貸金業務取扱主任者について

貸金業務取扱主任者について

今回はお金に関する資格です。
貸金業を行う場合、業務を行う者50人につき1人以上は貸金業務取扱主任者の資格を持つ人が必要です。

適用する仕事

貸金業務取扱主任者は、信販会社や消費者金融を営んでいる貸金業を営む会社には必ずいなくてはなりません。

信販会社とは、販売信用を主な事業とする会社です。
販売信用は信用を供与した会員等の買物の代金を立て替えて支払うことです。
クレジットとも呼ばれています。

貸金業務取扱主任者が必要な業務には次のようなものがあります。

  • 消費者金融業者
  • 金融の貸借の媒介業者
  • 手形割引業者
  • 不動産を担保とする金融業者
  • 質屋
  • クレジットカード会社
  • 信販会社
  • 総合リース会社
  • その他流通業者等

貸金業務取扱主任者

おおよその年収とキャリアパス

貸金業務取扱主任者の平均年収は、350~800万円ほどと幅があります。
大卒初任給は280万円から300万円ほどです。

貸金業務取扱主任者の資格を取ると、次のようなことが出来るようになります。

  • 金融機関での審査担当に就けたり、消費者金融やクレジットカード会社、信販会社で審査業務を担当できるようになったりする
  • 債権回収会社での業務に就けたり、債権の回収を行う事業者になったりすることができる
    また、債権者と面談をして返済計画の立案であったり、資産の現金化などの必要な手助けをしたりする業務を担える

認可団体

内閣総理大臣が認定の国家資格です。

受験条件

受験するのに制限はありません。
学歴、年齢、性別、国籍のいずれも問われません。

試験当日は、顔写真付きの証明書で本人確認をします。本人確認ができない場合は受験ができません。
証明書として認められるものは、次の4種類です。

  • 運転免許証
  • 写真付き住民基本台帳カード
  • パスポート
  • 外国人登録証明書

免許証

合格率

2021年:合格率33.9%:10,533人受験:3,567人合格:合格点33点
2020年:合格率30.0%:10,003人受験:3,001人合格:合格点29点
2019年:合格率31.5%:9,958人受験:3,132人合格:合格点32点

試験実施が開始された2009年だけ4回の試験がありました。
その年の4回の合格率は、61.7から70.1%でした。
その次の年から合格率は下がり、近年では20%から30%を超えるくらいの合格率となっています。

1年当たりの試験実施回数

試験は1年に1回行われています。
願書の申し込み受付期間は、7月上旬から9月上旬です。
試験日は11月下旬の休日です。また、合格発表日は1月中旬頃です。

試験地は全国で17ヶ所あります。
札幌、仙台、千葉、東京、埼玉、横浜、高崎、名古屋、金沢、大阪、京都、神戸、広島、高松、福岡、熊本、沖縄
これらの中から希望の試験地を選択します。

試験科目

試験は、4肢択一の筆記試験です。マークシート方式です。問題数は50問です。
試験時間は2時間、13時から15時までです。

法及び関係法令に関すること

  • 貸金業法
  • 同施行令
  • 同施行規則
  • 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律
  • 利息制限法
  • 貸金業者向けの総合的な監督指針
  • 事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係13 指定信用情報機関関係)
  • 貸金業の業務運営に関する自主規制基本規則
  • 紛争解決等業務に関する規則や同細則
  • 貸付自粛対応に関する規則

貸付け及び貸付けに付随する取引に関する法令及び実務に関すること

民事法、民事手続法、倒産法、刑事法とあります。

民事法(民法・商法を中心とするその他の関連法令))

  • 民法
  • 商法
  • 会社法
  • 保険法
  • 手形法・小切手法
  • 電子記録債権法
  • 動産及び債権の譲渡の対抗要件に関する民法の特例等に関する法律
  • 電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律
  • 不正競争防止法

民事手続法(民事訴訟法、民事執行法及び民事保全法を中心とするその他の関連法令)

  • 民事訴訟法
  • 民事執行法
  • 民事保全法
  • 裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律
  • 民事調停法

倒産法(破産法、民事再生法を中心とするその他の関連法令)

  • 破産法
  • 民事再生法
  • 会社更生法
  • 特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律
  • 会社法

刑事法(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、及び犯罪による収益の移転防止に関する法律を中心とするその他の関連法令)

  • 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律
  • 犯罪による収益の移転防止に関する法律
  • 刑法
  • 不正アクセス行為の禁止等に関する法律

資金需要者等の保護に関すること

個人情報保護法、消費者保護法、経済法、貸金業法その他関係法令とあります。

個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律を中心とするその他の関連法令等)

  • 個人情報の保護に関する法律
  • 金融分野における個人情報保護に関するガイドライン(金融庁)

消費者保護法

  • 消費者契約法

経済法(不当景品類及び不当表示防止法を中心とするその他の関連法令等)

  • 不当景品類及び不当表示防止法
  • 「消費者信用の融資費用に関する不当な表示」の運用基準(消費者庁)

貸金業法その他関係法令

  • 貸金業法、同施行令、同施行規則
  • 貸金業者向けの総合的な監督指針(金融庁)
  • 事務ガイドライン(第三分冊:金融会社関係13指定信用情報機関関係)(金融庁)
  • 貸金業の業務運営に関する自主規制基本規則、紛争解決等業務に関する規則や同細則、貸付自粛対応に関する規則のうち、資金需要者等の利益の保護に関する部分

財務及び会計に関すること

家計診断、財務会計とあります。

家計診断

  • 家計収支の考え方(収支項目・可処分所得・貯蓄と負債)
  • 個人の所得と関係書類(申告所得・源泉徴収票等の関係書類)

財務会計

  • 企業会計の考え方(企業会計原則)
  • 財務諸表(損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書・その他)

採点方式と合格基準

4肢択一のマークシート方式です。採点は正誤判定になります。

50点満点の試験です。合格点は毎回違います。
2009年の第1回から2021年の第16回までの合格点は、27点から34点までで変化をしています。近年の合格点は以下の通りです。

2021年:33点
2020年:29点
2019年:32点

取得に必要な勉強などの費用

資格試験の対策ができる教材の価格を、何点か挙げさせて頂きます。

2022年度版 合格テキスト準拠 貸金業務取扱主任者 講義DVD

2022年度版 合格テキスト準拠 貸金業務取扱主任者 講義DVD
created by Rinker

出版社名:TAC出版
商品名:2022年度版 合格テキスト準拠 貸金業務取扱主任者 講義DVD
価格:¥16,500(税込)

独学での学習が不安な方が勉強しやすい参考書です。
講義が収録されいて、貸金業務取扱主任者 合格テキストに準拠したDVDです。
約3時間のDVDが4枚セットになっています。

見るには、DVD-Video対応プレイヤーが必要です。
パソコンでの再生は動作保証対象外です。

第8版 貸金業務取扱主任者 合格教本

第8版 貸金業務取扱主任者 合格教本
created by Rinker

出版社名:技術評論社
商品名:第8版 貸金業務取扱主任者 合格教本
価格:¥2,508(税込)

1章から4章まであります。
法律や貸金業について学習するのは初めてといった方にも、わかりやすく解説されています。
令和3年度の試験問題もついています。

受験料

受験料は8,500円です。これは法令で定められています。

受験申込方法

受験申込には、インターネット申込と郵送申込があります。
受験申込の締め切りは、試験日の3ヶ月近く前になります。前もって申込をしておくことをお勧めします。

インターネット申込

日本貸金業協会のホームページで申込みをします。

個人

受験希望者個人が単独で申し込む方法です。
クレジットカード決済コンビニ決済指定口座振込があります。

団体

団体が申込者全員分の手数料を一括して振込む方法です。
指定口座振込です。

郵送申込

受験申込書類である試験実施要領および受験申込書等を入手して、申込手続きを行います。

個人

受験希望者個人が単独で申し込む方法です。
銀行振込です。
受験手数料を振込み、振込用紙の控え(A 払込受付証明書)原本を受験申込書に添付します。
日本貸金業協会のホームページで個人申込(郵送申込)をします。

団体

所属する団体を経由する受験申込です。団体が申込者全員分の手数料を一括して振込む方法です。
こちらも銀行振込です。
※受験手数料振込後、振込用紙の控え(A 払込受付証明書)原本を受験申込者一覧の裏面に貼付します。

まとめ

貸付

貸金業務取扱主任者の資格についてでした。
貸金業務取扱主任者の資格を持つ人は、信販会社や消費者金融を営んでいる貸金業者には必要です。

受験に制限はなく、学歴だけでなく年齢も国籍も問われません。
ここのところ30%くらいの合格率の試験となっています。
貸金という言葉を見て、縁が遠いと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、クレジットの支払いなどもその一種になります。

 

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