食品冷凍技士試験について

食品冷凍技士試験について

みなさんは手軽な冷凍食品はよく利用しますか?
冷凍食品は簡単で便利な生活に欠かせない存在ですよね。
そこで、今回は食品冷凍技士試験について触れていきたいと思います。

適用する仕事

食品冷凍技士は、すでに日常には欠かせないものとなった冷凍食品を製造する技術者のことです。
通常は学歴・資格は必須ではなく、冷凍食品を加工する製造会社に勤務して、食品の冷凍作業や加工を行います。

冷凍食品を製造するには、製品の取り扱いの種類によっては、魚介類などの下処理の時間がかかって、機械ではやりずらい加工方法も切り身・三枚おろし・むき身などが多いので手作業で行うことが多くなってきます。
ですので、作業員は女性がとても多く、パート・アルバイトが多い職場です。

冷凍食品を製造する会社の従業員

もちろん、食品冷凍技士の資格は取得しておくことをお勧めします。
日本冷凍空調学会の食品冷凍技士試験に合格すると、食品冷凍技士に認定されます。

冷凍食品の処理や低温加工技術・品質管理のようにさまざまな専門的知識・技術が必須なのはもちろんですが、それだけではなく食品化学や食品学の知識もちゃんと持っていることが大事です。
しかし、食品冷凍技士試験に合格できても、3年以内に登録の手続きをしなければ資格が無効となるので注意してください。

おおよその年収とキャリアパス

食品冷凍技士の資格のみだと就職は困難なため、年収の指標はないですが、大手冷凍食品メーカーに就職している場合は40歳で約550~650万円の年収になります。
中小企業では約450万円から550万円程度でしょう。

食品冷凍技士を持っている方は、冷凍食品の加工処理に関わるだけではなく、研究者になって技術開発をしたり、エンジニアとして普及指導をしたり、品質検査・管理技術者など多くの分野で活躍することができます。
食品冷凍技士の資格を持っていれば、昇進や昇格には有利になりやすいです。

認可団体

日本冷凍空調学会
認可団体は日本冷凍空調学会です。

受験条件

食品冷凍技士試験の受験条件は、実務経験も学歴も問われません。
ただし、食品冷凍技士試験に合格した後に技士として認定される時は、この後説明する1つ目または2つ目の実務経歴を満たすことが必要です。
それだけではなく、技士登録申請以前の3年以内に行われた指定された講習会を受講する、または指定された年次大会に参加することも必要です。

1つ目は、低温に関する食品の開発や研究、加工、教育、保管、製造、輸送流通業務と、これらの関連した業務の実務経験が通算で1年以上となる者であり、学校教育法における大学・大学院・短期大学もしくは高等専門学校で食品に関連する課程をおさめて卒業した者、またはこれらと同じくらいの学力がある者。

2つ目は、技士登録申請の日から計算して実務経験が通算で2年以上の者で、こちらは学歴を問いません。

合格率

平均的な合格率は約70パーセント程度です。

数字の70

1年当たりの試験実施回数

試験実施回数は年1回です。
毎年2月の中旬から下旬の日曜日に行われます。

試験科目

試験科目は4つあります。

  1. 食品冷凍の総論と物理
  2. 食品冷凍の化学
  3. 食品冷凍の品質管理
  4. 冷凍設備と解凍設備

採点方式と合格基準

採点方式は明らかになっていません。
合格基準は約60パーセント以上の点数で合格になります。

取得に必要な勉強などの費用

日本冷凍空調学会などが共催で行うオンデマンド講習会があります。
開催の趣旨は食品の安全で、おいしさを求める消費者の意識はますます高まってきています。

そして、巣ごもり生活によって冷凍食品の需要がとても増加している現代で、こちらの講習会は食品にかかわる人々を対象にした、改訂食品冷凍技術のテキストに基づいて、食品冷凍の理論・技術の基礎だけでなく応用もわかりやすく解説します。
こちらの講習会は食品冷凍技士試験の準備の講習会に当たるので、実務ですぐに役に立つ知識を得ることが目的となっています。

費用のイメージ図

オンデマンド受験準備講習会では、食品冷凍の化学食品冷凍の総論食品冷凍の物理冷凍設備と解凍設備食品冷凍の化学を行います。
合計時間は270分となっています。
オンデマンドなので配信期間内であれば、何回でも見ることができます。

そして、オンデマンド講習会では水産物の冷凍畜産物の冷凍農産物の冷凍食品冷凍の衛生学を行います。合計時間は240分です。
こちらは技士試験の合格の発表の後で、再度配信する形となっています。

参加費用は会員は税込25,000円で、非会員は税込30,000円です。
学会の学生会員は税込3,000円で、非会員学生は税込6,000円となっています。

申し込み方法は、セミナーは冷凍CPD会員登録者だけが受講できます。登録時にはお金はかかりません。
未登録の方は、ホームページから冷凍CPD会員登録した後に申し込んでください。
申し込みは日本冷凍空調学会CPDのサイトからとなります。

参加を申し込む前に、視聴環境確認のページで動画が再生出来るかを確認してください。
入金の確認ができた方は、公開日の前日までにEメールで視聴用URLを送ります。
入金の確認ができなかった方は視聴ができないので、注意してください。

オンデマンド講習会では禁止事項もあります。

禁止事項
  1. 受講を申請した方以外の第三者に視聴用URLを配布や拡散すること
  2. 第三者にオンデマンド講習会を視聴させること。例えば複数人で視聴するなど
  3. オンデマンド講習会を録音や録画またはその他の方法でメディアへ記録すること
  4. オンデマンド講習会の記事や画像、映像、音声を転用すること

請求書や領収書はウェブでダウンロードできます。

受験料

受験料は税込10,000円です。

10000円のイメージ図

受験申込方法

学会のホームページにある技士試験受験申請のページで申し込みをしてください。
必要事項を入力したら、指定された銀行郷座へ期日までに受験料の振り込みを行なってください。
振り込みを確認でき次第受験票が送られます。

申し込み先は東京にある日本冷凍空調学会、名古屋にある中部冷凍空調設備協会、大阪にある近畿冷凍空調工業会、福岡にある西日本冷凍空調工業会です。

締め切り期日は、受験料の入金のみ翌営業日の分までは受理できます。
領収書には受験者名と勤務先が記入されています。
また、社会の情勢の上それぞれの会場に定員の上限を設けているので、それぞれの受験地の申し込み先に問い合わせてください。

会員の登録料ですが、食品冷凍技士の場合は税込7,000円かかります。
会員でない合格者が技士の登録の申請をする場合には、学会に個人会員として入金することが必須です。

合格した後の技士登録として、いくつかの書類を提出してもらう必要があります。

提出書類
  1. 登録申請書で、こちらは必須です。
  2. 実務経歴書で、こちらも必須です。
  3. 入会申請書で、こちらは会員でない方のみ提出してください。
  4. 卒業証明書または卒業証書のコピーです。こちらは学歴の履修過程で実務経歴の年数が短くされている時のみ必要となります。

1つ目から3つ目は合格通知に記入用紙を同梱しています。
ただし、必要な経験年数を満たされていない場合で食品冷凍技士に合格した時は同梱されていないので、実務経験を満たしたときに事務局まで申請します。
そして、技士の登録申請の有効期限は合格発表の日から3年以内なので注意してください。

まとめ

冷凍食品の会社の従業員

食品冷凍技士の資格だけ持ってれば対応する企業に就職できるわけではないですが、知識は確実につくので面接などでのアピールポイントにはなりそうですよね。
冷凍食品を扱う企業に就職したい、もしくは就職しているけれどもっと知識を深めたいという方は受けてみてはどうでしょうか。

 

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