建設業界・土木業界で働いている方のキャリアアップの近道と言えば、大型の重機の免許ですよね。
大型重機の免許があると、現場においてとても重宝されるはずです。
今回はショベルローダー等運転技能者について、触れていこうと思います。
Contents
適用する仕事
ショベルローダー等運転技能者は、大きめのショベルローダーを運転する時に必要な国家資格です。
重さが1トン以上のショベルローダーの運転を行う場合に、労働安全衛生法によってショベルローダー等運転技能者の資格を取得していることが義務になっています。
運転して作業する場合に必須となっているので、それらの仕事を行う方は必ず取得してください。
ただ、この資格だけでは現場の作業のみで路上での運転はできません。
路上で運転するには、大型特殊自動車免許が必須となるので注意してください。
こちらの資格は、重さが1トン以上の大型のショベルローダーだけではなく、1トン未満の小型のショベルローダーも運転できます。
またフォークローダーも運転できます。
ショベルローダーとは
ここからはショベルローダーの説明をしたいと思います。
ショベルローダーとは、前方にパワーショベルとバケットを備えている特殊自動車です。
労働安全衛生法では、車両系荷役運搬機械の中の1種として分類されています。
工事現場などで土砂等をトラックに積み込んだり、農場での積込に使用します。
他にも、雪の多い地域では除雪作業にも用いられています。
地表より上にある土砂や雪等をバケットですくい上げして持ち上げ、トラックの荷台等に積込みすることができます。
けれども、地表より下に穴を掘ることはできません。
ディーゼルエンジンやガソリンエンジンを使っています。
ショベルローダーとフォークローダーの違い
ショベルローダーとフォークローダーの違いは、ショベルローダーは車両前方のショベルをリフトアームで上下させて、粒体などの荷役をする2輪駆動の自動車です。
木材関係の作業・ジャリや砂を荷役する時に使われています。
フォークローダーは車体の前方のフォークをリフトアームで上下させて、材木等の荷役を行う2輪・4輪駆動の自動車です。
木材の積み込みや積み降ろしの作業の時に使います。
ホイールローダーとは
ホイールローダーは見た目や名前が似ていますが、前輪と後輪の間を折れ曲がらせることができる4輪駆動の種類があるなどいろいろな違いがあるため、ショベルローダーとは異なる資格に分類されています。
ホイールローダーを運転したい場合は車両系建設機械運転者という資格を取ることで、運転できるようになります。
おおよその年収とキャリアパス
ショベルローダー等運転技能者の平均的な年収は400万円前後です。
とても高収入になるというわけではないのですが、専門技能で多くの企業で求人が見られます。
似ている資格も紹介していきます。
建設機械施工技士
土木建設工事においての建設機械等の運転に関する技能のみならず、現場での責任者として多くの知識や管理能力を認定する国家資格となっています。
一定以上の金額の工事には、この資格を持っている方が常にいる必要があります。
日中は現場で朝礼・挨拶・体操をした後に、施工管理・安全管理を行います。
夕方以降は事務所で報告書を作ったり、デスクワークも行います。
建設機械施工技士の資格は第1種から第6種まで分かれていて、資格を取得するとそれに対した機械の運転・施工管理・安全管理を行えるようになっています。
規模の小さい工事であれば主任技術者にもなれますが、より上の資格の1級建設機械施工技士と比較すると対応する業務に制限があります。
第1種はブルドーザー・第2種は油圧ショベル・第3種はモーターグレーダー・第4種はロードローダー・第5種はアスファルトフィニッシャ・第6種はアースオーガが該当します。
2級は6ヵ月、1級は最低3年の実務経験が必要で試験そのものも多少難しいですが、今現在建設関係で働いている方にはおすすめできる資格です。
また、持っておくと講習時間の短縮につながる資格も紹介していこうと思います。
建設機械施工技士と間違われやすいのが土木施工管理技士です。
建設機械の施工に関わっている所の施工管理・安全管理を行う建設機械施工技士に対して、土木施工管理技士は土木工事の安全や進捗の管理を行なっています。
大型特殊自動車免許
大型特殊自動車に当たるブルドーザー・ショベルカー・ホイールローダーなどを、路上で運転する際に持たなければならない資格となっています。
ショベルローダーを路上で運転する時に必須であり、ショベルローダー等運転技能の講習時間も短縮されるので先に大型特殊自動車免許を受けると良いです。
認可団体
許可団体は厚生労働省です。
受験条件
18歳以上の方であるなら、ショベルローダー等運転技能者の講習を受講できます。
現在所有している資格により、講習時間が変わります。
- 建設機械施工技士の資格を持っていれば9時間コース。
- 大型特殊免許の限定なしを持っている、普通・準中型・中型・大型・大型特殊の限定ありの免許を持っていて、小型ショベルローダー等特別教育終了後に最大の荷重が1トン未満のショベルローダー等の業務経験が3ヶ月以上ある方は11時間コース。
- 小型ショベルローダー等特別教育修了をしたのち、最大荷重が1トン未満のショベルローダー等の業務経験が6か月以上ある方は15時間コース。
- 普通・準中型・中型・大型・大型特殊の限定ありの免許を持っている方は31時間コース。
そして、今まで挙げた資格の中で、どれも持ってない場合は35時間コースとなります。
合格率
ショベルローダー等運転技能者は、全国にある教習所の講習を受ければ取得可能です。
講習での修了試験に合格すれば取得できるので、講習が必須です。
ですので、基本的にしっかりと講習を受ければ誰でも取得できると言えます。
一年当たりの試験実施回数
各講習所で異なりますが、2ヶ月に1度は講習を行なっているようです。
試験科目
試験科目というより講習内容となります。
35時間コースなら学科が11時間・実技が24時間となっています。
学科講習
- 走行装置に関する知識(4時間)
- 荷役装置に関する知識(4時間)
- 力学に関する知識(2時間)
- 関係法令(1時間)
- 修了試験
実技講習
- 走行の操作(20時間)
- 荷役の操作(4時間)
- 修了試験
採点方式と合格基準
採点方式は特にない講習となっています。
合格基準は講習後、修了試験をクリアすれば取得できます。
取得に必要な勉強などの費用
事前に勉強などは必要ないので、特にありません。
講習を真剣に取り組みましょう。
受験料
受験料は各コースによって変わります。
9時間コース | 21,600円 |
11時間コース | 24,840円 |
15時間コース | 27,000円 |
31時間コース | 45,360円 |
35時間コース | 54,000円 |
受験申込方法
ショベルローダー等運転技能の講習は全国各地の指定の教習所で実施されているので、申込方法は最寄りの講習会場に問い合わせてください。
まとめ
ショベルローダー等運転技能は工事現場で重い資材を運搬するときや、農場の肥料運搬や工場での資材運搬のとき、そして降雪地帯の除雪作業のときなども役立つ技能資格なので、活躍の現場は幅広いといえるでしょう。
講習さえ受ければほぼ確実に受かる資格なので、建設業界・土木業界で働いている方にはちょうど良い資格だと思われます。
ぜひ、資格取得を検討されてみてはいかがでしょうか。
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