HTML5プロフェッショナル認定試験について

HTML5プロフェッショナル認定試験について

HTML5プロフェッショナル認定試験とは、HTML(Hyper Text Markup Language)バージョン5に関連する、Webコンテンツやアプリ開発などの領域の知識を問われる試験です。
名前に反してHTML5だけでなく、CSSやJavascriptなど複数の知識が求められる実践的な試験となっています。
どのような内容なのか見ていきましょう。

適用する仕事

HTML5プロフェッショナル認定試験はその勉強過程で、WebデザイナーコーダーWebエンジニアとして活躍するための技術を習得することができ、得られたスキル・知識の証明にもなります。
Web業界に就職・転職したい方は特に取得がオススメされる資格試験です。

デスクワークする女性

Webデザイナー
文字通り、Webサイトなどのデザインを行う仕事です。
見た目の美しさと操作性を考慮したUI(ユーザーインターフェース)設計、色合いや装飾・アイコンなどの配置決定を行い、HTML・CSS・JavaScriptなどでコーディングを施します。
HTML5とCSSの知識は最低限必要で、スキルが高ければ高いほど重宝されやすいです。
コーダー
コーダーはWebデザイナーが作成した原案に沿ってコーディング(コードの書き込み)を行い、クライアントがイメージするWebサイトを作る仕事です。
期日に合わせて素早く正確にコードを書くスピードと、他の人がコードを変更することも考慮したシンプルな構成のコーディング技術も必要です。
もちろん基本言語であるHTML5やCSSのスキルは必須です。
Webエンジニア
フロントエンドエンジニアと呼ばれ、ユーザーが触れる部分の設計・構築を行います。
デザイナーの作成したものに沿ってコーディングを行うのはコーダーと近いですが、エンジニアはJavaScriptも駆使してUIの完成までを担います。
HTML・CSS・JavaScriptの複数を的確に使用する、高い技術が要求される職です。

おおよその年収とキャリアパス

HTML5プロフェッショナル認定試験関連の職種は、年収が300~500万円と少々高めです。
実力と経験がものをいうため一概には言えませんが、20代で300万から始まり、徐々にキャリアアップしていくという流れが多くみられます。

当然、知識・実力・経験があれば活躍の幅は広く深く、収入アップも期待できます。
継続してキャリアを積み重ね、実力を身につけることがキャリアアップの早道になるでしょう。

認可団体

LPI-Japanロゴ

HTML5プロフェッショナル認定試験は、NPO法人「LPI-Japan」が認定しています。
これ以外にもIT資格試験を複数取り扱っており、ITプロフェッショナル育成やオープンテクノロジー関連のビジネス促進を掲げている団体です。

LPI-Japanが認定する資格試験
  • Linux技術者認定資格 LinuC
  • OSS-DB技術者認定試験
  • Apache CloudStack技術者認定試験
  • OPCEL認定試験

受験条件

受験に際して学歴・職歴は特に問われませんが、Web上でEDUCO-IDを取得する必要があります。
e-mailアドレスや個人情報の登録があるため、心配な方は問い合わせるといいでしょう。

合格率

試験にはレベル1・レベル2がありますが、合格率は両方とも非公開です。

ですが、レベル1はそこまで難しくないとされ、合格者の勉強時間は計40~100時間程度です。
1日2時間勉強するとして、期間は1~3ヶ月程度でしょう。

一方でレベル2になると、合格には360時間以上の勉強が必要と言われています。
1日2時間勉強しても半年以上かかることは覚悟しましょう。
勉強時間の長さだけを見ても、レベル2はかなりの難易度だと想定できます。

1年あたりの試験実施回数

スケジュール帳とボールペン

試験は随時実施されているため、都合にあわせた日程で受験することができます。
ただし、受験会場の全国各地の試験センターの空き状況、オンライン受験の予約の空き状況によって左右されるため、申し込みの際に確認しましょう。

また、再受験は1回目の受験日の翌日から起算して5日後以降に可能となります。

試験科目

試験にはレベル1とレベル2があり、内容も異なります。

レベル1

レベル1は次の5つの分野からの出題です。

  • Webの基礎知識
    HTTP・HTTPSプロトコル、HTMLの書式 など
  • CSS
    スタイルシート、CSSデザイン、カスケード
  • 要素
    HTML要素と属性、メディア要素、インタラクティブ要素
  • レスポンシブWebデザイン
    マルチデバイス対応のページ作成、最適化 など
  • APIの基礎知識
    マルチメディア・グラフィックス系APIの概要 など

レベル2

レベル2は幅広く9分野からの出題です。

  • JavaScript
    JavaScriptの文法・構文・変数・グローバル関数 など
  • WebブラウザにおけるJavaScript API
    イベント、DOM、ウィンドウオブジェクト など
  • グラフィック・アニメーション
    Canvas、SVG、高速描画処理・処理落ち防止の知識 など
  • マルチメディア
    メディア要素のAPI(知識、コードリーディング問題)
  • ストレージ
    Web Storage、Indexed Database API、File API など
  • 通信
    WebSocket、XMLHttpRequest、Server-Sent Events
  • デバイスアクセス
    Geolocation API、DeviceOrientetion Event
  • パフォーマンスとオフライン
    Web Workers、High Resolution Time など
  • セキュリティモデル
    クロスオリジン制約とCORS、セキュリティモデルとSSLの関係

採点方式と合格基準

レベル1・レベル2ともに、単一選択・複数選択・記述式の問題が出題されます。
両レベルともに制限時間は90分ですが、最後にアンケート・秘密保持契約で10分を要するので実際の試験時間は80分のつもりで挑みましょう。

合格基準はいずれのレベルも正解率70%以上となっています。
問題数はレベル1が60問、レベル2が40~45問です。

取得に必要な勉強などの費用

HTML5プロフェッショナル認定試験の知識を得て、問題傾向を知るためには参考書を使った勉強方法が効率的です。
ただし、初めてHTML5などに触れる方は入門本などで基礎から勉強する必要も出てきます。

よって、それらの書籍の購入が勉強のための費用となるでしょう。
加えて講座などを受講する場合は、受講費が2~10万円ほど追加でかかると思っておいたほうがいいかもしれません。

ここでは比較的評価の高い同社出版の2冊と、HTML・CSS入門の1冊を紹介します。

HTML教科書 HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル1 スピードマスター問題集 Ver2.0対応

HTML教科書 HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル1 スピードマスター問題集 Ver2.0対応
created by Rinker
  • 出版社:株式会社富士通ラーニングメディア
  • 商品名:HTML教科書 HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル1 スピードマスター問題集 Ver2.0対応
  • 価 格:¥3,080(税込)

一問一答形式で、出題と解説が交互にあるためテンポよく勉強できます。
練習問題・模擬試験も収録されているため、本番の予行演習もバッチリです。
ただし、誤字が多いため書籍公式サイトで確認しながら学習を進めましょう。

HTML教科書 HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2 スピードマスター問題集 Ver2.0対応

HTML教科書 HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2 スピードマスター問題集 Ver2.0対応
created by Rinker
  • 出版社:株式会社富士通ラーニングメディア
  • 商品名:HTML教科書 HTML5プロフェッショナル認定試験 レベル2 スピードマスター問題集 Ver2.0対応
  • 価 格:¥3,740(税込)

レベル1の参考書と同じく、これ1冊でも合格が狙えます。
練習問題・模擬試験とも本番で出題されるものと同レベルで実践的な内容です。

スラスラわかるHTML&CSSのきほん 第2版

スラスラわかるHTML&CSSのきほん 第2版
created by Rinker
  • 出版社:SBクリエイティブ
  • 商品名:スラスラわかるHTML&CSSのきほん 第2版
  • 価 格:¥2,178(税込)

サイト作りを通してHTML・CSSの基礎を知ることが出来る入門書です。
テンプレートを真似ながら、枠組みからホームページを作る方法を学べます。
非常にやさしい内容ですが、あくまで1から勉強するための1冊です。
これ1冊では認定試験合格には遠く及ばないので注意しましょう。

受験料

レベル1・2とも、受験料は¥16,500(税込)です。
資格試験全体で見ると少々高めですから、しっかりと準備をしてから挑みたいですね。

受験申込方法

受験の申し込みはインターネットから行えます。
ここでは個人での申し込み方法を記載しています。

  1. EDUCO-IDを取得する
    初めての方はEDUCO-IDというIDを新規取得する必要があります。
    氏名・住所・メールアドレスなどの入力が要求されるので、誤りなく入力しましょう。
    なお、EDUCO(一般法人団体エデュコ)はLPI-Japanの運営と知財管理を行っている団体です。
  2. 受験場所の選択
    全国の試験センターでの受験か、自宅や職場でのオンライン受験(OnVUE受験)を選択できます。
    試験センターの空き状況によって受けられない日時もあるため要注意です。
    また、オンライン受験の場合も要求スペックがあるため事前チェックをしましょう。
  3. 受験チケット購入と試験予約
    受験チケットの購入と試験予約は、別々でも同時でも行えます。
    受験チケットは、クレジットカード・コンビニ決済・口座振込の3つから決済手段を選んで購入します。
    試験予約を別で行う場合は、チケット購入後1年以内で設定しましょう。

まとめ

HTML5プロフェッショナル認定試験の資格取得は、Webデザインに関わるスキルを高めることにも繋がります。
もちろん、資格の習得はスキルの証明にもなるため、就職・転職で有利に働くでしょう。

Webデザインの需要は今後も衰えることがないとされ、フリーでの活躍も狙える仕事といえます。

しかしながら当然難易度は高く、習得にも時間がかかる分野です。
地道に基礎から身につけて、時間をかけてでも確実に習得していくことが何よりの近道ですよ。