技術料が含まれるからです。
鍵師もどこかの鍵屋に就職するケースと個人経営で自分の鍵屋を開業するケースと、2通りあります。
鍵師は職人的要素の強い職業であり、一般的に学歴や年齢が問われることもないため、やる気さえあれば誰でも目指すことができます。
ただし、専門的な知識と技術が必要とされるので、一人前になるためにはそれなりの時間がかかります。
自分で独立開業できる職業ですが、生計を立てるのは難しいです。
年収はピンキリといえます。
開錠の仕事も依頼がなければ収入のない日が続きますから、不安定さもあります。
安定した収入を得るには、かなりの営業努力が必要になります。
それに、鍵のトラブルはいつ起こるかわからないので、緊急の呼び出しがあってもいつでも駆けつけられるように24時間体制で依頼を待たなければなりません。
また、世の中が移り変わっていくうちに犯罪も防犯対策も変化していきますので、次々に登場する新しい鍵にも対応していかなければなりません。
常に勉強することも重要になってきます。
認可団体
鍵師が知識や技術を持っていることを証明する検定が「鍵師技能検定試験」というものです。
ビジネス教育連盟 日本鍵師協会が運営・管理しています。
ちなみに、「鍵師」というのはこちらの協会の登録商標です。
ビジネス教育連盟 日本鍵師協会
〒160-0022 東京都新宿区新宿5-4-1 新宿Qフラットビル707(講習室307)
TEL:03-3356-5304
FAX:03-3341-6712
受験条件
鍵師技能検定試験は二級と一級があります。
ただし、外国人の場合でも協会側の審査による認められた保証人などが存在する場合には、例外的に受験が可能です。
合格率
最近の合格率はわかりませんが、2級で82.5%と出ています。
1年当たりの試験実施回数
不明
年1回とも常時行われているともいわれています。
試験科目
検定は二級と一級とあります。
二級
筆記試験では、錠前全般についての専門的基礎知識について問われます。
実技試験では、玄関錠を含む数種類の一般普及錠を、ピッキングの手法で一定時間内に一定割合以上開錠する技能、錠前構造に関する技能などが問われます。
一級
筆記試験では、前全般についての専門的知識について問われます。
ある程度の実務経験や知識がある方が有利です。
実技試験では、数種類の錠前をピッキングの手法で開錠する技術ならびにシリンダーから合鍵を作製する技能、ピンの組替え技能などが問われます。
採点方式と合格基準
筆記試験では、選択問題と記述式問題の両方が出題されます。
合格基準は不明です。
取得に必要な勉強などの費用
【認可団体】のところでご紹介した「日本鍵師協会」で鍵師養成講座を実施しています。
「鍵師養成7日間講習」といい、錠前・鍵の構造とメカニズムなどの基礎知識、合鍵製作、開錠訓練、さらには営業方法まで全29項目を7日間で学ぶことができます。
これは鍵師技能検定試験に完全準拠して、行われています。
7日間講習受講者なら、講習中に鍵師技能検定試験に申し込むことができ、修了直後に受験できます。
受講料金は138,000円です。
その中には、テキスト代、協会特性ピックセット、各種練習用資材、機材料などが含まれています。
こちらでは、割引制度も設けています。
2人目以降の方の受講料金は96,600円(税込)です。
申込みが同時であれば、受講日は別々でもかまいません。
最大7泊まで適用できます。
複数同時受講の場合は1名分だけ適用されます。
受験料
二級:12,000円(税込)
一級:20,000円(税込)
受験申込方法
受験要項が必要です。
希望する場合は80円切手5枚を同封して、日本鍵師協会まで申し込んでください。
また、日本鍵師協会講習室でも販売しています。
まとめ
今回は「鍵師」をテーマに検定試験を取り上げました。
鍵師は専門職ですが、しっかり検定制度を設けています。
基本的に鍵師になるための条件は特に設定されていません。
何らかの形で専門知識や技能が学べれば、資格が無くても鍵師になることは可能です。
ですが、“鍵師”と名乗れるのは「鍵師技能検定試験」に合格した者のみです。
「鍵師」として名乗ってビジネスをするためには、鍵師技能検定試験に合格しなくてはならないと認可団体である「日本鍵師協会」で云われています。
ですので、きちんと日本鍵師協会の講座を受けて、試験に挑みましょう。
少々受講料金が高いという方は、割引制度を利用してみてください。
言い換えれば、この受講料以外は勉強費用が要りませんので、この講座を受けましょう。
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一級:二級鍵師資格所持者