情報処理技能検定試験について

情報処理技能検定試験について

パソコン関係の資格はたくさんありますよね。
その中から、今回は「情報処理技能検定試験」をご紹介します。
こちらは、パソコンソフトを有効的に利用する知識やスキルを測るための検定試験です。
表計算とデータベースの2つの部門に分かれています。

適用する仕事

「情報処理技能検定試験」は表計算ソフトやデータベースソフトを使いこなせているかを証明する資格です。
現在、多くの企業ではオフィスソフトは必須となっていますので、それらを使える証明にもなるこの資格は仕事面でとても役立つでしょう。

表計算が役立つ場面

表計算ソフトは文書作成から表計算まで色々と使い道があります。

表計算ソフト

文書作成

文書作成といえばワープロソフトが思い浮かびますが、表計算ソフトでも文書作成することができます。
特に設計書や仕様書、請求書などが適しています。
請求書を作成するときに数字を入力していくと自動的に計算をしてくれたり、関数を用いて複雑な計算もやってくれるので人為的ミスも減らせます。

関数を用いた表作成や計算

前項目と重複しますが、関数を用いた表作成や計算ができるのが表計算ソフトの強みです。
関数では数値の合計、平均値、最大値、最小値などを自動的に計算することができます。
例えば、売上金額の集計ではこの機能があって助かるでしょう。
その他にも、表計算ソフトではその日の売り上げはいくらだったのか、どの時間にどの商品がどのくらい売れていたかなどの分析もできます。

グラフの作成

表計算ソフトは表計算の他にもグラフ機能があります。
グラフの種類も豊富で棒グラフや折れ線グラフ、円グラフなどにできます。
プレゼンや会議をすることの多いビジネスマンであれば、データを視覚化して説得力を高める機能です。

データベースが役立つ場面

データベースは情報の一元管理ができるため、業務の効率化や標準化が実現できます。
データベースソフトは企業で使われる管理システムなどのデータベースを構築することが得意なソフトです。
作成したデータベースに新たにデータを追加したり、データを変更したり、削除したりといったことが速く行うことができます。

一般の事務職においても、データベースソフトのスキルが活かせることがあります。
機能としては、データ入力やクエリ作成、リレーションシップの設定などです。
一通りできると強みになるでしょう。

しかし、正直に申しますと、この資格を取得しただけでは即就職には結びつかないでしょう。
それに履歴書に書いてアピールできるのは、最低でも2級以上です。
併せて、表計算なら「ITパスポート」、データベース系なら「オラクルマスター」くらいは持っていた方が良いでしょう。

おおよその年収とキャリアパス

一般事務の平均年収は313万円、営業事務の平均年収は348万円でした。

キャリアアップ

ちなみに「情報処理技能検定試験」は仕事だけでなく、進学にも有効です。
公式サイトによると、入学試験で協会主催の各種検定試験や認定試験の資格取得者を評価する大学・短期大学・専門学校が増えているらしいです。
もし高校生の方なら、進学にもこの資格を活用していただき、それから就職へ力をつけましょう。
2級以上取得すれば、履歴書にも堂々と書けますし、アピールにもなります。

そして、事務職のキャリアパスですが、始めは一般事務からの仕事をスタートしたとします。
プラスαのスキルを身に付けると、どんどん道は開かれるでしょう。
営業事務や経理事務、そしてゆくゆくは事務のオールラウンダーである総務事務にステップアップすることも可能です。

ぜひそうしたキャリアパスも描きながら、この資格を活かしてみて下さい。

認可団体

日本情報処理検定協会

情報処理技能検定試験を主催している団体は「日本情報処理検定協会(通称・日検)」というところです。
1985年6月1日に設立しました。

<統括本部>
〒461-0023
名古屋市東区徳川町1002

TEL:052-936-3817
FAX:052-936-5625

受験条件

特になし

合格率

合格率は不明です。
しかし、表計算で60%、データベースで70%ほどの統計もあります。

1年当たりの試験実施回数

表計算・データベース、それぞれ年4回実施されます。

数字の4

試験科目

表計算は4級~初段、データベースは4級~1級まであります。

表計算

4級から初段まであります。

4級

  • 文字や数字の入力
  • 列幅変更
  • 計算式
  • 合計や平均関数
  • 罫線処理
  • 数字、数値の3ケタごとのコンマや小数点などの表示形式
  • %表示
  • 表題や見出しの中央揃え
  • 文字列の左揃えや数字の右揃え
  • 印刷処理

3級(4級の出題基準を含む)

  • 判断文
  • 絶対参照
  • 構成比率の計算
  • 最大値や最小値の検索
  • 切り捨て、切り上げ、四捨五入などの端数処理関数
  • 順位付け(RANK)
  • 通貨表示(¥・$)
  • 日付表示
  • 並べ替え

準2級(3級の出題基準を含む)

  • VLOOKUPなどの表検索
  • 多重判断文(入れ子)
  • 論理演算子(ANDやOR)
  • 日付の計算
  • セルの証明(セルの文字列化の印刷は準2級・2級のみ)
  • グラフ作成(縦棒・横棒)

2級(準2級の出題基準を含む)

  • VLOOKUPなどの表検索の応用
  • 多重判断文の応用
  • 時刻の計算
  • 多様なグラフの作成

準1級(2級の出題基準を含む)

  • データベース関数
  • 結果データの保存または数式印刷

1級(準1級の出題基準を含む)

  • 文字列操作関数(LEFT・RIGHT・CONCATENATEなど)
  • ABSなどの特殊関数
  • 抽出や抽出後のデータ処理(合計や平均、ソートなど)
  • データベース関数の応用

初段(1級の出題基準を含む)

  • シート間の処理
  • 高度なグラフや複数のグラフ
  • その他応用

データベース

4級から1級まであります。

4級

  • テキストデータの読み込み
  • テーブル定義(主キー・データ型の設定)
  • 複数テーブルの関連付け(内部結合)
  • レコードの抽出
  • レコードの昇順や降順のならべかえ(ソート)
  • 表題や見出しなどの入力
  • 表示形式(コンマ・小数点・%・通貨・日付など)
  • 表のレイアウト
  • 罫線処理
  • 印刷処理

3級(4級の出題基準を含む)

  • 複数条件によるレコードの抽出
  • 複数条件によるレコードの昇順や降順のならべかえ(ソート)
  • 計算式
  • 関数処理(合計、平均、最大、最小、カウント)
  • グループ化(集計)での合計、平均、最大、最小、カウントの処理

2級(3級の出題基準を含む)

  • 複数クエリの作成
  • レコードの更新、追加、削除
  • 項目名ごとのグループ化

1級(2級の出題基準を含む)

  • 結合の種類(外部結合)
  • クロス集計
  • NZ関数
  • 重複や不一致レコードの処理
  • クエリによるテーブルの作成
  • その他応用

採点方式と合格基準

合格基準は表計算、データベースどちらも試験時間内に処理条件のとおり完成したものを100点満点とします。
減点基準により採点し、80点以上の答案が合格です。

数字の80

表計算の場合

減点基準ですが、初段以外の級は試験結果を印刷したものがない場合に0点として、不合格になります。
初段は結果データがない場合に、0点となって不合格です。

その他の減点内容は公式サイトをご確認下さい。

データベースの場合

減点基準を2点挙げます。

  • 項目の抜けがある場合は0点となり、不合格
  • 処理結果(データ)が間違っているもの(抽出や更新・追加の操作ミスを含む)も0点となり、不合格

こちらも、その他の減点内容は公式サイトをご確認下さい。

取得に必要な勉強などの費用

公式サイトより、問題集が販売されています。

表計算の問題集

初段編   1,331円
1・準1級編 880円
2・準2級編 770円
3・4級編  671円

データベースの問題集

1・2級編 1,331円
3・4級編 880円

受験料

【表計算】
初段  5,300円
1級  3,300円
準1級 3,100円
2級  2,800円
準2級 2,600円
3級  2,300円
4級  1,800円

【データベース】
1級 3,300円
2級 2,800円
3級 2,300円
4級 1,800円

受験申込方法

こちらの受験申込方法は、学校団体受験一般団体受験を基本としています。

団体、団結

学校団体受験

学校教育法に定める学校(小学校・中学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校・大学)および専修学校、各種学校、専門学校単位で受験する仕組みです。
自分の通っている学校が試験会場校となる場合もあります。

一般団体受験

こちらは企業やパソコン教室、NPO法人や各種支援事業所が受験会場となって試験を受けるやり方となります。
受験を申し込むには、受験を主催している教室や会場でのやりとりになります。

※もし、個人受験を希望される方は、個人受験対応校という会場がありますから、そちらに直接連絡をし、受験可否や受験手続などをして下さい。
個人受験対応校は公式サイトの「個人受験をお考えの方へ」の欄で、一覧になっています。

まとめ

今回は「情報処理技能検定試験」をお伝えしてきました。
こちらの試験はたくさんの級が設定されていますが、就職でアピールするには2級以上を目指した方が良いでしょう。
公式サイトで専用の問題集が販売されていますので、そちらを活用していただき、ご自身のパソコンスキルを磨いてみて下さいね!

ノマドワーク

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