ホスト漫画の王様、夜王について

ホスト漫画の王様、夜王について

夜王という漫画はご存じでしょうか?

「夜王」・・・それは歌舞伎町を舞台にして繰り広げられるホストや風俗嬢、反社会的な組織に所属する人間をはじめとした、夜の世界で働く人間達の物語です。

歌舞伎町と言えば、真っ先に思い浮かぶのは夜の街のイメージでしょうか。それとも煌びやかなネオン街や、そこで働くホスト達のイメージも強いかと思われます。

この夜王という漫画は2003年から2010年までの7年間という長期にわたって週刊ヤングジャンプで連載されていました。

Contents

夜王ならではの注目ポイント

歌舞伎町などの夜の街を舞台にした作品は、基本的に裏社会の組織や、反社会的な組織がストーリーに関与することも珍しくありません。
この夜王という作品もその例に漏れず、裏社会の住人や反社会的な組織が登場しますが、そういった組織が登場する回数は、新宿スワンや新宿セブンといった”歌舞伎町を舞台とする他の作品”に比べると控えめと言えるでしょう。

なので、裏の社会事情などを交えつつも、主人公の的場遼介がホストとして成長していくサクセスストーリーを前面に出している点が注目ポイントになります。
また、主人公の的場遼介は、自分のまっすぐな性格を武器に夜の世界を駆けていきますが、その”まっすぐなところが夜の世界に触れて変わっていくのか?それとも変わらずに貫き通すのか?”というポイントも見どころの一つです。

世界観について

夜王の世界観は東京の歓楽街の一つである歌舞伎町が舞台の世界観です。フィクション作品であり、登場人物や登場する組織はすべて架空ではありますが、現実世界の日本を舞台としているため、ファンタジー要素などは一切ありません。強いて言うのであれば、夜王の存在が少々ファンタジーめいているという点でしょうか。

ホスト漫画の中でも、爽やかさが前面に出た作風は、ある意味で”異色”

夜王はホストを題材とした漫画でありながら、ジャンプ系列の週刊誌に収録された雑誌でもあり、友情、勝利、努力、そして、青春とはまた違う、社会人になってからの恋愛という4つの要素を盛り込んだ、ちょっと大人向けなテーマを持ちつつも、読んだ後に爽快感が味わえる作風なのも特徴的です。

主人公、的場遼介と人との繋がり

この「友情、努力、勝利」の3つの要素はジャンプ王道漫画の典型的な要素と言われていますが、夜王でもソレが顕著に見られます。
主人公、的場遼介が同業者であるライバルのホストや、芸能界やアパレル業界のトップの人物といった”何かを極めた人物”との出会いなどを経て、人間として成長していく要素もこの作品の重要なテーマとなっています。

夜王では単なるホストと客の関係だけではなく、遼介の所属するホストクラブ「ロミオ」に訪れる客の過去の恋愛事情や家族事情など、愛情に関する描写が多いのも魅力の一つです。
様々なキャラクターが登場しますが、ただの”お客さま”として来ただけということはなく、様々な人物のドラマが展開されていきます。

「死」もこの作品の中では一つのテーマ

作中では、何人かのキャラクターが非業の死を遂げる描写が存在します。特に、遼介と恋愛に発展したキャラクターが、病気により余命が幾ばくも無い状態だったり、反社会的な組織の抗争に巻き込まれて命を落としたりと、彼と浅からぬ関係となったキャラクターが死亡するような非常にショッキングな展開になることもあります。

また、亡くなってはいないものの、キャラクターによっては死ぬよりも悲惨な結末を迎えることもあり、作品の扱っているテーマが軽いものではないということを存分に感じさせてくれるでしょう。

漫画の表現の特色

夜王の漫画の特色として、人物や背景の作画を使いまわす、いわゆるコピーが多用されているというのも特徴です。

例えば、一つのコマに同一人物と思われるキャラクターが二人存在していたり、会話のシーンでは話をしている方と聞いている方の人間が同一人物であったりなど、作画の誤植が見られることもあります。
また、単行本の帯に、「立ちはだかる者、鉄拳制裁!!」と書かれており、毎回ではありませんが、そのキャッチコピー通りにホスト漫画らしからぬ殴り合いといった肉弾戦が展開されることも多々あり、”これは本当にホスト漫画なのか?”と思う方もいらっしゃることでしょう。

ですが、ご安心を。
バトルシーンもふんだんに盛り込まれてはいますが、しっかりと夜の街の持つ独特の世界観や、その街に生きる人間達のヒューマンドラマもしっかりと描写されています。決める所は決めて、笑わせるところはシリアスな笑いを誘って笑わせる、そんな作風です。

ただ、中には突っ込みどころ満載の癖が強すぎるキャラクターも存在しますが・・・。
それも含めて、北海道から東京に来た元暴走族の青年「的場遼介」が、歌舞伎町のホストクラブ「ロミオ」に所属し、ホストの頂点を目指すサクセスストーリーの王道を行く物語となっています。

タイトルにもなっている、夜王とは?

この漫画のタイトルにもなっている夜王というのは、歌舞伎町の黎明期から存在している歌舞伎町の支配者とも言える存在です。

夜王は歌舞伎町の中では強大な権力を持ち、遼介が警察に逮捕された際にはその一存だけで遼介を釈放させるなど、絶対的な権限を持ち合わせています。

しかしながら、そのような力を持つほどの存在であるにも関わらず、その正体は謎に包まれています。作中では、物語中盤以降に登場する愛夢の父親が夜王ということは判明しましたが、結局のところ最終話になっても直接夜王が遼介の前に姿を現す事はありませんでした。
力ある者の正体が謎のまま終わるというのも、この漫画ならではの表現の一つかもしれません。

もう一つ、作中では「桃(中国語の読みでタオ)」という役職に就いた人物のみが夜王と意思疎通を図れると言われています。
この桃という人物は、遼介が何気なく接していたホームレスの、仙人のような髭を生やした高齢者の男性だという事が判明しており、幾度となく遼介のピンチを救い、支えた人物でもあります。

遼介は、様々な人物と出会い、この夜王を目指していきます。

ホストクラブ「ロミオ」と遼介の関係

ロミオとは、作中の歌舞伎町に存在するホストクラブです。オーナーは「矢島 輝彦」という眼鏡をかけた渋い雰囲気の男性が店長として運営しており、遼介がホストとして活動しているホストクラブです。

ここは店長の矢島がホスト時代だった頃に、加納麗美から融資を受けて開店したホストクラブであり、客が来店した際には「ロミオへようこそジュリエット!!」という掛け声と共にホスト一同が一斉に出迎えるのがこの店の特徴です。

遼介が入ったばかりの頃は、上条聖也が聖也派という一つしかない派閥を作り、ホスト達を支配していました。ロミオで働く多くのホストはこの聖也派に所属していましたが、中には聖也の考えやスタンス、高圧的な態度などが受け入れられず、独立して動いていたホストも少数ながらいました。
自分の傘下に下らないホストにはより厳しく接する聖也に屈しかけていたところに遼介が現れ、修をはじめとした他のホストと結託して遼介派を立ち上げます。

その後、聖也派と遼介派はしのぎを削って売り上げを争い、最終的には聖也が勝利しますが、売り上げには反社会的な組織の人物が関わっていたために、聖也を巡ってトラブルが起きてしまいます。
それを遼介が解決に導いたことと、聖也の母親がその事件に絡んでおり、事件解決後は聖也が九州へと身を移す必要があったために、聖也は遼介に今までの自分の座を託し、実質この時に遼介がロミオのナンバーワンホストとなりました。

聖也との対決が終わり、店の中の派閥などの問題などは解決したものの、話が進むごとにホストクラブのエロティカのような新たなライバル店や、大阪のような別の地域に店舗展開をするたびに、店の存続をかけた戦いなどに巻き込まれていく舞台でもあります。
そういった危機や修羅場を、幾度となく遼介は潜り抜けてきました。

最終回で遼介はある理由からロミオを退店することとなりますが、その時まで遼介を支え続けたのがこのロミオというホストクラブなのです。

そしてここからは、そのロミオという場を介して築き上げられた夜王の各章のストーリーと、その章で登場したキャラクター達を紹介していきます。

 

遼介ロミオ入店編

この作品の主人公でもある的場遼介は、チャンスを掴むために北海道から東京へ上京し、世界的に有名なデザイナーの加納麗美と出会うことで、歌舞伎町は誰でも夢を見られる街という言葉を胸に、ホストとしての道を歩み始めます。
遼介はロミオのナンバーワンホスト、聖也と入店当初から敵対関係へと発展し、聖也から様々な妨害工作を受けるものの、本名を源氏名(仕事上の仮の名前)にし、女性を搾取の対象としてではなく、真摯な態度で接するという独自のホストとしての矜持を持って接する事で、数多くの女性客の心を掴み、ホストとして力をつけていきます。

この章の登場キャラクター

的場遼介

夜王キャラクター紹介画像 的場遼介
本作の主人公。出身は北海道の札幌。地元では暴走族のリーダーをしていましたが、このままここで燻っていてはいけないと思い、仲間たちに東京で活躍の場を探せと後押しをされ、生きる目標を探し東京へと上京。
しかし、何の後ろ盾もコネもないために行き詰まり、雨に打たれて途方に暮れていたところを、世界的に有名なファッションデザイナーの加納麗美と出会い、歌舞伎町は誰でも夢を掴める街という言葉をかけられ、助けられます。

その後、もう一度麗美に会いたいと強く願ったことから、ロミオにホストとして働き始めます。

働き始めたばかりのころは未熟で、指名客も中々取れませんでしたが、客を搾取の対象として見ず、一人の人間として、女性として接する力を遼介は発揮し、徐々に指名客を増やしていくと共にホストとしても力をつけていきます。
他のホストは女性を”金を搾取する対象”としか見ていませんでしたが、遼介は真摯に女性の人生に向き合い、時には仕事で接する時間以外でも女性が直面するトラブルに介入し、時には体を張って殴られたり、時には非道な男に搾取、隷属を強いられている女性達を助け出すと同時に、数多くの女性の心を掴むことに成功します。

最終回では夜王に認められ、夜王と唯一連絡の取れる人物である桃から次の夜王になれと誘われます。
しかし、遼介はその肩書だけが欲しいのではなく、夜の世界に生きる周囲の人間から自然に認められる形で夜王になりたいと言い、その申し出を断りました。
誰かに与えられる形ではなく、自らの力で夜王になるために新たな地、六本木で活動を行うという意思を見せ、彼の織りなす物語は完結します。

上条聖也

夜王キャラクター紹介画像 上条聖也
遼介の好敵手にて、良き理解者、仲間といったポジションのキャラクターです。元は遼介がホストとして力をつける前にロミオのナンバーワンホストとして君臨していた人物であり、歌舞伎町で勢力のあるホストの一人として、歌舞伎町四天王のメンバーでもありました。

漫画の描写や設定から、ロミオの創業時から勤務している重鎮にしてナンバーワンホストでもあった実力者です。
遼介とは物語序盤で売り上げを競うホスト対決をしてしのぎを削り、最終的に遼介に敗北を喫しました。
そこで、過去に離別した実の母である小百合と再会し、自身の持つトラウマであった女性不信も幾ばくかは治ったことにより、母親の故郷である九州の博多に共に移り住み、一から下っ端としてホストの道を再び歩み始めます。

初登場時の性格は少々傲慢で、自分の派閥に入らない者や、彼の意にそぐわない行動をした傘下のホストに対しては厳しく制裁を与え、遼介にも妨害工作を幾度となく浴びせています。
それでも、ホストにとっての命である顔を殴ったり蹴ったりはしないなど、彼なりの信念や正義感に基づいて行動するところに魅力を感じる読者も多いようです。

夜王の連載が終了した後に、聖也がメインで女性客をもてなす話が読み切りで連載されたことからもその人気が伺えます。

遼介がロミオにホストとして働く前から勤務していた、いわゆる遼介にとっては先輩にあたる人物です。歌舞伎町のロミオに入店するまでは、大阪でホストとして働いていました。
遼介と出会うまでは未熟であり、売り上げも伸びない生活を送っていましたが、実は他人を補佐する、いわゆるサポートする能力に長けた力を持っており、本編中でもロミオで聖也派という一つの派閥しかなかった環境に対抗するために遼介派という派閥を立ち上げるなど、遼介の右腕的な存在へと成り上りました。

遼介が大阪へ進出する際も、彼に同行。そこでは問題を起こしたホストに対する遼介の対応が甘いとの理由から遼介と衝突しましたが、一悶着の末に和解。その後は大阪で繰り広げられたホストクラブの売り上げ対決でも遼介を前面にサポートし、ホストクラブの対決が終わった後は大阪のロミオに残り勤務することになりました。

矢島 輝彦

夜王キャラクター紹介画像 矢島輝彦
遼介が所属するホストクラブのオーナーです。
遼介をはじめとする従業員からの信頼は厚く、歌舞伎町の住人からも伝説のホストとして尊敬や畏怖の念を抱かれる人物でもあります。遼介がロミオを退店し、退職する最終回まで、彼を支えつつも数々の修羅場を共に潜り抜けてきた遼介の支援者や庇護者というべき存在でもあります。

店長

ロミオを運営する店長です。現場と経理の責任者であり、ロミオ内のホスト達の派閥が衝突したり、びっくりするような売り上げをたたき出す事もあるロミオの中では苦労してそうなポジションでもありますね。どことなく彼よりもオーナーの矢島が目立っているような感じはあります。

タク、ヒロ、鉄平、アキラ

遼介派がロミオで結成されてから、遼介派に属している修と同じ遼介にとっては先輩ホスト達です。遼介に協力する良き理解者です。

北斗、翔、光

ロミオの聖也派に所属していたホストで、聖也派のホストの中でも実力者でした。聖也の事を慕っており、聖也が博多へ移住する際も、どこまでも聖也についていくと言い、福岡まで同行しました。

夏彦、冬彦

聖也派に属するホストです。
聖也が邪魔だと感じたホストにこの2人をけしかけて、その相手を退店に追い込む役割を持っています。その役目通り、ターゲットの遼介に嫌がらせをしていましたが、最終的に遼介に対して暴力をふるうも、遼介の方が一枚上手だったため返り討ちに遭いました。

本村 哲哉

男性の俳優で、瞳が遼介の人脈を広げるという名目で会わせた人物です。

瞳と浅からぬ関係になっていた遼介に怒りや嫉妬に近い感情を抱いていたこともあり、番組のロケに成り行きで出演することになった遼介に対して、殴り合いのシーンで本気で殴るなど少々苛烈な面を持っています。
しかし、その後日、お詫びに女性を連れてロミオに来店するなど義理を見せる人物でもありました。

加納麗美

夜王キャラクター紹介画像 加納麗美
世界的なデザイナーで、遼介がまだ東京に上京して間もないころに出会った、遼介にとっては永遠の恋人とも呼べる女性です。

初めて遼介と出会った時は、上京して息詰まっていた彼をホテルの自室に招き入れて雨宿りさせると共に、”この街は誰でも努力さえすれば夢を見られる場所”と遼介の背中を押して、東京(歌舞伎町)に根付く切っ掛けを与えてくれました。
その後、遼介が入店したホストクラブ「ロミオ」へ来客として来た際に再会し、遼介の初めての指名客、そして遼介の支援者となります。

麗美は初登場時から末期の子宮がんを患っており、それを知った後は遼介や元恋人の岡崎らに協力を仰ぎ、自分が死ぬ前に、岡崎の会社と結託し、自分が企画したファッションショーをやり遂げます。
ファッションショーの発表後、麗美はついに病に倒れ、最期は遼介と最初に出会ったホテルの一室で一夜を共にし、息を引き取ります。

麗美がこの世を去った後も、遼介やオーナーの矢島の回想シーンやセリフの中にたびたび登場する事から、いかに彼女が愛されていたか、影響を与えていたかが分かります。
岡崎も麗美の名を後世に残すために麗美の名前を冠する賞を考案したほど、作中で皆に慕われていたキャラクターです。

麻倉 瞳

芸能界では高い影響力と経済力を持つ有名な女優です。麗美の古い友人でもあり、麗美に頼まれ遼介を支援した支援者の一人でもあります。
麗美がこの世を去った後も、その死を悼む遼介に、”後ろ向きな姿勢じゃ麗美が悲しむ”と遼介を鼓舞するなど、二人の関係を知る間柄だからこその言動ができるなど、人間としても一流です。

美咲

歌舞伎町のホストクラブを回り、新人ホストを指名して枕営業を行わせ、枕ホストになるように誘導を行う「新人狩り」と言われる女性です。
しかし、遼介はあえてこの美咲の誘いに乗り、二人きりになった時に本当の自分を見てほしいという遼介のまっすぐで真摯な対応の前には勝てず、後に遼介に惹かれて遼介の指名客の一人となりました。

麻美

ソープ嬢で、勤め先のソープランドの中ではナンバーワンのソープ嬢です。
元々は会社勤めの普通の女性でしたが金遣いが荒く、ブランド品を買いあさっていたことがきっかけで借金を作ってしまい、その借金を返すべくソープ嬢として働く道を選びました。
しかし、自分がソープ嬢であるという事にコンプレックスを抱いており、ロミオ来客時には気難しいオーラを漂わせていました。

ロミオでは、遼介が提案した”麻美をスカッとした気分にさせるために遼介にパンチを当てるゲーム”を行い、麻美の信用を得るために遼介が自らホストの命ともいえる顔でパンチを受けたことで、遼介に対して信頼を寄せます。
そして、遼介と一夜を共にし、遼介の指名客の一人となりました。

物語終盤では、歌舞伎町で麻薬騒動が起こった際、負傷した男性警官の霧崎を看病したことがきっかけで、霧崎の事を深く知り、霧崎からのプロポーズを受けて恋人として結ばれます。

余談ですが、その際の霧崎からのプロポーズは、かなり卑猥な表現を交えたもので、普通の女性なら怒りますが、麻美は嬉しさのあまり号泣した後に霧崎と抱き合います。まあ、麻美もちょっとズレているのかもしれません。

エリカ

物語序盤、遼介がロミオにホストとして入店した際に登場。
はじめは聖也に会うためにロミオに来店し、そこで北斗、夏彦、冬彦の三人に半ば脅迫を受ける形で遼介に300万円の売掛を負わせるように命じられ、それを実行しましたが、遼介と関わるうちに彼の女性に対する真摯な態度に魅力を感じ、結果、遼介の支援者の一人にしてロミオの常連客となります。

 

麗美のファッションショー編

麗美の庇護のもと、力をつけていく遼介。そんな遼介と彼が働くロミオへ、岡崎という男性客が女性を侍らせ来店します。
岡崎は麗美と浅からぬ関係であり、自分の会社の経営が危機に陥っている為に、過去に自分の会社で力のある従業員だった麗美の力を欲して、接触を図るために彼女の行きつけの店であるロミオへと来店してきたのでした。

岡崎と麗美は過去に決別していましたが、遼介の介入により、一悶着の末に和解。
麗美は末期の子宮がんに侵されながらも、最期に自分が企画したファッションショーをやり遂げますが、病には勝てずにショーの後で倒れてしまいます。
最期は遼介とホテルの一室で一夜を共にし、この世を去るのでした。

この章の登場キャラクター

岡崎 達哉

「ジュリアン」というアパレルメーカーの会社の創設者にして麗美とは元恋人だった男性です。

麗美とは過去に愛人関係にあり、彼女が妊娠した際には自分の家族の方を優先したため、麗美は流産し、精神的にも肉体的にも深い傷を負わせてしまいます。

自分の会社が危機に陥り、麗美の力を欲して行きつけのロミオへと来店。
遼介を介して麗美と一悶着の末に和解した後は、麗美の最期の晴れ舞台を全力でサポートするのと同時に、麗美がこの世を去っても「加納麗美」という人間の存在自体が薄れていかぬよう、麗美の名を冠する賞を創設します。

岡崎 楓

岡崎の娘で、岡崎家の冷え切った家族仲にうんざりし、夜遊びなどを繰り返していました。
作中ではまだ高校生だったので、ロミオ来店時に遼介から未成年を接待できないと注意を受け、大人になったらまたロミオに来ると言い、父、岡崎を許すことを決意。家族の問題を解決に導いた遼介に対して感謝の念を抱いています。

聖也とのホスト対決編

麗美がこの世を去った後、遼介はその出来事から立ち直れずにいましたが、麗美の友人である瞳の叱咤激励により、再びホストとして働いていくことを再開します。
更にホストとして力をつけていく遼介の存在は、ロミオのナンバーワンホストである聖也が無視できない脅威となっていました。

聖也は遼介と決着をつけようとし、ホスト対決を申し出ます。
聖也派と遼介派は、聖也派には「沙耶」という女性客、遼介派には「小百合」という女性客が多額の売り上げをもたらす事で激しくぶつかり合い、歌舞伎町四天王のホスト達の介入もあり、最終的に聖也が勝利を収めます。
しかし、聖也に協力をした沙耶は暴力団の組長の娘であり、その沙耶を聖也が蔑ろにした結果、沙耶は怒り、聖也に落とし前をつけさせようとしますが、遼介と小百合によって止められます。

「自分は母親に捨てられた」というトラウマからくる女性不信によって、沙耶にも冷たくあたってしまっていた誠也は実の母親である小百合と和解した後、故郷である博多へと帰郷しました。
その際に、彼はロミオのナンバーワンホストの座を遼介に譲ったのち、自分は博多で夜王になると宣言したのでした。

この章より晴れて遼介はロミオのナンバーワンとなります。

この章の登場キャラクター

沙耶

関西の暴力団の組長の娘で、聖也を慕うロミオの来店客です。
もちろん聖也派を応援しており、聖也を遼介とのホスト対決で勝たせるために多額の売り上げを献上しました。
その後、聖也は最終的に遼介とのホスト対決に勝利しますが、彼は女性不信であり、沙耶に対してもよい感情を抱いておらず、それを知った彼女は裏切られたと激怒し、組長の娘という権限を使って聖也に裏社会の落とし前をつけさせようとします。

しかし、遼介にその制裁を止められ、沙耶自身も親の権力をふりかざす行為は間違っていたと猛省。その後は心の底から聖也に対して好意を抱き、聖也が移住した博多に向かって沙耶も移住します。
そして聖也とは晴れて相思相愛となります。

小百合

遼介と聖也のホストとしてのプライドをかけた売り上げを競う対決で登場した壮年の女性です。
登場当初は遼介の前に突如現れ、何が何でも遼介を勝たせようと支援する行為が見受けられていました。
これは小百合が聖也の実の母であり、遼介を勝たせることで聖也をロミオから退店させ、ホストの道から足を洗わせるという目的があったからです。

小百合は二度の結婚経験があり、その二度目の結婚の際に聖也と離別してしまいます。

聖也の父である最初の夫は工場経営に失敗し、倒産した際に負った多額の借金を残して自殺してしまいました。
その借金を返すためにホステスとして働いていたところ、福岡の反社会的な組織の会長と相思相愛になり、その会長と二度目の結婚をしました。
しかし、反社会的な組織に属する人物と結婚をしたため、聖也にはまっとうな道を歩んでほしいとの願いから、戸籍情報なども含めて祖母の元へ聖也を移し、そこで暮らさせたものの、聖也が10歳の時に祖母はこの世を去り、聖也も施設へと預けられて小百合も行方が分からなくなりました。

そして、遼介と聖也が対決する際、聖也の消息をつかんだのを機に自分の元へ再び手繰り寄せたいと願い、遼介を支援していたのです。

最終的に聖也とは和解し、一緒に福岡へ帰郷しました。これを機に、聖也の女性不信も治ったようです。

母親との離別は子供を狂わせるのですね。聖也も小百合との問題が解決するまでは女性に対して絶対に信用を置かず、あくまでも搾取の対象とするシビアな価値観を持ってしまいました。
やはり、親の接し方一つで子供は歪みもするし、まっすぐにも育つという事でしょうか。

沙耶の父

関西最大の勢力の暴力団の会長にして、歌舞伎町委員会のメンバーでもある人物です。
威圧感があり、ヤクザとしての自負もあるためか考えはかなり過激なところがありますが、沙耶の意見は尊重するため、しっかりと父親としての自覚も持っているようです。

 

歌舞伎町抗争・中国マフィア編

聖也とのホスト対決に勝利した遼介でしたが、麗美の死はやはり忘れられずにいました。
そんな時、高橋と再会した遼介は、ここならお前の悲しみを癒せるかもしれないと高橋から紹介された中国人達が経営するクラブを紹介され、そこで「京美(ジンメイ)」という女性と出会い、交流を深め、次第に恋人の関係にまで発展していきます。

しかし、その裏では京美の兄をはじめとした中国マフィアたちが裏で抗争をしており、それも次第に激化していった結果、京美もその抗争に、兄の影響で巻き込まれていきます。

遼介の活躍により、歌舞伎町の中国人達の抗争は収まりますが、その結果、遼介はホストの命でもある顔に一生消えない傷を負い、京美も遼介を銃撃からかばい命を落とします。
しかし、遼介はそれでも前に進み続けます。京美の死を無駄にしないためにも。自分を認めた夜王や桃に恥じないためにも・・・。

この章の登場キャラクター

張 京美(チョウ ジンメイ)

夜王キャラクター紹介画像 張 京美
「夜来華(イエライハ)」というクラブで働く中国人のホステスです。
源氏名は京美(きょうみ)と名乗っていました。
京美は中国から留学してきた留学生で、ホステスとして働いているのも日本の短大に通うための学費を稼ぐためであり、裏社会とは全く関係のない人間でした。
しかし、京美の兄の英傑は日本で活動する中国マフィアである「中国流氓(りゅうまん)グループ」の中の、東北グループのリーダーであったため、その英傑の弱みを握ろうとする別の中国流氓グループの一員から狙われることとなります。
最終的に遼介を銃撃から身を挺して守ったことにより、命を落とします。

京美が遼介に魅力を感じ、惹かれた理由は、遼介が中国人に対して偏見を持たず、かつ一人の女性として真摯な対応をしてくれたからです。
京美は麗美と同じくもうこの世にはいませんが、遼介の回想シーンにはその後も登場するため、遼介の心の中で生き続けているのでしょう。

黄静(ファンチン)

夜来華(イエライハ)で京美と共に働く中国人のホステスです。
源氏名は静香(しずか)と名乗っていました。
京美とは違い不法滞在者で、ソープランドを経営する立場になった高橋と遼介が出会う「高橋の恋・女衒のレイ編」にて、歌舞伎町抗争後に日本への不法滞在が発覚して中国へ帰国していたことが高橋から語られます。

高橋はその後、梨佳という女性と結ばれますが、黄静も高橋にとっては大切な女性の一人だったようです。彼女が今どうしているのかが気になるところですが、残念ながら作中ではその後登場しません。

張 英傑(チョウ ユンチュ)

京美の兄で、中国マフィア「中国流氓グループ」の中の東北グループのボスです。京美よりも先に来日しており、来日した目的は日本で反社会的な手段で金を稼ぐためでした。

※流氓(りゅうまん)とは、中国語でごろつき、不正を表す意味を持つ単語です。

後に歌舞伎町で中国マフィアが入り乱れる歌舞伎町騒動を起こします。

歌舞伎町騒動が終結した直後、桃より騒動の原因を作った罰として、右手の指を全て自らの手で切断しろと命じられますが、遼介が代わりに自らの顔の左のこめかみあたりをドスで傷をつけたことと、”これで英傑の罪を償ったことにしてくれ”という懇願により、英傑は指切断を回避します。

その後は自分をかばってくれた遼介に感謝の念を伝え、京美の遺骨を抱いて中国へと帰国しました。

桃(タオ)

夜王キャラクター紹介画像 桃(タオ)
歌舞伎町の中で唯一、夜王と唯一連絡を取ったり、意思を汲み取る事が可能な人物です。

桃という人物は固有の名前ではなく、夜王と連絡を取ったり、意思疎通を行う者の役職名です。

作中では歌舞伎町の公園に住んでいる、顔に髭を生やした中国の仙人のような風貌をした小柄な人物であり、普段はホームレスとして過ごしています。しかし、有事には夜王の意思を周囲に伝える者として中国人が起こした歌舞伎町の抗争では鶴の一声で争いを止めるなど、その権力が伺えます。

美紀が資金を集める際など、遼介が直面したトラブルに協力し、解決に導く救世主的な存在でもあります。桃の協力があったからこそ、遼介は今の地位を得られたのかもしれませんね。

顔に火傷を負った男

京美を殺害した中国人です。
京美を誘拐しようとした際に、遼介に阻止され、遼介と戦った時に熱湯の入ったヤカンを投げられ顔に火傷を負いました。
そのことで遼介に恨みを抱いており、隙を見せた遼介を銃で射殺しようとしたところ、京美は身を挺して遼介を守った結果命を落とします。
いわゆるモブキャラクターのため、作中で名前は判明していません。

陳 偉星(チェン ウェイシン)

中国マフィアの福建グループに属している人物で、歌舞伎町抗争の黒幕です。
ふくよかな外見でいかにも悪人という雰囲気ときな臭さを漂わせており、自分自身で俺こそが桃だと自称して歌舞伎町の支配者となろうとしていましたが、遼介を助けに来た本物の桃に粛清されました。その後、警察のお縄となりました。

 

エロティカ編

歌舞伎町で起きた中国人達の抗争の後、その影響で閑散としていた歌舞伎町の店は徐々に活気を取り戻し、ロミオも営業を再開します。

しかし、一難去ってまた一難、ロミオの丁度向かい側に新しいホストクラブ、エロティカがオープンします。

このホストクラブのオーナーは北村美紀という才ある女性でした。彼女は経営者としての敏腕を存分に振るい、今までのホストクラブにはなかった革新的な設備やサービスを取り入れることで、ロミオの女性客をエロティカへ誘導するのと同時に、店に大黒字をもたらしますが、そんなエロティカの栄光も長くは続きませんでした。

エロティカ所属のホストの傲慢さや接客スタンスの問題、テナントを管理するヤクザへの「みかじめ料」を払っていなかったり、美紀自身も神大寺という芸能界の権力者に隷属して借金をし、愛人関係を結ぶといった数々の問題が重なった結果、エロティカは閉店する事となります。

遼介はこの章でも美紀に寄り添い、美紀の心を掴むのと同時に、桃や夜王の力を借りて美紀の借金を代わりに返済。
権力者の神大寺も夜王という存在の前には勝てず、遼介は美紀を支配から解放することに成功します。

遼介との信頼関係を得た美紀は、桃から受け取った金の残りの3億円を元手に渡米し、遼介に感謝の言葉を述べ、一から実業家の道を歩むことにしたのです。
日本に帰国したら、遼介にまた会いに来ると約束を残して。

この章の登場キャラクター

北村 美紀

夜王キャラクター紹介画像 北村美紀
ロミオの向かいにオープンしたホストクラブ「エロティカ」のオーナーです。

起業家としての才能を持つ、いわゆる女傑のような存在で、学生時代から事業に手を出してきた実業家でもあります。
彼女はアイドルといった芸能界に所属する人物をホストとして仕立て上げ、ホストクラブ内で提供される料理や、マッサージ・エステといった美容関連の設備も一流のものを用意する新しいタイプのホストクラブを開店、一気に女性客の心をつかみ、売り上げも黒字をたたき出すことに成功しました。

しかし、その裏ではエロティカのテナントとして使っているビルのみかじめ料をヤクザに払っていなかったり、勤務するホストの素行が悪かったりする等の問題もありました。
また、美紀自身も芸能界の支配者である神大寺に多額の借金をして愛人関係を強要されるなどの闇が広がっており、そういった要素や問題が積み重なった結果、エロティカは閉店を余儀なくされます。

最終的には桃や遼介の協力を仰ぎ、神大寺に借金を完済し、残った3億円を元手にして遼介に事業が成功したらまた会いに来ると告げてアメリカへと渡りました。

作中ではそれっきり直接的な登場はしませんが、エロティカ編の終了後も遼介の回想シーンには登場したり、遼介が美紀が渡米する際に乗った飛行機が飛び立つのを見て、”あなたが日本に帰ってきたらまた会おう”と胸中で思っていたことから、遼介にとって大切な女性の一人だという事が分かります。

また、クレオパトラを思わせるカリスマ性のある雰囲気を漂わせていますが、遼介の前では一人の女性としての弱い面を見せており、作中の女性陣では麗美と並ぶレベルで魅力的なキャラクターでもあります。
経営者であり女性という立場。作中では語られていませんが、麗美がまだ生きていたころ、同じ共通点を持つ美紀との接触があったのか、それともなかったのかは少し気になるところでもありますね。

南谷

エロティカの店長で、美紀の補佐役です。
当初は型破りな行動をする遼介に対して若干疎ましさを感じていましたが、美紀が全てのしがらみから逃れられた時には遼介に感謝の念を込めて礼を言いました。美紀が渡米する際には、彼も同行する形でアメリカへと渡りました。

藤崎 卓也

卓也は元々エロティカに所属していたホストです。

元アイドルで、夜王の物語の時系列から数え数年前に引退し、その後は元アイドルという肩書を生かしてホストとして活動していました。
しかし、傲慢な態度と女性を搾取の対象としか見ていないスタンスや、枕営業で顧客をつなぎとめるなどの行為が災いし、エロティカの閉店の原因を作ることになってしまいます。

その後、エロティカ閉店後に、オーナーの北村美紀が、”卓也に居場所を与えてやってください”という懇願によってロミオに所属する形となりました。
遼介やロミオのオーナーの矢島に拾われてからは恩義と誠意を持ってロミオに勤務するようになり、遼介派に所属。女性に対する接し方も遼介に倣って真摯に接するように心がけるようになりました。

もちろん、アイドルを辞めた後の自分に活躍の場を与えてくれた美紀のことは尊敬しており、翼がロミオに入店した際、彼が卓也に向けて言い放った挑発に乗って激昂するような一面からもそれが伺えます。

 

高橋の恋・女衒のレイ編

久しぶりに高橋と再会した遼介は、高橋が風俗店の呼び込みという下っ端のポジションから、ソープランドのオーナーにまで上り詰めたという事実を知ります。
その高橋に敬意を示す遼介ですが、高橋は以前に遼介に紹介した中国人の経営するクラブのお気に入りだった黄静(ファンチン)という女性が実は不法滞在者で、中国へ帰ってしまった話をします。
その姿は、以前のよく笑う朗らかさをなくし、別人のような陰をどことなく漂わせていました。

そんな高橋に、遼介は歌舞伎町のマッサージ店に勤務する、ある女性に会ってほしいと頼みを受けます。その女性の名は”浦沢梨佳”。高橋が黄静の帰国で荒んでいた時期に出会った心優しい女性で、彼の新たな恋人でした。高橋は自分の新しい恋人を遼介に紹介したかったのです。

高橋は視力を無くした梨佳を盲目から回復させるために、アメリカでしか受けられない手術の費用を稼ぐ目的でソープランドのオーナーにまで努力して上り詰めていたのでした。
しかし、早く梨佳の目を治してやりたいという感情が先走り、梨佳との関係はギクシャク。梨佳はその束縛が耐え切れず、私は自分の力で歩いていきたいという意思を高橋に伝え、更に関係は悪化。
その心の隙を極悪ホスト「女衒のレイ」につけこまれた結果、梨佳はソープランドに売り飛ばされそうになります。

それを高橋と遼介は阻止することに成功。レイの過去を知る事にも成功し、彼が凄惨な過去を歩んできたと遼介は知ります。

自分が受けた苦痛を他人に与えても、自分の傷は癒えないとレイに檄を飛ばす遼介。最後、レイはある事情により絶縁状態にあった元恋人の恭子という女性と、少しだけわかり合うことに成功。

そして、レイは過去にソープランドに売り飛ばした女性たちの手により、警察に告発され、逮捕されます。

事件解決後、レイは遼介と留置所の中で会話を交わしますが、出所後は実家の手伝いをするという旨の発言をしたのち、「俺みたいになりたくなければ何があっても自分を見失うな。」と助言を残し、遼介の前からも、歌舞伎町からも姿を消しました。

この章の登場キャラクター

天海 零

歌舞伎町のホストクラブ「スナイパー」のホストです。

「女衒のレイ」という二つ名の通り、自分を指名した女性客を破産させ、最終的には多額の借金を返す名目でソープへと売り飛ばすという極悪ホストです。
外見のことを否定するのは良くありませんが、レイ自身はいかにも悪人という面で、豹柄の洋服を着用し、まるで北斗の拳に出てくる悪役のような風貌をしています。

※女衒(ぜげん)とは、女性を遊郭などへ斡旋する役割を持つ職業に従事する者を指す言葉です。

今でこそ危険な人物となってしまいましたが、元から女性に危害を加えようとする悪意を持ったホストだったわけではなく、過去には才能あるピアニストとして活動をしていました。
しかし、当時の恋人であった恭子が起こした策略によりピアニストとしてプロデビューをすることができなくなります。

それどころか、失意のそこにいた時に、酒場で恭子に無理やりアプローチを掛けてくる客を止めようとトラブルになり、その際に刃物で左腕の腱を切られるだけでなく、左腕そのものを動かせなくなるレベルの怪我を負い、ピアニストとしての生命も断ち切られてしまったのです。

そしてレイは、後日、自分が助けた恭子とピアノ講師が行為に及んでいる瞬間を目撃し、自分は恭子に裏切られたことを理解します。その結果、女性に対して深い憎悪と不信感を抱くことになり、女衒のレイが生まれたのです。

最終的には、過去にソープへと売り飛ばした女性達が警察へレイの行動を告発し、逮捕されます。恭子からもこの時復縁の申し出がありましたが、レイはその申し出を断りました。

夜王は男女の関係がらみのトラブルを乗り越え、その先に生まれる絆をテーマに描かれる話も多く存在しますが、レイと恭子の場合は、お互いに生きてはいても関係が修復できなかった悲しい例であると言えます。
余談ですが、本名は「佐伯 零」。皮肉にも、この情報は恭子の口により語られ、遼介が知る事となります。

野口 恭子

レイが「女衒のレイ」として活動する前の、ピアニスト時代に交際していた恋人です。レイの才能に嫉妬しており、幼いころからピアノの才能を発揮した自分にもプライドを持っているほか、彼が自分を追い抜いていくということに対して恐怖を感じていました。

そこで、自分の美貌を用いて推薦を与える権限を持つピアノ講師を誘惑し、レイから推薦をかすめ取った過去を持ちます。その後、恭子はピアニストとして大成しました。

レイは恭子の一連の行動によって、恭子はもちろん女性そのものに信用を抱けなくなり、ピアニストとしての生命を絶たれた後、日本で女衒のレイと化したのでした。
ただ、彼女自身、レイに対して行った行動に関しては深く反省しており、「女衒のレイ」として生きる彼にせめてもの償いからか、自らも藤堂が経営する危険なソープランドでソープ嬢として働こうとしますが、それを遼介とレイに止められ、レイと和解します。

しかし、和解した後、「お前が奏でるピアノの音色は好きだが、お前という人間そのものは死ぬほど嫌いだ。」とレイは言い放ち、恭子を許さなかったため、彼と再び結ばれることはありませんでした。

彼女はその後も、ピアニストとして演奏を続けることを選びます。レイとの関係はもう二度と戻ってこないという確信と苦悩を持ちながら。

浦澤 梨佳

歌舞伎町のマッサージ店に勤務する女性で、高橋の恋人であり、後の結婚相手でもあります。

幼いころに交通事故に遭い、両親は他界し、梨佳も視力を失いました。

高橋とは最終的に籍を入れるまでの関係になりましたが、一時期は高橋の愛による束縛などに耐え切れず、そこを女衒のレイに付け込まれ、ソープへと売り飛ばされそうになりますが、遼介により救われ、高橋との関係も修復されました。

アメリカでしか受けられない視力回復の手術を受けるため渡米し、手術が成功した後に帰国。子供も授かり、高橋とは幸せな家庭を築き上げました。

高橋 徹

遼介が上京し、歌舞伎町の世界に入ってからひょんなことで知り合った友人であり、仲間と呼べる人物です。

顔つきはエディ・マーフィに似た、黒人の父と日本人の母を持つハーフの人物です。
物語序盤から登場しており、当初は風俗店の呼び込みや掃除をするいわゆる下っ端のポジションでしたが、物語中盤にはソープランドのオーナーにまでのし上がるなど努力を惜しまぬ性格が見えます。

遼介と同じく歌舞伎町で夢を見る者として物語中に幾度となく登場し、良き相談相手として、または遼介の協力者として登場することもありました。
例えば、「歌舞伎町抗争・中国マフィア編」では麗美の死を忘れられない遼介に中国人が働くクラブを紹介し、ヒロインの一人である京美と出会うきっかけを作ったり、遼介の行く末を案じている節もあります。

池永

尾花組というヤクザの頭で、初登場時はエロティカの経営者である北村美紀に、自分の切り盛りするビルのテナントのみかじめ料を支払わなかったことが原因で接触を試みました。
しかし、中国人の抗争を収束させた遼介が美紀に助け舟を出したため、その遼介には逆らえず、渋々引き下がりました。

女衒のレイが絡んだ話でも登場し、ソープランドの経営にも関与していましたが、そこでも遼介が登場したため、身の危険を感じた池永は藤堂の経営するソープランドとの契約も打ち切りました。
その後は作中に登場しません。

藤堂

ヤクザの池永が経営の面で関係を持つソープランドのオーナーです。女衒のレイが紹介した女性を自分が経営するソープで買い取って働かせる非道な人物で、気に入った女性を自分が所有するマンションの一室にて薬漬けにし、飽きたら海外に売り飛ばしていました。

しかし、ソープランドに駆け付けた遼介とレイの説得により女性達は解放され、池永が取引を打ち切ったことでヤクザの後ろ盾なども失い、警察に逮捕されるという末路を迎えました。

正直かなりのクズだと思いますね。コイツの行ったことについては詳しく描けませんが、自業自得の結末です。
禿げあがった頭は、河童を思わせるような風貌で、初登場時からこいつはやばいと一目でわかる外見だと思います。

 

期待の新星ホスト「翼」編

梨佳を取り戻すために、女衒のレイが所属するホストクラブに一時的に入店していた遼介は、再び自分の居場所であるロミオに戻りました。そこで、ロミオに新人ホストが入っていたことに気づきます。

その新人ホストの名は「翼」。初日から大勢の指名を勝ち取った実力者で、遼介とは会って早々に、ホスト対決で”あなたが負けたらロミオを退店してもらう”と勝負を挑んできます。

翼は口先だけではなく、ホストとしてのセンスを持っており、遼介の元で成果を出せずに燻っていたホスト達を巧みな話術で自分の仲間として引き入れるなど、様々な策略を巡らせて遼介の売り上げに迫る勢いを見せ、遼介もそれを脅威に感じるほどになっていきます。

そんなある日、遼介は「愛夢」という歌舞伎町のナンバーワンキャバ嬢と、「石川耕三」という孫を探しているという老婆と出会いました。
翼がその石川耕三であるという証拠をつかんだ遼介は、翼にそのことで話を持ち掛けるも知らないと言われてしまいます。
そして、ホスト対決の勝負を再開しますが、結果として遼介が過去に築き上げてきた人間の信頼関係の前には勝てず、翼は敗北を喫しました。

翼こと石川幸三は、元々キャバクラの従業員として働く、いわゆる黒服に属する人間でした。
その時に愛夢も同じ仕事先のキャバクラでキャバ嬢として働いており、彼女に好意を抱いていた幸三はアプローチを仕掛けます。
しかし、愛夢から”自分が興味があるのは遼介”と言われたことを切っ掛けに、自分が彼女の眼中に無いことを逆恨みして遼介を打ち負かせば愛夢の気を引けるのではないかと思います。
そこから、本来の自分の地味な外見を捨て去る目的で整形手術を受け、ホストとしての美貌を獲得したのです。

翼は最終的に自分を探していた祖母と再会し、故郷に帰りました。
その後、遼介が大阪に新設されるロミオの店長に任命された際には、再び東京のロミオでホストとして働き、自分が東京のロミオを守ると誓い、遼介の良き協力者となります。

余談ですが、この章で遼介は人の好さだけでは夜の街で生きていけないということを学びます。

この章の登場キャラクター

遼介がロミオに不在の間に入店したホストで、爽やかなルックスと人を惹きつける魅力を持ち、あっという間に10人もの指名客を獲得するという実力を持つ新人ホストです。
その実態は、整形手術によって得た美貌であり、本来は地味な容姿の男性でした。

ロミオにホストとして入店した理由は、前に歌舞伎町のキャバクラの従業員として働いていた時に、愛夢というキャバ嬢に好意を持ち、アプローチを行うも、愛夢からの”あなたには興味がないし、私が興味があるのは遼介”という言葉から遼介に対して対抗意識を持ったからです。

整形してでも遼介に勝ち、願わくば愛夢の興味を引きたいという強い願望により遼介にホスト勝負を挑むも、遼介の女性客に対して真摯に接するという接客スタンスの前には勝てずに敗北。
その後は翼の祖母と再会し、帰郷した後、遼介が大阪で新しくホストクラブを展開する際に、歌舞伎町のロミオは自分が守ると決意し、遼介を新たな場所へと送り出しました。

愛夢

夜王キャラクター紹介画像 愛夢
歌舞伎町のキャバクラ「エトランゼ」で働く女性です。
ただのキャバ嬢ではなく、歌舞伎町のナンバーワン、もとい日本でナンバーワンのキャバ嬢で、歌舞伎町の女王とも謳われている女性です。

ロミオに来店した客の中でも麻美などをはじめとする夜の職に従事する女性は作中に多く登場しています。しかし、髪型やゴージャスな雰囲気など、女性としてのランクや気高さは、そういった女性たちを遥かにしのぐ事が初登場時のデザインを見るだけでわかるほどです。

性格は明るく、天真爛漫で悪い人ではないのですが、同時に歯に衣を着せぬ発言も多く、自分にとって興味のない話や出来事にはとことん無関心かつまったく慈悲がないという、他の人物とはまた違った苛烈さを持っています。

実は歌舞伎町を支配する夜王の娘であり、桃以外で唯一夜王と意思疎通を図れたり、連絡を取る事が出来る人物として、力を生かし、遼介にも数多くの助言や助け舟を出しました。
歌舞伎町で起こった警察や一之瀬が絡んだ麻薬事件が解決した後に、自分を磨くという目的で渡米。最終回近くまで話が進んだときに日本へと帰国し、遼介と再会します。

その後は父である夜王の元から離れて、親の七光りや威光を笠に着るのではなく、自分の力だけで勝負をしたいという意思で、今まで自分が稼いできた財産を使い、銀座に店を構える決意を遼介に話します。
彼女のその決意が、色々なことを成し遂げて燃え尽き症候群に陥っていた遼介に、歌舞伎町ではなく新たな地で活動を新しく始めるという道を指し示すことになります。

翼の祖母

翼の本名である石川耕三という名前、そして翼がロミオにホストとして働き始めるより前のことを知りえる唯一の人物です。
歌舞伎町の広い道路で、翼がまだ整形手術を行う前の顔写真を配り、孫である翼を探している最中に遼介と出会いました。
愛夢の介入、そして翼が整形前に勤めていたキャバクラの店長から遼介が翼の過去の情報を得ることに成功したきっかけを作った人物でもあります。

遼介と翼のホスト対決がピークに達した際、ロミオにも来店。
翼はその時、今まであしらっていた祖母と対話しますが、その際に過去の自分、つまり石川耕三という人間は死んだという強情を張って祖母を突き放し、祖母も翼を尊重するからこそ、翼から離れる選択をしました。

その後、翼は両親が離婚して身寄りのない自分を引き取って育ててくれた祖母との過去を思い出し、祖母が自分にとって大切な人間であったということを痛感しています。
翼と遼介の対決後に、ホストクラブから帰る途中で交通事故に遭ってしまいますが、翼が病院に駆け付けたことにより和解する事ができました。

その後は無事怪我も完治し、翼と共に帰郷しました。

源太

ロミオに登場したホストの中では最も売り上げが少なく、地味な存在のホストです。

翼が登場した際、成果を出せずに悶々としていたところを、彼の口車に乗せられ、翼が立ち上げた派に所属。遼介を裏切ることに対して罪悪感を持ちながらも、次第に源太も翼の元で、物語が進むにつれて自分だけの特色を出していくことに成功します。

翼が一時的にロミオを退店した後、翼や遼介に倣って源太派を作りますが、残念ながら物語が終わるまで結局彼一人しか所属していないようでした。

 

千夏編

「千夏」は今人気を博しているグラビアアイドルで、ロミオのホスト達にも評判の良い娘でした。
その彼女がロミオに来店した時に、ホストの中でも特に千夏に好意を寄せている陸は、彼女へ全力でアプローチと接客を行います。
千夏は今現在、自分の仕事がうまくいかない、いわゆるスランプの状態であり、東京に向かう新幹線の中で遼介と出会ったことを思い出し、その遼介に会うために息抜きも兼ねてロミオに来店していたことが判明します。

しかし、陸は些細なことから遼介と千夏が交際していると思考を飛躍させてしまい、遼介に対して怒りを抱いてしまいます。
その怒りのエネルギーでホストとしての才能を開花させる陸ですが、ふとしたミスで売掛金(後払いの請求)を大量に背負ってしまい、回収が不可能になってしまいます。
その後、遼介を含めた先輩ホストに助けられた陸は、遼介に対する誤解が解けてより良い関係を結ぶことができました。

後に、ある出来事がきっかけで千夏とも陸は縁を結ぶことに成功します。
ただ、千夏と陸はお互いを配慮し、互いに一人前になるまで会わない約束を交わして、それぞれの道を歩むのでした。

この章の登場キャラクター

桜井 千夏

グラビアアイドルを目指して東京へ上京した女性です。広島出身で、遼介とは物語中盤、歌舞伎町の中国マフィアの抗争が終わった際に、偶然お互いが乗っていた新幹線の中で知り合いました。芸名は千秋という名前で活動しています。

その後は白井の経営する芸能事務所の所属アイドルとなり、売れ始めた時に新幹線の中で遼介と会ったことを思い出し、遼介に会うためにロミオに通い、遼介に好意を持ち始めます。

アイドルという職業柄、パパラッチから狙われており、ホストクラブに通っていたことをスキャンダルとして週刊誌に掲載されてしまい、弱みを握られた結果、浅井に性的な関係を強要されますが、遼介と陸に助けられました。

その後、陸からアプローチをかけられた結果、陸に対して好意を抱きます。
しかし、アイドルとしての活動も成功させたいという意思を伝えた結果、陸と千夏は相思相愛に近い状態とはなりましたが、お互いが一人前になるまではそれぞれ接触をしないようにしようという方針の約束を交わし、それぞれの道を歩むこととなりました。

ロミオに所属するホストの一人です。来店した女性客である千秋に恋愛感情を抱き、必死にアプローチを行うも断られてしまったため、遼介と千秋の関係を誤解して遼介に怒りと嫉妬の炎を燃やします。

枕営業で客を掴んだりして一時的に指名客は増えたものの、客の一人である白井のぶ代とのトラブルで莫大な売掛金を背負う事になります。
その後、遼介をはじめとするホストらに助けられてからは、遼介に忠誠心を誓うようになり、後の「三つ巴のホストクラブ対決編」では遼介が勝利した際、自分の事のように喜んでいました。

光が聖也の家臣のような存在であるならば、陸は遼介の家臣のような存在であるかもしれません。

白井

白井のぶ代の夫で、芸能人の所属事務所といった会社を経営する社長です。登場当初はホストにあまりいいイメージを抱いていませんでしたが、遼介の真摯な対応や態度を見て、ホストに対する偏見を改めました。

遼介と共にホストクラブで迷惑行為を繰り返す妻を叱咤し、ツケを返済して落とし前をつけさせるなど、そういった面は道理が通った常識的な人物だと伺えます。

白井 のぶ代

ロミオに来店した女性客です。
ふくよかな外見で、いかにもホスト遊びをしていそうな雰囲気を初登場時から漂わせていました。

その外見通り、数々の偽名を使い分けてホストクラブを豪遊している社長夫人です。
しかし、実際は初めて来た時のみ大金を払って豪遊し、その後はツケや売掛金といった”後払い”を作った後に行方をくらまして逃げる非道な行いをする女性でもあります。

陸に売掛金を背負わせた張本人ですが、遼介や夫から間違いを諭された後は心を入れ替え、料金の踏み倒しをした全ての店を回り、謝罪をして料金も全て支払いました。

愛原 リオナ

白井が経営する芸能事務所に所属するアイドルです。ドラマやテレビ番組の出演権を勝ち取りたいがために浅井とは恋人のような関係を結んでいますが、そこに本当の愛があるかどうかは定かではありません。

浅井

テレビ局のプロデューサーの男性です。女癖が非常に悪く、ドラマに出演させてあげるといった話をちらつかせ、その誘惑に乗ったアイドル等と行為に及んでは、結局コネの話をうやむやにするという行為を繰り返す下衆です。

千秋に対しても手を出そうとしていましたが、すんでのところで遼介と陸が駆け付けて止められます。そして夜王のお約束で遼介らによる鉄拳制裁を受けました。
その後、千秋の誤解を解くために、ホストクラブの特番を急遽作り上げるなどの活躍を果たしました。

 

歌舞伎町麻薬騒動編

歌舞伎町で風俗店に勤務する女性が殺害されるという凄惨な事件が起こり、同じ歌舞伎町内にあるロミオにも警察の捜査が及びます。
その捜査の中で、警部の霧崎はこの事件の容疑者として遼介を逮捕します。

遼介はその事件には全く関与していないし、身に覚えもありません。しかし、なぜか遼介の使っていた、彼の名前がローマ字で刻まれたライターが警察に既に押収されており、遼介は窮地に陥ります。

逮捕された遼介は夜王の協力で釈放されて事なきを得ましたが、自分を貶めた人物に対して怒りで身を震わせ、絶対に犯人を探し出してやると決意を固めます。

独自に事件の捜査を進めていく遼介。
その遼介の前に、ホストのトップ集団、歌舞伎町四天王である一之瀬、赤木、沢村が現れ、歌舞伎町ホスト評議会という組織を設立するから、その協力をするよう話を持ち掛けられます。
しかし、遼介はこれを拒否。他のホスト達は遼介に対して敵対心を抱くことに・・・。

遼介の捜査が進んだ結果、ある事実が判明します。
それは沢村の元で働くホストの中に、漢字の表記は異なるものの、”涼介”という遼介と発音が同じ名前のホストが所属しており、その人物が風俗店に勤務する女性を殺害したというものです。
ですが、その涼介も死亡してしまい、その遺体からは覚醒剤が検出され、歌舞伎町で覚醒剤が密売されているという事実も芋づる式に明らかになりました。

事実が明るみに出た後、警部の霧崎は再び強引な捜査を進めますが、この事件に関与しているであろう何者かに襲われてしまい、遼介に助けられます。
その後、霧崎はロミオの常連である麻美に看病され、霧崎の部下である藤田と結託した遼介は夜王を父に持つ愛夢の協力もあり、歌舞伎町四天王の一之瀬が一連の事件の犯人であると証拠を掴みます。

その後、一之瀬を追い詰めることに成功し、沢村の協力もあって一之瀬に制裁を加えることに成功。彼は逮捕されましたが、本当にこの事件を裏から操作していたのはなんと霧崎と同じ警視庁に所属する「五島利夫」という人物でした。

その真犯人にも鉄槌が下された後、霧崎は麻美にプロポーズをし、二人は結ばれます。そして、この事件は幕を閉じたのでした。

この章の登場キャラクター

赤木 達也

歌舞伎町四天王の一人に数えられる実力者です。
聖也を含めた他の四天王と比較すると落ち着いた性格で、協調性があるのが特徴的。それゆえか、四人のリーダー格でもある存在です。

当初は遼介の事を疎ましく思っていましたが、遼介が力をつけていくにつれ、次第に遼介を同じホストとして認めていきます。一時期は聖也が歌舞伎町を去った後の空席に遼介を迎え入れたいと言っていたことからもソレが伺えます。

沢村 慎吾

歌舞伎町四天王の一人です。
聖也とは仲間や親友のような間柄で、他のホスト達とも長い付き合いを持っています。
遼介に対しては当初は敵対心を抱いていましたが、一之瀬が起こした事件により、彼の邪悪な本性を垣間見た瞬間に遼介に対する考えを多少改めました。

苛烈な性格ですが、後輩の面倒見はいい方で、他のホストからは慕われているようです。一之瀬のことを信用していたものの、その一之瀬からは信用されておらず、赤木のように扱いやすい人間ではないとの理由で、彼からは邪険にされていたことも発覚します。

一之瀬 優

歌舞伎町四天王の一人です。
沢村、聖也、赤木とは長くからの付き合いで、聖也と遼介がホスト対決をした際には、他の四天王同様、遼介を潰そうと画策しています。
聖也をはじめとする他の四天王は遼介の事を多少なりとも認めていますが、一之瀬は全く認めることはありませんでした。

歌舞伎町で覚醒剤の事件が起きたのは、裏でこの一之瀬が手を引いている影響もあったのです。
一之瀬の野望は遼介や桃らに阻止されますが、その際に、赤木と沢村も利用しようとしていたことや、覚醒剤の力で弱者を支配してやろうという邪悪な本性を現し、遼介やかつての同胞だった沢村の拳の一撃を受け、警察へ身柄が引き渡されました。

皮肉なことに、この覚醒剤が絡んだ事件の黒幕は警察に属する人物で、一之瀬も利用されていただけの立場に過ぎませんでした。
自分の事を支配者だと思っていた男は、実は奴隷のような哀れな立場であったことが判明します。

英樹

遼介と同期でロミオに入店したホストで、聖也派に属していました。麻薬騒動が歌舞伎町で起こった際に、歌舞伎町四天王の一人、一之瀬の口車に乗せられ、遼介に濡れ衣を着せようとするも失敗し、証拠隠滅のために危機に陥っていたところを警察に保護されます。

負の感情に支配され、先走って行動する、中々吉事に恵まれない人物の典型とも言えます。

マリア

英樹の恋人です。英樹が一之瀬に捕まって命の危機にさらされた際に、一之瀬から提案された「遼介に濡れ衣を着せれば英樹は助けてやる」という条件を飲んでロミオに潜入しました。
遼介が飲もうとしていた飲料に覚醒剤を仕込みましたが、偶然が重なりは工作は失敗します。犯罪行為には手を染めてしまいましたが、英樹を想う気持ちは本物であったようです。

もしマリアの工作が成功していたらと思うと恐ろしい限りです。

霧崎 京一郎

警視庁に所属する警部で、作中では強引な捜査と警察官としての権力を振りかざす横暴な態度を取っていました。
そのため、霧崎を始めて目にした方は彼に対する印象はあまりよくないかもしれません。
しかし、彼は子供の時に警察官だった父親を麻薬中毒者に刃物で殺され、母親は非道なホストに騙されたのちに覚醒剤の中毒者にさせられたという経緯を持ち、覚醒剤とホストを強く憎むという信念を持っています。
それゆえに、今回の歌舞伎町で起きた事件も覚醒剤とホストが関与した事件であったため、強引な捜査と横柄な態度を全開にしていたという理由がありました。

捜査中に襲われて重傷を負いますが、ロミオの常連客である麻美の看病で命を救われ、事件後に麻美へプロポーズをした結果、彼女からも受け入れられて晴れて結ばれます。

眼鏡をかけた誠実そうな男性ですが、卑猥な単語が口癖で、どんな相手に対しても言い放つという点から、そのギャップに驚くこと間違いなしです。
麻美の項目でも説明しましたが、彼女にプロポーズをした際にはここでは書けない、女性なら確実に怒り狂いそうな告白をしましたが、麻美も少々ズレているのか、それを喜んで受け入れていました。

藤田

警視庁に所属する警察官で、霧崎の部下にあたる人物です。霧崎が倒れている間にも、遼介と共闘を行うなどをしました。大仏のような風貌が特徴的です。
ちなみに、彼は霧崎のように卑猥な単語なんて言わない至極全うな人物です。

五島 利夫

霧崎、藤田と共に警視庁に所属する警官で、次長という高いポジションについていながら麻薬騒動を裏から手を引く黒幕的な存在です。
歌舞伎町四天王の一人である一之瀬を裏で操り、今回の麻薬騒動を起こしました。

夜王に成り代わって歌舞伎町を支配しようとするなど支配欲も非常に強く、警察が押収した覚醒剤を反社会的な組織に転売して金を得るなど、警察官とは思えないような行動を起こすとんでもない人物です。
最終的に霧崎の手により鉄槌は下されましたが、元々権力者であった影響なのか、五島が麻薬騒動の黒幕だったという事実は世に出回ることはありませんでした。

 

遼介の大阪進出編

麻薬騒動の解決後、ロミオのオーナーの矢島は、遼介にロミオの2号店を展開するため、店長にならないかという話を持ち掛けます。
遼介はその提案に乗り、ロミオの2号店を大阪に開店し、そこで店長として勤務する事が決まりました。

しかし、ロミオにまた危機が迫ってきます。
それは、大阪の歓楽街で一大勢力となっているホストクラブ「ヴィクセス」のナンバーワンホスト、「柳直夜」が歌舞伎町に店を展開してきたからです。直哉はホストのナンバーワンを決める祭典「H-1グランプリ」で優勝した実力者であり、対抗馬となる遼介がいなくなるロミオにとって驚異的な存在でした。

遼介が不在となる歌舞伎町のロミオ。そして直夜という新たに現れた強大なホスト。
そんな不安の中に、救世主が現れます。その救世主とは、かつて遼介とホスト対決を繰り広げた翼でした。
彼は祖母との問題が無事解決したので、大阪に遼介が出張している間、歌舞伎町のロミオは自分が守っていくと主張。遼介を大阪へと送り出します。

大阪のロミオ2号店でも自分の持ち味を十二分に生かしていく遼介は、「美憂」という女性と知り合います。美憂はキャバ嬢で、なにやら直夜と浅からぬ関係のようでした。
そして、歌舞伎町に進出してまだ時間もそこまで経過していないのに、なぜか直夜が再び大阪へ帰ってきます。

その理由は、ロミオ以外にも、あの聖也が率いる九州で最大勢力のホストクラブ「スコーピオン」が大阪に進出してきたためでした。

ロミオ、ヴィクセス、そしてスコーピオン、三つ巴となったホストクラブ同士の対決はいかに!?
それぞれの代表である”遼介”、”直夜”、”聖也”の戦いは「三つ巴のホストクラブ対決編」に続きます。

この章の登場キャラクター

タクマ

修が大阪でホストをしていた頃に一緒に活動していた後輩にあたる人物で、ロミオ大阪2号店を遼介達が展開した際には修のサポートの役割を果たし、店の業務をこなしています。
修の右腕的な存在でしょうか。軽薄そうな見た目ですが、いざという時には頼りになる一面もあります。

ヒデ、カズ

ロミオ大阪2号店を開店した際に従業員として集められたホストの二人です。
しかし、登場した当初は勤務態度はお世辞にも良いとは言えず、周囲からも悪評が絶えませんでした。そんな折、遼介達を貶めようとする人物に素行の悪さを利用され、濡れ衣を着せられてしまいます。
最終的に遼介に助けられたことで態度を入れ替えた結果、勤務態度も改めて真面目にホストとして働くようになりました。

琴岡 聖二

ロミオ大阪2号店に勤務するホストの一人です。

聖二は元探偵として活動していたという経歴を持つ人物でもあり、ホストクラブの代表3人が売り上げ対決をした際に、その勝負を妨害しようとする人物の正体を単身、かつ短時間で調べ上げるなど調査能力に秀でたホストでもあります。

というより、個人的な意見としては、聖二はどうして探偵を辞めてホストに転職したのかが理解に苦しむほど有能です・・・。探偵を営んでいても十分に収入を得られたのではないでしょうか。本当になぜ探偵からホストになったんでしょう?

柳 直夜

夜王キャラクター紹介画像 直夜
大阪で遼介が出会ったホストで、大阪の歓楽街の中に店を構えるホストクラブ「ヴィクセス」のナンバーワンホストです。

遼介以上に型破りな接客が持ち味で、遼介が姫に仕える従者のように女性に尽くすのであれば、直夜は暴君のように女性を引っ張るようなスタンスです。
その強引な接客スタンスには批判も多いものの、従来のホストとは一味違うそのワイルドさの虜になる女性も多く、遼介からも聖也と同等の器がある実力者だと認められています。

実は前科持ちで、彼の家族には妹の美憂と義父がいましたが、義父がギャンブルで作った借金返済のために美憂をヤクザに売り飛ばそうとしていた為、妹を守ろうとした結果、誤って義父を殺害してしまった過去を持ちます。

その後、過去の殺人が暴露されてしまったことでホスト生命を脅かされますが、遼介の協力や、女児の虐待事件を解決したことで自分の悪いイメージも払拭され、人気を取り戻すと、遼介や聖也に本気で勝負を挑みます。

最終回にも登場し、遼介、聖也と六本木で再開します。遼介にとっては聖也と同じように同業者としても仲間としても重要な人物であることが伺えますね。

美憂

大阪のクラブでナンバーワンの人気を誇り、それに伴ったルックスや実力を持つホステスです。
歌舞伎町ナンバーワンのキャバ嬢やホステスが愛夢だとするならば、大阪の愛夢のようなポジションはこの美憂でしょうか。

来店する客からは人気ではあるものの、苛烈な性格がわざわいしてチンピラのような人物からも絡まれることが多々あり、少々癖の強い人物です。

兄の直夜には義父を殺されたことに対して憎悪を向けていましたが、後に兄の行ったことは自分をヤクザに売り飛ばそうとする義父の非道な行為から守るためのものだったと知ります。

ロミオ、ヴィクセス、スコーピオンのホストクラブ3店が対決した際、勤務するキャバクラの従業員達に対し、”このホストクラブの対決には一切関与しないように”とお触れを出していましたが、遼介の介入や、彼からの「本当に会いに行きたい人に会いに行け」という言葉により、ホストクラブ対決の最終日にロミオに売上を貢献し、美憂自身は一人で直夜に会いに行くという行動を起こします。その行動により、直夜との関係のこじれは修復され、兄に抱く気持ちも改めました。

遼介が東京に帰る際、新幹線で彼を見送るとき、彼に対して恋心に近い感情を抱いていたことがわかります。

 

三つ巴のホストクラブ対決編

聖也は遼介の最大のライバルにして、壮絶な対決の末に築かれた絆もあり、遼介の良き理解者、同胞といった存在です。物語の序盤から登場し、遼介の傍から離れ、遠くの地に渡っても、いつでも遼介の心の中に存在していました。

そんな聖也は九州の博多に渡った後、また一からホストとしての道を歩み、西日本で強大な勢力となるホストクラブ「スコーピオン」を率いて再び遼介の前に姿を現したのです。
聖也、直夜、そして遼介は”負けた店は全て閉店する”という条件のもとに、三つ巴のホストクラブ対決を展開していきます。
その勢いはすさまじく、次第にマスコミも巻き込むほどの規模へとなっていきました。

対決が激化する中、遼介は大阪で知り合ったキャバ嬢である美憂と交流を深めて行くうちに、直夜と美憂の関係を知ります。それは、直夜が美憂の義父を殺害してしまったことで、美憂は直夜を恨んでいるという事実です。
しかし、直夜はわけもなく義父を殺害したのではなく、美憂の身を守るための行動であったことが判明し、美憂と直夜の関係は修復されます。

そんな状況の中、聖也は圧倒的な売り上げをたたき出し、スコーピオンの勝利を絶対的なものへとしていきます。ロミオに訪れる最大のピンチ。絶体絶命の遼介の前に、ホストとしての盟友となった翼や卓也といった人物が集結。ロミオがこの対決に勝利します。

この章の登場キャラクター

数馬

直夜の所属するホストクラブ、ヴィクセスの中でもナンバー2の実力者にして直夜の右腕的なポジションのキャラクターです。直夜とは中学生の頃から舎弟のような関係で、その時から直夜を慕っているほか、美憂の事も大切に思っています。

直夜が美憂を守るために義父を殺害した事件の真相を知っており、直夜・美憂兄妹の身も案じていました。

かなり狡猾な一面も持っており、ロミオを内側から崩壊させるために剣星をロミオへと潜入させるような行為も行いましたが、直夜の障害となりえる要素を排除する忠誠心ゆえの行動でもあります。

直夜を慕うが故の恐ろしさを出してくる事もありますが、道理や礼儀などはわきまえており、最終的には直夜にヴィクセスを託されます。

剣星

直夜、数馬と共にヴィクセスに所属するホストで、作中では数馬の命によってロミオに所属、潜入し、内側からホスト同士の対立を煽り、軋轢を生じさせることで、大阪のロミオに妨害工作をしていました。

最終的に剣星が妨害工作を行っていることが周囲に発覚しますが、それでも遼介は剣星を信じ抜いた為に、遼介に対して罪悪感を抱いた結果、自分の所属するホストクラブ、ヴィクセスに反抗して直夜をはじめとする人物から制裁を受けることになります。

直夜とは問題が解決した後に和解し、ヴィクセスへと戻らないかと誘われるも、剣星自身はロミオに残ると主張し、ロミオの大阪店で勤務することになりました。

愛斗

直夜の先輩でもあり、直夜がヴィクセスよりも前に勤めていたホストクラブの元ナンバーワンホストだった人物です。

ナンバーワンではありましたが、傲慢な性格故に他のホストからは良く思われていませんでした。
後に、直夜が愛斗以上の売り上げを出してナンバーワンホストになった際、ほぼすべてのホストが直夜に忠誠を誓い、愛斗から離れていきます。さらには、直夜がホストクラブのヴィクセスを立ち上げた際に、ほとんどのホストが直夜に賛同して店を離れた結果、彼の所属していたホストクラブは活気を無くしました。

それが原因で直夜に逆恨みに近い感情を抱き、大阪で行われた遼介、聖也、直夜の勝負に対して妨害工作に及んでいましたが、勝負が終わった後に今までの行為が全て発覚し、遼介らに捕まります。
その際、自分が行った非道な行為に対して開き直りを見せたり、遼介たちに聞くに堪えない暴言を吐いた為、遼介らに制裁を受けました。

作中では救いようのないくらいの外道がいますが、愛斗もその中の一人に入るのではないでしょうか。

美憂と直夜の義父

美憂と直夜の母は、彼ら兄妹の父と幼い時に離婚し、再婚をしました。その際の再婚相手の男です。作中では小澤という苗字のみ判明しました。

美憂と直夜の母が心労がたたって亡くなった後も、上辺では家族を守っていくと言ってはいたものの、実際は競馬などのギャンブルにのめり込み、ヤクザから借金をしていたため、最終的に美憂をヤクザへと売り飛ばそうとしていたクズでした。

高校卒業を間近に控えた直夜はその真実を知り、美憂と一緒に家から出ていかせてほしいと義父に懇願しましたが、話の途中で義父が錯乱し、包丁を持ち出すトラブルにまで発展。直夜は義父から包丁を奪い、安全を確保しようとしますが、義父が手を滑らせて自分の胸部に包丁を刺してしまい、義父の命はそこで潰えます。この事件から、美憂は直夜に対して心を閉ざしてしまいました。

 

本当の夜王編

数多くの女性、いや女性だけではなく同じホストとして働く者たちの心を開かせ、歌舞伎町で起きた問題も解決し、夜王やその娘の愛夢、桃らといった権力者たちにも認められ、ホストクラブの対決にも勝利した遼介。そんな彼は、いわゆる燃え尽き症候群のような状態になっていました。

そんな中、愛夢がアメリカから日本へと帰国。彼女は歌舞伎町の麻薬騒動が起きた後に、自分を磨くといった目的でアメリカへと単身渡っていたのでした。
久々の愛夢との会話に心が安らぐ遼介。愛夢は遼介に対し、自分は夜王という権力者の庇護のもとで生きるよりも、自分だけの力で何かを成し遂げたいと言い、今まで稼いできた金を使い、銀座に新たに店を構える決意を話します。

それを聞いた遼介は、自分は常に進み続けなくてはならない、歌舞伎町という町に認められただけでは駄目だ、という決意を抱き、ロミオを退店。その後は自分の事が全く知れ渡っていない六本木で活動をする事を決意します。

そして、その六本木で聖也、直夜と再会。彼らも遼介と同じく、今までの自分の立場を捨て、裸一貫の状態で六本木に来ていたのでした。最後は遼介、聖也、直夜の三人で雄叫びを上げて走りながら、この物語は完結します。

 

登場キャラ、ストーリーの総評

歌舞伎町、そして夜に生きる者たちの世界が舞台なだけあって、キャラクター達の個性は非常に強く、またそれに伴って我が強いキャラクターがとても多いですね。

一般の企業ではイエスマンになり、前に倣えというスタンスで生きていくのがデフォルトと言われています。
しかし、夜の世界だと自分の持つ個性と力を十二分に示していかないとどんどん落ちぶれていくため、自分を押し通していく個性が強いキャラクターで溢れるのが夜の世界を扱う作品の醍醐味かもしれません。

また、登場キャラの中にはどうしようもないような外道達が数多く登場します。
しかし、そういった非道な人物たちで溢れているからこそ、まっすぐすぎる遼介の存在は一際輝くのだと思われます。
実際、物語によってはサブキャラクターの個性が強すぎて主人公が埋もれてしまうこともありますが、遼介はそういったこともなく、物語が完結するまで主人公をしていました。また、灰汁が強すぎるキャラばかり登場するからこそ、ワキ役も記憶に残るのかもしれません。

 

あのROLANDさんもこの漫画を読んだ経験がある

ちなみに、この漫画の作画を担当した井上紀良さんは、ホスト会で名を馳せたROLANDさんの過去をアレンジしつつ、その生きざまを描いたホストとして成り上るサクセスストーリーの「ローランド・ゼロ」も手掛けています。
ROLANDさんも夜王を読んだ経験を持っており、遼介よりも聖也が好きだとコメントを残しています。

その「ローランド・ゼロ」では、なんと「夜王」の聖也と、ホストの世界に入ろうとしているローランドさんが漫画の中の歌舞伎町で実際に邂逅するというコラボも見ることができます。これは夜王ファンの皆さんも、ローランドさんのファンの皆さんも嬉しいサプライズですね!

ちなみに私も遼介が好きなのですが、どちらかと言えば聖也のほうが好きです。・・・いや、ROLANDさんに媚びているわけではないですよ?本当です。

夜王は素晴らしい作品なので、是非とも皆さま、ご一読ください。