今回は「世界遺産検定」についてお伝えします。
皆さんの中には、すでに受験した人もいるかもしれません。
この検定は、世界各国の世界遺産を学ぶことで幅広い知識と教養を身に付けられる試験として、大学生や社会人など幅広い層の受験者がいる人気の検定です。
この検定を勉強することで、世界遺産が所在する国や地域の歴史や文化の理解が深まります。
世界遺産や旅行、歴史が好きな人にぜひおすすめしたい検定です。
どうぞ、ご覧ください。
Contents
適用する仕事
2021年の調査によると、「世界遺産検定」の受験者層の多くは10代~20代で約7割を超えます。
その理由は学校の授業に導入されていることや、「進学や就職に有利になる」と考えている方が多くいるためです。
実際、公式サイトを見ると、世界遺産検定は全国240以上の大学や短期大学の入試で優遇措置を受けられるそうです。
歴史と地理を学ぶことのできる世界遺産は入試でも注目されています。
一方、就職面ではどうかというと、優遇はなくても企業によっては取得を推奨しているところもあります。
下記の業界が検定の取得に対して、強みになります。
例えば、お客様に最適な旅のプランを提案するツアー企画や旅行案内の業務の場面で、旅行プランの説明の際に、世界遺産の魅力をプラスして伝えると、説得力が増します。
また、お客様と現地に向かうツアーコンダクターやツアーガイドなどに就いたら、案内をしながら世界遺産検定の知識を披露することもできるでしょう。
もちろん旅行業界や観光業界は接客業なので、接客や接遇のスキルがないと向きませんし、知識ばかり先行するのも良くないです。
旅行プランも世界遺産だけではありません。
しかし、教養の分野でそのような知識を持っておいて、旅行や観光分野の本業の際にプラスαとして発揮できたら、場合によっては、お客様の反応も良くなり、自分自身のやりがいにもつながるでしょう。
一方、旅行業界や観光業界以外に勤めている人にとっては、趣味や教養を身に付けるための検定と思って良いでしょう。
しかし、世界遺産の地域に旅行に行く際は、検定を勉強しておいても良いでしょう。
この検定は40代~60代のミドルシニアの方にも、人気です。
その理由は「人生をより一層豊かにするきっかけにつながるから」だそうです。
世界遺産検定で学ぶのは、世界190ヶ国以上の地域です。
遺産から世界の歴史や多様性を知ると、知見の深まりはもちろん、興味が広がって他の趣味に派生することも考えられるでしょう。
そのように、あらゆる効果をもたらしてくれるのが「世界遺産検定」の良いところです。
おおよその年収とキャリアパス
前項目で挙げたように、「世界遺産検定」の知識が強みになるのは観光業界や旅行業界です。
世界遺産検定は4級・3級・2級・1級・マイスターの5つのレベルがありますが、就活では3級からアピールできます。
資格を取得している以上、履歴書に書くことができますし、実際に面接で「資格を有している」とアピールしても問題ありません。
面接で伝えるには資格取得までの過程を話すのが良いでしょう。
また、面接官とコミュニケーションをとることも大切ですから、会話を広げるためのきっかけにもなるでしょう。
「世界遺産検定」で活かせるキャリアパスはこれくらいですが、関連のある観光業界や旅行業界の年収を挙げておきます。
観光業界や旅行業界に属する職種といえば、旅行代理店が挙げられます。
旅行代理店とは、パッケージツアーや団体旅行などの旅行商品を企画・手配したり、旅行業者が企画したツアーを仲介して販売したりする会社のことです。
一般的に旅行会社のことです。
旅行代理店の職種としては、以下のものがあります。
職種 | 年収 |
カウンターセールス(個人のお客様へ商品を販売する) | 210万~270万円(正社員以外が多い) |
アウトセールス(団体旅行や修学旅行を担当する) | 400.8万円 |
企画・マーケティング(旅行商品を企画する) | 420万~460万円 |
ツアーコンダクター(ツアーへ添乗する) | 386万円 |
認可団体
世界遺産検定は「NPO法人世界遺産アカデミー」が主催しています。
2005年2月に設立されました。
所在地
〒100-0003
東京都千代田区一ツ橋1-1-1 パレスサイドビル9F
事業内容
- 世界遺産検定の主催や監修
- イベント事業の企画や運営
- 講師養成派遣事業
- 各種メディアの監修や協力
- 会員向けサービスの提供
受験条件
- 4級~2級はどなたでも受験できます。
- 1級は2級を認定している人か、2007年までの初級試験における「シルバー」認定者です。
- マイスターは1級を認定している人か、2008年までの中級試験における「プラチナ」認定者です。
合格率
2019年12月の第38回と、2020年2月の第39回を例に挙げます。
第39回の1級とマイスターは開催していません。
第38回
4級:78.4%
3級:76.5%
2級:41.1%
1級:20.1%
マイスター:44.8%
第39回
4級:94.0%
3級:79.3%
2級:61.2%
1級:0%(開催なし)
マイスター:0%(開催なし)
1年当たりの試験実施回数
4級~2級は年4回(2月、7月、9月、12月)行われます。
1級とマイスターは年2回のみの実施です。
試験科目
どの級も、基礎知識、日本の遺産、世界の自然遺産、世界の文化遺産の4分野から出題されます。
問題数や配点比率は、以下のとおりです。
級 | 内容 |
マイスター | 分野を横断した総合的な出題 |
1級 | 基礎知識25%、日本の遺産20%、世界の自然遺産+世界の文化遺産45%、その他10% |
2級 | 基礎知識20%、日本の遺産25%、世界の自然遺産10%、世界の文化遺産35%、その他10% |
3級 | 基礎知識25%、日本の遺産30%、世界の自然遺産10%、世界の文化遺産30%、その他5% |
4級 | 基礎知識13問、日本の遺産23問、世界の自然遺産+世界の文化遺産13問、その他1問 |
採点方式と合格基準
4級~1級は選択式のマークシート方式で出題されます。
マイスターは論術式です。
合格基準は以下のとおりです。
マイスター:20点満点中12点以上
1級:200点満点中140点以上
2級:100点満点中60点以上
3級:100点満点中60点以上
4級:100点満点中60点以上
取得に必要な勉強などの費用
公式サイトからテキストや問題集が販売されています。
4級テキスト
出版社名:マイナビ出版
商品名:はじめて学ぶ世界遺産50<第3版>
価格:¥1,100(税込)
3級テキスト
出版社名:マイナビ出版
商品名:きほんを学ぶ世界遺産100<第3版>
価格:¥1,595(税込)
2級テキスト
出版社名:マイナビ出版
商品名:くわしく学ぶ世界遺産300<第4版>
価格:¥2,200(税込)
3・4級問題集
出版社名:マイナビ出版
商品名:世界遺産検定公式過去問題集3・4級<2022年度版>
価格:¥1,430(税込)
1・2級問題集
出版社名:マイナビ出版
商品名:世界遺産検定公式過去問題集1・2級<2022年度版>
価格:¥1,760(税込)
受験料
受験方式は公開会場試験と、試験期間内にお好きな日時とテストセンター(全国約280ヶ所)が選び、パソコンを使って受験する「世界遺産検定CBT」があります。
受験方式によって、受験料が異なります。
実施級 | 受検料(公開会場試験) | 受検料(CBT試験) |
マイスター | 19,400円 | CBTでは実施なし |
1級 | 9,900円 | 10,900円 |
2級 | 5,900円 | 6,900円 |
3級 | 4,900円 | 5,900円 |
4級 | 3,500円 | 4,500円 |
2級・3級併願 | 10,300円 | CBTでは実施なし |
3級・4級併願 | 8,200円 | CBTでは実施なし |
受験申込方法
受験の申込方法はマイページをインターネットで作成することから、始めます。
すぐには受験をしない方も、まずはマイページを作成しましょう。
公式サイトの「申込方法/マイページはこちら」のボタンから作成できます。
受験級と日時が決まったら、マイページから受験を申し込みます。
受験料の支払方法は、クレジットカード決済か「コンビニ、銀行・ゆうちょ銀行ATM(Pay-easy)決済」かのどちらかです。
もし公開会場で受験する場合は、試験日の約10日前にマイページに受験票がアップされますので、自身で印刷して当日に試験会場に持参してください。
※CBT試験の場合は受験票は必要ありません。
まとめ
以上「世界遺産検定」についての検定内容をお伝えしました。
世界遺産検定は学生や就活に向けて受験するだけでなく、ミドルシニアの方にも人気のある検定です。
その理由は、検定では世界190ヶ国以上の地域を学ぶので、「人生をより一層豊かにするきっかけにつながるから」だそうです。
そうした生涯学習の観点からも始められるこの検定を、皆さんも受験してみてはいかがでしょうか。
観光や就職のためだけではなく、世界遺産や歴史が好きな人にぜひおすすめしたい検定です。
どうぞ、この記事をきっかけに世界遺産への扉を開いてみてくださいね!
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など