鮮魚士とは、鮮魚部門の業務に携わるのに鮮魚部門担当者を育成するための資格です。
鮮魚管理や販売、接客、加工などの知識や技術を向上させます。
主にスーパーマーケットや小売店などでの鮮魚部門の担当者が、業務上必要とされる知識が勉強できます。
この資格は、以前では3級~1級までのレベル分けがありましたが、今は「鮮魚取扱者実務通信講座」を受ければ取得できるそうです。
鮮魚売り場の販売や知識は独特な感じに見えますよね。
スーパーマーケットや小売店で働く方々にとって、実際の職務に直結することが学べるのではないでしょうか。
今回は鮮魚士の取得の仕方をみていきます。
Contents
適用する仕事
「鮮魚取扱者実務通信講座」を受けて適用する仕事は、スーパーや百貨店、生協などの鮮魚販売担当者の方です。
こうした売り場の担当者はこのような仕事をしています。
商品の手配
まず、食材を手配することから始めます。
鮮魚は自然の状況に最も左右されやすい商品といえます。
季節によって獲れる魚が異なるうえに、不漁・豊漁もその年によって違います。
それゆえ、価格や品質の変動が激しいので、安くて良い品を見つけるには目利きの能力が必要です。
商品手配は、ただ発注すれば良いわけではなく、自身で市場や漁港に出向いて商品を見極める努力も必要になるでしょう。
商品加工
包丁技術を駆使して、魚を買いやすく、食べやすい形に加工する、鮮魚売り場のメインの仕事です。
魚の加工は、原体からさばいて三枚おろしにする作業、頭とハラワタを取る作業(ドレス加工)、刺身にするためのサク取りなどを行う切り身への加工があります。
他にも、サクから刺身を切り出して盛り付ける刺身への加工や寿司やフライ、煮付けなどを作る鮮魚惣菜への加工もあります。
それぞれ技術に応じて分担して行います。
鮮魚部門では、個人の加工技術が最も商品の品質に影響します。
ですので、1日も早く加工技術を身に付け、それを磨くことが求められます。
陳列や販売
商品ができ上がってきたら、商品を売り場に陳列して販売を行います。
このとき値付けも同時に行うでしょう。
最近の値付けは機械化により、商品の情報を登録すればパックをして値札シールを貼ってくれる自動値付け機が備えられています。
陳列は一見簡単そうに見えますが、鮮魚の商品は商品そのものが非常に傷みやすいのが特徴です。
特に鮮魚の場合は、多くのお客様に「安全」と認識した状態で購入されます。
商品によっては2段重ねまでしか積んではいけない、積み重ね陳列自体してはいけないなど、陳列のルールがあります。
他にも、当然のことながら、商品をお客様が買うということは陳列は虫食い状態になります。
ですので、その度に補充や前出し行為の作業も必要になります。
そして、陳列はそのコーナーの看板ともなります。
つまり、お客様に質問されることが多いということです。
質問されれば接客力も必要ですので、陳列作業も簡単ではないのです。
おおよその年収とキャリアパス
鮮魚販売はその店によって年収が変わってきます。
未経験でも月給30万円ももらえて、入社3年目で460万円の年収にもなった会社(求人)もありますし、経験者の場合ですと、500万~600万円くらいになる可能性もあります。
ちなみに、時給だと920円~1,000円の求人が多いです。
鮮魚販売でのキャリアパスですが、ある小売業を例にとって説明します。
その企業では、部門に長く勤めていけば、まず部門マネジャーに就くことができます。
部門マネジャーで各部門の責任者として、日々の販売計画、利益管理、人員管理教育などを担当します。
そして、もっと上の立場として、副店長やカスタマーサービス統括マネジャーになることもできます。
これは店舗内の仕事全般において店長を補佐する役目です。
そして、店舗の経営者といわれる店長に昇格する人もいます。
正社員ではだんだんと昇格していくと、役職手当が加算されるので収入がアップしていきます。
認可団体
鮮魚士は厚生労働省に認定された専門の資格です。
講座は「日本調理師協会」が請け負っています。
受験条件
鮮魚取扱者実務通信講座になってからは、細かい受講条件は無いようです。
ただし、この講座は以下のような人がおすすめだと書かれています。
- スーパーや生協、百貨店などの鮮魚販売担当者の方
- レストランやホテルなどの鮮魚調理師
- 鮮魚売り場担当者で基礎知識の向上を目指す方
- 調理師や食品衛生業務の担当者の方
- 生鮮食品に関心のある方
合格率
不明
1年当たりの試験実施回数
不明
受講期間は6ヶ月で、添削回数は6回です。
試験科目
学ぶ科目は9つあります。
1.鮮魚の販売加工にたずさわる基本心得
・鮮魚販売担当者の基本心得10ヶ条
・加工調理者の基本心得7ヶ条
・売場のクリーンネスの心得
・健康であること
・一日の作業のながれと要点
2.まず知っておくべき鮮魚の知識
・主な鮮魚の分類と特徴
・鮮魚類の保存方法と鮮度の見分け方
・食品添加物の基礎知識
3.鮮魚の販売・加工にたずさわる方の業務知識
・加工業務の基礎知識
・販売業務の基礎知識
4.水産物流経路の基礎知識
・水産物流通の特性
・流通経路の形態
・流通経路の機能と働き
5.食品衛生の基礎知識
・食品衛生の意義法規
・鮮魚売場の衛生管理
・食中毒の種類と症状
・衛生微生物
6.鮮度管理の知識と実際
・鮮度管理の基礎知識
・鮮度管理の実務
・温度や湿度管理の実務
7.価格と利益の基礎知識
・計数管理の必要性
・ロスの知識と防止策
・歩どまり管理
・総合的利益管理
8.こんなときどうするか職場での判断と行動
・売場での問題
・加工や調理の問題
・普通の問題
・見切り基準
9.鮮魚取扱者としてプロの道を歩むために
・期待される鮮魚取扱者の役割
・今後の修得されるべき知識と実践力
採点方式と合格基準
受講の流れをお伝えします。
受講を始めましたら、1科目1ヶ月を基準に学習を進めます。
そして、テキストによる学習が終わったら、添削問題を解いて、指定の締め切り日までに日本調理師協会へ提出します。
提出された答案は専任講師が添削指導し、講評をつけて個人宛に送付されます。
全単元のレポートを提出すると修了し、修了証や優秀修了証が授与されます。
取得に必要な勉強などの費用
この資格は講座を受ければ取得できる仕組みです。
受講料は次の項目でお伝えします。
受験料
鮮魚取扱者実務通信講座の受講料は、28,000円です。
受験申込方法
日本調理師協会の公式サイトをご覧いただくと、通信教育の欄に「通信教育お申込みフォームはこちら」というボタンが設定してあります。
そこから申し込んでください。
受講料は、みずほ銀行高田馬場支店にお振込みしてください。
まとめ
今回は小売店の鮮魚売り場で働くための鮮魚士(実際は「鮮魚取扱者実務通信講座」)を取り上げました。
この講座はスーパーマーケットや百貨店のみならず、生協やレストラン、ホテルでの鮮魚担当の方でも受講できます。
講座を学べば、実際の仕事のノウハウもわかりやすくなると思います。
最近では、消費者の魚離れが進んでいるため、どのように調理していいか分からないという方もいます。
そうした魚に困っている方でも、用途に応じた加工や料理方法の提案などもしていくのが魚を販売する人の役目ですね。
鮮魚の売り場は冬はとても寒く、体が生臭くなったり、魚のゴミも大変重かったりとデメリットもあります。
しかし、魚はタンパク質やDHA、タウリン、カルシウム、EPA(血管の掃除をしてくれる)といった優れた栄養素を持っています。
そうした栄養素抜群の魚を買ってもらうために、各店舗とも工夫をこらしていると思います。
ぜひ、鮮魚売り場に携わっている人は、「鮮魚取扱者実務通信講座」を受けて自身の仕事に役立ててみてくださいね。
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