中古自動車査定士について

中古自動車査定士について

今回は中古自動車査定士という資格についてです。
中古車販売や中古車買い取りの仕事をする会社に、この資格を持つ人が必要です。

適用する仕事

車を売りに来た老夫婦

中古自動車査定士には、小型車査定士と大型車査定士の2種類があります。

小型車査定士は、乗用車や商用車、または最大積載量4トン未満の貨物車の査定を行います。
大型車査定士は、大型貨物車やバスなどの査定を行います。

仕事は、自動車を扱うディーラーや、中古車販売や買取店、レンタル・リース店などで中古車の買い取り及び下取りの価格を判断するのが、中古自動車査定士の仕事です。
買い取りとは、お店が車を買い取ってお金を払うことです。
下取りとは、車などの商品を買うときの購入資金に使わなくなる車を充てることです。
下取りの場合、下取りに出す車の評価額の分だけ新しく買う車の代金が差し引かれます。

査定には、車両やそのグレード、装備品、車体の傷であったり、使用年数や走行距離など自動車の状態を正確に把握することが、中古自動車査定士に求められます。

おおよその年収とキャリアパス

査定の仕事では、年収400万円ほどが平均です。
会社の役職に就いたり、仕入れの決定をする立場になると年収は上がります。
キャリアを積んで店長などになると、収入は上がります。
そうすると600万円前後になることが多いようです。

認可団体

日本自動車査定協会

中古自動車査定士の資格の認定団体は、日本自動車査定協会です。
こちらは民間検定です。
経済産業省と、国土交通省が後援しています。

受験条件

小型車と大型車で条件が変わります。

小型車査定士

  • 普通運転免許以上の免許所持者
  • 自動車販売・整備の実務経験半年以上
  • 日本自動車査定協会所定の研修を修了した者

大型車査定士

  • 大型第一種運転免許以上の免許所持者
  • 自動車販売・整備の実務経験半年以上
  • 日本自動車査定協会所定の研修を修了した者

試験に合格しても、中古自動車査定士の登録は20歳未満の者はできません。
また、古物営業法に基づく自動車販売店に所属していなければなりません。

20歳以上

合格率

2019年から2021年の合格率は以下の通りです。

小型車

2021年:受験者数12,898人:合格者数10,083人:合格率78.2%
2020年:受験者数9,226人:合格者数6,639人:合格率72.0%
2019年:受験者数11,623人:合格者数8,660人:合格率74.5%

大型車

2021年:受験者数199人:合格者数185人:合格率93.0%
2020年:受験者数98人:合格者数90人:合格率91.8%
2019年:受験者数148人:合格者数143人:合格率96.6%

1年当たりの試験実施回数

小型車査定士の試験は年に2回実施されています。
開催時期は、その年によって違います。
基本的には前期と後期に分かれていて、前期は6月頃で後期は12月頃に開催されています。

  • 前期の申請期間は4月上旬から4月下旬です。講習は5月に3コース行われる予定になっています。試験実施は6月中旬です。
  • 後期の申請期間は9月中旬から10月上旬です。講習は11月に3コース行われる予定になっています。試験実施は12月中旬です。

大型車査定士の試験は年に1回のみです。小型車査定士の前期と同時に行われます。6月中旬です。

試験会場は、全国で52ヶ所あります。

札幌、旭川、函館、帯広、北見、釧路、青森、岩手、宮城、福島、秋田、山形、新潟、長野、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、富山、石川、福井、岐阜、静岡、愛知、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知、福岡、佐賀、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄

試験科目

試験には、学科と実技があります。

学科

  • 中古自動車査定制度
  • 中古自動車査定基準、同細則及び加減点基準
  • 自動車の構造、その他自動車に関する法規
  • 保安基準、その他自動車に関する事項
  • 自動車の機能、構造等自動車工学の基礎知識
  • その他査定に関する事項

実技

実技試験とありますが、試験方法はペーパーテストです。
乗用車と貨物車に分かれています。
文章と略図を使い車両の部位と状態を示し、カーチェックシートを使って個別査定します。

採点方式と合格基準

試験の採点方式は、明らかになっていません。
合格基準は、100点満点中70点以上が合格と表記しているところもありますが、はっきりとはわかっていません。

数字の70

取得に必要な勉強などの費用

この資格を取得するには、検定講習の受講をしなければなりません。
使う教材は次の通りです。

  1. 中古自動車査定基準[Ⅰ]
  2. 査定の実務
  3. 自動車構造知識
  4. 練習問題
  5. インデックス
  6. 問題集

検定講習と教材の費用は、受験料に含まれています。受験料の項目をご覧ください。

受験料

この資格の受験料は、次の通りです。それぞれ税込みです。
自動車整備士の資格がある場合は、受験料が少しだけ少なくなります。

通常

小型車査定士:受験料17,280円
大型車査定士:受験料18,090円
小型・大型両方受検:受験料32,454円

自動車整備士の資格を持っている場合

小型車査定士:受験料16,470円
大型車査定士:受験料17,280円
小型・大型両方受検:受験料31,644円

受験申込方法

お申込み

受験をするには以下の書類が必要です。

  1. 技能検定申請書
  2. 写真2枚(縦40mm×横30mm)ここでいう写真は、カラー光沢仕上げであるか、スーパーファイン紙(デジタルカメラ出力用)でなければなりません。
  3. 「運転免許証」の掲示または写し
  4. 事業主であったことを示すことが出来る経歴証明書。自動車の販売か整備の経験を証するものです。支所に用紙があります。
  5. 整備士有資格者は、「合格証書」か「技能者手帳」を掲示するか写しが必要です。
  6. 小型車あるいは大型車の査定士である受験者は、「合格証書」か「査定士証」を掲示するか、写しが必要です。

そして、研修受講料や教材費、受験料などを申請書の提出時にお支払いください。
受付のときや後日支所から、研修会の日時や場所などが連絡されます。

ちなみに、小型車査定士と大型車査定士はともに有効期間が3年間です。
中古自動車査定士証の更新をするには、毎年7月から8月に開催されている「技能向上研修会」を受講する必要があります。
研修費用は3,456円(税込)です。
また、更新するには中古車買取店などの査定業務を行う店舗に所属している必要があります。

まとめ

乗用車や商用車、最大積載量4トン未満の貨物車の査定をするのは小型車査定士です。
大型貨物車やバスなどの査定は大型車査定士です。

中古自動車査定士の資格を取るには、車の免許や自動車販売・整備の半年以上の実務経験が必要です。
日本自動車査定協会所定の研修を修了する必要もあります。
小型車査定士なら普通運転免許以上の、大型車査定士なら大型第一種運転免許以上の免許も所持していなければなりません。

お店が使わなくなった車を買い取るときや、下取りするときなどに中古自動車査定士が車を評価します。
評価、査定をするときには、車両だけでなく、装備品や車体の傷、使用年数や走行距離などを正確に把握します。

中古自動車査定士の合格率は、小型車は70%台で、大型車は90%を超えるくらいになっています。
小型車査定士の試験は年に2回、大型車査定士の試験は年に1回実施されています。

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