おじいちゃんたちがラスベガスでドンチャン騒ぎ?「ラストベガス」でオスカー俳優4人が夢の競演!

おじいちゃんたちがラスベガスでドンチャン騒ぎ?「ラストベガス」でオスカー俳優4人が夢の競演!

今回ご紹介するのは、マイケル・ダグラス、ロバート・デ・ニーロ、モーガン・フリーマン、ケヴィ・クラインという4人のオスカー俳優が豪華共演を果たした2013年公開のアメリカ映画「ラストベガス」です。

これまでも共演のチャンスがありながら、一度も実現しなかったオスカー俳優4人の初コラボ映画は、各々のキャリアを考慮に入れたまさにオヤジ版「ハングオーバー!」

監督は「ナショナル・トレジャー」や「魔法使いの弟子」や海外ドラマ「ジェリコ 閉ざされた街」などを手がけたジョン・タートルトーブです。

年老いた悪友4人組が、唯一未婚だった仲間の結婚を祝い、ラスベガスで年甲斐もなくハメをはずさまを、4人の熱い友情とともに描いています。

コメディ映画ですが、深みのあるストーリーは話題となりました。

今回は「ラストベガス」のご紹介です。

あらすじ(ネタバレあり)

ビリー、パディ、アーチー、サムの4人は幼馴染みで“フラットブッシュ4人組”と名乗る親友同士でした。

事あるごとに4人で集まっていましたが、70歳になった今ではそれぞれの事情ができ、4人で会う機会も減っていました。

ある日、サムとアーチーのところへ久しぶりにビリーから電話がかかってきます。
ずっと独身を貫いてきたビリーがまだ32歳のリサと結婚するという報告です。

ラスベガスでの結婚式に招待されたサムとアーチーは、4人で「独身さよならパーティー」をやろうと言い出します。
サムとアーチーはパディを誘いに行きます。しか、しパディは最愛の妻ソフィーを亡くしてから、すっかり偏屈になっていました。

ソフィーも4人の幼馴染みだったのに彼女の葬式へ来なかったビリーの不義理をパディは許せず、2人は絶交状態でした。

何とかパディを連れ出すことには成功しましたが、これがビリーの結婚式を祝うための集まりだと知ったパディは機嫌を損ねます。

ビリーにもずっと文句を言い続け、なかなか昔の仲良し4人組には戻れません。

ベガスに着いて、4人はホテルのバーで歌うダイアナと意気投合します。ダイアナは同世代の年増でしたが、頭の回転が早い魅力的な女性です。

アーチーはカジノで10万ドルを荒稼ぎし、そのおかげで4人には最高級のスウィートルームが用意されます。

夜のクラブでひと暴れしたパディは昔の感覚を思い出し、翌朝ダイアナに会いに行きます。彼女に「悲しむあなたを亡くなった奥さんは喜ばない」と言われ、パディは彼女をパーティーへ誘います。

パディはビリーに、結婚相手の若い彼女を本気で愛しているのかと聞きます。

実は昔、パディとビリーはソフィーを取り合った仲で、パディだけはビリーが無理をしていることに気づいていたのです。ビリーはパディの質問にはっきり答えません。

ビリー以外の3人はド派手なパーティーの準備を進めています。そして、ビリーはダイアナを訪ねます。

2人はデートを楽しみます。ダイアナは彼に「一目見たときから好きだった」と伝えますが、結婚を控えるビリーは明確なことを言わず、ただ彼女を今夜のパーティーに誘います。

いよいよド派手なパーティーが始まりました。大勢の客で賑わう大盛況のパーティー会場で、ビリーとパディは入り口ばかり気にしていました。

そして、2人ともダイアナが好きだとわかります。会場へ現れたダイアナにビリーはパディの気持ちを受け入れてやってくれと頼みます。

ビリーは昔ソフィーにも同じことを言っていました。その話を聞いてしまったパディは深く傷つきます。

翌日、パディはビリーに「愛する相手を指定することはできない、妻は俺を愛していた」と告げ、本音を言おうとしないビリーの代わりにリサと話します。

そして、ビリーはついにリサとの結婚を破談にし、リサは怒って帰ってしまいます。

ビリーは初めて3人に老いを恐れる自分の本音を語り、ソフィーの葬式に行かなかったのも別れを受け入れたくなかったからだと告白します。

落ち込むビリーに3人は“俺たちがいる”と言い、4人は固い友情を確かめ合います。そしてビリーはダイアナのもとへ行きます。

乾杯

みんなは日常へと戻って行きました。ビリーは「最高の仲間だ」と別れ際にいいます。

4人がベガスで別れてから58日後、以前より充実した日々を送る3人のもとに“ダイアナと結婚することになった”とビリーから知らせが入ります。

キャスト

ビリー(マイケル・ダグラス)

カリフォルニア在住。ビジネスで成功し4人の中で唯一独身を貫いていましたが、同僚の葬儀で32歳の女性にプロポーズし結婚を控えています。

演:マイケル・ダグラス
カリフォルニア大学サンタバーバラ校で学ぶ傍ら演劇の訓練も受け、父のもとで映画製作を学び助監督として映画界に入り、後に俳優に転向。

1972年から放映されたテレビシリーズ『サンフランシスコ捜査線』ではエミー賞の候補になるなど注目を集め監督業にも進出し評価されるようになります。

1975年には『カッコーの巣の上で』を製作しアカデミー賞作品賞を含む5部門に輝きプロデューサーとして脚光を浴びます。

1987年、『ウォール街』でアカデミー主演男優賞を受賞。名実共にハリウッドを代表するスターなります。

2004年のゴールデングローブ賞では、功労賞であるセシル・B・デミル賞を受賞。この賞は父カーク・ダグラスも受賞しており、史上初の親子2代での受賞となりました。

『危険な情事』、『ローズ家の戦争』、『氷の微笑』、『ディスクロージャー』等に主演しており、女性に翻弄される中高年男性を演じる役柄が人気を集めました。

バディ(ロバート・デ・ニーロ)

仲良し4人のアイドル的存在だったソフィーと結婚していましたが、ソフィーに先立たれ喪失感を抱え抜け殻のような日々を送っています。

デニーロ

演:ロバート・デ・ニーロ
16歳でステラ・アドラーの下で演技を学びます。またアクターズ・スタジオにも通うようになり、やがてオフ・ブロードウェイなどで舞台を経験しています。

映画はニューヨーク派のブライアン・デ・パルマに見出され「ロバート・デ・ニーロの ブルーマンハッタン/BLUE MANHATTAN Ⅱ・黄昏のニューヨーク」で主演。

以降数本をデ・パルマとコンビを組みます。無軌道な若者を演じた「ミーン・ストリート」で注目をされ、コッポラの「ゴッドファーザーPARTⅡ」で若き日のコルレオーネ役を演じアカデミー助演男優賞を受賞。

そして「タクシードライバー」で格的に名前が知られるようになり、その後は現在まで「レイジング・ブル」でアカデミー主演男優賞受賞、他ノミネートは4回に各映画賞受賞と燦々たる評価を集めています。
93年「ブロンクス物語/愛につつまれた街」では監督デビューも果たしています。

アーチー(モーガン・フリーマン)

ニュージャージー在住です。離婚も経験し、脳梗塞を患い、息子のエズラから常に体調を心配される毎日を過ごしています。

演:モーガン・フリーマン
高校卒業後、LAコミュニティ・カレッジで働きながら演劇を学びます。55年からの兵役後、サンフランシスコでミュージカル劇団に加入。

その後、NYに渡りブロードウェイ・デビューを飾ります。71年から映画にも進出。87年の「NYストリート・スマート」で、アカデミーは逃したものの、NYとLAの批評家協会賞の助演賞を受賞しています。

さらに、オフ・ブロードウェイで上演した「ドライビング Missデイジー」でオビー賞を受け、映画化の時に同じ役を演じてゴールデングローブ賞に輝きました。

その後も「セブン」「ディープ・インパクト」など話題作に参加し、作品の質を大きく高める、黒人俳優の重鎮です。

04年、クリント・イーストウッド監督の「ミリオンダラー・ベイビー」でいぶし銀の演技を披露、アカデミー賞4度目のノミネートにして念願のアカデミー初受賞を果たしました。

サム(ケヴィン・クライン)

フロリダ在住のサムは妻とフィットネスに通う日々。かといって活き活きした日々を送ってはいませんでした。

演:ケヴィン・クライン
インディアナ大学で演技を学んだ後、ニューヨークのジュリアードで俳優のジョン・ハウスマンの下、アクティング・カンパニーに参加し更に演技の勉強をします。
70年、オフ・ブロードウェイでデビューし、以降、舞台中心に活動し注目を集め、79年と81年にはブロードウェイ・ミュージカルでトニー賞を受賞。

82年「ソフィーの選択」で映画デビュー。その後も、映画と舞台の両方で活躍し88年、「ワンダとダイヤと優しい奴ら」ではアカデミー助演男優賞を受賞しています。

舞台のほうではNYのシェイクスピア・フェステバルのアソシエート・プロデューサーなどを務めています

ダイアナ(メアリー・スティーンバージェン)

ベガスに着いた4人はホテルのバーで歌手として歌う彼女の声に魅了されます。そして、同世代の彼女と意気投合します。
演:メアリー・スティーンバージェン
大学では演劇を学び20歳でNYへ。そこで書店やレストランなどに勤めながらネバーフット・プレイハウスで演技指導を受けています。

78年映画デビュー。同年には「ゴーイング・サウス」のオーディションを経てジャク・ニコルソンと共演。

79年の名作「タイム・アフター・タイム」出演後の80年には「メルビンとハワード」で主要映画賞の助演賞を独占しました。

以降魅力的な個性が受けて多くの作品に出演。コメディ作品以外でもその実力を発揮して各ジャンルで活躍しました。

基本情報

基本情報

監督     ジョン・タートルトーブ
脚本     ダン・フォーゲルマン
製作     ローレンス・マーク(英語版) エイミー・ベアー
製作総指揮  ネイサン・カヘイン(英語版) ジェレマイア・サミュエルズ 他
出演者   マイケル・ダグラス ロバート・デ・ニーロ モーガン・フリーマン ケヴィン・クライン

音楽     マーク・マザーズボー
撮影     デヴィッド・ヘニングス
編集     デヴィッド・レニー(英語版)
配給     〔アメリカ〕 CBSフィルムズ(英語版) 〔日本〕 KADOKAWA

公開     〔アメリカ〕 2013年11月1日 〔日本〕 2014年5月24日
上映時間    105分
製作国    アメリカ合衆国
言語     英語
製作費     $28,000,000
興行収入          〔世界〕 $134,402,450 〔アメリカ・カナダ〕 $63,914,167

ビリーとパディの確執

ビリーとパディの対立の原因は、幼なじみのソフィーです。

かつてビ2人はソフィーのことが好きでした。パディはソフィーにどちらを選ぶかを迫り、ソフィーはビリーのもとへ行きます。

しかし、ビリーは自分よりもパディのほうが合っていると、ソフィーをパディのもとへ行かせ、パディとソフィーは結婚することになります。

時が経ち、ソフィーが亡くなりますが、ビリーはなぜか彼女の葬式に来なかったのです。
パディはビリーに対して激怒します。2人の確執はこのことが原因です。

パーティーは大勢の人が駆けつけ大賑わいでした。しかし、そこでビリーはパディがダイアナを呼んだことに気づきます。

ビリーとパディは、また同じ女性を好きになった事を知りました。ビリーは、プールにパディを落としダイアナに話があるといいます。

ビリーは1人になったパディの事を考えて欲しいと頼みました。ダイアナは、ソフィーの時と同じように自分をパディに譲る気かと言い放ちます。

パディがその話を聞いてしまいました。

ビリーは親友のパディを傷つけた事にショックを受けます。思い出の酒の瓶を捨てたパディは、出て行ってしまいました。

翌日パディはビリーのもとへ訪れ、「君は本当の愛をわかっていない。確かに妻は自分を愛していた」と告げます。

そして、これから結婚しようとしている婚約者は心から愛している人なのかと問います。

パディの言葉にビリーの顔は曇り、様子を見たパディはビリーの婚約者に結婚すべき相手ではないと告げました。

ダグラス

あとからビリーは婚約者に事情を説明し、年下の彼女との結婚は破棄されました。自分を見つめ直したビリーはダイアナに気持ちを伝えます。

ラスベガスの新旧の魅力を存分に味わえる

映画では、ラスベガスの新旧のスポットが登場するので、最新式と旧式のカジノホテルの雰囲気を比較しながら楽しめます。

まずは新しいラスベガス。彼らの宿泊先となるのは、ラスベガスのストリップ地区にあるMGMリゾーツが運営する最新型IRの「アリア」です。

2009年に開業したアリアは、自然光を多く取り入れたモダンでスタイリッシュな建築が特徴で、プール、スパ、ショッピングモールなどを備えた巨大施設です。ビリーが結婚式を挙げる予定のチャペルも施設内にあります。

ラスベガスといえば、ギラギラしたネオンのイメージがありますが、アリアはオールドタイプのカジノとは一線を画しています。

また、1990年代にラスベガスで流行した、エジプト、ニューヨーク、パリなどをテーマとしたコンセプト型のIRとも異なる新しいタイプのIRです。

カジノ利用をメインとしない客が多く訪れる施設内には、コンテンポラリーアートが飾られ、洗練された大人向けのIRといえます。

一方、4人組と歌手のダイアナと出会いの場となるカジノは、ダウンタウンにある創業1951年の老舗カジノの「ビニオンズ」。

最新型IRとは異なり、カジノだけのシンプルな造りです。劇中ではホテルは改装中とされていますが、実際には2009年でホテル営業を停止しています。

ダウンタウンは20世紀初頭、砂漠のオアシスとして誕生し、カジノで繁栄していましたが、大規模リゾートの時代に入り、ラスベガスの中心地はストリップに移っています。

しかし、今も古いラスベガスの面影を残す場所として、多くの観光客が訪れています。

バチェラー・パーティーとは?

ビリーの結婚前に、「親友4人で大いに騒ごう」とビリーとサムが企画したバチェラー・パーティーですが、日本であまり馴染みのないバチェラー・パーティーとは、どんなものなのでしょうか。

バチェラー・パーティー(Bachelor party)とは、バチェラー(独身者)が行うパーティーのことです。

結婚式前夜に新郎の独身最後を祝して、友人たちでパーティーを行います。アメリカやカナダ、欧米などの海外では古くからある慣習で、その起源は紀元前5世紀頃まで遡ると言われています。

バチェラー・パーティーは新婦はもちろんのこと、家族などの親近者は参加をしません。基本的には新郎と、その仲の良い一部の男友達のみで行います。

海外では、結婚式前夜からバージンロードを歩くまで、「新郎新婦は顔を合わせてはならない」というジンクスがあります。その為、結婚式の前日はそれぞれで友人や家族と過ごす人が多いのです。

フリーマン

男性がバチェラー・パーティーを行う理由はさまざまですが、「結婚を機にバカ騒ぎをぴたっと辞める」誓いとして、最後に仲間たちと思いっきり羽目をはずすという考えが、有力なようです。

メアリー・スティーンバージェンの歌声

ラスベガスを訪れた4人が宿泊したホテルのバーでナイト・シンガーとして働く、メアリー・スティーンバージェンの大ヒット曲「オンリー・ユー」をしっとりと歌い上げています。

彼女はアトランタからやってきた税理士。女手一つで育てた娘が成人、家を出たことを機に、残りの人生をどう過ごすか自問自答します。

そこで若い頃の夢であった“歌うこと”に再び挑戦、「トップ・シンガーではないかもしれないけど、歌いたいように歌っている」という女性。

劇中では、レッドワイン色の胸元が大胆に空いたイヴニング・ドレスを着たダイアナが、「オンリー・ユー」をしっとり歌い上げる中、その歌声に誘われるかのように4人組が参上。

61歳とは思えないチャーミングさ、そして美声と大人の色気を感じさせる熱い視線で、彼らを釘づけにします。

ジョン・タートルトーブ監督は、「キャスティングで一番難しかったのは、ダイアナだった」と語っています。

「メアリーは相手を受け入れる器のある女性、心の内を吐露したくなるような相手を体現してくれている女性でなければならない」

作品では、「オンリー・ユー」のほかにも、自作曲「カップ・オブ・トラブル」や「ユア・ノーバディ・ティル・サムバディ・ラヴズ・ユー」を披露しているメアリー・スティーンバージェン。ぜひ、その歌声を堪能してください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は「ラストべガス」をご紹介しました。

この映画、簡単にいってしまえば、おじいちゃんたちがラスベガスでドンチャン騒ぎをする映画です。

欲望渦巻くラスベガスで、おじいちゃんたちも欲望むき出しで楽しんでいる姿は、老いを感じさせません。難しいことを考えず、気楽に笑いながら観ることができる作品です。

コメディ映画なので、そこまで深いテーマ性はありませんが、この映画には「人間何歳でも楽しめる」「何歳になっても人生を楽しめ」というメッセージがあるように思います。

「寝たきり老人」「老老介護」など、「老人」というワードから連想されるのは、ネガティブなことがほとんどですが、「ラストベガス」の4人はそんな老人のイメージを吹き飛ばしてくれます。

また、仕事や結婚、子育て、親の介護などさまざまな理由で昔の友人と疎遠になってしまう人がほとんどだと思いますが、劇中の彼らはどれだけ月日が流れても同じ思い出を共有し、友情を保ち続けていました。

何歳になっても昔のように友情を持てる4人の関係を純粋にうらやましく感じました。

この作品は、素敵な年の取り方と、青春のままの心を忘れない大切さを教えてくれます。

最後に、マイケル・ダグラスの若い女好きは似合いすぎで、実生活ではあり得ない過去設定が笑えます。そして、モーガン・フリーマンの赤いスーツでの登場が、カッコよすぎます。
必見です。