食生活アドバイザーは、食の知識を持ったスペシャリストです。
消費者として考える食と、提供する側から見た食を学ぶものです。
Contents
適用する仕事
食生活アドバイザーは、自身や周囲の人の健康的な生活の補助をするために、食生活の提案ができるスペシャリストであることを証明する資格です。
この資格の特に3級は、仕事に使うというよりは自身の生活のための資格というものです。
3級に向いている人
3級は消費者の立場から食生活を見直すことを目的としています。
次のような目的の人に向いていると思います。
- 食知識の基礎を身に付けたい
- 家庭で活かせる知識を身につけたい
- 易しい試験からチャレンジしたい
- 短期間で試験勉強をしたい
2級に向いている人
2級は次のような目的の人に向いていると思います。
- 食知識の基礎から応用を身に付けたい
- 食ビジネスで活かせる知識を学びたい
- じっくり時間をかけて勉強したい
- 3級だけでは物足りなさを感じる
幅広く食について学ぶことが出来ます。
薬膳コーディネーターや、医療や福祉現場などの食品を提供する職業に就きたいという方は、食生活アドバイザーの2級があるといいです。
3級・2級の併願に向いている人
3級、2級併願は次のような人に向いていると思います。
- 食知識の基礎から応用を身に付けたい
- 幅広い場で活用できる知識を身に付けたい
- 難しい試験に挑戦したい
- 3級と2級をまとめて取得したい
おおよその年収とキャリアパス
3級は消費者の立場で使うことが多いので、収入にはなりません。
2級が役に立つ職種の年収をいくつか紹介します。
スーパー店チェッカー | 平均年収249万円
チェッカーは、スーパーのレジ端末で商品のバーコードをスキャンする仕事です。 |
調理師 | 平均年収約341万円 |
保育士 | 平均年収約363万円 |
福祉施設介護員 | 平均年収約346万円 |
ホームヘルパー | 平均年収約327万円 |
薬膳コーディネーター | 年収300万円~500万円 |
認可団体
食生活アドバイザー検定の主催団体は、一般社団法人FLAネットワーク協会です。
FLAはFood&Lifestyle Adviserの略です。
受験条件
受験に条件はありません。どなたでも受験することができます。
年齢制限もなく、中学生や高校生などでも受験することができます。
級も、3級を取得せずに2級を受験することができます。
また、3級と2級を併願して、同時に取得することもできます。
食生活アドバイザーに1級は、2022年8月時点ではありません。
合格率
2022年6月26日(日)に実施された、第47回試験の合格率は次の通りでした。
3級 | 59.8% |
2級 | 30.7% |
主催している団体が開催している、合格講座速習コースを受けた人の合格率は次の通りです。
3級 | 79.8% |
2級 | 67.3% |
1年当たりの試験実施回数
年に2回、試験が実施されています。
7月の第2日曜日と、11月の第4日曜日です。
試験科目
試験科目は、3級・2級共通です。
試験時間は、3級・2級どちらも90分です。
3級理論問題の出題形式は選択問題です。問題の選択肢は5個です。マークシート形式で50問です。
3級は基礎知識が問われます。
2級理論問題の出題形式は選択問題と記述式問題です。マークシート形式が42問と、記述式問題が13問あります。
2級では3級の基礎知識を応用した内容が出題されます。2級の選択肢は6個です。マークシート形式で42問です。
2級には記述式問題が13問あります。
3級の問い方は「正しいものを選びなさい」か「誤っているものを選びなさい」ですが、2級では「該当なし」という選択肢があります。
2級の該当なしが、試験を難しくしています。
選択問題の形式の試験では、わからない問題にも正解できる可能性がありますが、この該当なしがあることで消去法や勘が使いづらくなっています。
栄養と健康
栄養・病気予防・ダイエット・運動・休養など
「栄養と健康」では、栄養、運動、休養の観点から健康とは何かについて学習します。
ミネラルやタンパク質といった栄養素はどのようなもので、どのような働きをするか、適度な運動によって得られる効果、休養の種類と具体例などを学習します。
食文化と食習慣
行事食・旬・マナー・配膳・調理・献立など
「食文化と食習慣」では、日本伝統の行事および行事食、マナー、調理方法のような、食の演出について学習します。
行事名と行事食の組み合わせや、盛り付け方の工夫、箸の使い方などの様々なマナー、魚をおろすといった調理方法などです。
食品学
生鮮食品・加工食品・食品表示・食品添加物など
「食品学」では、食品の表示方法について学んで、安全を考えて安心して食品を選べるようになることを目指しています。
賞味期限と消費期限の違いであったり、生鮮食品の表示方法、アレルギー・遺伝子組み換えの表示対象となっている食品、食品添加物の種類などです。
また、アレルギーや遺伝子組み換えといった表示義務のある食品を具体的に把握したり、食品添加物の種類についても学習します。
衛生管理
食中毒・食品衛生・予防・食品化学・安全性など
「衛生管理」では、食中毒の種類と特徴、食中毒の予防方法、タンパク質の腐敗などの食品化学、主に食中毒について学習します。
食中毒の種類、特徴、予防方法は組合せ次第で出題の方法がいくらでもあります。
それぞれをしっかり結び付けた学習をしておきましょう。
食マーケット
流通・外食・中食・メニューメイキング・食品販売など
「食マーケット」では、流通や物流の形態や、現代の食生活の変化について学習していきます。
食をとりまくマーケットの変化や、流通・物流の専門用語、現代の食仕様などが出題されます。
社会生活
消費経済・生活環境・消費者問題・IT社会・関連法規など
「社会生活」では、経済・社会問題・法律・税金といった、社会についての理解を深めていきます。
社会生活は、他の科目と違って時事問題の要素が強い科目です。
採点方式と合格基準
3級は全てマーク式です。2級は記述式の問題があります。
2022年の第48回食生活アドバイザー検定試験の合格基準は、次の通りです。
3級:1問2点
100点満点中、60点以上で合格です。
2級:選択問題1問2点・記述問題1問3点
123点満点中、74点以上で合格です。
取得に必要な勉強などの費用
この資格は、独学で合格することが出来るといわれています。
3級は、食に関する基礎知識が中心なので、参考書を活用して勉強すれば合格が可能です。
参考書の費用を紹介させて頂きます。
3ステップで最短合格! 食生活アドバイザー検定3級 テキスト&模擬問題集[第4版]
出版社名:秀和システム
商品名:3ステップで最短合格!食生活アドバイザー検定3級 テキスト&模擬問題集[第4版]
価格:1650円
食生活アドバイザー公認講師をしている方が、合格するために必要な知識を解説する試験対策テキストであり、問題集でもあります。
基礎→要点チェック→演習問題のステップ方式で基礎から応用まで学べます。
3ステップで最短合格! 食生活アドバイザー®検定2級 テキスト&模擬問題[第4版]
出版社名:秀和システム
商品名:3ステップで最短合格! 食生活アドバイザー®検定2級 テキスト&模擬問題[第4版]
価格:1980円
基礎→要点チェック→演習問題は3級の参考書と同じですが、2級の記述問題対策問題が加わっています。
受験料
3級 | 5,000円 |
2級 | 7,500円 |
3級、2級併願 | 12,500円 |
受験申込方法
- 受験願書を請求
願書請求期間中に、ホームページから願書請求をします。願書の請求は、ホームページからしかできません。電話での請求はできません。 - 願書を受け取る
食生活アドバイザー検定事務局から、願書が送られてきます。 - 受験料の振り込み
専用の振込用紙に、必要事項を記入します。受験料は郵便局か、ゆうちょ銀行での振り込みです。 - 受験票の受け取り
検定日の6日前までに、受験票が送られてきます。受験会場地図も記載されています。 - 受験
各受験会場で受験します。 - 合否通知
合格者には、カードタイプの合格証が発行されます。
まとめ
食生活アドバイザーの3級は、消費者の立場から食生活を見直す目的です。
食知識の基礎や、家庭で活かせる知識を身に付けたい方にお勧めです。
2級は、食知識の基礎から応用を身に付けたい人や、食ビジネスで活かせる知識を学びたい方に向いています。
薬膳コーディネーターや、医療や福祉現場などの食品を提供する職業に就きたいという方にもお勧めです。
3級を取得せずに2級を受験することができます。
また、3級と2級を併願して同時に取ることもできます。
3級は消費者目線で食生活を見ていて、2級はビジネス寄りです。
2022年9月の時点では、食生活アドバイザーに1級はありません。試験は年に2回です。
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