電卓技能検定について

電卓技能検定について

皆さん、日頃電卓は使っていますか。
電卓はコンパクトで持ち運びも軽く、使い方も比較的簡単な道具です。
これを使うことにより、計算の負担を軽減させることができます。

今回はそんな便利な電卓の検定をご紹介します。
珠算(そろばん)検定の電卓版と思って良いかもしれません。
興味のある方はどうぞご覧ください。

適用する仕事

電卓技能検定を取得して適用する仕事は、税理士や公認会計士銀行などの金融機関民間企業の経理などです。
主に会計関連の業務にて活躍するでしょう。

例えば、統計調査を行うときに電卓の使い方が速いと、かなり効率が変わってきます。
それにもし、税理士試験や公認会計士試験、簿記試験などに挑戦するなら、電卓を使う問題もありますから慣れておいた方が合格への近道です。

それら以外の仕事においても、電卓技能検定を取得する過程で集中力や精神力が養われますので、たとえ直接仕事に関係なくても職種を問わず力になるでしょう。
電卓を使っていると、手を素早く動かせるようになるし、頭の回転も速くなりますからね。

また、プライベートにおいても、自宅で家計簿をつける場面などで電卓のスキルが役立つでしょう。

白い電卓とノート、それに並べられているお札と硬貨電卓はスマートフォンやタブレットにも搭載されている機能です。
ですので、令和の時代にとっても、電卓関係の資格を持っているということは実用的なスキルでしょう。

おおよその年収とキャリアパス

残念ながら、電卓技能検定だけでは直接就職に結びつけるのは難しいでしょう。
この資格だけでの平均年収のデータはありません。

基本的には、この検定の能力は企業の経理部門などで活用できることが考えられます。
こういった部門では、合理的な計算処理ができることを認定しているからです。
ちなみに、電卓技能検定を就職の条件として評価している、ある企業に入社した場合、そこでの平均年収は430万円程度と報告されています。

電卓技能検定は履歴書にも書ける資格ですが、記載する際は3級以上が目安です。
このくらいの級ですと、アピール材料にはなります。

ただ、この資格だけの取得では、独立は難しいでしょう。

認可団体

一般財団法人 日本電卓技能検定協会のロゴマーク「一般財団法人 日本電卓技能検定協会」というところが認可団体です。
1977年8月に協会を設立し、第1回目の電卓技能検定を1982年7月に実施しました。
これが世界で初めての電卓の検定試験だったようです。
そして、2010年4月に「一般財団法人日本電卓技能検定協会」に名称を変更しました。

所在地、連絡先

〒101-0064
東京都千代田区神田猿楽町2-1-8 三恵ビル3階

電話:03-3295-2291
FAX:03-3295-2290
(受付時間は平日9時30分~17時30分)

事業内容

  1. 電卓技能検定試験の実施
  2. 電卓の使用方法についての指導、教育、普及啓蒙
  3. 電卓技能検定用教材や問題集などの出版

など

受験条件

学歴・年齢・国籍に制限はありません。

合格率

段位(初段):30%
1級:55%
2級:50%
3級:45%
4級:70%
5級:90%
6級:75%
7級:55%

1年当たりの試験実施回数

実施回数は2月、5月、7月、9月、11月の年5回です。
試験会場は東京、名古屋、大阪など全国各地に設けられています。
会場によって申込受付期間や試験日程が異なりますので、注意してください。

試験科目

使用するのは速算用12桁の電卓です。
各級によって、種目や内容が分かれています。

級や段位 試験内容
5・6・7級 乗算の部50問、除算の部50問、見取算の部30問
3・4級 乗算の部50問、除算の部50問、見取算の部30問、伝票算の部30問
1・2級 乗算の部50問、除算の部50問、見取算の部30問、伝票算の部30問
段位 乗算の部100問、除算の部100問、見取算の部60問、伝票算の部60問

※詳細は公式サイトに掲載されていますので、ご覧ください。

採点方式と合格基準

配点と合格基準をお伝えします。

まず、配点は以下のとおりです。

配点
  • 乗算の部と除算の部:一般計算・小計・合計・構成比率 各1問5点
  • 見取算の部と伝票算の部:一般計算は1問25点。小計・合計・構成比率は各1問5点

合格基準は受験級によって、分けられています。

7級~1級の合格基準

1・2級 1級:1,000
2級:800
3・4級 3級:1,000
4級:800
5・6・7級 5級:600
6級:500
7級:400

段位の合格基準

段位は細かく分けられていて、それぞれ呼び名もついています。

電卓士

範士 十段:2,120
九段:2,000
教士 八段:1,870
七段:1,750
正速士 六段:1,620
五段:1,500
速士 四段:1,370
参段:1,250
正士 弐段:1,120
初段:1,000

名人

名人にも2つの呼び名があります。

満点名人位:2,400
名人位:2,270

※これら以外の種目別最低基準点というものもございます。
そちらも、公式サイトに掲載されていますのでご覧ください。

取得に必要な勉強などの費用

電卓技能検定の勉強は独学が一般的です。
しかし、電卓操作に慣れることが一番大事ですので、毎日電卓を打ち続けましょう。

電卓技能検定のテキストは販売しているものの、おそらく必要ないでしょう。
テキストよりも電卓操作で手を動かす方が大切だからです。
その一方で、問題集は必要になりますので、問題集のみの商品をご紹介します。
認定団体のサイトで販売されています。

電卓技能検定試験 問題集 3・4級

電卓技能検定試験 問題集 3・4級
created by Rinker

出版社名:大原出版
商品名:電卓技能検定試験 問題集 3・4級
価格:¥620

18回分掲載されています。
他の級や段位のシリーズもあります。

電卓技能検定試験 伝票算問題 3・4級

電卓技能検定試験 伝票算問題 3・4級
created by Rinker

出版社名:大原出版
商品名:電卓技能検定試験 伝票算問題 3・4級
価格:¥410

10回分掲載されています。
こちらも他の級や段位のシリーズもあります。

受験料

緑の背景に出された千円札2枚5・6・7級:850円(認定団体のみ)
3・4級:1,600円
1・2級:2,100円
段位:2,600円(名人・範士・教士・正速士・速士・正士)

受験料はゆうちょ銀行に振り込みます。

受験申込方法

申込方法には、複数のやり方があります。

個人申込の場合

協会が受付の場合

4ヶ所の協会申込会場については、次に示す方法で申し込んでください。

申し込むには、事前に資料請求します。
そうしたら申込書が郵送されます。
検定の申込はインターネットからではできません。

※4ヶ所の会場については、公式サイトに掲載してあります。

各試験会場が受付の場合

試験会場によって申込日時や申込方法が異なる場合がありますので、「試験会場一覧」を確認し、必ず試験日の2ヶ月前に各会場にお問合わせください。

なお、個人申込では5・6・7級の受験はできません。

団体申込の場合

認定団体登録をしている団体は、所定の用紙にて申込をします。
受付期間内に、級別申込明細書をFAX・メール・郵送にて送ります。
そうしたら、1週間~10日前までに検定用材が届きます。

郵送するときは

そして、申込書を記入して、下記の3点を協会(認可団体の欄)まで郵送しましょう。

  1. 受験料の受領証またはご利用明細表(コピー可)
  2. 申込書(受験票)
  3. 希望会場記入用紙

まとめ

お仕事で電卓を使っているグレースーツの女性今回はどこの家庭や事務所の机の上にある、電卓の検定について取り上げました。
パソコンスマートフォンが進歩しても、電卓は現在でも主要な計算ツールとして生き残っています。

この検定だけで収入が増えるわけではありませんが、税理士や公認会計士、銀行などの金融機関、民間企業の経理などに就いている人は、仕事に役立つでしょう。
また、家庭においても家計簿をつけるときに力を発揮できます。

こちらの検定では、集中力や精神力を鍛錬することができるともいわれています。
仕事が目的ではなくても、自己研磨のために挑んでみませんか。
培われた集中力や精神力は、他のお仕事や日常生活にも良い効果をもたらしますよ!

 

関連する記事はこちら
珠算検定(全国珠算教育連盟)について

暗算検定試験について

建設業経理検定(建設業経理士/建設業経理事務士)について