MCTは「マイクロソフト認定トレーナー」の略称で、マイクロソフトが提供するMicrosoft Universityでエンジニアを育成するトレーニングを行うことができる認定資格制度です。
世界共通の民間資格だそうです。
じつはこの試験名になったのは2019年からだそうです。
そんな新しい試験のことをこれからたっぷりご紹介していきましょう。
Contents
適用する仕事
マイクロソフト認定トレーナー(MCT)は、Microsoftテクノロジーの技術および指導における最上級のエキスパートです。
じつは、以前はマイクロソフトオフィシャルトレーナー(MOT)試験として、その技能が生かされていたものの、廃止されて今の試験名になりました。
今回の資格である「マイクロソフト認定トレーナー」も世界共通の民間資格なだけに、パソコン教室での講師をはじめ、パソコンのインストラクターなどといった幅広い活躍と将来性が見込めます。
パソコン教室での勤務
この資格を持っていると、パソコン教室で講師になれたり、パソコンインストラクターになれたりとある程度の基準にはなります。
WordやExcelといったOA系は間違いなく使えるだろうとの目安がとれます。
また、試験もビデオ講義形式のcompTIAに受からない限り受け取れない資格なので、講義も経験があるだろうということが分かります。
しかし、パソコンインストラクターは授業以外でも重要なことはたくさんありますので、資格はあっても知識がなくては務まらないかもしれません。
会社が派遣しやすくなる
例えば講師を1人使いたい時に抜擢される可能性があります。
学校で授業を行うときに「全8回のコースを授業したいから1人講師を派遣してほしい」と依頼があったときに、採用されるのは知識がある人より資格がある人のケースが多いです。
これは資格を持っているという安心材料になるため、呼ばれるんです。
こうした場面でお仕事をされる場合は、良い資格だと思います。
おおよその年収とキャリアパス
マイクロソフト認定トレーナーの需要はパソコンインストラクターが多いです。
ですが、そんな権威ある資格を取得していても高額所得になるとは限りません。
年収の例
例えばパソコンインストラクターの場合は、給与や年収は産業全体の平均給与・年収とほぼ同じくらいです。
平均年収は300万円~400万円ではないでしょうか。
初任給は約18万円と、大卒新入社員の初任給の平均相場よりも少し低い金額です。
しかし、パソコン教室の教室責任者やエリアリーダーなどの管理職を目指せば給与・年収ともアップします。
これはパート・アルバイト・フリーの身分よりも確実に収入を上げるキャリアパスです。
中途採用の場合はこれまでにパソコンインストラクターとして、働いてきた実績や資格などがあれば支給額が増える可能性があります。
お給料アップのために、資格は持っておいた方が良さそうです。
また、まだ「マイクロソフト認定トレーナー」という語が誕生して日は浅いですが、この資格を生かせる求人は出てきています。
ある例を挙げますと、ヘルプデスクやテクニカルサポート、システム保守やプロジェクトサポートといった業務の求人です。
この企業は月給40万円を打ち出しており、入社1年で年収604万円の例まで紹介されています。
マイクロソフト認定トレーナーの将来性
Webブラウザやスマートフォン用OSなど一部の分野で苦戦しているものの、マイクロソフト社の生み出すソフトウェアはWindowsとOfficeの二枚看板を筆頭に全世界で広く利用されています。
それらのトレーナーですから、認められる意義は非常に大きく今後もその価値が損なわれることもないでしょう。
企業やIT関係の教室には、マイクロソフトのテクノロジーを学んでより効率良く仕事をはかどらせたいと思っている方たちがいます。
「マイクロソフト認定トレーナー」は講師として、マイクロソフトのソフトウェアについて知識があるだけでなく、優秀な教育者でもあります。
マイクロソフト社のソフトウェアは全世界で使われていますから、将来的にも役に立つと言って良いでしょう。
認可団体
マイクロソフト認定トレーナーの資格を輩出し、バックアップをしている団体と言えばやはり「マイクロソフト認定プログラム事務局」であり、マイクロソフト社だと思われます。
マイクロソフト社では、人間と組織の成果を高めるために専念しています。
日本マイクロソフトは1975年、マイクロソフトコーポレーションとして設立しました。
その後1986年に東京都千代田区にマイクロソフト株式会社を設立しました。
1993年本社を東京都渋谷区笹塚に移転した頃、Windows3.1(日本語版)を発売しました。
その後1995年にはWindows95(日本語版)、Office95(日本語版)を発売、1998年にはWindows98(日本語版)が発売され、Office搭載モデルPCが各PCメーカーから発売開始されました。
やがて、1999年には「マイクロソフト プロダクト ディベロップメント リミテッド」が設立されます。
時は21世紀に移りますが、Windowsの開発は目覚ましいです。
2000年にはWindows 2000 (日本語版) を発売、2001年にはWindows XP (日本語版) が発売されます。
本社は2004年に東京都渋谷区代々木に移転し、2011年には日本法人設立25周年を機に、社名を「日本マイクロソフト株式会社」に変更しました。
2010年代にも次々とPCの新発売が続き、2012年にWindows8を一般向けに世界同時発売しました。
そして、2015年からWindows10が販売されていますね。
2016年の資料ですが、今では「働きがいのある会社」ランキング1位(10年連続ベストカンパニー入り)に入っており、テレワーク勤務制度の導入やフレックスタイム制度の変更(コアタイムの廃止)といったワークスタイルの変革を遂げています。
受験条件
- ITテクノロジーやOfficeトレーナーとして就職・転職を希望する人
- PCユーザーサポート業務に携わる人
合格率
非公開
1年当たりの試験実施回数
随時
試験科目
試験ではなく、認定要件のスキルを満たせば認定されます。
- 対象となるマイクロソフト認定資格を取得し、現時点で保持している
- 指導スキルを有している
- 指導スキルの証明をマイクロソフトに提出する
- 現在のMCTプログラムガイドおよび契約に同意する
- MCT資格を取得するための申込書に記入して送信する
- 適用されるすべての料金を支払う
- 対象となるマイクロソフト認定資格を取得し、現時点でそれを保持している
- 1クラス以上のトレーニングを実施し、MTMによる受講者アンケート(アンケート配布・収集およびデータ解析ツールのオンライン型サービスを提供している会社のアンケート)結果を得ている
- MTMによる受講者アンケート結果のスコアが平均7以上
採点方式と合格基準
繰り返しますが、「マイクロソフト認定トレーナー」の資格を直接取得することはできません。
この資格の認定を受けるためには「指導スキルの実証」という条件があります。
これは「人を指導するために十分なスキルを持っているか」という証明の意味で
- 1年以上の指導経験があることを証明
- Microsoftが認めている資格を取る
このどちらかになります。
前者の1年以上のインストラクターとしての実務経験がある場合は、所属している組織の責任者に推薦状を書いてもらってマイクロソフト側に提出するだけで、満たすことができます。
この場合は特に勉強法などはいりません。
一方、後者の「Microsoftが認めている資格を取る」ですが、基本的にはインストラクターになるための資格なので、一般的な資格とは少し違っていたりもします。
一番取りやすいのは「CompTIA CTT+」という資格でしょう。
この資格は、インストラクターになるための知識や能力を測る資格となります。
この試験には2種類あり、両方合格することで資格認定が受けられます。
- 知識テスト(CBT):34,182円(税込)
- 実技テスト(PBT):37,292円(税込)
CBTはコンピューターを利用して、問題文を読んで回答を選択する「多肢選択型」のテストになります。
この試験では、CTT+用の書籍が販売されているはずです。
次の項目で紹介します。
ただし単なる暗記では対応できない試験だそうです。
そして、提出したビデオ内容が審査されて、合否が決定する方式です。この審査の中でチェックされる項目は、CompTIAによってあらかじめ公開されているため、事前に審査項目を把握したうえで講義内容を組み立てます。
その審査項目に沿って、その要素を20分の中ですべて講義の中に盛り込む必要があります。
取得に必要な勉強などの費用
マイクロソフト認定トレーナーはいろいろな条件を満たすことが必要となります。
インストラクターの経験があればそれを生かせますし、無い場合はまた違う資格を取らなければなりません。
インストラクターの実務経験が無い場合は、先ほどの項目で紹介したCBTとPBTの勉強法をお伝えしましょう。
CBTの場合
以下のテキストやe-learningを利用して勉強しましょう。
- 出版社名:ダイエックス出版 ウチダ人材開発センタ
- 書籍名:CTT+ completeテキスト
- 価格:¥4,070(税込)
インストラクター教育のスペシャリストが、日本の受験者向けに独自に開発したオリジナルテキストです。
※2008年の出版となっております。
PBTの場合
勉強法の一例としましては
- 経験・研修講師養成講座の受講
- 収録のためのシナリオ作成、フォームCの作成と事前準備
先ほど審査の仕方についてお伝えしましたが、20分という短い時間の中で審査項目の要素をすべて盛り込んで、講義を組み立てなければなりません。
そして、講義の組み立てができたら本番前に事前にリハーサルしましょう。
この際、できるかぎり第三者に見てもらうことをおすすめします。
いくら講義がしっかりできていたとしても撮影に失敗してしまえば審査に影響を及ぼしてしまいます。
カメラテストもしっかりと行なってアングルや音量、画質もチェックしながら臨みましょう。
受験料
選択内容により異なりますが、トレーニング認定を更新するためにはオンライン申請を行なって年会費を支払い、プログラムの要件を満たす必要があります。
- 新規:101,315円
- 更新:81,052円
※更新期限(契約応当日)の90日前からMCTメンバーシップを更新することができます。
受験申込方法
受験申込や問い合わせは、マイクロソフト認定プログラム事務局へ連絡してみてください。
まとめ
ここまで新しいITの資格試験である「マイクロソフト認定トレーナー(MCT)」を見てきました。
本音を言ってしまえば、手間も料金も掛かる資格だと私は思いました。
しかし、パソコンのインストラクターに必要な要素が詰まった資格ともいえます。
将来、パソコンの講師になりたい方は持っていて損はないでしょう。
また、MOSなどの他のマイクロソフト関連の資格を持っている方にとっては、スキルアップを目指すのに最適な資格かもしれません。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。