今日は高校生に向けた資格をご紹介しましょう。
商業高校に通っている方は「受験した」という方もいるかもしれません。
「商業経済検定試験」は経済社会における一般的な知識をはじめ、経営活動に必要な知識、マーケティングや法律など、経済活動に関する知識を認定する資格です。
受験者はほぼ商業高校の生徒です。
商業高校では卒業後はすぐ就職する人が多いので、それに向けた教養をつけるために受験するそうです。
Contents
適用する仕事
商業経済検定を一言でいうと、ビジネスマンとして恥ずかしくない知識を身に付けることを目指す民間資格です。
ということは、適用する仕事はビジネスマンです。
具体的には、経理や販売関係に一番適している検定です。
就職した後、商業や金融などの経済に関する知識は必要になってきます。
そんなとき「商業経済検定試験」の知識が基礎知識としてついていれば、心強いです。
商業経済検定では、商業・経済の仕組み・マーケティング・ビジネス法規の知識の認定が受けられます。
しかし、この検定は高校生向けです。
ビジネスマンに適していると言っても、この資格だけで就職に直接活かすのは難しいでしょう。
せいぜい面接時のプラスαとしての見方が強いです。
ただし、簿記の資格も併せて持てば、就職に有利になると思います。
それに、もし将来販売士の資格取得を希望する場合、3級の一部試験科目が免除されます。
これは商業経済検定試験の「ビジネス基礎」と「マーケティング」の合格者は、販売士検定試験3級試験の「マーケティング」が免除されるということです。
「商業経済検定試験」単体では、仕事に活かすには弱いかもしれませんが、持っていて損はありません。
高校生の方が商業や金融などに関する知識を学んで、ビジネスマンとしての土台を築くには役立つ資格です。
ぜひ、他の資格のことも考えながら勉強してみましょう。
おおよその年収とキャリアパス
残念ながら「商業経済検定試験」は給料に直接つながらない資格です。
この資格単体だけでは、将来性もありませんし、独立もできません。
ただ、繰り返しますように、簿記の資格も取得すれば、経理職への就職に有利になります。
また、販売士の資格を取得すれば、小売店の販売員や売り場責任者などの職業に就くことがあり得ます。
- 簿記2級を取得しているならば、実務未経験者で250万~350万円程度の年収が予想されます。
- 簿記1級ですと、未経験者でも417万円という年収データが出ています。
- 販売士の資格では、年収は300万~480万円と予想されます。
ぜひ、こういった資格を取りましょう。
認可団体
商業経済検定試験の資格を運営・主催している団体は「公益財団法人 全国商業高等学校協会」というところです。
昭和31年10月19日に主務官庁である文部省(現・文部科学省)の許可を得て、設立しました。
平成23年4月1日には、国の公益法人制度改革に伴い公益認定を受けて、「財団法人全国商業高等学校協会」から「公益財団法人全国商業高等学校協会」へ移行しました。
商業経済検定試験は昭和62年に始まりました。
所在地
〒160-0015 東京都新宿区大京町26
TEL:03-3357-7911
FAX:03-3341-1039
事業内容
1.商業教育に関する調査・研究事業
2.教員の資質向上に関する事業
3.生徒奨励に関する事業
4.商業に関する各種の検定事業
5.商業教育の振興に関する助成事業
など
受験条件
特に制限はありません。
合格率
検定は3級と1・2級に分かれます。
1・2級とあるのは、4科目のうち1科目取得で2級、2科目取得だと1級になるからです。
3級の合格率
2021年:80.0%
2020年:85.4%
2019年:80.3%
その他の科目の合格率
マーケティング:66.5%
経済活動と法:53.4%
ビジネス経済A:62.8%
ビジネス経済B:60.1%
1年当たりの試験実施回数
年1回、2月の第1日曜日に実施されます。
実施会場は全国各地の商業高等学校です。
試験科目
試験科目は3級用の1科目と、1・2級用の4科目の計5科目です。
3級科目(ビジネス基礎)
(1)商業の学習とビジネス (2)~(5)に含める
(2)ビジネスに対する心構え
(3)経済と流通
(4)取引とビジネス計算
(5)企業活動
(6)身近な地域のビジネス
マーケティング
(1)現代市場とマーケティング
(2)市場調査
(3)消費者の購買行動
(4)商品計画と価格の決定
(5)販売経路と販売促進
経済活動と法
(1)経済社会と法
(2)権利・義務と財産権
(3)取引に関する法 ※「手形と小切手の利用」と「金融取引」については(4)に含める
(4)会社に関する法
(5)企業の責任と法
ビジネス経済A
(1)ビジネスと経済
(2)需要と供給
(3)価格決定と市場の役割
(4)経済成長と景気循環
(5)経済政策
ビジネス経済B
(1)サービス経済化とサービス産業
(2)経済の国際化
(3)金融市場と資本市場
(4)企業経営
(5)ビジネスの創造と地域産業の振興
採点方式と合格基準
いずれの科目も各2点ずつの計50問出題されます。
3級科目の出題形式は直接解答型と本文参照型で、1・2級科目はすべて本文参照型です。
合格基準は100点満点中、70点以上です。
取得に必要な勉強などの費用
公式サイトでは過去問がダウンロードできます。
サイトの右の項目の「過去問題」から入手しましょう。
この他にも、実教出版から問題集が販売されています。
全国商業高等学校協会主催 令和4年度版 全商商業経済検定模擬試験問題集 1・2級 マーケティング
出版社名:実教出版
商品名:全国商業高等学校協会主催 令和4年度版 全商商業経済検定模擬試験問題集 1・2級 マーケティング
価格:¥710(税込)
全国商業高等学校協会主催 令和4年度版 全商商業経済検定模擬試験問題集 1・2級 経済活動と法
出版社名:実教出版
商品名:全国商業高等学校協会主催 令和4年度版 全商商業経済検定模擬試験問題集 1・2級 経済活動と法
価格:¥730(税込)
全国商業高等学校協会主催 令和4年度版 全商商業経済検定模擬試験問題集 1・2級 ビジネス経済A
出版社名:実教出版
商品名:全国商業高等学校協会主催 令和4年度版 全商商業経済検定模擬試験問題集 1・2級 ビジネス経済A
価格:¥730(税込)
全国商業高等学校協会主催 令和4年度版 全商商業経済検定模擬試験問題集 1・2級 ビジネス経済B
出版社名:実教出版
商品名:全国商業高等学校協会主催 令和4年度版 全商商業経済検定模擬試験問題集 1・2級 ビジネス経済B
価格:¥770(税込)
受験料
1科目につき1,300円
受験申込方法
高校生ですと、原則として在籍校で、受験票により申し込みをします。
もし、一般の人だったり、在籍校が試験場ではない学生の方は指定された最寄りの試験場校で、写真を貼った受験申込書を使って申し込んでください。
詳細は【認定団体】まで尋ねてみてください。
まとめ
今回は「商業経済検定試験」をお伝えしてきました。
この検定は主に商業高校の生徒さん向けの資格です。
高校生の方が商業や金融などに関する知識を学ぶのに、この検定は実施されています。
正直にいうと、この検定だけで就職や年収に有利になるとは考えにくいです。
とはいえ、この検定と簿記の検定を併せて持てば経理職に就きやすくなるし、販売士の検定を受験する方にとっては免除制度を利用できます。
商業高校といったら、簿記を習うはずですからそうしたことに役立てましょう。
高校3年間という短い期間を、こうした資格勉強に充ててみませんか。
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