小型船舶操縦士について

小型船舶操縦士について

小型船舶操縦士についての記事です。

小型船舶操縦士は、プレジャーボート、ホバークラフト、エンジン付きヨット、ヨット(総トン数5トン以上)、水上オートバイ、漁船、旅客船(海上タクシー)の船長となるために必要な国家資格です。
資格には種類があり、一級小型船舶操縦士、二級小型船舶操縦士、特殊小型船舶操縦士があります。

仕事に必要な資格として取る方もいますが、趣味の為に資格を取る方もいます。

適用する仕事

小型船舶操縦士の仕事としては、以下のものがあります。

  • 警察の船舶乗務員
  • 漁船の操縦士
  • 港湾土木工事用ボートの操縦士
  • 観光汽船の操縦士
  • レジャー関連施設のボートの操縦士
  • 海洋開発産業用ボートの操縦士
  • 屋形船の船頭

もちろん船の操縦だけするのではありません。

漁船の操縦士であれば、船の操縦だけでなく、漁や漁獲物の水揚げ、船の清掃作業も行います。
工事、水質検査観光案内の仕事などでは、船の管理を行なったり、会社によっては日誌を書いたりすることもあります。
レジャー関連企業や屋形船では、接客や船内アナウンスを行う場合もあります。

いろいろ集まっている屋形船

おおよその年収とキャリアパス

職種により差はありますが、平均366万円ぐらいで日本の平均年収と比べると、少し低いです。
ですが、漁師として漁船を操縦する仕事をした場合、年収400万~500万円ほどが相場です。
職種によって幅広くなるようです。

キャリアパスとしては、上記で挙げた勤務先の中で経験を積んで給与を上げていったり、小型船舶操縦士の免許を生かして別の会社に転職したりする方法が考えられます。
別の会社とは、旅客船や乗客を漁場へと案内する遊漁船運営会社も挙げられますし、分野は異なりますがマリンレジャーやテーマパークも候補になります。

あるいは、海洋開発産業や港湾土木工事関連の仕事に就いている人は、小型船舶操縦士の免許を取得することによって活躍の場が広がり、社内でのポジションアップにつながる可能性があるでしょう。

小型船舶操縦士は主に趣味に有効といわれている意見もありますが、もし漁師として独立開業するなら、漁船を運転するための小型船舶操縦免許は欠かせません。
漁船を持ち、自分の力で海に出て漁師として生計を立てたいのなら、小型船舶操縦士の免許を取りましょう。

認可団体

日本海洋レジャー安全・振興協会認可団体は「一般財団法人 日本海洋レジャー安全・振興協会」が指定されています。
各地で身体検査、学科試験及び実技試験が行われています。

受験条件

受験条件としては、年齢制限身体検査があり、以下の条件があります。

免許の種類

  • 一級小型船舶操縦士   満18歳以上(満17歳9か月より受験可能)
  • 二級小型船舶操縦士   満16歳以上(満15歳9か月より受験可能)
  • 特殊小型船舶操縦士   満16歳以上(満15歳9か月より受験可能)

身体検査

  • 視力=両眼ともに0.5以上(矯正視力可、片眼の視力が0.5に満たない場合、0.5以上見えるほうの眼の視野が150度以上あること)
  • 色覚=夜間において船舶の灯火(赤、緑、白)が識別できること
  • 聴力=5m以上離れた距離で話声語が識別できること(矯正可)
  • 疾病及び身体機能の障害(業務に支障がないか)

合格率

2020年の合格率です。

  • 一級小型船舶免許 合格率92.5%
  • 二級小型船舶免許 合格率97.4%
  • 特殊小型船舶免許 合格率96.5%

1年当たりの試験実施回数

常時行われています。

小型船舶教習所では、すでに2級小型船舶免許を持っている方が1級小型船舶免許を取得する場合は、実技試験が免除となることがあるので、ご自分の通っている小型船舶教習所などにご確認下さい。

独自で取得もできますが、小型船舶教習所で取得した方が国家試験が免除になるので、小型船舶教習所の方がオススメです。
受験科目免除制度が適用できます。

試験科目

晴れた海に出航しようとしている小型船舶試験は学科試験と実技試験とがあります。

学科試験

一・二級小型船舶操縦士試験では、一般科目(小型船舶操縦者の心得及び遵守事項、交通の方法、運航)と上級科目(上級運 航Ⅰ、上級運航Ⅱ)があります。
一級は一般科目と上級科目、二級は一般科目のみを受験します。

試験時間は、一級は2時間20分、二級は1時間10分です。
ただし、既に操縦免許を受有している方や海技士資格を持っている方は、一部の受験科目が免除され、試験時間も短縮されます。

特殊小型船舶操縦士試験では、小型船舶操縦者の心得及び遵守事項交通の方法運航が試験内容です。
試験時間は50分です。
ただし、既に操縦免許を受有している方や海技士(航海)の資格をお持ちの方は、一部の試験科目が免除され、試 験時間も短縮されます 。

実技試験

一・二級小型船舶操縦士試験では、5トン未満の試験船を使用して、原則として受験者3人に対し試験員1人で実施します。
受験者1人に対する試験時間は、約30分です。
内容は小型船舶の取扱い、 基本操縦、 応用操縦です。

特殊小型船舶操縦士試験では、3人乗りのシッティングタイプの水上オートバイを使用して、受験者1人に対し試験員1人が 同乗して行います。
試験時間は概ね15分です。
内容は小型船舶の取扱い 、操縦です。

採点方法と合格基準

合格基準は以下の通りです。

二級小型船舶操縦士

二級小型船舶操縦士は、学科試験が科目ごとに半分以上の正解、かつ各科目合計問題数の65%以上の正解が基準です。
一般科目は33問以上で合格です。
実技試験は、試験科目別の成績が配点の 60%以上かつ、成績の合計が配点合計の 70%以上であることです。

一級小型船舶操縦士

一級小型船舶操縦士は、学科試験が科目ごとに半分以上の正解、かつ各科目合計問題数の65%以上の正解が基準です。
一般科目は33問以上で合格です。
更に、上級科目は10問以上の正解が必要(どちらも満たすこと)です。

実技試験は、試験科目別の成績が配点の60%以上かつ、成績の合計が配点合計の70%以上であることです。

特殊小型船舶操縦士

特殊小型船舶操縦士は、学科試験が、科目ごとに半分以上の正解、かつ各科目合計問題数の65%以上の正解が必要です。
実技試験は、成績の合計が配点合計の70%以上であることです。

取得に必要な勉強などの費用

10枚ある1万円札と10万きっちりの電卓独学でも取得できますが、基本的にスクールに通うので費用は約10~12万円くらいです。
スクールによって金額の差があります。

受験料

受験・免許申請代行料:約6,000円

法定費用:計約29,700円(身体検査料:約3,200円、学科試験料:約5,900円、実技試験料:約18,600円、免許交付印紙代:2,000円)

受験申込方法

日本海洋レジャー安全振興協会(試験機関)より申請用紙を郵送してもらい、必要書類等を作成等して、試験機関に郵送します。
受験料金は現金書留または、振込みになります。

まとめ

小型船舶操縦士についてでした。

海の事故が起きないように資格を取得して、知識と技術をしっかりとつけることが大事だと思います。
仕事以外でも、レジャーでも使える資格なので、興味のある方にはおすすめです。
合格率も約90%と高めです。

資格の種別ごとに操縦できるボートの大きさや水域が異なりますので、必要な種別を目指して対策をしてみてください。
なかなか手の届かないように感じますが、意外と取得しやすい資格の一つだと思います。

持っているだけで、カッコいいなと私は感じてしまいます。
持っていて損はない資格だと思うので、取得したい方はぜひチャレンジしてみてください。

 

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