VBAエキスパートとは、ExcelやAccessといったMicrosoft Officeのソフトウェアに機能の一つとして存在するマクロ、VBA(Visual Basic for Applications)のスキルや習熟度に関する民間の資格です。
どんな資格なのか見ていきましょう。
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適用する仕事
この資格を取得、およびマスターをすれば、Excelを日常の業務で使用している会社であれば、経費を大幅に削減することに関して貢献ができる可能性があります。
Excelの活用が得意でマクロを使いこなしている人は、Excelといったマイクロソフトのアプリを使用して業務を行う会社には少なからず一人は存在し、業務の効率化が求められる今、そういった人材は重宝される傾向にあります。
VBAエキスパートを取得すれば、Excelを活用して業務を行う会社、もしくは業務で、より効率的に業務を遂行できるという証明になり、会社でExcelを使用して行う業務をする際に効率的にExcelを使用することができるという証明になります。
ちなみに、VBAエキスパート試験が生かせる職業は「VBAエンジニア」です。
おおよその年収とキャリアパス
そのVBAエンジニアの平均年収は約720万円です。
最高年収としては890万円にもなります。
ただし、VBAのみを必須スキルとしている職場は稀です。
システムエンジニアやプログラマーとしての設計やプログラミングなどといった基本的なスキルや経験に付随した形で、VBAを習得しているとより評価されやすくなるでしょう。
VBAエキスパートは、主に普段からExcelを使用して業務を行う必要がある会社の社員が取得しておくと、Excelに搭載された機能であるマクロをある程度使いこなし、業務を効率的に進めることができるという証明となる資格です。
この資格のみでは会社内の昇進に繋がるわけではなく、転職の際にも大きなアピールポイントにはなりませんが、この資格を取得しておけばExcelを使用した業務で劇的に仕事を効率化することができる手段と能力を有していると判断されることもありまず。
また、この資格に加えてIT系の国家資格を取得していけば、キャリアアップを図ることができるでしょう。
会社によっては、この資格を持っていることにより手当てがつくこともありますよ。
認可団体
VBAエキスパート試験の主催・認可団体は、株式会社オデッセイコミュニケーションズが認定しています。
VBAエキスパートの試験自体も2003年4月から開始されており、比較的資格としては新しい部類に分類されます。
2021年現在は科目としては4科目が実施されており、2003年4月から実施されていたOffice XP対応の4科目は2009年末に、VBA Professional Officeは2014年3月にそれぞれ終了しています。
受験条件
VBAエキスパート試験は年齢や学歴等に関係なく、誰でも受験可能です。
合格率
VBAエキスパートの合格率は残念ながら非公開であり、正確な合格率は不明瞭です。
しかし、同じExcelのMOSの資格よりも難易度は高いということは判明しており、おおよその合格率は4科目全てで60%以下であると予想できます。
ベーシックは一般的なレベルで、スタンダードは上級レベル目安となっています。
難易度がベーシックより高めのスタンダードでも偏差値が53のため、それほど難易度が高いという試験でもありません。
しっかりと対策を行えば、合格できる可能性はIT系の資格の中では高い部類に入ります。
1年当たりの試験実施回数
VBAエキスパート試験は明確な受験日が存在しません。
株式会社オデッセイコミュニケーションズが会場として認定したパソコン教室やパソコンスクール、専門学校などで実施しており、試験日程も試験会場ごとにそれぞれ異なっています。
基本的には試験会場に直接問い合わせる形で、試験日を知ることが可能です。
試験科目
VBAエキスパート試験には、4つの科目が存在します。
各科目によって、出題傾向や範囲は異なります。
以下はそれぞれの試験科目の内容です。
問題数は、全ての科目で40問前後です。
Excel VBA ベーシック
- マクロとVBAの概念
- マクロ記録
- モジュールとプロシージャ
- VBAの構文
- 変数と定数
- セルの操作など
Excel VBA スタンダード
- プロシージャ
- 変数の活用
- ステートメント
- ファイルの操作
- ワークシート関数の利用
- 検索とオートフィルターなど
Access VBA ベーシック
- VBAの基礎知識
- データベースの基礎知識
- 変数・定数・配列
- ステートメント
- 関数
- DoCmdオブジェクトなど
Access VBA スタンダード
- VBAエキスパート「Access VBA Basic」レベルの理解
- 変数・配列・ユーザー定義型
- プロシージャ・モジュール
- フォームとレポートの操作
- SQL
- ADOやDAOによるデータベース操作など
採点方式と合格基準
合否基準は、1000点満点のうち、各650~800点を取得できると合格となります。
この合格点の値は、出題される問題の難易度によって上下します。
合否は試験修了直後に判定されます。
合格者は、4週間から6週間以内に合格認定証が郵送され、晴れて合格となります。
取得に必要な勉強などの費用
VBAエキスパート試験を受験するにあたっての学習方法は、普段からExcelを使いこなしていれば、機能の1つとして学習ができているため、合格率を上げることができます。
Excelというソフトを使用したうえで行われる試験のため、まずはExcelがある程度使用できるという条件が前提です。
VBAエキスパートの参考書はMOSの参考書と比較すると、公式より出版された書籍は少ないため、種類も少ないです。
なお、以下の公式より出版された参考書は、すべてオデッセイコミュニケーションズより出版されています。
VBAエキスパート公式テキスト Excel VBAベーシック
- 出版社名:オデッセイコミュニケーションズ
- 商品名:VBAエキスパート公式テキスト Excel VBAベーシック
- 価格:¥3,080(税込)
VBAエキスパートの公式テキストです。
Excelのベーシックの試験問題をまとめた内容となっております。
全200ページ程度の内容で、65ページ辺りまでは用語の解説がメインです。
それ以降は実践の内容となっています。
模擬試験ももちろん付属しており、実際の試験で頻出されるポイントなども抑えた一冊となっています。
VBAエキスパート公式テキスト Excel VBAスタンダード
- 出版社名:オデッセイコミュニケーションズ
- 商品名:VBAエキスパート公式テキスト Excel VBAスタンダード
- 価格:¥3,300(税込)
VBAエキスパートの公式テキストです。
Excelのエキスパートの試験問題をまとめた内容となっております。
ほかの参考書と同じく、模擬試験も付属しています。
Access VBAベーシック VBAエキスパート公式テキスト
- 出版社名:オデッセイコミュニケーションズ
- 商品名:Access VBAベーシック VBAエキスパート公式テキスト
- 価格:¥3,300(税込)
こちらはExcelのVBAエキスパート試験の内容ではなく、AccessのVBAエキスパートの試験の内容が収録されています。
Access VBAスタンダード VBAエキスパート公式テキスト
- 出版社名:オデッセイコミュニケーションズ
- 商品名:Access VBAスタンダード VBAエキスパート公式テキスト
- 価格:¥3,520(税込)
こちらもAccessの内容が収録されています。
これまで紹介してきた参考書同様に、本試験を想定して作られた模擬試験プログラムももちろん収録されています。
VBAの学習に必要不可欠な基礎もしっかりと学ぶことができます。
受験料
受験料は科目によって異なり、以下のようになっております。
Excel VBA ベーシック | 一般 13,200円 | |
割引適用 11,880円 | ||
Excel VBA スタンダード | 一般 14,850円 | |
割引適用 13,420円 | ||
Access VBA ベーシック | 一般 13,200円 | |
割引適用 11,880円 | ||
Access VBA スタンダード | 一般 14,850円 | |
割引適用 13,420円 |
どの科目も1万円以上の受験費用がかかるため、費用は資格の中でも比較的高いと言えます。
受験申込方法
VBAエキスパートの試験を受講するには、試験会場へ直接連絡を入れて申し込みをする必要があります。
その後、オデッセイコミュニケーションズの公式サイトにて事前に受験者IDを登録し(受験者IDの登録そのものは無料です)、試験当日に試験会場に設定した会場まで赴いて、試験を受けるというのが一連の流れです。
また、公式サイトにも記載されているように、受験者IDの登録やデジタル認定証の閲覧はMicrosoft Edgeで行うように推奨されています。
まとめ
VBAエキスパートの資格を取得すれば、ExcelやAccessといったソフトに搭載されたマクロを使いこなせるようになり、Excelやaccessでの業務をより効率的に行うことができます。
何より、MOSをはじめとしたこういったIT系の資格は、どれほどPC操作に関するスキルを持ち合わせているかという証明になります。
しかし、何より重要なのは理屈や仕組みを理解するということです。
理屈や仕組みを理解した上で、試験に合格することによって初めて輝くのがIT系の資格だと言えますよ。