玉掛作業者について

玉掛作業者について

私は15年前位に資格を取り、実際の工場で玉掛け作業もしていましたが、チェーン、ワイヤーの安全確認、かけ方を間違えてしまうと危険なので経験も知識も必要です。
特に、吊り上げる荷の重心を見極める事が大事で、ずれていると吊り上げた時に傾いたりするので、とても危険です。

私は、仕事で床上操作式クレーンを使う事があったので「クレーンの資格を取るなら、玉掛け技能講習も取った方がいいよ」と言われました。
実際に取って使ってみると、作業が一通りできるのもありますが、クレーンを使うときでも、重心を捉える事はとても大事でした。
なので、クレーン作業者でも玉掛け技能講習は取っておいた方がいいと思います。
国家資格ですが、比較的取りやすい資格でもあります。

私が講習と試験を受けた時は、学科はテキストに沿って行っているくれるので、分かりやすかったのを覚えています。
試験のポイントも教えてもらえるので、普通に受けていれば問題ないと思います。
座学は結構長いので大変で、特に、関係法令は苦戦したのを覚えています。
実技は実際に動きながらの講習なので、覚えやすかったと記憶しています。
ただ、危険が伴うので教官の方は少し厳しい方もいました。

ですが、教官に実際の現場の話をしてもらえるので、とても、参考になりました。
普通に受けていれば、あっという間に3日間は終わってしまった記憶があります。

適用する仕事

重機を操作する男性

玉掛けとは、クレーンを用いて荷物を運搬するときに積荷に釣り具をかけて使うものです。

その他、港湾荷役で使われる揚貨装置を扱う以下の作業にも適用します。

  • 揚貨装置運転士免許の作業
  • 小型移動式クレーン運転技能講習
  • 工場の床上操作式クレーン運転技能講習

クレーン作業をする際には、玉掛け作業者は必ず必要で色々な作業所で必要とされています。
港湾荷役作業者や建設現場解体業、重機を扱う工場や小さな工場でも重い荷を吊り上げる時は、必ず必要とされています。

おおよその年収とキャリアパス

玉掛け作業員のおおよその年収は男性の場合は約426.8万円、女性は約378.7万円です。
玉掛け作業員の年収は、増加傾向にあります。

玉掛け作業員は、クレーン作業において、事故を防ぐためにも必ず必要なものです。
ですので、年齢や経験により年収は上がっていきます。

玉掛け作業員の全体での平均年収は年齢による推移では、19歳から29歳にかけて徐々に多くなっていき、30歳から34歳で少し年収は下がりますが、その後は54歳までまた徐々に上昇する傾向です。
55歳以降は下降し、60歳以降は一定の年収になるようです。

資格なので、持っていると時給が上がったりもします。
荷を吊り上げる時に重心がずれていると、持ち上げた時に荷が大きく振れてとても危険なので、経験が必要になってきます。
玉掛け作業者はクレーン作業が主な仕事となるので、経験を積めば大きなクレーンの玉掛け作業や、玉掛け主任者になることが出来ると思います。

認可団体

労働技能講習協会

認可団体は「一般社団法人 労働技能講習協会」ですが、試験や講習は、主に各都道府県労働局長登録教習機関となっていて、講習や試験を受けることが出来ます。
また、技能講習より簡易的な特別教育などもあります。

受験条件

技能講習、特別教育ともに18歳以上であれば、大丈夫です。

合格率

合格率は95%前後で、技能講習または特別教育を受講で資格を取得となります。
比較的合格率は高く、取得しやすい資格だと思います。

1年当たりの試験実施回数

各都道府県労働局長登録教習機関によって違いますが、約50回~70回位行なっているようです。

試験科目

指導員

試験は学科と実技と両方あります。
下記から問題が出題されます。

  • クレーン等に関する知識
  • クレーン等の玉掛けに必要な力学に関する知識
  • クレーン等の玉掛の方法
  • 関係法令

試験時間は約1時間です。

実技試験は、講習科目のクレーン等の玉掛、クレーン等の運転のための合図の内容に沿った試験が行われます。
これも、試験時間は約1時間です。

採点方式と合格基準

学科試験はマークシート方式です。

  • クレーンの知識の問題20点
  • 力学の問題20点
  • 玉掛けの問題50点
  • 法令の問題10点

合計で6割以上の点数で合格となります。
さらに、各科目については、それぞれ4割以上の点数が必要でまんべんなく点数をとる必要があります。

実技試験については、2回大きなミスをしてしまうと、不合格のラインに乗ってきてしまうようです。
実技試験の方がジャッジが厳しいので、よく頭の中でイメージトレーニングをしておくと良いようです。
基本的には受かるまで試験を受けさせてくれるので、落ち着いて試験に望めると思います。

取得に必要な勉強などの費用

玉掛け技能講習は国家資格ですが、比較的取得しやすい資格なので、講習の内容を把握しておけば大丈夫だと思います。
講習もテキストに沿って行うので、テキストがあれば大丈夫だと思います。

資格を授与

受験料

3日間で、費用は受講料が24,000円程度、テキスト代が1,700円程度です。
ただ、場所や地域によって異なる事があるので、近くの労働局長登録教習機関に問い合わせるのが良いと思います。

受験申込方法

各都道府県労働局長登録教習機関に申し込みをします。

講習日を電話で予約し、予め、書類を送って料金を払う所が多いようです。
必要書類については、申込書、証明写真(サイズや枚数は、各都道府県労働局長登録教習機関により違う事があるため、確認をお願いします)、本人確認書類、各種添付証明書(科目免除がある場合は必要に応じて添付してください)

予め、料金を払う所もあるので、希望講習日がある方は早めに申し込みをした方がいいと思います。

まとめ

女性作業員

玉掛け作業者は、かなりいろいろな場面で必要になってきます。
玉掛作業者の資格を持っているだけで、かなり仕事の幅が増えると思います。
クレーン作業をする時には必ず必要なので、取っておくと良いと思います。

玉掛け作業は、チェーンやワイヤーのかけ方が悪いとチェーンが外れてとても危険なので、安全に作業をする上でも玉掛け作業を理解しておく事は大事だと思います。

クレーン作業は色んな所にあり、小さい工場でも床上操作式クレーンなどがあります。
そこでも玉掛け作業者は必要となってくるので、持っておいて損はない資格だと思います。
1t以上の荷を吊り上げる事もあるので、安全管理の上でも大事な資格になってきます。

持っている資格によっては、学科が少し免除になるので、申し込みの時によく確認しておくのが良いです。
玉掛け作業者は仕事の幅が本当に広くて、輸出入を支える港湾運送事業の中の港湾荷役作業者も玉掛け技能講習が必要になってくるので、私の中ではなかなかすごい仕事だと思います。
街中を歩いていて、建設現場でクレーン運転士と玉掛け作業者が息の合った作業をしていると、かっこいいなと思ってしまいます。

玉掛け作業者は職人だと思います。
私事になってしまいましたが、資格を取るだけでも後々役に立つのではないかと思います。
資格を持っていれば給与が少し上がったり、就職に有利になる事もあるようです。
玉掛け作業者はクレーン作業のある所では必ず必要になってくるので、建設現場や工場では安全管理が必ず求められますので玉掛作業者は重宝される存在といえるでしょう。

 

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