こちらの情報系の検定は、コンピュータのハードウェアやソフトウェアに関する知識、ビジネスにおける実務的表計算ソフトウェアの活用やデータベースソフトウェアの活用、それにプログラミングに関する技能をはかる検定です。
この資格の正式名称は「全国商業高等学校協会主催 情報処理検定試験」ですが、受験制限はないので一般の方も申し込めます。
この検定はITパスポートや基本情報技術者試験の登竜門として位置付けられています。
そうした上位資格への足掛かりにもなる検定を今回みていきます。
Contents
適用する仕事
適用する仕事は一般企業から情報処理・システム開発関連企業まで幅広く役に立ちます。
特にこちらの資格の2級や3級は比較的簡単であるため、理系・文系問わずあらゆる職業に適しています。
- 企業のホワイトカラー
- 大学職員
- ソフト開発エンジニア
- ITエンジニア
現代社会においては、多くの企業にコンピュータが導入されています。
情報化によりさまざまな場所でITスキルが必要になったので、職業に関わらず情報処理検定の知識を身に付けておいて損はないでしょう。
なかでも表計算ソフトを使う機会の多い事務員の方には、こちらの検定はおすすめです。
こちらの検定はさまざまなアプリケーションソフトを利用して、情報の収集・分析・活用・報告を行いながら、情報活用能力を身に付けるのが特徴です。
ビジネスソフトとして多く利用されている表計算ソフトウェアやデータベースソフトウェアに関する知識や技術を学習しますので、例えば従業員リストや顧客リスト、入出金管理、伝票整理、従業員の給与管理や売上表などを作成する事務員の方には、この検定が役に立つでしょう。
この検定は3級・2級・1級とレベルが分けられています。
1級レベルになると、かなり高難易度になってくるため、ソフトウェア開発エンジニアの方にも適用できます。
また、この検定の特徴として、プログラミングの基礎も習得できるので、プログラマーにとっても役立つでしょう。
おおよその年収とキャリアパス
「全国商業高等学校協会主催 情報処理検定試験」は、学生を対象としています。
学生向けといっても就職でも役立てることができます。
前項目の【適用する仕事】で具体的な仕事例を挙げさせてもらいました。
情報処理検定を取得する人は、ITや情報処理系の企業への就職を目指す人が多いようです。
一般事務の平均年収は全年代を通してですと、494万円です。
(ただし300万~350万円の層が一番多い)
1級の知識に相当するプログラマーやシステムエンジニアになってくると、年収は初年度で400万~700万円ほどだといわれています。
情報系の資格はいろいろありますが、こちらの資格はIT系の国家資格である情報処理技術者試験の登竜門に位置付けられていたり、その他の上位のIT系資格への基盤となっていたりする検定です。
具体的には以下の資格がおすすめです。
ITパスポート | 情報処理技術者試験の中でも最も簡単な試験 |
基本情報技術者試験 | ITパスポートの次に難しい試験で、エンジニアになるなら確実に持っておきたい資格 |
応用情報技術者試験 | 基本情報技術者試験の1ランク上の試験 |
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト) | ビジネスで使う表計算ソフトのスキルを身に付けたい向けの資格 |
ですので、仕事でステップアップを考えるなら「情報処理検定(公益財団法人全国商業高等学校協会)」で満足せず、さらに上位資格を目指しましょう。
認可団体
情報処理検定(公益財団法人全国商業高等学校協会)は検定名にもある「公益財団法人全国商業高等学校協会」で運営・管理しています。
昭和31年10月19日に、主務官庁である文部省(現・文部科学省)の許可を得て設立されました。
そして、平成23年4月1日に「財団法人全国商業高等学校協会」から「公益財団法人全国商業高等学校協会」へ移行しました。
「情報処理検定」は昭和51年から試験を実施しています。
所在地
〒160-0015
東京都新宿区大京町26
電話:03-3357-7911
FAX:03-3341-1039
主な事業
- 商業教育に関する調査・研究事業
- 教員の資質向上に関する事業
- 生徒奨励に関する事業
- 商業に関する各種の検定事業
- 商業教育の振興に関する助成事業
など
受験条件
特に制限はありません。
合格率
令和3年度の合格率を掲載します。
令和3年(第66回)
3級:73.9%
2級(ビジネス情報部門):59.3%
2級(プログラミング部門):58.4%
1級(ビジネス情報部門):19.0%
1級(プログラミング部門):38.7%
令和3年(第65回)
3級:75.9%
2級(ビジネス情報部門):46.8%
2級(プログラミング部門):62.2%
1級(ビジネス情報部門):32.1%
1級(プログラミング部門):35.9%
1年当たりの試験実施回数
年2回です。
毎年9月と翌年1月に実施されます。
試験科目
試験には筆記だけでなく、実技を伴うものもあります。
3級
筆記と実技があります
筆記 |
|
実技 | 表計算ソフトウェアを利用した実務的な表やグラフの作成 |
2級ビジネス情報部門
筆記と実技があります
筆記 |
|
実技 | 提供されたデータを開いて、入力が途中まで済んでいるExcelブックにデータを追加入力して、計算式や関数、書式などを設定して表やグラフを完成させる |
2級プログラミング部門
筆記のみ
- ハードウェア・ソフトウェアに関する知識
- 通信ネットワークに関する知識
- 情報モラルとセキュリティに関する知識
- 関連知識
- アルゴリズム
- プログラム言語
1級ビジネス情報部門
筆記のみ
- ハードウェア・ソフトウェアに関する知識
- 通信ネットワークに関する知識
- 情報モラルとセキュリティに関する知識
- 関連知識
- 表計算ソフトウェアの活用
- データベースソフトウェアの活用
1級プログラミング部門
筆記のみ
- ハードウェア・ソフトウェアに関する知識
- 通信ネットワークに関する知識
- 情報モラルとセキュリティに関する知識
- 関連知識
- アルゴリズム
- プログラム言語
採点方式と合格基準
各級とも、100点満点中70点以上で合格です。
取得に必要な勉強などの費用
市販でテキストが販売されていますので、それを使って学習しましょう。
また、検定の公式サイトには過去問が公開されているので、出題傾向を把握しておきましょう。
過去問は無料です。
学習と検定 全商情報処理検定テキスト3級
出版社名:実教出版
商品名:学習と検定 全商情報処理検定テキスト3級
価格:¥880(税込)
2022年9月第67回以降の新検定基準対応版です。
令和4年度版 全商情報処理検定模擬試験問題集3級
出版社名:実教出版
商品名:令和4年度版 全商情報処理検定模擬試験問題集3級
価格:¥700(税込)
全商情報処理検定試験の規則・基準に即した模擬試験問題集です。
受験料
1級 各部門1,800円
2級 各部門1,500円
3級 1,300円
1人で複数の級、または同一級での2つの部門を受験できます。
受験申込方法
まず、高校生は原則として、在籍校で受験票により申し込めます。
次に、一般の方ですが、指定された最寄りの試験場校で、受験申込書(写真を貼付)により申し込めます。
在籍校が試験場校ではないなどの事情による高校生の方も、一般の方と同じような申し込み方で受験できます。
まとめ
情報系の資格はたくさんありますよね。
今回は「全国商業高等学校協会主催 情報処理検定試験」という資格を取り上げました。
こちらの資格は表計算やプログラミングを学べる検定で、一般事務はもちろん、プログラマーやソフトウェアエンジニアなどの仕事にも活かせる内容となっています。
また、さらに上位の資格を目指すきっかけにもなる検定です。
こちらは学生を対象としている検定ですが、一般の方でも受験が可能です。
学生の方はもちろん、ご興味のある方は受験を検討してみてはいかがでしょうか。
実教出版ではテキストや問題集が販売されていますから、ぜひ活用してみてくださいね!
関連する記事はこちら
情報処理技能検定試験について