現代のオフィスの現場では、紙を媒体とする情報だけでなく、膨大な電子情報も存在します。
電子情報というのは、イメージファイルやHTMLで記述されたWeb情報、PDFなどです。
そのような多様な形態の電子情報のライフサイクル管理をする能力を測るのが、今回取り上げる「電子ファイリング検定」の目的です。
すべての企業の方に有効ですが、やはりオフィス業務にかかわる方にこの資格はおすすめです。
情報化技術が発達している今、需要がある検定ではないでしょうか。
どうぞ、ご覧ください。
Contents
適用する仕事
端的に言えば、すべてのオフィスワーカーに適用できます。
その理由はオフィスでは業務の流れに沿って、毎日さまざまな情報が発生しているからです。
電子情報やファイリングシステムの知識や技術は、業務や業態に限らず、あらゆるオフィスに適用できます。
具体的には、企業はもちろん、官公庁や自治体、病院や学校などで働く人にもあてはまります。
現代では、ネット社会が定着しているので、情報が紙ベースから無形の電子書式へと変わっていっています。
こうしたなかで、いかに情報を上手に取り扱って、業務を円滑に遂行したり、経営の質を向上したりといった課題が出てくるでしょう。
ファイリングを管理するには安全で効率が良いのが一番ですから、そのための専門家の育成を図るのがこの「電子ファイリング検定」の目的なのです。
冒頭と重複しますが、この検定は業種や業態に関わらず、キャリアアップを目指す人におすすめです。
今はまだこの検定の知名度は低いですが、いずれはどこの一般企業でも電子ファイリングのスキルの有無が問われることになるでしょう。
そうした未来を見据えて、何かスキルを身に付けたいと思っている方に良い検定です。
おおよその年収とキャリアパス
決まった業種や職種ではなく、ITを利用する職場であればどんな企業にもアプローチできます。
代表的なのが事務職です。
2022年の事務職の平均年収は332万円でした。
男性が391万円、女性が317万円のようです。
他にも、情報系の企業、企業の人事や総務、秘書部門、図書館などが就職先として考えられます。
組織内でトータル・ファイリングシステムの実務能力があれば、評価は高いです。
しかし「電子ファイリング検定」の資格だけで就職が有利になることは少ないでしょう。
就職時ではなく、スキルアップしたいときに、事務スキルに専門性をつけたい目的で「電子ファイリング検定」を取得する方が良い道筋といえるでしょう。
もし電子ファイリング検定の資格取得を奨励する企業であれば、資格を所持すれば何らかの手当がもらえるかもしれません。
さらに、そこに簿記資格なども取得していると、さらに仕事面で有利に働くでしょう。
認可団体
電子ファイリング検定の資格を運営・管理している団体は、「一般社団法人 日本経営協会」というところです。
こちらの協会は1949年に「日本事務能率協会」として、創立されました。
そして、同年に通商産業省(現・経済産業省)から旧公益法人法に基づいて、社団法人の認可を受けました。
現在の協会名は1971年にて、改称したそうです。
そして、2011年4月に一般社団法人へと移行しました。
受験条件
受験条件は一切なく、国籍、年齢、性別などに関係なく誰でも受験可能です。
合格率
試験はA級とB級の2つがあります。
合格率はA級で25%、B級で55%らしいです。
特にA級については、やや難易度が高いです。
その理由はコンピュータの専門知識についての出題が多く、実務経験者向きな内容だからです。
それに比べてB級は易しいそうです。
1年当たりの試験実施回数
試験は毎年2回実施されています。
試験はCBT方式をとっていますので、試験期間の約1ヶ月間の中でご都合の良い日時で受験が可能です。
全国のテストセンター(約270会場)で受験できます。
試験科目
試験にはA級とB級があります。
それぞれ試験範囲をお伝えします。
B級
- トータル・ファイリングシステムの概念
- オフィス文書管理の基礎知識
- イメージファイル・拡張子・記述言語(SGML、HTML、XML)等電子化文書に関する実務知識
- インターネットとグループウエアに関する基礎知識
- 電子化文書の国際標準に関する基礎知識
- 文書の電子保存関連法規の基礎知識
- セキュリティと認証に関する基礎知識
- 日本語コードとブラウザに関する基礎知識
A級
- トータル・ファイリングシステムの概念
- イメージファイル・拡張子・記述言語(SGML、HTML、XML)等電子化文書に関する応用知識
- インターネット技術に関する基礎知識
- 電子政府・電子商取引の動向
- 国際標準化動向
- 電子公文書作成に関する実務知識
- IT関連法規全般
- 文書の電子保存関連法規
- ネットワークセキュリティの実務知識
- 暗号化と公開鍵認証基盤に関する実務知識
など
採点方式と合格基準
B級は50問の多肢選択式で出題されます。試験時間は60分です。
A級は多肢選択式50問+記述式の出題で、文字入力があります。試験時間は90分です。
なお、試験には電卓の持ち込みはできません。
合格基準はA級・B級ともに、70%の正答率です。
取得に必要な勉強などの費用
協会から公式テキストが販売されています。
過去問はありませんからご注意ください。
電子ファイリング検定 B級 指定テキスト
発行元:一般社団法人 日本経営協会
商品名:電子ファイリング検定 B級 指定テキスト
価格:¥2,343(税込)
基礎的な要素が網羅されていて、一般的な企業に勤める社会人なら大部分は理解できるレベル
電子ファイリング検定 A級 指定テキスト
発行元:一般社団法人 日本経営協会
商品名:電子ファイリング検定 A級 指定テキスト
価格:¥2,343(税込)
経営と情報管理、トータル・ファイリングシステムについての専門性が問われるレベル
受験料
A級:8,800円(10%消費税込)
B級:6,600円(10%消費税込)
お支払い方法はクレジットカード、コンビニエンスストア、Pay-easy、受験チケット事前購入の4通りです。
コンビニエンスストアやPay-easyの場合は、支払期限を過ぎると自動キャンセルされます。
受験チケットの詳細は、日本経営協会(電話:03-3403-1472)までお問い合わせください。
受験申込方法
申込はインターネットで受け付けています。
1.受験者登録
初めてCBT-Solutionsで受験される方は、ユーザIDとパスワードの取得が必要になります。
ガラケーからの申込はできません。スマートフォンからの申込はできます。
「受験者専用サイト」→「受験の流れ」のページにアクセスしていただき、新規登録のボタンから登録しましょう。
2.受験予約
CBT-Solutionsの受験規約を必ず確認し、受験予約ボタンを押して申し込みます。
ログインしたら「CBT申込」より、申込内容を入力および支払い方法の選択をしていきます。
3.受験予約の完了
受験料の支払い方法まで確定すると受験予約は完了です。
予約完了のお知らせが登録されたEメールアドレスに送られますので、内容を必ず確認しておきましょう。
まとめ
今回は現代のオフィスで取り扱われる情報を紙ではなく、電子情報での総合的な管理能力を認定する「電子ファイリング検定」という資格をお伝えしました。
現代のオフィスで使われる情報技術全般をカバーしている検定内容となっています。
この検定は事務作業で役立ちますが、業態や業種に関わらず、いろいろな企業で重宝されます。
ITを利用する職場なら、電子としての情報を扱うこの検定に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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