皆さんは「終活」という言葉を聞いたり、どんなことをやるものか知っていますか。
死期が差し迫った人のみが行うのではなく、元気なうちからこれらのことを考えるのは早すぎることはありません。
でもいざ終活となると、めんどくさくなったり、煩雑だったり、思うように進まない時もあります。
そんな終活に関しての相談事を引き受けるのが「終活カウンセラー」という立場の人です。
そんな「シニアお困りごとの案内人」と呼ばれる終活カウンセラーについて、今回みていきます。
Contents
適用する仕事
終活カウンセラーは「一般社団法人 終活カウンセラー協会」が設けた民間資格です。
この資格は人生の行く末を考える50歳以上のシニア世代におすすめの資格です。
自分の終活を考えるときに、学んだ知識が活かせるでしょう。
また、葬祭業や保険業、金融機関、弁護士や税理士などの士業といった本業で終活の相談を受ける機会がある人も、この資格を取得するのにおすすめです。
こうした職業の方はクライアントとやりとりしますので、そうした方たちの終活の不安や悩みに応えることで、本業にも活かせるでしょう。
終活カウンセラーには、下記のようなことができます。
終活を考える人の心に寄り添う
終活の「カウンセラー」という職業なので、ただ終活の知識を教えるのではなく、人の話をよく聞いて、少しでも良い方向へ導けるようにするのが第一の仕事です。
終活を考える人の心に寄り添うことが、この資格には求められています。
終活のお手伝いをする
人間いつ事故に遭ったり、急病になるかわかりません。
自分の身にもしものことがあったとき、残された者はどうやって死後の対応をしていけば良いのでしょうか。
そんなときに役立つのが「エンディングノート」です。
エンディングノートとは、人生の終末期に備えて、家族などに知らせておくべきことを書き残すノートです。
今では、書店や文具店などで販売されていますよね。
でもその中身はいろいろ項目が分けられていて、書き方がよくわからないということもあります。
終活カウンセラーはエンディングノートを作成するときに、アドバイスすることができます。
エンディングノートは遺言書と違って、法的拘束力はありませんが、故人のメッセージということで残された者にとっては立派な証拠になります。
エンディングノートの書き方は自由ですから、終活カウンセラーは相談者の話をよく聞いて何を書き残したいか要望を汲み取る能力が必要になりますね。
専門家への橋渡し
終活は人によって悩み事が異なります。
ときには専門家の力が必要になることもあります。
相談者の悩みが具体的に何を必要としているのかを明確にして、ときには専門家や専門企業への橋渡しをすることもあります。
- 相続や遺言関係→司法書士、行政書士、税理士、弁護士などの士業
- 保険関係→保険会社やファイナンシャルプランナー
- 葬儀関係→葬儀社や葬儀ディレクター
- お墓のこと→石材業やお墓ディレクター
- 介護や健康関係→ケアマネジャー
おおよその年収とキャリアパス
終活カウンセラーは民間資格で、知名度もそれほど高いわけではありません。
独立して活躍するというよりも、本業の仕事に役立てたり、自分や家族の役に立ちたいからという意味で取得する人が多いようです。
それでも終活カウンセラーを募集しているのは、一般的に葬儀会社が多いです。
もし終活カウンセラーが葬儀会社に1人でも在籍していれば、より専門的なことを説明することができます。
葬祭業のおおよその年収は350万~550万円程度です。
高齢化社会が進む中で、終活カウンセラーの需要は高そうですが、専門業として募集はまだまだ少ないです。
さきほど述べたように本業に役立てるか、趣味のレベルに留まるというのが一般的でしょう。
独立して働くこともできなくはないですが、難しいのが実情です。
もし独立するなら、最初は個人事業主として、宣伝して周知してもらうのが一番良い方法です。
宣伝次第では、徐々に軌道に乗る場合もあります。
認可団体
終活カウンセラーを認定している団体は「一般社団法人 終活カウンセラー協会」というところです。
平成23年7月12日に設立されました。
東京都品川区旗の台4-2-5 ホープイン旗の台2B
電話:03-6426-8019(平日9時30分~17時)
FAX:03-6426-8029
受験条件
終活カウンセラーには、2級・1級・終活カウンセラー協会認定終活講師の3つのレベルがあります。
2級
どなたでも受験できます。
1級
- 終活カウンセラー2級取得者
- 協会が開催する勉強会に、年間1回以上参加した方(本試験1日目開催月までの1年間)
終活カウンセラー協会認定終活講師
- 終活カウンセラー1級所有者
- 終活カウンセラー勉強会に年間で2回以上参加
- 過去に「エンディングノートの書き方セミナー講師養成講座受講者」に参加(参加日は問わない)
合格率
終活カウンセラーの2級は90%以上の受験者が合格しているようです。
他の合格率は公表していません。
1年当たりの試験実施回数
試験は全国各地で実施されています。
2、3日おきに開催されるくらいたくさんあります。
ZOOM開催もあるので、手軽に受験できそうです。
試験科目
介護・保険・相続・お葬式・供養・年金・終活など
採点方式と合格基準
2級の場合は最低70点取れば、合格基準に達します。
例え1度目の試験で基準点に行かなかったとしても、再受験が可能です。
8ヶ月間の特別サポートがつきますので、その間の受験回数は無制限です。
取得に必要な勉強などの費用
終活カウンセラー2級は、講座付き検定試験で取得します。
となると、勉強に必要な費用は受講料のみです。
講座の中にはテキストも送付されますので、それで勉強できます。
受講料につきましては、次の項目でお伝えします。
また、オンラインで勉強会も開かれています。
勉強会での費用は別途かかります。
受験料
こちらは受講料になります。
2級
15,000円(税込)講習代、試験代込み
会場ではお弁当代込み、オンライン検定では代わりにエンディングノートが1冊プレゼントされます。
ただし、終活カウンセラー協会の入会(年会費5,000円)が必須です。
初年度は不要ですが、2年目以降から発生します。
年会費を支払わない場合は、終活カウンセラー2級の認定は取り消しになりますので、ご注意ください。
1級
45,000円(税込)+事前審査費3,000円 講習代、試験代、弁当代込み
オンライン版は50,000円(税込)が掛かります。
ただし、1級を取得するためには、終活カウンセラー協会の入会(年会費5,000円)が必須です。
終活カウンセラー協会認定終活講師
300,000円(税込)試験代・資料代込み
受験申込方法
「一般社団法人 終活カウンセラー協会」の公式サイトを検索していただくと、それぞれの受講の仕方が紹介されています。
講座の受講方法は会場、オンライン(ZOOM)、通信講座(YouTube)の3種類です。
それぞれ申し込みページやフォームが設定されています。
まとめ
ここまで「終活カウンセラー」についてご説明してきました。
人生の終わりに向けて準備をしたい人やそのお手伝いをしたい人に向けておススメしたい資格です。
なぜなら、こういった終活の諸課題に対して、悩みがどういうもので、どの専門家へ橋渡しをしていけばいいか、エンディングノートはどうまとめればいいのかなど1人で具体的に進めるには悩みも出てきますし、少々重いかもしれませんし、また、残された者はどのように供養するのか、財産分与はどうなっているか、ある程度計画を立てておかないと家族や親族間で揉める事もあるからです。
例えば具体的には、葬儀やお墓の準備、生前整理、介護保険や介護サービス、保険、年金、相続、そしてお葬式などについて触れられます。
まだまだ資格単独で仕事への活かし方は難しいようですが、葬祭業や保険業、士業の方には本業に役立つ知識で、これから旅立つ人に寄りそう仕事、そして資格になります。
関連する記事はこちら
シニアライフアドバイザー試験について