食品衛生責任者について

食品衛生責任者について

今日は飲食店にお勤めの方や将来飲食店を開こうと思っている方に必要になる食品衛生責任者」についてお話します。

食品衛生責任者は名前のとおり、食品衛生を担う責任者のことで、資格の性質上、飲食店や食品工場などには配置する義務があります。

少なくとも誰か1人はこの資格を保有しておかないと、開業ができません。
そのような飲食店に必要な資格を今回みていきます。

適用する仕事

食品衛生責任者 弁当食品衛生責任者とは、飲食店や販売店などの食品製造施設といった食品に携わる業務を行なっている施設に対して、1店舗につき必ず1人は選任しなければならない役職です。

この資格があれば飲食店を開くことも可能です。
飲食店オーナーや店長職に就いている方であれば、ぜひとも持っておきたい資格です。

この資格は店舗ごとに配置が必須になりますので、例えばチェーン店で同じ経営者が複数店舗を持っている状態でも、食品衛生責任者は店舗の数だけ人員が必要なのです。

食品衛生責任者の仕事内容

食品衛生責任者がどのようなことをするのかというと、次の4つが挙げられます。

  • 設備の衛生確認や不衛生箇所への改善
  • スタッフの健康管理(体調不良者は働かせない)
  • 手洗いや清掃のチェック表などの衛生管理表の作成
  • 保管場所や加熱方法のチェックなどの食材の管理

こうした確認をしっかりしておかないと、食中毒が起きてしまうかもしれません。
食中毒が発生してしまうと営業停止にまでなってしまうので、正しい知識を持った有資格者による衛生管理の実行やチェックが必要なのです。

食品衛生責任者が不在の場合

もし開店の時に、食品衛生責任者の取得が間に合わなかったとしたら、「食品衛生責任者設置誓約書」を提出することで猶予期間が認められます。
しかし、これはあくまで一時的な猶予期間に過ぎません。

誓約書の提出により認められる猶予期間はおおよそ数か月ですので、期限が切れる前にしっかり資格を取らなくてはなりません。

食品衛生責任者が不在だったり、または名義貸しといった他人名義で営業すると「指示・営業停止・営業許可の取消し」といった行政処分がくだされます。

その行政罰として「2年以下の懲役または200万円以下の罰金(食品衛生法)」が科されることもあるので、飲食店には食品衛生責任者をきちんと配置しましょう。

おおよその年収とキャリアパス

食品衛生責任者 中華食品衛生責任者の資格はどちらかというと、店長職や飲食店オーナーが取得することが多いです。
飲食店の店長の平均年収は310万~360万円、飲食店オーナーの平均年収は600万円くらいでしょう。
とはいえ、飲食店オーナーの収入は不安定ですし、業種別によっても異なります。

食品衛生責任者が活躍できる就職先は、さまざまあります。
レストラン喫茶店居酒屋、懐石料理店、ホテル、パティスリー、惣菜製造など食品や料理に関連する場所ならどこでも活躍できます。

食品衛生責任者の資格があると、飲食店を開くことが可能です。
飲食店を持って独立したい人は、この資格は必須でしょう。

また、食品メーカーの就職にも有利に働きます。
飲食店だけでなく、食品加工会社でも重宝される資格ですので、活躍の幅は大きいでしょう。

認可団体

食品衛生責任者 ロゴ食品衛生責任者の資格は、都道府県の食品衛生協会保健所を有する市の食品衛生協会などが運営・管理しています。

受験条件

食品衛生責任者は講習を受けて取得します。
原則として誰でも受講できます。
都道府県や保健所政令市によっては、受講者を制限している場合もあります。
※東京都は高校生を除く17歳以上となっています。

ちなみに、次の方は受講しなくても、食品衛生責任者の有資格として認められます。

  1. 栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者、船舶料理士
  2. 食品衛生管理者もしくは食品衛生監視員となることができる資格を有する者
  3. 他県の養成講習会を修了した者

合格率

食品衛生責任者 掃除食品衛生責任者の資格の合格率は、ほぼ100%です。
基本的に資格取得のために重要なのは「講習会への参加」です。
講習会さえクリアしてしまえば、よほどのことがない限りほぼ確実に合格するでしょう。

1年当たりの試験実施回数

開催日や開催回数は自治体によって異なります。
比較的開催回数が多い方です。

講習は1日のみで、だいたい10時に始まって17時に終わる日程です。

試験科目

こちらは講習科目です。

公衆衛生学(1時間)

こちらの内容は伝染病や疫病予防、労働衛生や環境衛生などの事柄を学びます。
労働者(従業員)側の衛生管理がポイントです。

多くの人が利用する飲食店ですから、食中毒などの衛生上のトラブルを起こさないために大切なことを学ぶのが「公衆衛生学」です。
ですが、講習の時間は比較的短めです。

衛生法規(2時間)

衛生法規では、お店を衛生的に保つための基本的なポイントを学びます。
食品衛生法や施設基準、規格基準や公衆衛生法規、管理運営基準といったことです。

飲食店を経営するうえで、食中毒を出すと業務停止命令を言い渡されてしまいますので、衛生の基礎知識を学んでおくことが非常に重要です。
この科目を学ぶことで、お店のチェックなどのルールを決めることができます。

食品衛生学(3時間)

もっとも時間をかけるのがこちらの科目です。
食品の取り扱いや施設の衛生管理、自主管理、食品事故などについて学びます。
飲食店を運営していくうえで、こちらも大切な内容です。

採点方式と合格基準

食品衛生責任者 盛り付け講習の終わりに修了試験が設けられています。
ですが、基本的に講習会で聞いたとおりの内容が選択式で出題される試験です。

3択問題が5問程度の内容です。
テキストを開いて講義をよく聞いてメモを取っていれば答えられる範囲の試験です。

全問正解者も50%いるほど難易度は低めです。
仮に修了試験が不正解だったとしても資格は与えられるため、試験の出来は資格の付与にまったく関係ありません。

取得に必要な勉強などの費用

食品衛生責任者の取得方法は1日だけの講習会なので、手間も時間もかかりません。
よって、受講料以外の勉強の費用はかからないと思われます。

受講料は次の項目でお伝えします。

受験料

都道府県や地域によって金額は若干異なりますが、おおよそ1万円で受けられます。(東京都の場合は12,000円)
テキスト代や消費税が含まれて、この金額です。

受験申込方法

講習へ申し込む方法は地域によって異なりますが、多くの場合は郵送か窓口へ申し込む方法をとっています。
それぞれの地域の食品衛生協会に確認してみてください。

食品衛生責任者 厨房

まとめ

今回は飲食の営業を行う際に配置が義務付けられている「食品衛生責任者」という資格についてみてきました。
この資格は公的資格ですが、飲食店を開くにあたって必ず配置しなければならない立場の資格です。

仕事内容は主に衛生管理の実行やチェックです。
1店舗に最低1人は配置しなければならない資格ですので、店長職やオーナーの人が取得するのが多いです。
また、食品メーカーでも重宝しますので、そういった業界で働きたい人にもぜひ取得してほしい資格です。

取得するのに難易度は低く、1日だけの講習だけで済みます。
修了試験もありますが、たとえ出来が悪くても資格は与えられます。

飲食の道へ進まれる方は、空いている時間を使って「食品衛生責任者」の資格を取ってみてください。
この資格がないまま、飲食店を開くと最悪の場合、行政罰を受けることになるかもしれませんのできちんと準備しましょう。

 

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