診療放射線技師と聞くとレントゲンを撮る仕事かと思いますよね。
実は他にも様々なことを行なっているのです。
そこで、今回は診療放射線技師試験について触れていこうと思います。
Contents
適用する仕事
診療放射線技師の具体的な仕事内容は種類が多いです。1つずつ見ていきましょう。
画像診断の検査
1つ目は画像診断の検査です。
画像診断もさまざまあります。
X線検査は体内を通り抜ける性質のあるX線を利用して、患部を画像として見れるようにする検査です。
心臓・肺・骨・胸の検査に使います。
患部を見逃すことの無いように、正確な撮影位置を決定するのも作業のひとつです。
CT検査はX線を使用して体を輪切りのようにした映像や、内臓を立体的に撮影する検査となります。
胸部・腹部・頭部などの全身の検査で使われており、コンピューターの解析によって細かな情報を見ることができます。
MRI検査は放射線を使わずに、強い磁石と電磁波を使い体の隅々の断面を撮影して、体の状態を確認する検査です。
脳・血管などの部位の検査に頻繁に使用されます。
患者さんは巨大な筒のような装置に横になって行うので、患者さんが不安を抱かないようにすることも大事です。
超音波検査は、放射線は使わないで、人間には聞こえない超音波で体に当てて反射してくるエコーにより体の状況を確認する検査です。
肝臓・腎臓の腹部にある臓器や心臓・血管の検査に使用されます。
核医学検査
2つ目は核医学検査です。
調べる臓器や病気に集合する性質を有する放射線の医薬品を使って、体から出る放射線で臓器の位置・形態・大きさなどを調べる検査です。
血液が流れる量を確認できます。
放射線治療
3つ目は放射線治療です。
高いエネルギーの放射線を癌のような悪性の腫瘍に照射して、体を傷つけず治療を行います。
何度も行なって治療を進めるので、同じ患者さんと何度も顔を合わせることが多くなります。
患者さんを励ますような対応をするのも必要です。
医用画像処理
4つ目は医用画像処理です。
いろいろな画像処理技術を使って、撮影した画像を処理して医者が治療・診断を行いやすいように、患部がよく見えるようにする、また内臓と骨を分けて見やすいようにしたりもします。
放射線管理
5つ目は放射線管理です。
自然にもある放射線は、ある量を超えると体に影響を及ぼすようになります。
画像診断検査などで、診断ができる箇所で必要最低限の放射線量に抑えて、放射線から来る障害・事故を防ぐため安全管理をします。
おおよその年収とキャリアパス
年収は勤務している施設の規模や年齢によって変わってきます。
政府から公表されている統計データを見ると、38歳の場合には平均年収は5,129,900円となっています。
38歳というのは勤続年数が約10年となっており、経験や十分な知識が得られた年です。
その中には管理職に就いている人もいます。
そして、施設の規模が大きければ大きいほど収入も高くなっていることがあります。
20代の時は男女とも約350万円から約400万円が平均年収になります。
勤務している先の規模・年齢のほかに年収に影響を及ぼす要素は性別です。
ですが、男女の格差という事ではなく、単に男性の方が手当がもらえる場合が多いということです。
例として、医師の診断・治療に必要な情報を提供するので、当直・緊急時の対応をすることを含む求人が多数あります。
当直をするスタッフには男性の割合が多いです。
夜勤の手当などが基本給に加算されるので男女の収入に差が出るのです。
認可団体
認可団体は厚生労働省です。
受験条件
受験条件は3つあります。
1つ目は、学校教育法の規定で大学に入学できる者であり、文部科学大臣が定めた学校・都道府県知事が定めた診療放射線技師養成所で3年以上診療放射線技師に必要な知識・技能の修得が終わった者。
2つ目は、海外の診療放射線技師に関しての学校・養成所を卒業する。または海外で規定による免許に当たる免許を所持している者であり、厚生労働大臣が1つ目に挙げた者と同じくらいの学力・技能を持っていると認められた者。
3つ目は、昭和59年の10月1日に診療エックス技師もしくは診療エックス線技師試験を受けられる者であり、文部大臣が定めた学校または厚生大臣が指名した診療放射線技師に必要な知識・技能の習得が終わった者。
合格率
合格率は約80パーセントです。
1年当たりの試験実施回数
試験は1年に1度、2月に行われます。
試験科目
基礎医学大要 | 医療安全管理学・疾病の成り立ち・人体の構造や機能 |
放射線生物学 | 放射線治療・生物学的効果・人体への影響・放射線の細胞に対する作用 |
放射線物理学 | 核磁気共鳴・超音波・物質の相互作用・放射線の発生・原子と原子核・放射線の基礎 |
放射化学 | 放射線核種の化学的利用・放射性標化合物・放射化学分離と純度検定・放射線核種の製造・元素 |
医用工学 | 診療画像機器の基礎・電気電子工学 |
診療画像機器学 | 診療画像機器 |
エックス線撮影技術学 | 画像解剖・エックス線撮影技術・診療放射線技師の役割と義務 |
診療画像検査学 | 画像解剖・診療画像検査 |
画像工学 | 画像評価 |
医用画像情報額 | 医用画像 |
放射線計測学 | 放射線計測技術・放射線計測装置・放射線量計測の基礎理論 |
核医学検査技術学 | 臨床核医学検査・データ解析・核医学・核医学検査技術・核医学測定装置・放射線医薬品 |
放射線治療技術学 | 放射線治療・照射術式・吸収線量の評価・放射線治療機器・がん治療総論 |
放射線安全管理学 | 救急医療・医療における健康被害・医療におけるリスクマネジメント・放射線管理帆方法、事故対応・放射線取扱施設管理・関連法規 |
採点方式と合格基準
採点方式は明らかになっていません。
合格基準は総合得点が198点中119点以上、かつ0点の科目が1科目以下です。
取得に必要な勉強などの費用
診療放射線技師になるには、養成機関に通わなくてはなりません。
それぞれ大学と専門学校がありますが、学費が異なります。
大学は4年、専門学校は3年ですが、学費は私立大学が一番高く、次に専門学校、一番低いのが国公立大学です。
- 学費が一番安いのは国公立大学で、国立大学の学費は共通で入学金は約28万円・学費が約53万円なので4年間で約250万円かかります。
- 公立大学は県外の出身者は学費が少し違うこともありますが、国立大学とほぼ同じです。
- 専門学校の学費が入学金が約20万円から40万円・学費が約110万円から約120万円で、3年間通うと約350万円から約400万円くらいかかります。
- 私立大学の学費は入学金・学費の合計で、約550万円から約650万円ほど必要となります。
受験料
受験料は11,400円です。
受験申込方法
いくつかの書類が必要です。
受験願書
1つ目は受験願書です。
診療放射線技師法の施行規則の第3号書式によって作ります。
受験願書に書く名前は、戸籍に書いてある文字を使います。
写真
2つ目は写真です。
出願する前の6ヶ月以内に撮影した縦6センチ、横4センチの写真を用意します。
写真の裏側に撮影した年月日と名前を書き、厚生労働省または診療放射線技師国家試験の運営本部事務所で交付される受験写真用の台紙に貼って、その台紙に決められたことを書いて提出します。
写真を提出する際は、卒業もしくは在籍している学校または診療放射線技師の養成所、または診療放射線技師の国家試験の運営本部事務所に、写真が受験者本人であるとの確認を受けます。
返信用封筒
3つ目は返信用封筒です。
縦23.5センチ、横12センチで表に郵便番号と宛先を書き、529円の郵便切手を貼って書留の表示をします。
受験に関しての書類の提出先は、診療放射線技師国家試験の運営本部の事務所となります。
まとめ
診療放射線技師の資格は、一度取得できれば国家資格として認められるので職に困ることはないでしょう。
難易度はそこそこ高いですが、医療従事者になりたい方は受けてみてはいかかでしょうか。
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