高圧ガス移動監視者について

高圧ガス移動監視者について

皆さんはコンクリートミキサー車を見かけることはありませんか?
グルグルと回転する後部が特徴的ですよね。
それと同じように円形の後部を持った車もあります。
それはガスが中に入っていて、扱うには国家資格が必要です。
そこで今回は、高圧ガス移動監視者について触れていこうと思います。

適用する仕事

高圧ガス移動監視者は危険のある高圧ガスを輸送する時に、高圧ガスを安全に輸送するように監視するプロフェッショナルのことです。

高圧ガスを輸送する時には、高圧ガス移動監視者を同乗させることが高圧ガス保全法などで義務とされています。
ですので、高圧ガス移動監視者が必ず必要となります。

高圧ガスには酸素・可燃性ガス・毒性ガス・LPガスなどが当てはまります。
高圧ガスを輸送中に何か問題があったら大事故になってしまうので、このようなプロフェッショナルの元でのみで輸送しなければならないようになっています。
よって、高圧ガス移動監視者はガス業界エネルギー業界等でとても大きく活躍しています。

高圧ガス移動監視者が必要な時を具体的に見ていきましょう。

1つ目は圧縮ガスで、容積が300m3以上の可燃性ガス・酸素、容積が100m3以上の毒性ガスです。
2つ目は液化ガスで、質量3000kg以上の可燃性ガス・LPガス・酸素、質量1000kg以上の毒性のガス、圧縮水素スタンドの液化水素の貯槽に充填する液化水素、特殊高圧ガスです。

特殊高圧ガスとは、ジシラン・ホスフィン・モノシラン・アルシン・ジボラン・モノゲルマン・セレン化水素の、7種類のガスのことです。

白いタンクローリー

おおよその年収とキャリアパス

各求人サイトを見てみると高圧ガス移動監視者の年収は450万円~600万円となっています。
高圧ガス移動監視者は専門的ではありますが、現在の社会には欠かすことのできない高圧ガスに関わるので求めている企業はたくさんあります。

そして、どの地域でもドライバーとして採用されることが多い傾向です。
ドライバーで高圧ガス移動監視者でもあれば、両方の役割を果たすことができるのでドライバーとして採用されるのもわかります。
そして、高圧ガス移動監視者は国家資格なので、自らのスキルとして大きくアピールすることができます。
転職を考慮している方にも大変強い味方となってくれます。

認可団体

経済産業省

認可団体は経済産業省です。

受験条件

高圧ガス移動監視者の資格を得るためには、最初は高圧ガス保全協会が行っている講習を受講する必要があります。
高圧ガス移動監視者は安全に高圧ガスを輸送する知識と技術が必要で、高圧ガス保安法に則って監視・管理を行わないといけません。

知識・技術を知っておかないと安全に管理することはできないですし、高圧ガスは国家資格が必要なほど取り扱いが難しい危険物です。
そして、高圧ガスの取り扱いは法律で決められており、それを守らなければ法律違反にもなってしまいます。

作業を行うのには知識・技術が必要なので、講習でしっかり学んでおくことが大事です。
講習は2日間行われるので、ここで知識を身に着けます。

この受講資格というのは、年齢や学歴など制限は設けておらず、誰でも受講できます。

合格率

高圧ガス移動監視者の合格率は受験者全体のうち、約85%が合格しています。
かなり高めの合格率なので、難易度はそこまで高くはないことがわかります。
受験者は講習を受けた状態で筆記試験を受験しているので、合格率が高くなっています。

講習の最中に重要な箇所の説明があることがあるので、それだけでもある程度は対策をとることができます。
国家資格ではありますが、とても取得しやすい資格となっています。
しかし、不合格になってしまう方もいるので、採点は筆記試験となります。
しっかりと対策をすることをお勧めします。

1年当たりの試験実施回数

講習が年に4回行われていて、開催場所も全国で15か所で予定されています。
その年によって違いもあるので、最新の情報を高圧ガス保安協会のホームページでチェックすることが必要です。

横から見たタンクローリー

試験科目

筆記試験は講習で学んだ内容から基本的には出題されています。
例えば簡単な問題だと、熱量の単位として正しいものは?などの問題が出題されたりもします。
難易度が高くなると、必ず圧力の計算問題などが出題されることもあるので、計算もしっかりと勉強しておいた方がいいでしょう。
知識の暗記と計算問題が中心として出題されます。

採点方式と合格基準

試験の時間は90分で問題が20問出題されます。
6割以上の正解が合格ラインとなっているので、20問のうち12問正解すれば合格の基準に達したことになります。
講習の内容をちゃんと勉強していれば、比較的合格しやすい難易度になっています。

過去問を中心とした問題がメインとなるので、過去問をしっかりと勉強しておけばさらに高得点が期待できます。
合格率が高いので事前の勉強はしないで講習をしっかり受けて、復習するだけで資格が取れた方もいますが、一発勝負なので過去問を事前に解いていた方がより確実です。
他にも、資格を取得したのち、実際に仕事を行う上で必要な知識が多いので勉強した方がいいです。

万が一試験に落ちてしまった場合ですが、高圧ガス移動監視者は受講と検定がセットなので検定試験に落ちると、次回の検定試験のみ受けるという事は出来ません。
講習を受けるところからやり直しになってしまいます。

ですが、所定の高圧ガス製造保安責任者免状の交付を受けている方は、こちらの講習を受けずに高圧ガス移動監視者になれます。
検定試験に一回落ちていて、再びチャレンジする時には再度講習でおさらいができますので、合格を目指すには受講することは損ではないです。

検定を受ける際の料金は受講検定料という表記になっています。
受講・検定をまとめた料金になっているので、なんとなく受講するのではなくちゃんと受講しないとお金の面で考えても無駄になります。

取得に必要な勉強などの費用

高圧ガス移動監視者には、高圧ガス移動監視者検定問題集というテキストがおすすめです。
こちらは高圧ガス移動監視者講習の時の検定試験問題・解答・解説が、過去5年分収録されています。
講習もこちらのテキストに沿った形で行われているので、検定試験にも結び付いています。

過去問を解くことで、検定試験本番でもスムーズに進められるだけではなく傾向もわかってきます。
値段は約2,000円前後です。

講習で使われるテキストは、高圧ガス保安協会のホームページにも書いてあります。
高圧ガス保安協会のホームページから購入することもできます。
テキストだけではなく、高圧ガス保安協会のホームページはよく確認する必要があります。

受験料

高圧ガス移動監視者は受講料と検定料がセットになっており、15,800円です。

後ろから見たタンクローリー

受験申込方法

高圧ガス移動監視者の資格を得るためには、講習を受けたのち試験を受けることが必須です。
それぞれに申し込みをする必要があります。
申し込み方法を知らなければ試験は受けられませんし、申し込みする際の注意する点もあります。

注意するべきところをしっかりと知らなければ試験まで順調に進めない場合もありますし、試験が受けられなくなってしまう場合の可能性もあります。
試験の申し込み方式を、しっかりと理解して資格を得るまで順調に進めていきましょう。

高圧ガス移動監視者の試験に申し込む場合、各地区の高圧ガス関係団体のホームページを確認してください。
ホームページから試験の応募をすることが可能で、ネットを使い簡単に応募することができます。

また、高圧ガス移動監視者の資格は1つだけではなく複数の種類があるので、取得する種類によって日程が違っているため注意してください。
高圧ガス移動監視者の資格でも、すべての高圧ガスの監視が可能な資格もありますが、液化石油ガスのみの監視が可能な場合もあります。

液化石油ガスの場合はLPガス・プロパンガスが該当するので、監視するガスの種類により受験する資格を変えることも重要です。
期日の確認だけではなく、自分が受ける種類も確認しておきましょう。

繰り返しになりますが、高圧ガス移動監視者の講習は、1年に4回行われています。
開催する場所によってはそれよりも少ない場合もあるので、住んでいる場所から近い試験会場を確認することが大事です。
1年に4回資格取得のチャンスがあるので比較的応募がしやすい資格ですが、必ず応募できるとは限りません。
講習には募集定員があり、定員になってしまうと講習が受けられなくなってしまうので注意してください。

また、講習が受けられる場所も全国10か所程度なので、どこで受験が可能なのか確認しておく必要もあります。
1年に4回行われますが、地域の開催回数や募集定員が違うので受験を決めたら早めに応募することが大事です。

まとめ

高圧ガス移動監視者は大型のトラック運転などの大型免許を持っている方が、キャリアアップするのにとても最適の資格です。
ぜひ挑戦してみてはいかかでしょうか。

 

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