情報システム試験について

情報システム試験について

情報システム試験は、主にプログラムやシステムエンジニアなどで使われる情報システムを作るための能力を評価する試験です。
情報システム試験の大本になっているのは情報検定(J検)です。

J検は「情報」を扱う人材に必要とされるICT能力を客観的に基準で評価するための検定試験です。
J検のなかには情報システム試験の他に、「情報活用試験」と「情報デザイン試験」も含まれていて、受験者は3分野の中から選んで受験します。

公式サイトによると、情報システム試験の実施時期が他の国家資格と連動していることから、国家資格を取得するための「登竜門」として活用できる試験だともいわれています。
こちらの情報系資格では、どんなことが学べるのかをご紹介していきましょう。

適用する仕事

情報システム試験は、ソフトウェアの開発プログラマーシステム開発技術者を目指す人におすすめな検定です。

ソフトウェアの開発の仕事

ソフトウェア開発は、業務や日常で利用するシステムアプリと呼ばれるソフトウェアを開発する仕事です。

仕事内容としては、まず発注元クライアントの要望からソフトウェア開発に要件を洗い出し、実際のプログラムとしてどのように実装するかを決定します。(設計工程)
そして、設計工程で決めた内容を実際にプログラムとして実装します。
設計書通りに動くことを確認していきます。
実装がうまくいけば、不具合対応はもちろん、定期的なアップデートや機能追加などを行う「運用工程」に移ります。

このように、数々の工程を経てシステムやアプリができ上がっていくのです。

ソフトウェア開発

プログラマの仕事

プログラマとは、コンピュータを動かす「プログラム言語」を用いてさまざまなシステムやソフトウェアを作るためのプログラミングを行うのが仕事です。

プログラミングとは「このボタンを押すとこの画面が表示される」といった命令文を書いていく作業のことです。
コンピュータが正確に理解できるように、わかりやすいコードをミスなく書いていきます。

また、バグを見つけるのも仕事の1つです。
仕様書どおりにプログラムを組んでもうまく作動しない場合は、システムエンジニアと連携して仕様を修正していきます。

システム開発技術者の仕事

システム開発とは、企業や自治体などが抱える課題を解決したり、効率化を図ることができるように仕組みを作ることです。
開発するシステムにはさまざまな種類があるものの、共通していることは業務における課題解決効率化です。

システム開発に携わる主な技術者というのは、上記で挙げたようにシステムエンジニアやプログラマを指します。
また、プロジェクトマネージャなど、経験豊富な立場の方がシステムの開発や運用に携わる場合もあります。

その他の仕事内容は、上記の【ソフトウェアの開発の仕事】と重複しますので、ここでは省きます。

おおよその年収とキャリアパス

情報システム試験の大本になっているのは情報検定(J検)ですので、情報システム試験の資格を持っていると、就職の採用時や昇給のときに、評価の基準になることがあります。

前項目の【適用する仕事】でシステムエンジニアやプログラマを紹介しました。
ここでもその2つの職業についてみていきます。

キャリアプラン

システムエンジニア

システムエンジニアの平均年収は500~600万円です。
システムエンジニアのキャリアパスは、今後需要が高まる職種へ転職(データサイエンティスト、IoTエンジニア、AIエンジニア、セキュリティエンジニア、インフラエンジニアITコンサルタントなど)したり、ITのスペシャリストとして活躍したりといった道が考えられます。

また、フリーランスとして独立する道もあります。
エンジニアとしての高いレベルの技術力のほかに、自己管理能力や自己営業力に自信がある人は独立もあり得るでしょう。

プログラマ

プログラマの平均年収は400万円台です。

一般的なプログラマのキャリアパスとしては、1~3年目はテスト工程や運用・保守工程、開発工程のプロジェクトに割り振られることが多いです。
いずれも先輩のアシスタントとして、少しずつスキルや経験を積んでいきます。

やがて3~5年目になると、1人前に開発工程がこなせるようになってきますから、小規模チームのリーダーやサブリーダーなどを通じてマネジメント面の経験を積んでいくことになるでしょう。
設計工程を担当することも増えていきます。

そして、5~10年目になると、システムエンジニアに職種が変わっている場合もあります。
システムエンジニアとしてシステム開発工程のすべてを任されるようになり、人によってはプロジェクトマネジャーのアシスタントやプロジェクトリーダーなどのポジションで、メンバーやプロジェクトのマネジメントを担うようになります。

一方、キャリアチェンジの道としては、データベースエンジニアインフラエンジニアなどが挙げられます。

認可団体

職業教育・キャリア教育財団

情報システム試験、いわゆる情報検定(J検)を主催している団体は「一般財団法人 職業教育・キャリア教育財団 検定試験センター」というところです。

〒102-0073
東京都千代田区九段北4-2-25 私学会館別館11階

電話:03-5275-6336
FAX:03-5275-6969
e-mailアドレス:jksc@sgec.or.jp

受験条件

受験条件は特にありません。
小学生以下の方は試験の当日に保護者の同伴が必要ですが、その他の方は誰でも受験することができます。

合格率

情報システム試験には、基本スキル、プログラミングスキル、システムデザインスキルの3つがあります。

2022年2月 2021年
基本スキル 31.7% 41.3%
プログラミングスキル 48.1% 47.2%
システムデザインスキル 29.9% 53.9%

1年当たりの試験実施回数

CBT方式をとっていますので、どのレベルでも通年実施しています。
ただし、団体受験は日程が組まれています。

試験科目

それぞれのレベルに沿ってお伝えします。

基本スキル

  • プロジェクトマネジメント
  • 情報表現
  • データ構造、集合と論理
  • CPUアーキテクチャ、補助記憶装置
  • システム構成、ソフトウェア

プログラミングスキル

  • データ構造とアルゴリズム
  • 擬似言語
  • プログラミング技術または表計算ソフトを利用した問題解決

システムデザインスキル

  • 経営戦略とシステム戦略
  • システム開発
  • ネットワーク技術
  • データベース技術
  • セキュリティと標準化

採点方式と合格基準

採点方式はCBT方式です。
合格基準はどのレベルとも、100点満点中65点以上で合格です。

数字の65

取得に必要な勉強などの費用

【認可団体】から公式テキストが販売されています。
あとは公式サイトから過去問をダウンロードできますので、活用しましょう。

J検情報システム 完全対策公式テキスト
created by Rinker

出版社名:日本能率協会マネジメントセンター
商品名:改訂2版 J検情報システム 完全対策公式テキスト
価格:¥2,860(税込)

情報システム試験の「基本」「プログラミング」「システムデザイン」の全部を学べる1冊です。
講義→確認問題→過去問題の構成になっています。

受験料

基本スキル:3,500円
プログラミングスキル:3,000円
システムデザインスキル:3,000円

また、会場施設料として700円(税込)が別途に必要なので、忘れずに用意しましょう。

受験申込方法

公式サイトの「受験のお申し込み」から申し込むことができます。
個人で受験を申し込む場合はCBT方式をとっています。
こちらの申込方法は「MASTERCBT PLUS」の受験受付・決済サービスを使用していますので、申し込む前に確認しましょう。

試験実施回数は通年と表記しましたが、申し込む時期は試験実施日の3週間前までです。

まとめ

ITエンジニア

今回は情報検定(J検)の1つである「情報システム試験」を取り上げました。
こちらの検定はソフトウェアの開発やプログラマー、システム開発技術者を目指す人におすすめな検定です。
試験のレベルも基本スキル、プログラミングスキル、システムデザインスキルと3つありますので、ご自身の目的に沿って選んで受験しましょう。

また、こちらの検定は国家資格を取得するための「登竜門」としても活用できます。
例えば「基本情報技術者試験」の受験を目指すことも可能です。
進学や就職のためだけでなく、さらなる検定試験に向けて挑戦するための足掛かりにしても良いでしょう。

ぜひ、こちらの検定をきっかけに仕事やステップアップへと役立ててみて下さいね!

 

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